本日はFXのフルレストアです!!
しかもこのFX!・・・・・
30年以上倉庫で眠っていた車両とのことです!
さすが30年の歳月を経過しているだけあります!
しかもナンバーも当時物!!!
一文字ナンバーで完全オリジナルです!!!
しかし保存状態は良くレストアはしやすそうです!!
今回は久しぶりにノーマルエンジンでいきます!!
出来るだけオリジナルに近い状態で仕上げたいのですがFX乗りにとって問題なのがキャブレターと点火装置です
キャブは消耗しきっている物が殆んどで現在プラグの焼け色が綺麗に焼けていてもエンジンをOHしたとたん濃くなります!!
なぜか?ですが圧縮が抜けているエンジンには濃い燃料が必要です。
キャブが磨耗し圧縮が抜けていると偶然プラグの焼けは綺麗になることがよくあります!
でもそれは本来のエンジンの動き方ではありません
あとは点火装置!
FXはよくトラブルがあるので安心して走るにはウオタニに交換がお勧めです!
エンジン・キャブ・点火装置この3点を確実にするのは絶対条件です!
ボアアップすればCRキャブにしても始動性が良く下から上まで綺麗に回るのでもっと扱いやすくなりますが今回は出来るだけノーマルで快調なエンジンのご依頼です!
東京から差し入れです!
有り難う御座います!
アルミ、メッキの状態はかなり悪いです・・・・・
できるだけ綺麗に復元します!
バラバラにしました!
フレームを磨いてみると!
ピカッと光るのですが・・・
ここのサビが酷い・・・・
ブラストしてペイントします!
リビルドするのにとても大切なエンジン!!
4番シリンダーにサビがあります
このままだと間違いなくオイル上がりします!
ボアアップもお勧めしたのですが完璧なノーマルエンジンがお客様の
ご要望なので完璧なノーマルエンジンを製作します!!
ノーマルなので簡単だなー・・・・
と!難易度が低いので
最初は気乗りしなかったのですが、完璧なZ400FXのノーマルエンジンって何年も乗っていない・・・・・
サービスマニュアルの規定より遥かに高度な技術でFXエンジンを復元します!!
幸い4番シリンダー以外は問題ありません!!
リプロ品のオーバーサイズピストンも考えたのですが・・・・
誇り高きZ400FXに台湾製ピストンってのはいけてない・・・・
日本人のエンジンチューナーならここに台湾産はプライドが許さない!
しかもピストンはバイクの中でも中核となる部分!!
ここを国産となると今のピストンに合わせてスリーブを製作します!
メーカーのピストンは欠品ですからね!
ハンドパワー念力で抜きます!
新しいスリーブを製作しました!!
ピストンとスリーブ内径はクリアランス0です!
圧入してからホーニングしてクリアランスをつくります!
スリーブ外形とシリンダーのクリアランスは6/100で効かせます!!
ここの精度はボアアップエンジンとノーマルエンジンでは違います!
FXはOリングがないので熱膨張時クリアランスが広がりオイルが上がろうとしてきます!!
ゼファーでは対策されています!
前方・後方のヘッドとシリンダーの隙間からOILが滲むのはここが原因です!
FXに限らずZのエンジンもですね!
アメリカではスリーブとシリンダーの隙間を埋める専用ボンドがあります!
この為の専用のボンドです!
日本のバイク業界・内燃機屋では「なんじゃそら?」ですがね
アメリカのエンジン屋はそれだけ先進国ってことです
抜いたついでにここだけでもシールドしときます!
エンジンをバラバラに分解しました!!
本日は神戸のゼファー900のお客様がご来店!
オオニシヒートマジックのマフラーを装着です!!
エンジン・キャブ・マフラー強力です
本日はサンドブラストの日です!
フレーム、エンジンその他の小物類をサンドブラストしました!
フレームはパウダーコートにします!
エンジンペイント完了です!!
純正とまったく同じ色でネジは再メッキではなく平頭の六角ステンにします!
