本日は広島県よりエンジン単品での入庫です!!
入庫したのがこのエンジン!!
エンジンをショップでOHされたらしいのですが不調・・・
アイドリングしているたけでブリザーからオイルが2L程噴き出してきてマフラーからも白煙との事・・・・・
OHに出してこの様な状態になって返ってきたらしいです
長年エンジンを触っていると外観で嫌な予感がします・・・・
何が?と聞かれると分からないのですが組み方を見たりヘッドカバーを開けた瞬間の匂いとか・・・・
早速エンジンを分解します!!
まずはヘッドが割れています!
ここはカムプラグを入れるときに液体ボンドを塗布するのですが塗り過ぎるとゴミがネジ穴に
溜まり純正のボルトを入れるとボンドのカスが逃げ場を失いボルトを締めると割れます!
ここも割れています・・・
エンジンをオーバーホールしたら「割れていたよ」と言われ破片を渡されたらしいです
ヘッドカバーを外すと!
バルブタイミングが一コマズレています!!
ヘッドを外すとピストンがオイルでギトギトです・・・・
4気筒とも完全にオイル上がりしています!
このエンジンはとあるショップで二度組みなおしたらしく
最初はリプロ品のFXのオーバーサイズを組んだらしいのですが不調だったらしくその後
純正のライナーに打ち換え純正のピストンを組んだらしい・・・・
とりあえずリプロ品のオーバーサイズのFXピストンはゴミです
棚落ちのトラブルが多く使えません!!
ゼファー750もFXも私はリプロ品のピストンは経験上使いません!
このエンジンは純正のピストンに変更したらしいのですが中古のピストンを使う場合ライナーを新たに制作し
中古のピストンに合わせてボーリングとホーニングをしてクリアランスを職人技で合わせます!!
このエンジンは中古の純正ライナーに中古ピストンを組んでいます・・・・
なので・・・ライナーのツバがシリンダーの面より高かったり・・・
低かったり・・・・・
ここまで来ると恐怖ですね・・・・・
しかし問題はこれだけではありません!
ライナーの内径が四発とも完全に錆びています!
このザラザラの面をピストンが動いていた事になります・・・・
確認の為測定すると!
9.5/100mm
このクリアランスでこのライナーのザラザラなので圧縮をまともに受け止められる訳がありません。
ヤスリの面をピストンとピストンリングが動いていた事になります!
そしてオマケにオイルリングが割れています・・・・
怖いのが破片がありません・・・・・
金属片の様なクズがオイルパンに沈殿しています・・・・
クランクメタルとコンロッドメタルも当時物で焼けかけています。
フルオーバーホールらしいです。
フルオーバーホールと言っても基準が色々ありますね!
コンロッドメタルも焼けかけです!
これも当時物が入っています!
旧車なので気を利かせて当時物に拘ったと思われます・・・・
割れていたシリンダーヘッドの破片を取ります!!
クランクケースも同様に表面を削ります!!
溶接肉盛りをして形状を整えます!!
クランクケースも溶接肉盛りし!
型を成型します!!
クランクケースを洗浄していると・・・・
ブリザーカバーに違和感・・・・
クラッチカバー側からブリザーガスが抜けるハズの穴が貫通していません・・・
反対側の穴がガムテープで塞がれていて上から塗装されていました
ガムテープの裏にはビニールのゴミが押し込んでありました
ここまで来ると恐怖です・・・・
なぜ意図的にゴミを押し込んだのか・・・・
二か所あるブリザーガスの穴が一か所になり圧力が一か所に集中していたと思いおます。
あのシリンダーなのでブリザーガスが一気にクランクケースに吹き込みガスの逃げ場が通常の半分です。
クランクケースのアッパーとロアを繋ぐノックピンも一本ありませんでした!
ここのピンが無いとクランクメタルもミッションも位置が決まらないので
メタル同士が綺麗に揃わずとても危険です!
そしてオマケに川崎重工の部品に不良品を発見・・・・
ミッションを固定する為のピンなのですがツライチになっていてピンの意味がありません。
このクランクケースはZ400FXの部品で後から購入したクランクケースで金型はFXではなく
GPZ400Fの時代の物で加工はFXと言う代物です!
ピンの穴を深く加工し過ぎたみたいでピンが埋まっています!!
対角のピンなら裏から穴を空けて抜けるのですがここのピンは抜けません!!
こんな時は抜くのではなく裏技があります!!
ピンはステンなので溶接できるので上に溶接で溶接棒を溶かし込みます!
ベルトサンダーで高さを調整し!
カチッ!とハマる様にします!!
これでミッションは安全です!
このピンがツライチになっている物は稀にありそのまま組付けるとミッションの動きがとても渋くなり
スムーズにギアチェン出来ません!!
意外と大切な部分です!
そして意外とメーカーの不良品が多い場所です。
エンジンをブラスト処理します!!
そして半艶の黒に塗装しなおしクランクケースのボーリングをします!!
ボーリングと言っても少しだけの物です!!
クランクケースを洗浄しクランクメタルとコンロッドメタルを交換し組付けます!!
クランクシャフトの曲がりは無くジャーナル部も大丈夫でした!!
メタルはクランクやコンロッドに比べとても柔らかい金属でメタルはあくまでもクランクシャフトを
守る側の部品です!!
ブレーキで言うとパッドでクランクシャフトはローターです!
遺物が入るとメタルが破損する側でクランクシャフトを守ります!
メタルがボロボロになりながらも必死にクランクを守ってくれいていたのでギリギリセーフでした!
完全に破損するとクランクもコンロッドも破損します!
ミッションは当店の在庫に全交換です!!
ブッシュもしっかり固定できます!!
ロアケースを組み!
ステンの綺麗なネジに交換しました!!
ワンウェイクラッチも全交換しました!
ついでにオイルポンプも交換しました・・・・
クラッチハウジングもプライマリーギアと同時に全交換しました!
あれだけ金属粉がエンジン内部を旅行するとかなりの部品に損傷させている可能性があります!
組み込んだ部品は全部過去に当店でボアアップしたお客様の困ったお客様の為の寄付パーツです!!
全て無料で交換になります!!