大変長らくお待たせしました!
本日は福岡県よりFXの入庫です!
とても綺麗なFXで全てに手が入り電装も綺麗なメインハーネスにウオタニ!
と言うシンプルな作りで仕上がっています!
単車乗りにとってとても大切な事で整備性がとてもよくトラブルも滅多になくトラブってもすぐに修理がしやすいのでどこのバイクショップに持って行っても整備してもらえると思います!
しかし盲点も!
GPZのガソリンコックですが壊れています!
最近の純正のガソリンコックは故障が多く負圧が作動していないのにガソリンが出てきます!
この場合キャブのフロートだけてオーバーフローを止める事になるのでもしフロートバルブにゴミが引っかかるとエンジン全損の可能性があります!
負圧式は楽ですがとても危険です!
ここは当店の手動式のガソリンコックに変更します!
手動式は面倒ですが旧車乗りにとっては鉄板パーツでこの様な故障がないのがメリットです!
この小さなパーツで高額なエンジンを守るので安全なガソリンコックはとても重要です!
エンジンを降ろして分解します!
エンジンの腰上は分解歴があります!
シリンダー側面からオイルが出てくるとの事ですがオーバーフローしてウォーターハンマーを起こすとここからガソリンが噴き出します!
ガソリンコックと言う小さな部品ですが手動式で止めるとこの最悪の事態を回避できるのでオーバーフローはとても危険はトラブルです!
エンジンをブラスト処理をしました!
そして半艶の黒に塗装しました!
このエンジンは後期のクランクケースなのでクランクケースのボーリングは不要です!
クランクケースの洗浄をして洗浄・測定したクランクシャフトを組みます!!
Zのクランクと違い見た目と測定器具で良品か不良品の区別がつきやすいのがザッパー系エンジンの良い所!
曲がりが最も出やすいのは中心部と思われがちですが実はフライホイール側です
左に転倒してジェネレーターカバーがもがれてフライホイールがぶつかりクランクが曲がる・・・
FXかGPも昔は高速で走行し転倒して曲がる事が多かったと思いますが平成中期からこのバイクにかかわっている私の経験からするとゼファー400・750が最も転倒率が高いです!
タイヤが太くできてラジアル化が当たり前になりサーキットでも乱雑に扱われ転倒しクランクが曲がってサーキット仕様と言う事で中古車が販売され
「サーキットを走っていたバイクだから速いに違いない」と錯覚し痛い目にあった人を多く見てきた身としてはサーキット経験のあるバイクは購入を進めません
定期的にエンジンをオーバーホールする人は少数で殆どは使い捨てです
クランクメタル・コンロッドメタルを新品に交換しクランクとコンロッドを組付けます!
ミッションを洗浄し組み込みます!
クランクケースのロアケースを装着し!
綺麗なステンのネジに交換しました!
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込んでオイルパンを組んで腰下をひっくり返います!
今回は一時減速を550に変更します!!
二次減速のFスプロケが17丁だったのでロングだなと感じたら16丁でも良いかもしれません!
ロングツーリングに行ってもこれなら低回転で走行できるので燃費もとても良いです!
強化クラッチを組付けます!
エンジンの腰下完成です!!
次はバルブのカーボンを落とします!
バルブも過去に研磨された痕跡があります!
45度面を研磨機で修正しました!
バルブステムが削られた痕跡があります。
綺麗ではないのでどうやって加工されたのか・・・・
このまま組むとシムが割れる可能性があるので面だししましたが・・・
このバルブに違和感を感じました!
この違和感は私の経験上よく当たる・・・・
このバルブを組むと異音が出たりコッターピンがズレたりしそうです。
ステムヘッドが薄く元々装着されていたのが2.60のシムだとまだ余裕があるのになぜかステム長を大幅に縮められています。
このバルブは安全ではないので当店の良品のバルブに交換します!
ステムヘッドを逆算し2.40~2.50のシムが入るように調整します!
最終的にはバルブの擦り合わせをしてバルブの圧力検査をするのでこのあたりを目指して調整します!
上記の様なバルブを組まれていると何十年後かにOHしたくなった時エンジニアの人は気づかずこの地雷を踏むので次の人がOHできる様に仕上げます!
新たなバルブに交換し45度面の研磨をし直しました!
燃焼室を掃除しシートカットします!
45度面のみ加工しました!
シートカットの加工精度はとても良かったので45度面はさらえた程度で70度でバルブシートの内径を拡張します!
吸気効率と排気効率をアップさせ全バルブシートの加工完了しました!
バルブの擦り合わせをあいて圧力検査をして!
吸気ポートを拡張し!
排気ポートも拡張しました!
シリンダーヘッド完成です!!
シリンダーのボーリング加工が完了したのでダイヤルゲージを入れてクリアランスの測定をします!
ピストンとのクリアランスを測定し!
ピストンとシリンダーを装着しました!
ボーリング加工の風景は帝国内燃機のブログを見てください!
修正したシリンダーヘッドを装着します!
カムシャフトを装着しタペット調整します!
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です!
昭和から平成の名機のエンジンはカッコいいですね!
芸術品です
車体にエンジンを搭載しエンジン点火!!
綺麗なエンジン音!
カワサキの空冷エンジンの音は最高です
試乗をしに安富ダムまで来ました!
車体、電装、エンジン、キャブどれも最高で当時の新車の安心感があり乗り味は新車以上です!!
Z570FX完成です!!