東京都 ゼファー443cc→ビッグブロック710ccボアアップ

本日は東京都よりゼファーの入庫です!!

大変長らくお待たせしました!

今入庫して下さっているお客様は3年程前に予約を入れた人達なのでかなり長期で待って頂いたお客様になります

入庫したのがこのゼファー!!

黒とシルバーで統一したデザインでぱっと見はシンプルですがかなりのカスタム車

なんと10代の頃からゼファーに乗っていてそのゼファーを当時からずっと所有していたレアパターン!!

このゼファーは思い出とかの次元ではなくこのオーナー様の人生の一部!

昔ゼファーが安価で誰でも先輩やバイク屋から簡単に購入でき手軽に乗り出せて音よしカッコ良しでカスタムパーツも豊富で悪ガキは皆ゼファーだった時代!!

全国には私と同じで「このゼファーが好きだ」と言う人は一定数いるみたい

これは創業時に私に経営のイロハを教えて下さった恩師の人の話しなのですが

その社長はとある事業で莫大な資産を築き上げフェラーリやランボルギーニを次々買っていたのですが(ブルドックのZも8機所有してたかな)人生で一番思い出のある乗り物はZ400FXで10代の時にFXに乗った感動は忘れられない。

「一番好きな乗り物はZ400FXだ」

とはっきり仰ったのですがそれを聞いて私は「この仕事をやろう」と決意しました!

私だけではなくて世の中「ゼファーが好きだ」「FXが好きだ」と、当時市場価格は安くても「このバイクが好きだ」と言う人が居る事に気付きました

なんせ「フェラーリやランボルギーニよりZ400FXが最高の乗り物じゃけぇー」と完全に言い切れる人が居ると言う事はそれ程人を魅了するバイクだと確信し価値と価格の違いに乖離がある事も気づきました!

世の中の人は価格が上がると「価値がある」と勘違いしがちですが株や不動産と同じで価格は安いけど価値はあると見極めるのは至難の業。

また人工的に価格を釣り上げるバブルと自然発生的に価格が上がる物と二種類ありますが旧車は自然発生的に上がるのが特徴。

よくあるのが日本の車のディラーは人工的に価格を釣り上げていますが現金の客には出さずに残価設定ローンを優先させたりの手法は有名です。

人工的なバブルは契約更新時に乗り換えか手放すのでババ抜きです

アメリカの富裕層は旧車を好む傾向がありますが価格が下がりにくい車両を見抜く力や今は市場は評価してないけど今後上がる事を予測できる投資家が富裕層になっているのですがそれは日本も同じ!

昔からゼファーに思い出があり10代の頃からこのゼファーだと過去の記憶にも常にこのゼファーが出てきます。

ガス欠で何時間も押したり故障して困ったり自分で改造し失敗したりと心で記憶しています!

バイク雑誌を読んでカタログスペックやカスタムパーツを記憶しても所詮は頭で記憶した事です。

雑誌を読み込んで記事の内容を頭で記憶している人は心でそこまでバイクが好きじゃないので大切に出来ないんですよね

例えば中学校の数学の方程式なんか頭で記憶しようとするので覚えてませんが中学の好きだった女の子の話しとなると昨日の事の様にしゃべれる

〇〇ちゃんが好きで〇〇の場所でフラれたー!とか

当店に来るお客様の多くが心で記憶したのだろうバイクの事を語れる人が多いのが特徴です

創業時に独立のきっかけを下さった恩師の社長は人から見られて皆が良いなと言う物を持っても人生は幸せになれないと言う事を私に教えてくれました

人から見られて良い物でなく自分が見て良い物が良いものなんだと。

経営でも同じですがお金の稼ぎ方を考える事は多いですが私が教わったのはお金の使い方です。

それ以降無駄なお金の使い方が無いので人から見られるとか言われるとかどうでも良くなり自分が本当に欲しい物にお金を使えるようになるのが大切なんだなと

早速エンジンを降ろしました!

このエンジンのピストンはゼファー550ピストン流用との事!

カムシャフトはGPZカム流用!

今から20年程前はこの様なカスタムは多くあり失敗するお店は多かったです!

