本日は千葉県よりゼファー750の純正ピストンオーバーサイズでエンジンOHのご依頼です
入庫したのがこの車両です!!
その前に「マフラーのエキパイが外れて凹んでしまった」とのことでマフラーの修理かた取り掛かります!
3番のエキパイが走行中に落ちて踏んでしまったらしいです!
差し込み口付近も変形で楕円になっています!
ナットを溶接しプーラーで引っ張り出します!
下側も引っ張り出します!!
傷は流石に消せないので薄くパテを入れ!
修理完了!!
と思いきや2番のエキパイの方が重症です・・・・
3番を修理したのですが2番がこんなにべこっていると残念なので・・・
ナットを溶接し!
引っ張り出して最後は薄く耐熱パテで成型しました!!
流石にあそこまで変形していると形を整えるのが大変です・・・・
マフラーを修理しエンジンを降ろします!!
今回はセミファイナルのゼファーで約6万キロ走っているゼファーです!!
6万キロでも車体の状態はとても良くエンジンも少々メカノイズがありますが軽傷な部類です!
ヘッドを取り外します!
後期のエンジンですがこのエンジンのピストンは生産終了なので前期のゼファーのOSピストンを使います!
エンジンを全分解しサンドブラスト処理をしました!
そしてエンジンを半艶の黒に塗装しました!!
クランクメタルこコンロッドメタルを交換しクリアランスの測定をしました!
そしてミッションの分解・洗浄・点検をします!
最近偶然ですが多い問い合わせがミッションのギア抜け!
4から5速が入らないとか3が入らない事が多くシフトアップ中にニュートラルに入るような症状が多いです!
これの殆どがギア抜けではなくクラッチが切れていないとか初歩的なトラブルが殆どです!!
しかし運転歴の長いベテランライダーも同じ症状に悩まされる場合が多々あります!!
その原因の殆どが社外パーツの組み合わせ!!
これはバグースから販売されているパーツでクラッチが軽くなるのでとても重宝しているパーツで!
ここの距離が長い構造です!!
これは基本的に支点力点作用点の法則でクラッチが軽くなる構造ですが
注意事項がありクラッチワイヤーの調整を小まめにする必要があります!
構造上クラッチは軽くなりますがストロークは少し短くなるのでワイヤーが遊んでくるとクラッチが切れなくなります!!
これだけならワイヤーの調整をすれば全く問題ない「良いカスタム」で終わるのですが!
クラッチが軽くなるクラッチレバーとか!
バックステップにしてギアチェンが柔らかくなるとか
社外パーツの組み合わせ次第でクラッチが切れなくなったりシフトチェンジの時に「ガチャ!」とくるはずの感触が無くなったりと
組み合わせが悪くミッションを摩耗させたりと・・・
改造車特有の社外パーツの組みすぎで性能悪化はあるあるの問題です!!
この車両はレバーもステップも純正でバグースのキットだけなので全く問題ありませんが社外のステップでは支点力点作用点を変えている物もあるので注意が必要です!
クラッチレバーは経験上純正が一番問題なく好きですね!
社外の物に変えると確かに軽くはなるけどストロークが短くなったりZⅡグリップを入れるとグリップが分厚くなるので
全開にクラッチを切ってるけどグリップに当たってエンジンの中でクラッチが切れてなかったりと・・・・
色々なカスタム車を見ているとお金かけてるけど性能が悪化している物もあります。
Zの場合はクラッチレリーズでクラッチを軽くする物もあるので一つ一つは良い部品ですが色々組み合わせると
エンジンの中でクラッチが切れないミッション破壊パーツになるので基本はノーマルで社外パーツを一つ足すぐらいがちょうど良いです!
長年思っていた事ですが最近のトラブルで多いのでブログに書きました!
ミッションを組み立ててクランクケースに組み込みます!!
このお客様は4~5速が入らない症状だったのですがミッションは問題なしでした!
ベテランライダー程カスタムにも詳しくなり社外パーツの知識も入って来るので愛車をもっと良くしたいと社外パーツを加算方式でカスタムしていくのですが最終的にその結果が「エンジン内部のクラッチのストロークが短くなる」と盲点の症状が出てくる場合があるので改造車のバイクユーザーは気をつけましょう!
クランクケースのロアを取り付けます!
ワンウェイクラッチのダンパーゴムを交換し!
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます
このゼファーはプライマリーチェーンにテンショナーが装着されているタイプです!!
オイルパンを組んでひっくり返してターボのクラッチを組み込みます!
クラッチカバーを組んで腰下完成です!!
次はシリンダーヘッドのオーバーホールをします!!
まずはバルブのカーボンを落とします!
そして45度面を研磨しました!!
ここにダメージがあるとバルブの密閉不良を起こします!
4サイクルなので吸気・圧縮・燃焼・排気のサイクルがあるのですが
燃焼時にここの気密性が悪いと燃焼時の爆風がキャブ側へ逆流します!
バイクの出火の殆どがエアクリーナーなのですが吸気バルブの密閉不良が原因でキャブ側にバックファイヤーして
キャブ・エアクリーナー周辺のガソリンに引火します!
なのでバイクの出火の原因の殆どがここのトラブルです。
シートカット・バルブの研磨・擦り合わせ・圧力検査でここの精度をしっかり出して組むのはとても大切です。
しかしメーカーの純正工具でのシートカットでは精度が出ないのでここは一般のバイクショップでは修理しない方が良い場所
内燃機屋に依頼する必要がありますがここで大切なのがプロの内燃機屋に出さないと悪化させると言う事です。
燃焼室の掃除をしました!
全箇所のシートカットが完了しました!
バルブの擦り合わせをしてシリンダーヘッドを組み上げました!!
ヘッドのオーバーホール完成です!!
次はシリンダーのボーリング加工をします!
こちらも帝国内燃機のブログにて紹介します!
加工が仕上がったシリンダーです!
ダイヤルゲージを入れて!
ピストンクリアランスを測定しました!
ライナー内径のクロスハッチです!
鏡面後にクロスハッチを入れています
純正1mmオーバーサイズのピストンとシリンダーを組み込みます!
そしてシリンダーヘッドを組付けました!
カムシャフトを装着しシムの調整をしました!!
ヘッドカバーを装着してエンジン完成です!!
車体にエンジンを搭載します!!
エンジンに火入れし試乗に出かけます!!
本日は安富ダムまで行きました!!
エンジン快調!!
マフラーも綺麗に装着できました!!
エンジンのオーバーホール完了です!!
このゼファーのオーナー様より!!
千葉名産のお菓子やラーメンの差し入れを頂きました!!
有難う御座います!!