久しぶりに当店の業務の紹介をします!!
地元のお客様は多数ご存じかと思いますが新型ピストンの開発中!
とは言っても様々なピストン形状を試行錯誤している段階です!
どの様なピストンを開発中かと言うと航続距離の伸ばせるパワーのあるエンジン!!
今後10年~20年でガソリンスタンドは少なくなるので何よりも燃費の良いエンジンが必ず必要になります。
今までの様に気軽に給油が出来る時代ではなくなります!
そして現在の710ccエンジンは強烈なパワー重視のエンジンですが意外と燃費が良いのが特徴です。
今までで一番燃費の良いお客様は710エンジンで1リッターで38キロ走れます。
キャブや減速比やマフラーでも大きく左右されますがこの燃費の良さは効率良くエンジンを動かす為710エンジンを
突き詰めた結果の副産物です。
強烈なインフレにより710ccエンジンの値上がりは仕方ないのですが
起業時より低コストで高品質な物を考え今まで考えてきたのと時代の移り変わりに伴い新型エンジンが必要と判断した次第です
新規でピストンを制作するとなると莫大な費用がかかりますが
従来型のピストンで形状変更しテストする事も可能で!
旧タカトリのピストン!!
右が650用で真ん中が520用で一番左が520のゼファーχ
どれも62.5mmのサイズで平成中期の代物です!
このエンジン(ピストン)には大きな誤りが一つありました。
このピストンを販売した事がそもそもの間違い。
「タカトリのピストンは精度が悪い」「限界を超えている」
などなど様々な事を当時は言われていたのですが違います。
組んだ人間の技術に問題があったのが正解。
なので何度もリピーターの様に買うお店も当時ありましたがそのお店は確実に腕が良かった。
しかし「トラブルが発生した」「ピストンが悪い」「ピストンリングが悪い」と
クレームを入れてくるお店も多かったです。
このピストンを見直し新設計にします!!
コンプレッション形状がゼファーで肩は550の設計でしたが高圧縮過ぎて550エンジンだと燃焼室と衝突します。
それを加工しコンプレッション形状を小さくした設計で販売していました!
実はこれタカトリの社長が旋盤で一つ一つ加工していました!
加工面を見ると社長の切り口だとすぐに見て分かります!
高度な技術のあるお店はピストン販売後520から550クランクを使い650に仕様変更していたお店もありますが
テーパー角が違うので見たら「タカトリの社長の切り口」とすぐにわかる・・・・
私にもまだ切り込んだ事のない燃焼室の領域がまだある。
650エンジンは多く組んだけどゼファーヘッド・GPヘッドの燃焼室でも大きく異なり
スキッシュエリアもゼファーとFXで異なる。
まだ突き詰める領域が400エンジンにはあります。
高圧縮になると怖いのがノッキングなのでトライ&エラーで理想のピストンにしていきます!
それともう一つテスト中の物!
左の低フリクション強化カムチェーンです!!
勿論クランクギア、カムスプロケットから異なります!!
カムスプロケも薄くなり軽量!
コストに似合うパフォーマンスが出るかが問題なのですが賭けたコストに似合う
費用相対効果が必ず必要になります!
出なければ没!!
開発して没になるのは当たり前なので慣れています
肝心なのはこれを入れての数字ではなく体感!!
乗った体感がすべてです!
私がZ400FXのエンジン開拓に資金投入しまくり嫁は「ヤバいやつ」と言う事に気づいたらしく
就職しました!
しかし理想的なエンジンとは難しく実はスーパーコンピューターの富岳でも分からない複雑な条件が重なる
のがエンジンです。
原始的ですがトライ&エラーを繰り返し前進するしかない日本人のお家芸!
「馬力」を上げると速くなるのは当たり前ですが本当にそうか?と疑うべきです。
確かにシャーシダイナモの上で最高出力が上がればお客様は喜びますし説得する材料にはなる。
タカトリで働いてた時コアなお客様がいて一番馬力の出る所でセットアップすると
「思っているのと違う」「確かに速いけど最高出力に到達するまでは今までの方が扱いやすい」
「実際に走ると最高出力のでる今より、そこに到達するまでが速いエンジンの方が快適に走れる」
カムのプロフィールはハイカムだと良いって訳じゃないんだなと思った瞬間から
私の中で求める物が変わりました!
キャブの口径も同じくでなによりピストンの形状は根幹の部分なので最も重要です!
これからピストンの理想の形を作っていきます!
そのための試作機3号・・・・笑
それと近日パーツを追加します!
薄型のガソリンコックです!
ゼファー・FX系統のガソリンタンクに装着可能です!
以前の物は一瞬で完売となり次はリザーブが追加された手動式ガソリンコックです!
無くなり次第販売終了です!