エグイのがZ400FXのエンジンに550ピストン流用パターンです!

ゼファー400クランク・コンロッドに550ピストン流用だとボアアップですが圧縮が低くなってしまうのでパワーが出なくなります。

ボアアップしたら速くなると勘違いしていますが圧縮が低くなってしまうと排気量が上がってもパワーは出ません

なのでZ400FXに550ピストンだと計算上は496ccとなり500エンジン!!!になりますが圧縮が劇的に低くなるのでアイドリングすらまともにしません

ゼファー400に550ピストンだと走れなくはないのですがトルクが細くなります

この組み合わせの悪いピストンに拍車をかけたのがGPZカム。。。

圧縮が低くトルクの細いエンジンにハイカムなので余計にトルクが細くなります!

20年程前はこの様なエンジンは物凄く多かったですが最近は見かける事はなくなりまして懐かしい感覚です

スキッシュエリアも低くストロークも短いので圧縮は上がりません!

400のシリンダーをドロップインで入れたみたいです!

そしてゼファーのC1のカムチェーンテンショナー!!

懐かしい!!

何十年ぶりに見ただろうと思う程懐かしいテンショナーです

よく壊れるので今は使う事はないです

オイルポンプを固定する位置決めのカラーが壊れています!

エンジンを全分解してサンドブラスト加工をして半艶のブラックに塗装しました!

今月は神奈川県のFXと同時進行中で同じ日にブラスト処理したので雨に濡れない様に慌てて仕事したのでブラスト後の写真を撮り忘れました

クランクケースのボーリング加工も完了です!

持ち込まれた550クランクと550コンロッドを移植します!!

クランクメタルとコンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定をしました!

ミッションを分解洗浄し組み込みます!

クランクケースのロアケースを装着します!!

組まれていたオイルポンプはゼファーχの物でした!

容量は上がるのですがχのエンジンはクランクケースのオイルジェットがあるのでその為に容量を上げているだけでχ以外のエンジンに組んでもリリーフバルブから逃げてしますのでなんの意味もない部品・・・

大容量オイルポンプと言えば「エンジンが焼けにくい」と連想するアイテムですが元々FXもゼファーも故障しない部品なのでここを交換する意味はありませんし対策品のリリーフバルブを組まないとデメリットも出てくる部品・・・

本音を言うとこの部品はお金の無駄です

対策品のリリーフバルブは使う事が無いので切らしているので初期のゼファーのオイルポンプに変更します!

ワンウェイクラッチとオイルポンプを組みました!

オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します!

そして今回は一次減速を550を移植します!!

普段はここを400で設定しているのですが今回のゼファーはスイングアームがBEETインリッチなのでFスプロケの21丁が使えません!

当時はこの様な排気量は想定されていなかったのと減速比も勿論想定されていなかったので通常の21丁を組むとチェーンとスイングアームの補強が干渉します!

BEETのスイングアームの場合は一次減速を550にしてFスプロケはPMCのZ用520コンバートを使いRスプロケを36丁にします!!

これなら既製品で対応可能でRホイールのスプロケはGPZ400Fやゲイルスピードと共通なので全て安価でどこでも部品調達が可能です!!

クラッチを組付けます!

クラッチカバーを装着し腰下完成です!!

BEETスイングアームの為にこの状態から減速比調整していきます!

そしてバルブのカーボンを落としました!!

研磨機で45度面を修正しました!

そしてバルブシートのシートカットをします!

分解歴があるので変なシートカットをされていないか心配だったのですがこのヘッドをとても綺麗なシートカットをされていました!

今月の制作中のエンジンは珍しく二機ともバルブシートカット歴がありながらどちらも加工精度が良いです!

このゼファーは多分内燃機屋の仕事かな?・・・

一般のバイクショップの設備ではなさそうです!

45度面をかるくさらえて!

70度でバルブシート内径を拡張します!

70度の角度でシートカットするのでバルブシートの内径が大きくなるので吸気効率と排気効率のUPに繋がります

ここのシートカットの角度はお店によって異なるのですが45度面の内径の内周を整えるのと吸排気効率の改善を兼ねてしています!

