岡山県 〇〇様 ゼファー900 ボアアップ

大変長らくお待たせしました

本日はゼファー900のご依頼です

今月は大型連休があったので全国から多くのお客様がご来店

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先月ボアアップしたゼファー900の滋賀県のお客様より近江牛の燻製の差し入れを頂きました

こちらのお客様もかなりの人生の苦労人

しかし今は趣味のバイクで楽しまれ楽しいオートバイライフを過ごされています

二機目のご予約も頂いています

有難う御座います!!

そして!

東京都よりご来店していただいた来年ボアアップ予定のお客様より!

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軍手と米とビールの差し入れを頂きました

有難う御座います

そして!

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先月レーサーエンジンを制作した東京都のお客様よりアイスのお菓子の差し入れと

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牛タンとワカメの差し入れを頂きました

有難う御座います

紹介しきれないほどお客様がご来店されたのですが鳥取県のZ400FXのお客様も誤来店下さいました

お会いするの何年ぶりだろう・・・・

そのお客様は私の修行時代のタカトリに居た時からのお客様

タカトリ時代FXの話しで盛り上がって半日潰した記憶があります・・・・汗

社員としてはなかなかクズな行動ですがFXが来たらFX談話が恒例でした

手を止めた時間を取り戻す為に当時の自宅の工場に持ち帰り徹夜でヘッドのリビルドをしていました

熱烈なFXマニアのお客様でかくれFXマニアが岡山や鳥取県には多いんです

入庫したのがこのゼファー

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特注のアルミパーツが多く組まれたバリバリのカスタム車

しかも26歳の社長

地元の社長連中のお客様が来てたら色々経済の話しで盛り上がっていたと思います

26歳とは思えないほど優秀!

これから山あり谷ありだと思いますが若い世代は特に大変!

「若い」ってだけで見下されたりするからです!!

ここに来るお客様の殆どが苦労人で来るバイクには色々なお客様のバックストーリー・苦労時代の思い出があったりします。

「事業を引き継ぎ破綻寸前まで追い込まれた」

「社長が夜逃げしてギリギリの所から立て直した」

「海外で起業しようとして仲間にお金持ち逃げされた」

「10年服役した」

などなど・・・・

私が23歳の時ある社長からアドバイスを頂きました。

「人はどん底に落ちた時に男が試される」

「苦しい時こそ努力しろ!」

「その時の経験・努力は血となり肉となり強靭な体力、精神力を作り上げます」

と、私は10年服役した社長に教わりました

その社長は年商300億を一人で稼ぎ出す社長です

ちなみにこの社長は18の時に1億のカべを突破したらしい。。。。。

苦しい時に人は物を投げ出そうと思うのですがその時に踏ん張れるか投げ出すか

これは皆経験すると思います。

私の場合は祖父の形見の腕時計です。

19の時お金に困り質屋に持って行った時はさすがに泣きそうになりましたが質屋は物を売りや買いしておしまいです。

そこに感情は勿論ありません。

物とお金のやり取りでおわりなのです!

それは私が無力で無能だったのが原因。

お金に困った自分が悪いのです。

バイクでも同じで苦しい時に手放すとそれと一緒に思い出も手放すのです。

これから色々人生の岐路に向かう訳ですがここに来るお客様(特に経営者)は思い出のあるバイクは売りませんし幾ら大金を叩いても買い戻そうとします。

ZⅡなんて幾らでも買えるけどゼファーがいいんですって人も多いんです。

何故かと言うと苦労した時代に横にゼファーがあったから。

成り上がるとついつい忘れがちになるのですがね

エンジンを降ろします

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ゲイルのホイールが入っているのでエンジンを降ろす時はとても慎重になります

エンジンがフレームから外れる瞬間車体がとても軽いのでひっくり返りそうになるからです

エンジンが下りると片手で車体を押せるほど軽くなります

エンジンを分解していきます

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ここのピストンはオイル上がりしてます

ノーマルのゼファーなので2万キロ程走ると早い物ではエンジン不調な物が出てきます。

10万走ったゼファーだと殆どガラガラと音がしています

一度シリンダーヘッドまでは開けた痕跡がありますが掃除してすり合わせだけして組んだみたいです

勿論そんな仕事ではエンジンが快調になる訳ありません

アイドリング不調で1時間走行し暖気してもまともにアイドリングしなかったみたいです

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エンジンを分解すると後ろの6ミリのボルトが折れました

修正します

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修正完了です

エンジンをサンドブラスト加工します

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下処理完了です

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半艶の黒にペイントしました

クランクケースのボーリングも完了です

勿論ダミーシリンダーを使い正確な位置で加工します

スリーブの外径が片側0.5ミリでも大きくなるとシリンダーが入らなくなる精度です

クランクケースをボーリングする場合正確に加工するにはダミーシリンダーが必要です

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クランクメタル・コンロッドメタルを交換しクリアランス測定をします

ミッションを洗浄・点検しクランクケースに組み込みます

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そしてロアケースを点検すると

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油温計のセンサーがプレッシャースイッチの部分にささっていました

これの何が問題かと言うと!

