本日は京都よりZ400FXの入庫です!!
なんと16歳の時に購入し40年以上所有されていて今年度当店で復活させる事になりました
このオーナー様の悲願だったZ400FXの40年以上の歴史が動きます!!
入庫したFXがこの状態!!
部品は殆ど揃っていて仕事はしやすそうです!
引っ越しの時に移動できないので分解して引っ越ししたらしく40年動いてませんが状態は良さそうです!
腐ってダメな部品は別の部品で代用する為持ち込んで下さり見た目はこんな感じですが綺麗な部品が揃っているのでレストアしやすそうです
それと限られた予算で出来るだけ綺麗に!
しかし安全の為に重要な部品、今しか出来ない大がかりな部品は組む前にリフレッシュします!
まずはフレームかたスイングアームを抜き取るのですがその前に嫌な打痕・・・・
ピポッドシャフトの近くにこの打痕があるとまず抜けない事が多い!!
これはハンマーでぶん殴った時の痕跡で抜けない場合思いっきり殴るのですが錆び付きなのでまず抜けません
経験上この打撃の痕跡があるFXは多く見てきたのですが殴り過ぎて疲れてスカしたときのハンマーの痕跡なのです
昔油圧プレスで抜こうとした事もあるのですがそうするとフレームが曲がる程抜けません!!
こんな時は抜けないと判断すると真っ先にスイングアームを諦めるが基本です!
スイングアームに切れ込みを入れピポッドシャフトを切ります!!
このFXのオーナー様は幸いウエダのスイングアームに交換予定で持ち込んで下さっていたので助かりました!!
このFXを入庫した時に「全部お任せします」との事だったので安くて一番低コストの段取りを頭の中で組み立てて良い物を最短ルートで考えます!
ホイールも分解し腐食だらけなので洗浄し補修ペイントをしてシルバーの部分は磨きます!!
綺麗に腐食を取り補修ペイントしました!
今が純正の同じぐらいの研磨なのでこれ以上磨くともっと綺麗に光りますが純正の感じとは違ってくるので後はオーナー様の好みに仕上げて下さい
フロントフォークもOHします!!
全分解しインナーチューブを新品に交換しフォークスプリングは当店の物を使います!
ここは使いません!!
全ての部品を洗浄し乾燥させます!
フォークオイルはヤマハの10番オイルを使います
エアー抜きをしてフロントフォーク完成です!!
アウターチューブも補修ペイントして組みました!!
Rブレーキマスターのピストンは奥で固着しなかなか戻ってこなかったのですがラスペネを浸み込ませで2日以上
ようやく分解できました!!
シリンダー内径も研磨で使えそうです!
高価な部品なので使えて良かったです!!
Rのブレーキキャリパーも固着していたのでOHです!
ピストンは錆びていたので新品に交換します!
キャリパーも塗りたかったのですが予算の中で納めるので外観はそのままです!
40年以上眠っていたFXなのでダメな部品は交換していきます!
車体を組む時は「見た目より機能」を優先して仕事します!
レストアの注意ですが基本的にレストアでお店にお任せは経験上とても危険な行為です!
見た目だけ綺麗にして安全を軽視した塗装しまくりの厚化粧のレストアは論外ですし
しっかりとしたレストアでも「〇〇と〇〇は当時物で」とかで何も言われず次々と加算されて「レストアできましたよ」と連絡が入り
合計金額の請求がきたら何百万で「ぎゃーーーーー」とか・・・・
ノーマルエンジンのオーバーホールで100万オーバーの請求が来たと言うお客様も過去にはいましたし
車体をレストアしてフレーム塗装等レストアで組みなおしで300万の請求が来たとか過去のお客様の話しだけでも色々ありますね。
「全てお任せします」と言って頂けると私の場合は上限の予算を決めてその金額以内で絶対に収めると決めています
その中で、はしょれる場所ははしょります
例えばキャリパーのOHは大切だけどキャリパーの塗装は意味が無いとか
機能上問題ない場所は今しなくても良いのでこれから長年かけてコツコツとDIY修理していただければなと思います
元々のピストンですが錆びてダメなのでステンの物に交換します!
オイルシールとダストシールも全部新品です!
キャリパーを組み上げ次はフレームの塗装をします!!
錆びてボロボロだったので赤さびも完全に取り除きました!!
そして七分艶の黒に塗装しました!!
半艶より少し艶を出しています!!
錆びで表面がボコボコだった部分も綺麗に塗装で埋まりました!
ステムのベアリングも新品に交換します!!
たっぷりとグリスをのせて組付けます!
そして先ほど綺麗にしたホイールにタイヤを入れます!
タイヤはTT100でチューブレス化しています!!
Rスプロケは当店のオリジナルの物を入れます!!
やはりFXはTT100が似合います!!
ホイールもボロかったですがここまで綺麗になると気持ちが良いです!
ハーネスは新品を持ち込んで下さったのでそれを装着し車体を組み上げました
今回とても助かったのがスイングアームを交換する前提でウエダの社外品があった事です!
スイングアームが錆びて固着していたのでピポッドシャフトをスイングアームごと切るしかなかったので純正スイングアーム再利用だと予算が大きく変わっていました!!
FXのピポットシャフトが高額になる傾向がありますがなぜ惜しげもなく切れるのかと言うとスズキのマイナー不人気車のピポッドシャフトを流用できるので切る決断がすぐに出来ました
FXのピポッドシャフトを買うとなるとなかなか無いのでスイングアーム丸ごと購入とかになると数万かかりますがスズキのマイナー車種の物流用となると500円
送料の方が高いぐらいです
車体は組み上がったのでエンジンに取り掛かります!!
長年のホコリが蓄積されています
腰上を分解したのですがスタッドボルトが抜けません・・・・
この状況になるとこのボルトを使うのは不可です!!
曲がってしまうのと仮に曲がらなくてもボルトの強度が無くなるので使いません!
加熱して抜きとります!
腰下を分解しました!
マスキングしてサンドブラスト加工をしました!!