沖縄県 ○○様Z400FX 710ccボアアップ

本日は日本最南端の沖縄県からZ400FXが入庫です

入庫したのがこのE4タイプの550!

入庫前に国内のE4フレームがあるのでこの550フレームと交換してほしいと400のフレームも持ち込まれました

沖縄から到着したフレームなのですが元々はこの国内のZ400FXを関東のお店で購入されたのですがフレームがボロボロで沖縄本島のショップで「この400のフレームは使えない」と言われ550のフレームに交換したらしいのですが「国内フレーム修理出来ませんか?」と当店に持ち込まれました!

「サイドスタンド側が錆びて穴が開いた」と聞いたので良くあるFXのサイドスタンド根元のサビと思っていたのですが・・・

どうも変・・・・

サイドスタンドの反対側のアンダーパイプもサビが酷い・・・

わりに不自然に綺麗な部分もある・・・・・

塗装を剥がすと

塗装の下にはパテがありパテを剥がすと次々穴が出てきました

ここだけなら気合で修理出来ると思ったのですが・・・

サイドカバーの裏のフレームまでパテとサビが・・・・

しかもフレームのパイプの中には粘土の様な泥がぎっしり詰まっています・・・・

沖縄本島のバイクショップがフレーム交換をしたのもうなずけます

この車両を販売した関東のお店は分かって販売したと思いますが旧車あるあるの事でもあります

曲がったフレームで販売なんて当たり前ですので仲間内や家族にFXに詳しい人と一緒に買いに行かないと危険です!

当店はFXを専門に取り扱いますが程度の良い車両はまず無いと言っても過言ではありません!

程度の良い車両はオーナーが手放さないので今200万~300万のFXも程度の悪い車両を高額で販売している場合も多々あるので注意が必要です

FXを買う場合は必ずFXクラブの人やFXに詳しいバイクショップの人に日当払ってでも来てもらうのをお勧めします!

絶版車専門のお店であっても素人一人では行かない事が大切です!

入庫したFXのエンジンを降ろし梱包してある送られてきたFXエンジンが今回のベースエンジンです!!

早速梱包から出して!

分解に取り掛かります

この日は工具を買いに市内まで出かけたのですが4月と言う事もあり社会人1年目の新入生を多く見かけました

懐かしいなと思い私が就職した18歳の頃を思い出しました!

海洋土木の会社に入社したのですがハイパーブラック企業!

求人票は完全パチのオンパレード・2か月3か月無休は当たりまえ!

今ここで社名を言ってやろうかと思う程胸糞悪い糞会社でした!f9a1.gif

その糞会社の上司も糞・・・

「この会社はとても良い会社や!」

「辞めた〇〇(先輩)はヘタレや」

と糞会社の癖にボロカスに身体を壊し辞めた社員を批判する糞上司・・・・

その糞会社の糞上司も名前をだしてやろうかと思う程糞な人間ですが社会人1年目だと

「社会はこれがスタンダートなのかな?」

と思ってしまう。。。。。

日本の会社で良くやる新卒一括採用の恐ろしさですね

何も分からない10代(20代前半の大卒)の学生だとブラック企業に染まりやすい!

親も子が就職するとブラックだろうが何故か喜ぶバカ親が多いですからね!

そんな親の子はマジ孤独なんだろなと思います。

若者の自殺が多いのも納得だな。

放送されませんがコロナの死者数とは桁違いの若者が毎年自殺してます!

私が高校を出た頃はまだブラック企業と言う言葉もありませんでしたしね・・・・

あんな糞みたいな会社はブチ切れてヘルメットを先輩に投げつけて辞めてやりました

なので高校を出て初めて就職した会社は2か月程で辞めました

糞会社の糞上司なので糞みたいな会社で人生終われば良いんです

もし今見掛けたらどついたるのですがね

思いつめない自分を大切にする若者で居てほしいです

シリンダーヘッドを取り外します

シリンダーをめくると!

砂浜の砂が噛み込んでました

エンジンとフレームを全分解しサンドブラストします!

フレームは国内のFXの物は使えないので組まれていた程度の良いフレームで制作します

やはり逆車は程度の良い物が多いですが「逆車だから程度が良い」では無く「国内の物よりは良い物が多い」と言う言い方が正しいかなと思います

エンジンもサンドブラストしました!!

下地が悪いパウダーコートだと瞬殺で下処理が出来るのですがフレームもエンジンも何の塗料なのか全然剥がれない・・・・

専属のブラスト屋が慌てて電話してきて「塗装が剥がれないので剥離剤を使ってからブラストします」との事!