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見えにくいですがセンサーの先端がオイルラインの通路を半分塞いでしまっているからです

このセンサーは外し純正のプレッシャースイッチに交換します

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ロアケースを組み込みました

ZR7のワンウェイクラッチを組み立てました

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エンジンに組み込みます

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オイルパンを組んでひっくり返します

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シリンダーヘッドを修正します

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カーボンを落とします

このヘッドも分解歴ありですが洗浄しすり合わせだけして組んだエンジンだったのでとても修正がしやすかったです

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45度面を修正し60度と70度でシートリング内径拡張しました

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正面からみるとこんな感じでガッポリ拡張できます

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全てのシートカット完了です

バルブのカーボンを落とします

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45度面のダメージは少しでした

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45度面を研磨機で修正

前エンジンを開けた人はバルブをリューターで削ったみたい

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ここ以外は几帳面に組んだみたいなのでここを見るまでは分解歴がわかりませんでした

カーボンを落として組んだだけなので良かったです・・・・

ヘタなシートカットされるとその修正で3倍ほど時間がかかります・・・・

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シリンダーヘッド完成です

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フィンは研磨のオーダーです

シリンダーのボーリングが仕上がったので制作したピストンとのクリアランスを測定します

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測定完了です

完璧なクリアランスです

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ピストンとシリンダーを組み込みます

勿論ハイコンプ仕様のピストンです

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ヘッドガスケットを制作しシリンダーヘッドを組みます

そしてカムを組みタペット調整をします!!

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ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

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かっこいい仕上がりです

と!!言いたいトコですが・・・・

FCCのタイプGが届かない・・・・・

欠品中で急いで制作してもらいました

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タイプGが来るまで時間がもったいないのでエンジンをフレームに搭載しキャブ・マフラーを組みました

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そしてようやく到着しました

クラッチカバーを組み今度こそエンジン完成

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エンジンに火入れします

力強いレスポンス

圧縮が抜けてスカスカだったので前はモーターみたいなエンジンでした

これぞ750エンジンの底力です

エンジン分解前オイル上がりしていましたがそれには原因があります!!

それは長時間のアイドリングです!!

オートバイショップでゼファーを買う時、取り扱いの説明をしないお店が多いのがダメです

現代のバイクは水冷が支流で水冷エンジンと同じ扱い方だと思っている人が圧倒的に多いです!

これからの季節は特にですが信号待ちなんかでもアイドリングしっぱなしな人が多いと思います。

これ絶対NG!!

分解時スリーブを見ましたがオーバーヒートが原因でオイル上がりしていました!

停車中はエンジンを切る!

長時間のアイドリングは避けるのが基本中の基本!!

空冷なので風をエンジンにあてないとオーバーヒートします!!

勿論風が当たらないとオイルクーラーなんて何の意味もありません

逆にエンジンの取扱いが上手だと夏でもオイルクーラー無しで走れます

空冷エンジンに詳しいお店なら納車時に説明されると思いますが量販店なんかでは空冷の取扱いが分からないみたいで現行の水冷と同じ扱いで納車されています。

知らずにオーバーヒートを繰り返しシリンダーに大きなダメージを与えてしまうんです

ホンダ車ではCBXがオーバーヒートで壊れる物が多いですが旧車會なんかが空ぶかしで潰すだけではありません。

丁寧に乗っている人でもカチカチ音がとまらなくなります!!

それはオーバーヒートが原因でコンロッド小端部が長穴になるのでもう修理不可能

カワサキ車ではありませんが空冷エンジンの取り扱いには経験と知識が必要になります!!

冷間時からのエンジンの暖気ですがこれもやりすぎるとカムのトラブルの原因になります!!

冬でも1分から2分の暖気で十分です

エンジンを始動させアイドリングで長時間暖気は素人のする事です

カムにオイルが最初は上がってこないのでカムが極端に摩耗します!!

このトラブルが特に多いのがGPZ900R・・・・・

ゆっくりアイドリングさせ暖気させると丁寧なイメージがありますがトラブルの原因です!

軽く吹かして1分~2分暖気させあとは走りながらゆっくり暖気

これが一番です

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試乗で七曲りまで来ました

良い天気で最高のバイク日より

FCRキャブとの相性も最高です

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そして万葉岬まで上がりました

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エンジン絶好調

ゼファー900完成です

このゼファーをよく見ると!!

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タンクのエンブレム

アルミの特注品でカワサキの許可を貰い制作したらしい

兵庫県民にとって川崎重工とタンクにステッカーを張るのは昔からでお馴染みの光景です

川崎重工で働いている走り屋や暴走族はこのステッカーをタンクに張っていました!

しかしこのオーナー様はアルミの削り出しで制作したらしい

私もエンブレムで制作してあるのはこれ一つらしいです

ちなみにこのエンブレムを制作しても販売できません!!

川崎重工の知人に聞いたら「それを量産して販売したらあかんで」とのコト

自分の車両に付けるなら良いらしい

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今月も沖縄と愛知と岡山のバケモンがぞろり

先月ゼファーをOHしたお客様より差し入れを頂きました

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安倍総理の地元のお酒らしい

有難う御座います

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そして今回ボアアップした900ゼファーのお客様よりプリンの差し入れを頂きました

多分娘に全部食べられます

有難う御座います

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そして神戸の常連様!!

フルノーマル風のゼファー710のお客様より風月堂のお菓子の差し入れを頂きました

有難う御座います