茨城県 Z400FX 570ccボアアップ

本日は茨城県よりZ400FXの入庫です!

エンジンはバラバラに分解された状態で入庫で一つのエンジンをご自身で分解して洗浄した状態で箱詰めされて入庫です!

バラバラで入庫なので着工前に色々と確認が必要でニコイチ・サンコイチのエンジンだと組み合わせで大事故になるので一つのエンジンを分解したのか、他のエンジンから外して混ざった部品がないのか。

この辺を聞いて本当か調べ点検しながら一つのエンジンに組み上げます!

箱から出して確認しているとトラブル発見!

ヘッドカバーを固定する部分にクラックがあります。

ヘリサートが入っていますが下穴を丁寧に加工せずタップを押し込んでいるので内圧がかかり割れています!

仕上がってから割れると最悪なので今綺麗に修理します!

周りのアルミの部分を切り取り中のヘリサートを撤去します!

ヘリサートを撤去し周りのアルミの部分を削ります!

溶接肉盛りをして形状を整えます!

下穴を空けてタップでさらえてメネジを切ります!

シリンダーヘッドの修正完了です!

マスキングをしてサンドブラスト加工完了しました!

古い塗装を完全に撤去して綺麗な下地を出します!!

半艶の黒にリペイントしました!

ほんの少しですがクランクケースをボーリングしました!

E4のケースなのでクランクケースは元々広いのですがスリーブ外周が少し干渉するのでダミーシリンダーを使い正確にボーリング加工をします!

E1の初期は時々クランクケースが極端に狭いので大幅なボーリング加工になります!

クランクメタルとコンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定をしました!

純正部品もある程度持ち込んで下さりメタル系統とクラッチ以外は殆どあったのでエンジンの合計料金から引きます

メタルは一般のお客様の場合不要な部品となり次に使う事が無いので新品を多数買ってクリアランス測定となるととても無駄な出費になりますしギリギリどっちのメタルの厚み?・・・と際どいクリアランスだと混乱するのでこの辺はプライベーターだと困る所ですね!

シリンダーヘッドのシムも使いきれないので無駄な買い物になってしまう場合が多いです

ミッションは持ち込まれた部品は使わず当店の在庫に丸ごと交換します!

クランクケースのロアケースを装着します!

ネジはステンのネジに変更です!

純正のボルトも持ちこんで下さったのですが純正部品で注文すると確かに部品は来るのですがネジがゼファーのネジになるんですよね。。。

FXのネジと見た目も違うのでここはお客様と相談しステンに変更します!

ワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます!!

オイルパンを装着しひっくり返します!

クラッチを組むのですが一次減速は550を流用します!

今回は二次減速はそのままで一次減速を550にして減速比を出します!

マフラーを変更しパワーがもっと上がりそうならFスプロケを17丁か18丁に交換してもよさそうです

少なくとも17丁には上げれそうです!

そして今月は開発の為多額の資金を投じてきた新型パーツが完成した日!!

日本で昔は製造出来ていたのですが今では海外でしか作れなくなり難航しましたがようやく開発に漕ぎつけたパーツです!

ボアアップエンジンの新たな開発の為にどうしても欠かせないパーツだったので2年近くかかりましたが完成した部品です!

ビッグブロックシリンダーには使えませんが純正のシリンダーで高圧縮化するのであれば生命線となるパーツです

今月このブログでお披露目します

強化クラッチを組みこみ!

クラッチカバーを装着してエンジン完成です!!

腰上に取り掛かります!!

燃焼室とポートを掃除しました!

45度面とバルブシートの内径を70度で拡張します!!

全箇所バルブシートのシートカット完了です!!

バルブのカーボンを落とします!

45度面を研磨機で修正します!

修正完了しました!

ここでバルブを修正するとシリンダーヘッド装着時にバルブステムの突き出し量が増えてしまいます!

1年前はこれが嫌でステム長の調整をよくしていましたが2.65以降の厚めのシムが絶版になりました

シム調整をするとなると2.60以上分厚いシムを入れる事になると当店の在庫を使う事になります。

これからまだまだ何十年も修理し続けるとなるとむやみに厚めのシムを使うのは浪費なのでむしろバルブの45度面を修正して2.40~2.50周辺で納めるのが無難な仕事です

輸入品のシムもあるのでまだまだ大丈夫ですが一般のお店やプライベーターが修理するとなると大変そうです

バルブの擦り合わせをして圧力検査をしてバルブの密閉率を点検してシリンダーヘッドを組み立てます!!

吸気ポートを拡張し!

排気ポートも拡張しました!

フィンの研磨は無しの真っ黒の仕様です!!

ここで今月からリリースする新型のパーツの紹介です!!

新作パーツはこのヘッドガスケット!!!

マックフォイル素材のガスケットでゼファー750やビッグブロックには使えないガスケットですがZ400FXやゼファー400の純正シリンダーのボアアップには生命線となる奇跡のパーツです!!

