神奈川県〇〇様 ゼファー710ccボアアップ

本日は神奈川県よりゼファーの入庫です!!

写真では黒く見えますが紺色!!

懐かしいタンクカバーなのですが私が10代の頃がZⅡ外装が無かったのでZⅡテールにタンクカバーが定番でしたが

最近の若い人はゼファーのタンクカバーを知らない人が多くゼファー750のタンクですか?

と聞かれた事もあります!!

平成の時代は当たり前の様にあったカスタムでしたが今となっては見る事がなくなりました!

15年前だとFX外装キットも無かったのでゼファーのタンクを切りFXのタンクとニコイチで繋ぎ

パテ激モリでガソリン殆ど入らないタンクでゼファーに入れる為のFXタンクを作ったり

ゼファーのタンクをパテ埋めしてZⅡ外装風にしたり今となってはキットパーツで済ませてしまう

改造も当時は多額のお金か時間と根性で制作していました

早速エンジンを降ろします!

キャブレターはオーバーホールされた痕跡があったのですが・・・

フィルターの位置が悪くホースが折れ曲がっていました!

これよくあります・・・

マニーホールドは昔交換された痕跡がありましたがOリングがズレて装着されていて切れていました!

恐らくここから二次エアーを吸って不調だったと思います。

腰上を分解しましたがかなり古くボルドが固着しています!

ここは抜き取り修正が必要です

プラグもかなりの年代物です!

腰下を分解しました!

外観はかなり古く吸気系統も不調だったと思うので乗るのもかなり大変だったと思います

エンジンをブラスト処理し半艶の黒に塗装しクランクケースをボーリング加工しました!

綺麗な半艶の黒塗装です

クランクシャフトを550に変更しクランクメタルを測定するとクリアランスがかなりキツく

全色ブラウンに変更です!!

時々完全にクリアランスが違うのでクリアランス測定はとても大切で

このクリアランスを測定せずに組むとクランクが焼けます!

逆にクリアランスが広すぎてもオイルの流速が遅く焼けます。

クランクシャフトはオイルの膜の上を滑って回転しているのですがこの被膜が大切で

広すぎても狭すぎても焼けの原因になります!!

クランクメタルとコンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定完了しました

ミッションを分解洗浄し組付けます!!

そしてロアケースを組付けステンのキャップボルトに交換します!

オイルポンプとワンウェィクラッチを組み込みます

クラッチを組んでカバーを取り付けエンジン腰下完成です!

すると以前ボアアップした群馬県のお客様よりゼファーエンジンが到着しました!!

「使わないので必要な部品があったら使って下さい」とゼファーエンジンの差し入れです

有難う御座います!!

シリンダーヘッドに取り掛かります!

燃焼室とポートを掃除します!

45度面と70度と30度の3面を加工しました!

このヘッドの状態はあまり良くなく45度面が綺麗にバルブと当たっていなかったので

圧縮漏れしていたと思います。

バルブの密閉率が悪いと勿論パワー低下の原因になります!

ここの精度はパワーとエンジン寿命に大きく係わります!

バルブのカーボンを落とします!

研磨機で45度面を修正しました!

吸気ポート拡張し!

排気ポートも拡張しました!

フィンは研磨しました!

ビッグブロックシリンダーのボーリングが仕上がったのでクリアランスの測定をします!!

5/100mmの仕上がりです!!

ピストンとビッグブロックシリンダーを組み込みます!!

そしてシリンダーヘッドを装着します!!

個人的にはゼファーエンジンは黒エンジンでフィンを研磨した仕様の外観が一番好きです!

カムシャフトを装着し!

タペットのクリアランス調整をします!!

ヘッドカバーを組んでエンジン完成です!!

エンジンを始動させ同調をとります!!

このゼファーはマニーホールドのOリングが切れていたのですが・・・・

どこかのバイクショップの装着ミスと思っていたのですが

オーナー様に電話するとなんとまさかのワンオーナー・・・・・・

新車から分解した事が無いらしく知人に「1気筒死んでいる」と言われた事があるらしいのですが

新車から不調だった原因が2023年になって判明・・・・・

カワサキの実話ホラーですね

試乗しに七曲りを超え万葉岬まで来ました!!

710ccゼファー完成です!!