本日はゼファー750を904ccまでボアアップします!
他県のゼファー750をボアアップ予定のお客様!
アメリカから帰国後しっかり段取り組んでいるので、ご安心下さいね
早速エンジンを分解する段取りをします
ゼファー750のエンジンはとても重いので、まず腰上を分解します!
4万キロ以上走ったエンジンです!
さすがにカムチェーンはかなり伸びてます
スリーブの内側も錆びてました
まっ!ボアアップなので関係なし
このスリーブの外径よりピストンのほーが大きいのでね!抜き取ります
やはりゼファー750エンジンは900ccぐらいが一番乗りやすいです!
810cc・820ccがお子様ランチに見えるぐらいパワーが出ます!
これから腰下を降ろすのですが作業台が満載
来週エンジンを全分解していきます
その前にお客様から差し入れです
有り難う御座います
フレームから腰下を降ろしエンジンを分解します!
ここでクランクケースもボーリングしました
腕の見せ所です!
画像では均一に削れていないのでは?
と思う人もいると思いますが純正のクランクケースが精度が悪いのです
一般のお店はフライスで加工します。
フライスで加工するととても精度が悪く(オフセット)スリーブの外径より大幅に拡張するのが当たり前です。
当店のクランクケースのボーリングはスリーブの外径より0.5ミリ大きいだけです
なので片側0.25ミリの隙間
完璧なオフセットで確実に水平に加工します
なのでスリーブとクランクケースの干渉はありません
クランクケースのボーリングは当店では当たり前なのでこの程度の仕事は無料です
バラした部品で使える部品をまとめます
次はエンジンをフルサンドブラストしペイントします!
古い塗装や腐食も全撤去
とても綺麗な半ツヤペイントです!
クランクケースとエンジンの中の部品をすべて洗浄し組んでいきます!
コンロッドメタル・クランクメタルを新品に交換しクリアランス測定します!
ここで豆知識です
コンロッドやピストンやピストンピンの重量合わせのお話しです!
重量合わせするとエンジンがスムーズに回転する!
大間違いで意味なしです。
均一な回転は4気筒とも完璧にそろった圧縮が条件。
いくらカムの精度が良くても、タペットのクリアランスが確実に揃い確実に燃焼しないと均一なクランクの回転はありえません。シムは5/100ミリ間隔でしかないので不可能
お客様でもこの3点の軽量化、重量合わせ・よく聞かれますがお金をかけてする価値はありません
これもレースで1秒でも・・・と言う感覚でする改造です。
パワーの出方は、単純でピストンの軽さ、なんかよりピストンの大きさ、後は圧縮です
単純に考えれば簡単でしょ?
雑誌は客取り合戦の激戦!
素人の人でも頭で理解できやすい重量合わせが大きく載ったりしてますね!
誰でも出来る簡単な仕事ですが体感なんか出来ません
ゼファー750エンジンの弱点はワンウェイクラッチ
なぜここが壊れるか・・・原因は二つあります!
一つはエンジンの圧縮が低い場合
STDエンジンは圧縮が低くワンウェイクラッチがしっかり噛みこまず共回りして磨耗!
大半のSTDエンジンが圧縮が低くなっています
もう一つは・・・バッテリーが原因です!
意外でしょ?安物の中国産バッテリーが出回りだしましたね
弱ったバッテリーでもなんとかエンジンかかりますよね
でも弱ったバッテリーはセルモーターの回転が遅くなりワンウェイクラッチがしっかり噛みこまず磨耗します
ZR7のワンウェイクラッチを組むとトラブルは減ります
しかし根本的に解決するにはメカニックの知識と技術で予防が出来ます
ボアアップすると圧縮が上がるのでワンウェイクラッチのトラブルは低くなります!
意外でしょ
大きなダメージはありませんが4万キロ以上走ったエンジンなので念のため交換です
ローラーとバネも交換です
内部のダンパーも勿論新品
これで大丈夫です!
次は強化クラッチです
FCCのタイプGです
ゼファー750の強化クラッチの定番はGPZ750ターボのクラッチですよね
810cc・820ccにボアアップするとターボのクラッチを組みますが900エンジンだと5分もちません・・・・一瞬で焼けます
タイプGはまさしく900エンジンの為のクラッチ
パーフェクトドライブです
小さなボアアップでもサーキット走行などで過酷な運転をする場合安全マージンを確保する為にこのクラッチを使うのもいいですね
内部の消耗品やシールは全交換です
次はヘッドを組んでいきます
バルブを研磨しました
さすがに4万キロ走行したバルブは45度が少し窪んでいます
45度面を研磨します
綺麗になりました
ポートのカーボンを掃除しシートカットします!
EXは30度・45度・70度で加工です
INは30度・45度・60度で加工します!
750エンジンのINを70度で加工すると45度が均一に加工出来ないからです
すり合わせをし当り幅の確認をします
バルブの45度面の研磨と45度のシートカットがうまく出来てないと、この時点で分かります。
次の圧力検査にも合格しません
こんな感じで確認していきます
圧力検査に合格したのでヘッドを組み上げました
腰下をフレームに載せます
シリンダーのボーリングが完了しました!
クリアランス測定をします!
ピストンを組込みシリンダーを載せます!
ハイコンプピストンにしました
73ミリピストンが炸裂です
ヘッドを載せカムを組みタペット調整です!
エンジン完成です!
見た目はSTDキャブでエアクリ着?
と思いきや
エアクリぶち抜きの直キャブ仕様です
見た目はノーマルにオーリンズ・モナカ官!一見普通やん!
普通の人はそー思いますよね
ですがエンジンは羊の皮をかぶったオオカミのバケモンです
904ccハイコンプが炸裂です
爆発的な加速力で一気にトップスピードまで引っ張り上げます!
振り落とされないよーに気をつけて下さいね
ピストン 73ミリハイコンプ製作
クランクケースボーリング
エンジンフルオーバーホール
オール半ツヤブラックペイント
キャブSTD エアクリダミー