この開発に莫大な時間とコストがかかったのですがこの部品の凄さがこの部分!!

金属のグロメットリングの精度!!!

この部品の歴史を説明します!

既製品で金型を高性能に作ってもこのグロメットの内径のカシメがアバウトにカシまるので量産品だとグロメットリングがライナーの内側に入ってしまう場合がかなりの率で発生します。

もしくはワイセコの昔のカーバイトガスケットみたいに内径をライナー内径の直径より2mm程多くグスグスに作るか・・・

少しでもピストンボアを広げたいエンジンチューナーはここがネックになります。

昔のPOSHの510ccキットだとメタルガスケットなのでオイルがよく漏れます!

400エンジンの純正シリンダーだと加熱時に反りが出るので歪に弱いメタルガスケットはかなりの頻度でオイルが滲んできてしまいます。

ここでこのマックフォイルのガスケットだとヘッドの熱膨張もシリンダーの熱膨張もこのガスケットがクッションになり反りを吸収するので400エンジンのボアアップには欠かせない生命線の部品になります!

しかしここのグロメットリングの圧入時に位置が安定しないと言うデメリットがありここが長年のネックだったのです。

旧タカトリのピストンはここでマックフォイルを選択するのですが、このままだとピストンの肩とグロメットリングが干渉するのでエンジンブローします。

なのでガスケットに合わせてピストンを650cc用は形状変更し対策します!

左が加工した650ccピストンで右が520cc用のピストンです!

これが550クランクの650ccで!

これがゼファー400クランクの520cc!

ピストンの肩の高さが違うのはヘッドガスケットのグロメットリングとの干渉を避けるための改良と圧縮を意図的に落として安全マージンを稼ぐ対策です。

ここまでしてマックフォイルのガスケットが必要だったのです。

今ではメタルのガスケットが支流ですがそれはZの話し。

400エンジンとZのエンジンは熱膨張時のシリンダーの反りが違うのとまた難しいのはビッグブロックだと純正シリンダーだと反りが逆なのでマックフォイルが使えずメタルのガスケットしか使えません。

ここまで話し出すと変態の話しになりお客様は勿論バイクショップとも意思疎通が出来なくなるのですが、このガスケットはもう型遅れで日本では作られないガスケットとなり海外で量産して輸入と言う形になりました!

ここで新型のガスケットはグロメットリングのカシメを甘くして少し動くぐらいの作りにしたのがポイントです!

ボーリングしたシリンダーに乗せてリングを動かしライナー内径にピッタリ合わせてテストハンマーで軽くたたいてカシメを仕上げます!

大昔はガスケットが無かったのでグロメットリングを手で打ち換えをしてガスケットを制作していました!

平成の中頃まではヘッドガスケットをニコイチにして手作業で作っていたのですがその時代の経験が令和に生きるとは思いませんでした。

昔はこの何十倍も時間をかけてヘッドガスケットを一枚一枚手作業で作っていたのですがカシメの圧力を調整できる様になったのが精度の良いマックフォイルガスケットを作れる秘訣になりました!

ピストンボア62mmから62.5mmまで正確なグロメットリングのガスケットが使える様になります!

これが何を意味するのか?

ですがピストンのトップを加工することなくそのままの肩・コンプレッションハイトのピストンが組める時代が来たと言う事!

つまり旧タカトリのピストンだと頭の加工をせず純正シリンダーで限界までボアアップしハイコンプ化ができると言う事です!

今まで何十年と出来なかった技術がヘッドガスケットの開発により純正シリンダーでの限界ボアアップに+ハイコンプ化の未知の領域に踏み込めます!

去年から試作機のエンジンを数機制作しているのですが・・・

手前の黒エンジンは多くのお客様に試乗していただいてエンジンでかなり好評ですが奥のシルバーエンジンはマジで使い物にならん・・・

一から作り直して出来た試作機のエンジンがこれ・・・・

ニヤリとなります・・・・笑

強力なエンジンになりそうですが昔はもっと大排気量で圧縮圧力18キロまで上げたバケモンもありました

流石に安定した量産型には落ち着かない代物でしたがガスケットの開発でこのエンジンは進めそうな気がします

このガスケットをこのFXのオーナー様のエンジンにも組みます!

FXクランクの62mmピストンなのでここまで高圧縮ではありませんが1cmオーバーのボアアップなのでね!

勿論体感できます!

メタルのガスケットだとここのオイルラインが弱点になります!

昔はこの黒鉛のガスケットが支流だった時代もありますが、そもそも時代遅れでグロメットが安定した精度で仕上がらないので今ではエンジンカバーやシリンダーベースガスケットでしか使われない製品です。

来年私の年齢も40なのでこのガスケットで手打ちでリングを入れていたのが21か22歳の頃・・・

20年近く昔にしていた仕事ですが当時でも大昔の古い技術でしたからね・・・

でもこれが無ければボアアップピストンの大型化を語れない程重要な部品だったのです!

なんだか私も歳とったな・・・・