元々のバルブシートの加工が良いのと強化クラッチが入っているのとハイカム化が施されてフライホイールも軽量化されていたのですが根本的にゼファークランク・コンロッドで550ピストン流用はスタート地点で間違えています

登山の為にハイブランドの登山グッズでフル武装しているのに入り口間違えて別の山に登り始めて山頂で山間違えた!!

って感じのカスタム・・・

でもこの改造は昔は本当に多かったです!!

修行時代に姫路市内でもどれだけこの勘違いボアアップを修理したか・・・

まだゼファー400に550ピストンだとパワー無くても動くので良いですがエグイのはZ400FXに550ピストン流用!

圧縮が本当にスカスカでアイドリングすらまともにしないエンジンになります!

昔はPMCのワイセコピストンだとカタログにもワイセコ615用ピストンでゼファー400もZ400FXも同じ圧縮比で表記されてましたからね・・・

そのカタログみて「そんなわけないやん!!!」と総突っ込みが入ると思うのですが数年そのカタログで販売されていたので素人のバイク屋は信じてワイセコピストン入れる事例やワイセコは高いから550を流用して安くボアアップ!!などのよくわからないカスタムが流行したのかもしれません

昔はバイク雑誌でもこんな記事が平気で書かれてましたからね・・・

雑誌を読んで安くパワーアップ!!

と信じてしまうのもどうかと思うけど雑誌もよくそんなアホな記事垂れ流したなとも思う・・・

平成は本当に酷い時代でした

バルブの擦り合わせをして圧力検査をしてバルブを組み上げるのですがバルブスプリングが天地逆さまです!

何故かこれも昔から多くある組間違い!

ゼファーもFXもインクで天地が分かる仕様ですし不等ピッチなので一目で分かる形状なのですが本当に多いミスです!

シリンダーヘッドを組み上げました!

吸気ポートを拡張し!

排気ポートも拡張しました!

ポートは元の内径よりもっと大きく拡張しています!

そしてビッグブロックシリンダーのボーリングが完了したのでダイヤルゲージで測定します!

ダイヤルゲージを入れます!

測定完了です!!

ビッグブロックシリンダーとビストンを組みこみます!

そしてシリンダーヘッドを装着します!!

カムシャフトを組んでシムの調整をします!!

今回は減速比的にもロング過ぎないのでGPZカムをそのまま使いました!

この辺のカムなら許容範囲でカムの変化を体感できる形状です!

以前ヘッドをOHした人の腕は良かったので極端に薄いシムも入っていないので何十年後かのヘッドのOHも可能です

ヘッドカバーを取り付けエンジン完成です!!

FスプロケはPMCのZ用520コンバートで18丁!

リアは36丁でちょうど良い減速比になります!!

BEETのスイングアームの補強に干渉しません!!

今回はこのスイングアームの為にエンジン内部から減速比調整をしました!

このエンジンは550ピストンでいろいろと改造されていました!

フライホイールも軽量化されています!

そして今回キャブをゼファー750に交換し!

ブラックボデー!!!

今回ゼファー750のキャブをガンコートかな?

リメイクされ綺麗にOHされてキャブ単品で送られてきたのですがこれは結構危険な賭けです

一度塗装する前に装着し快調な事を確認してから塗装するのが安全です!

750キャブでも不調な物もありますからね

キャブは消耗品なので通路が詰まった物はOHしたら復活しますが摩耗した物は復活しません

試乗をしに七曲りに来ました!!

そして最終点検をしに安富ダムへ行きました!

気になるキャブの状態は・・・

快調!!

先月ボアアップしたゼファーのお客様と感性が似ていて平成のお宝パーツのZXRの倒立フォークにシングルシート!!

ゼファーにZXRの倒立は一線を超えた人がするカスタムでこれを見たら今30代~40代の人はヨダレもんですね・・・・

今のバイクは標準装備で倒立ですがこの時代はとても苦労して取り付けた物ですね!!

平成の名車と昭和の名車!!!

やっぱりFXは赤がシンプルでこの色がこんなに似合うのはFXのみですね!

この名車のアングルが私の世代にはたまらないです!!

ゼファー710cc完成です!!

それと!

先月ボアアップしたゼファー710のお客様より差し入れです!

有難う御座います!