ゴムみたいに表面がねっとりした塗料だったのでなかなか剥がれなかったみたいです・・・・

プライベーターのレストアでフレームに剥離剤ってのは基本的にNGです!

剥離剤で剥がしてサンドペーパーして真鍮ブラシでゴシゴシして塗装なんて事をすると数年で塗装下はザビだらけになります!

剥離剤を使った場合は絶対にサンドブラスト処理をしなくてはいけません

フレームのペンと完成です

ツヤありの黒の塗装です

車体を組み上げます!

セルリレーが腐っていたのでゼファーの物を移植しました

オイルランプが光っぱなしのトラブルとストップランプも光っぱなしだったので修理します!!

ストップランプスイッチが故障しているので修理後も光ったり光らなかったり・・・・

FXあるあるですね

コックが故障しガソリンが漏れていたので交換です!

負圧式なので便利ですが故障したら大変!

コックが故障しフロートバルブが引っかかるとエンジンにガソリンが流れていきます!

そこのバルブが開いているとピストンにガソリンが溜まり

知らずにクランキングさせるとエンジン死亡です・・・・

手動式に交換します!!

クランクケースをボーリングし半艶の黒にペイントしました

クランクシャフトを組みクランクメタルの調整をします!

調整完了です

次はコンロッドメタルを組みます!!

コンロッドメタルの調整も完了です!!

クランクメタル・コンロッドメタル各種3種類の組み合わせです!!

ここのクリアランスが狭かったり広かったりすると焼ける原因になります!!

メタル調整はとても大切です

ミッションを洗浄し組み込みます!!

消耗品のチェーン・オイルシールを交換しロアケースを組みます!!

綺麗なステンのボルトに交換しました

艶消しエンジンにステンの綺麗なネジを入れるととても綺麗です!!

ワンウェイクラッチとオイルポンプを組みます

オイルパンを組んでひっくり返して強化クラッチを組んでエンジンの腰下完成です!!

次はシリンダーヘッドの修正に取り掛かります!!

シートカットをします!

45度と70度で加工しますが!

45度面の加工精度が悪く30度の加工で45度面の調整をするとこんなにズレていたのが分かります!

全箇所のシートカット完了です!!

次はバルブのカーボンを落とします!

先ほどのシートカットの精度の悪かった部分のバルブは曲がっています!!

45度面のダメージも酷いです

全部のバルブを研磨機で修正しました

ここのバルブと!

ここのバルブはステム長の調整をしました!

バルブシートのサビが酷かったので深い加工しなりステム長を調整しないと2.20の薄めのシムになるからです!!

ステム長の調整をしたので2.40以下のシムは使っていません

擦り合わせをして圧力検査をします!!

吸気ポートも拡張します!

排気ポートも拡張します!!

シリンダーヘッド完成です

シムにも余裕があるので次のオーバーホールも余程の素人でない限り純正のシートカッターでサッと加工してやればOK

出荷時のヘッドは精度が悪いので一度加工精度を上げてシートカットすると次からは純正のシートカッターで加工できます!!

ピストンとビッグブロックシリンダーのクリアランスを測定します

ダイヤルゲージを入れ!

測定完了です

ピストンとビッグブロックを組み込みます

そしてシリンダーヘッドを組みます!!

このFXヘッドがカッコいい!!!

次女号のFXはGPヘッドにしましたがFXヘッドもやっぱいいな・・・・・

一周回ってFXヘッドに戻るのですが私の場合100周程している・・・・

カップヌードルの醤油味から始まりカレーかシーフードに行くけどまた醤油味に戻る感じ・・・・

どちらも美味い・・・・笑

カムシャフトを組みタペット調整します

ヘッドカバーを組んでエンジン完成!!

車体にエンジンを搭載し火入れします!!

快調です!!

マフラーはトーキョー鉄管!!

Z400FX用はBEETの当時物にそっくりな形状!!

走れなくは無いですが見た目重視のマフラーです

ピラミッドがかなり後方にありエキパイがとても長く当時のBEETのマフラーは兵庫県民は尼崎の下請け会社で買うと言う裏技がありました!!

フランジにBEETの刻印があります!

パワーは出ないけど見た目がオシャレなので装着していたFX乗りは多くBEETの当時物のマフラーはぶっ飛ぶ値段で売り買いされます!!

当時を知る兵庫県民FX乗りは「何でBEETのマフラーがそんな高いん??」

と言う程身近過ぎるパーツだったのです

試乗しに万葉岬まで来ました!!

Z710FX完成です!!