本日は二機目のご依頼でサーキット用エンジンの二号機です
現在ワイセコ810ccで練習用エンジンとして使われていたのですが不調になったとの事で850ccまでボアアップします!
入庫したエンジンです!!
こんなエンジンスタンドがあると運搬に重宝しますね!!
このエンジンは後期エンジンでワイセコ810らしいのですがワイセコのゼファーピストンはトラブルが多くて有名
サークリップのトラブルかなと思って分解したのですが・・・
ピストンは入っていませんでした
公道でもワイセコの810はサークリップ溝が深くなりピストンピンがクリップを突き抜ける場合があります。
クランクメタルを見ると少々傷があります!
コンロッドメタルはもっと激しい傷があります
腰下も分解歴があり恐らくメタルは交換してあると思うのですが激しい走行でダメージが入ったみたいです!
エンジンを洗浄します!
今回もクランクケースをボーリングします!!
ライナーの厚みは外径は900設定なのでかなり分厚いです
シリンダーヘッドも改造します!!
マニーホールドとの段差も綺麗に取りギリギリまで拡張しました!!
コンロッドも前回と同じ重量まで軽量化しました!!
ここまで軽量化すれば手で持った瞬間軽さに驚きます!!
コンロッドの贅肉を徹底的に削り落とします!!
因みにこの時代のカワサキのバイクのコンロッドは元々かなり重い傾向があります
ホンダ車のミドルクラスのコンロッドは研磨するぐらいが精いっぱいで元々削りしろがありません
CB400SFと比べると半分程の重さ・・・・
しかしカワサキ車は幸か不幸かこのコンロッドのおかげでボアアップすると爆発的にパワーアップする必殺エンジンに大化けします
クランクを組み!
軽量コンロッドを組み!
ミッションも分解洗浄し組み込みます!!
後期エンジンなのでプライマリーチェーンのテンショナーがあるのですがサーキットでは抵抗でしかないのでプライマリーチェーンを新品にして外します!!
今回のエンジンはポートの内径形状を前回のエンジンと変更しています!!
まずバルブガイドですが!
出っ張っている部分は完全に撤去し吸気効率と排気効率を上げています!!
前回はエッジ加工をしたのですが今回は吸排気のスムーズさを最大化させています!!
前回のエンジンはタペットカバーに穴あけをしてポンピングロスを無くして高回転の領域を増やす事に執着したエンジンですが
今回のエンジンは吸気・排気効率をして意識したエンジンになります!
バルブシートをシートカットします!!
バルブシートが割れていますがこれは問題なしです!!
レーサーエンジンでもですがGPZ400Fのエンジンでもここはよく破損しています!
しかし45度面が大丈夫ならそのまま使って大丈夫です!!
バルブも全部軽量化しウエスト加工済みです!!
バルブを擦り合わせて圧力検査をしてヘッド完成です!!
レギュレーションギリギリまで広げたシリンダーです!
加工工程は帝国内燃機のブログにて紹介します
ピストンとのクリアランス測定をしてピストンとシリンダーを組付けます!!
そしてシリンダーヘッドを装着します!!