福岡県 Z550FX 710ccボアアップ

本日は福岡県より入庫です!!

入庫したのがこの車両です!!

足回りは19・18インチで旧車感を残しつつキャブ・エンジン・マフラーは現代の最新のモデルですがブレーキも現代のブレンボに仕様変更されています!!

実はまだ完成していなくて殆どの部品が仮止めで制作されているので今回はエンジンの制作とそのエンジンに合わせた減速比調整をして納車になります!!

Z550FXも高額になりましたがまだ少し割安感があるので買いやすい車両でフレーム番号は気にしないから低コストで高品質な物が国内物よりあるのでまだねらい目なのが550・500のFXです

しかし入庫した時点でセルが回らなくなりエンジンの前に電装の点検をする事に・・・

原因は・・・・

これでした・・・・

社外のセーフティークラッチ・・・・

本当にここの故障は多い・・・・

なぜ社外の舶来品は令和の今になっても故障が多いのか

昭和の純正部品の中古の方がまだ安心して使えます

カスタムをする時は珍しい部品より一番に故障しない部品が大切と思っています!

出先でこのちっぽけは部品がトラブルだけでレッカーになりますからね・・・・

今までのお客様もですが社外の珍しい部品でもトラブルの原因になりやすい部品は全て排除しています

納車の時に「ゴミパーツは外しました」と言ってごちゃごちゃしてリスクしかない部品は基本外しています

「〇〇の部品は付けて下さい」と言われても「そのパーツはゴミなので外して納車します」とはっきり言ってその後は自己責任で着けて頂いています。

今まで歴代のお客様にも、どれだけ高額な部品でもそこは忖度することなく安全の為にしています。

今回は車体にのっているエンジンではなく持ち込まれたエンジンをベースに制作します!

550のGPエンジンでこれがベースですが!

550のゼファーエンジンも持ち込んで下さいました!!

クラッチ周辺パーツ以外は使わないので下取りできそうです

早速エンジンを分解します!!

腰下を分解するとセカンダリーシャフトに違和感・・・

ワンウェイクラッチのダンパーゴムのカップリングのCクリップが外れていました!

外れても意外と問題なく走るですが

クランクケースを割ると!

カニの死体がエンジン内部から出てきました!!

二匹・・・・

シリンダーヘッドのスタッドボルトの根本が破損しています!

古い断面を削り取り古いボルトも抜き取ります!!

溶接肉盛りをして形状を整えタップを立ててスタッドボルトを装着しました!

エンジンを全分解しサンドブラスト処理しました!!

そして半艶の黒に塗装してクランクケースのボーリングをしました!

クランクケースを洗浄してクランクメタルとコンロッドメタルを交換しクリアランスを測定します!

メタルのクリアランスを測定完了したのでクランクケースに550クランクを組付けます!

逆車の場合もとから550クランクなのでエンジンの総額は安くなります!

逆車の方が国内のFXよりコンデションが良く値段も安くエンジンの状態も良い傾向があります!

国内車は1980年代90年代の暴走族時代で多くのFXが壊され盗難され今現存している車両は極少数です!

なんせ今の時代貴重な550クランクを買う必要がないのは大きいです!

ミッションも分解洗浄し組み込みます!

消耗品のチェーン・オイルシールも交換しクランクケースのロアを組付けます!

ステンのボルトを組付けます!

そしてワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます!

オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します!

そして今回ゼファークラッチを移植します!!

このFXのオーナー様の場合プッシュロッド式の油圧に変更されていたのですが断腸の思いで交換です

油圧の方がクラッチは軽く高価な部品なのですが外したのはゼファークラッチの方がランニングコストが安くどこでも誰でも修理可能と言う利点です!

長年この業界に居ると「安定した部品の供給」がもっとも大切です。

社外の油圧クラッチの部品の安定した供給が今後何年も続くとは考えにくく供給が止まると今後修理できなくなります。

地元のお客様の場合は見れますが県外のお客様の場合カスタム車を見てくれるお店がとても少なく今後はもっと減ってきます。

ゼファークラッチに交換すればメンテナンスフリーで定期的に見ないといけない消耗品はクラッチワイヤーのみになります。

「何処でも簡単に低コストで誰でも修理が出来る」これが何年後も安定して継続できる安心感

機能も軽くジャダー現象を起こしにくくFXクラッチより軽くなります!

県外のお客様の場合次メンテナンスする人を考えるので簡単に修理できるようにゼファークラッチに変更しました!

クラッチカバーを組んで腰下完成です!!