本日も愛知県よりエンジン製作のご依頼で1月の製作したGPに続いてこのエンジンで三機目です
エンジン単品で持ち込んで下さったので早速エンジンを分解します!!
エンジンは二機送って下さり腰上の分解歴のないこのエンジンをベースにすることにしました
1mmオーバーサイズピストンも持ち込んで下さいました
早速エンジンを分解します!!
ヘッドを取り外すと!
ピストンが錆び付いています
今までに経験上この程度の錆び付きだと軽傷です
FXなどで何十年も放置されたエンジンだとドリルでピストンを潰して叩き割って抜き取る必要があります
しかし分解していくとラッキーパーツが入っていました
後期にスターターが入っていました!!
内部のニードルベアリングとスペーサーワッシャー二枚が入っていませんでしたがこれだけあるだけでもラッキーです
しかし!
ロアケースを分解すると!
一本折れ込み!
二本目折れました!!
メタルは回し過ぎにより全てのメタルが傷だらけです
雑に扱われていたエンジンみたいです
日本のボルトをドリルで穴を空け抜き取りました
エンジンをマスキングしサンドブラスト加工します!!
エンジンの色は半艶の黒塗装です
この色が一番人気で綺麗で落ち着いた色です
黒は飽きないです
クランクメタルとコンロッドメタルを交換しクリアランス測定をしました
ミッションも分解・洗浄し組み込みます
消耗品のチェーンやオイルシールを交換しロアケースを組みます
このニードルベアリングが入っていなかったので組み込みます!
あとスペーサー二枚も装着します!
強化スターターとオイルポンプを組み込みます
エンジンをひっくり返し!
クラッチを組みます
ターボのクラッチを移植したので安心して乗る事が出来ます
次はシリンダーヘッドに取り掛かります!!
このシリンダーヘッドは後期の物で排ガス規制対応の物になります!
以前ボアアップしたお客様と交換したシリンダーヘッドになります
45度面をシートカットすると元のシートカットの精度が抜群に良い!!
45度面をサッとさらえるだけで十分なので必要ない加工はしません
全箇所45度面の加工だけです!!
とても珍しいですが稀にゼファーでも元々制度の良いエンジンがあります
研磨機で45度面をサッと加工し!
擦り合わせをして圧力検査をしてシリンダーヘッドを組み上げます
フィンの研磨なしの真っ黒仕様です!!
後期のヘッドはフィンが厚くえぐれた形状なので綺麗にフィンを研磨するのは至難の技です!!
後期ヘッドは綺麗に加工する自信がありません
ボーリングしたシリンダーを測定します!!
ダイヤルゲージを装着します
クリアランスを測定します!
4/100mmで仕上がりました
持ち込んで下さったピストンは前期のゼファーなのでクロスハッチは深めの設定です
ピストンリングが分厚く摩擦が大きいので浅く加工するとクロスハッチが直ぐに無くなります
ゼファー750でも前期と後期でライナー内径のクロスハッチを使い分ける必要があります!
因みに5/100mmでも良かったのですが±100mmの誤差は出てくるのと
寒い時期なのでこの時期はホーニングマシンを使うと加工直後は規定値なのですが冷えると1/100から2/100mmの誤差が出やすいので余裕を見て4で合わせました
ここまで精度に拘る必要は無いですが拘らない人が内燃機を触るとロクでもないエンジンになるので当店の規定値で仕上げます
ピストンとシリンダーを組みつけます
シリンダーヘッドを組み込み!
カムシャフトを組みシムの調整をします!!
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です!!
フレームが排ガス規制フレームなのでヘッドも規制後のシリンダーヘッドです!!
車体にエンジンを搭載しエンジン点火!!
快調ですがここまで来るのに手直しが大変でした!!
何故かヒューズが飛ぶので点検するとヒューズBOXが年式違いのゼファーの物が入っていました・・・・
サイドスタンドセンサーを付けると飛ぶのでここが原因と分かるまで4時間・・・・
ちょっとした事で結構時間がかかります
試乗にでかけると問題ないのですがダムへ上がろうとすると不調に。。。
綺麗にフケなくなります!
同じ場所で必ず不調になり始めダム湖まで上がると必ず不調に・・・
ダムの下ではまったく問題が無いと言う気味悪いトラブルが発生!
ストールしたりするので燃料のトラブルかキャブのトラブルなのですがもう一つ他に原因が重い浮かびます!
イグナイターです!
こいつの故障はキャブにとても似ています!
ゼファー750はこいつのトラブルが多い!!
過去にこれが原因と分からずFCRを新品買って新品のキャブがダメなのか?と思い新品TMRに交換してもダメで結局こいつが原因だった痛い思い出があるので気づけました!
これをOHする人もいますが基本ダメです!
私も一度OHに出しましたが悪化して帰ってきました
それと地元のゼファー750のサイドカーのお客様も同じトラブルに見舞われ交換し改善したのでここのトラブルは経験が必要です!
故障の診断が不可能で症状も多様なのでとても難しい場所です
しかも今回は標高で症状が出たので混乱しました!
私の次女号のゼファーのイグナイターに交換するとダム湖の上でも気持ちよく走れました!!
しかし車体も変です・・・・
ハンドルが重くヨーイングします。
真っ直ぐ走らないので走行中にピポッドシャフトと思い左手でナットを触ると!
クルッ!っと回りました!!
増し締めし走行し快調に走る様になりました
エンジン完成ですがこれからウオタニに交換します
このゼファーのお客様より差し入れを頂きました!
ハッピーターンとうどんと!イカのお菓子を頂きました
有難う御座います
それと!
ブログ非公開で政策した四国のお客様より!
文旦のさしれを頂きました
有難う御座います