再メッキすると綺麗なメッキではなくなりますしすぐ錆びてしまいます
エンジン内部を洗浄、バリ取りをし組んでいきます!
クランクメタル・コンロッドメタル内部の消耗品全部新品です
ですが元々内部は非常に綺麗な状態でした
なぜかと言うと走行1000キロちょっとで30年以上放置されていたみたいです・・・・
とは言えカワサキの新車でも精度悪い・・・・
クリアランス測定をし手直しして組んでいきます
まー。。。当時の量産の技術はこんな物か。。。。
今回のネジはステンレスの6角ボルトにします!
長さが特殊なFXのクランクケースネジは既製品ではないので東大阪のネジ屋に作らせました!
純正の再メッキは値段が高額であまり綺麗ではなくすぐ錆びてくると!
突っ込みどころ満載なのでこのタイプのネジにしました!
錆びることなく綺麗です!
次はヘッドをリビルドします!
45度面のダメージがあります!
なぜここが凹むのかといいますとバルブガイドに対してシートリングが正確に加工されていないからです!
定年劣化もありますが!ゼファーも同じトラブルがよくあります
FXのエンジンでオリジナルとなるとまともな物はありません
新車からデタラメな精度です
全て修正しました!
問題のシートリングです!
そもそも45度面の当り面が内側過ぎたり当り幅が狭すぎたりと。。。
いつものことですが、こーゆー場合は45度を大きく切り取り70度で拡張です!
これですり合わせすると!
適切な面が当ります!
失敗すると突き出し量が増えるので1発勝負です
プロは最小限に留め何十年後かのOHに備えます!
全てシートカットし、すり合わせ完了です!
ここでエンジン寿命が大きく変わります!
圧力検査に合格しヘッドを組んでいきます!
フィンは下から4枚研磨です!
これが一般的に多いFXヘッドですがここは削り手の人により若干違う物もあります!
新車からです!
ヘッド組み立て完了です!
出来るだけオリジナルに近い状態で仕上げます!
ここは兵庫なのでカワサキ重工のお膝元!
当店には当時の開発部や製造部の元社員さんもよく来ます!
当店の取引先は元カワサキ重工の人が独立している人も多いです!
今!Zの神様!
みたいに雑誌で騒がれている元カワサキ重工のジジイは目立ちたがり屋のジジイです!
優秀な当時の社員はカワサキを辞め独立しています
今の開発部、製造部、テストライダーさんなんかも、たまにご来店されます。
当時のカワサキ重工の話を聞くとビックリする様なことばかりです
酷すぎてここではお話できません・・・・汗
でも今はしっかりした管理体制のカワサキですよ多分・・・
30年以上放置されていたのでアルミパーツはボロボロ・・・・
バフがけをします!!
ピカピカにしました!!
普段は私!バフがけはしません!笑
お客様には「バフがけは出来ません!」と!
普段アホみたいに言っていますがバフがけは一般のお客様で出来るのでプロがするべき仕事ではない!
と!
考えています!
こんな仕事でお客様に工賃請求するのがバカバカしいからです!
でもたまには本気でやっておかないと腕が鈍ります
でもバフがけは出来るだけお客様でやって下さいね!
簡単です!
これだけのパーツでも4、5時間あれば出来ます!
修行時代を思い出します・・・・一日中やっていました
やりすぎて爪何回割ったか
フレーム、スイングアーム、その他小物のパウダーコート完了です!!
予定より3日ほど早く完成しました!
ヘッドライトステー意外はピカピカのツヤありです!!
そして、また小物類をサンドブラストします!
このパーツは腐食が酷く粉吹いていたのでリペイントします!
純正色っぽく、つや消しブラックです!!
三又は黒メイトです!
純正色が綺麗に残っている部分は徹底的に洗浄して磨いていきます!
ここは塗ると純正色みたいには行きません
トップブリッジもリペイントなしです!!
キーの本体はタッチアップしました!!
全部を黒に塗ると不自然なぐらいピカピカになってしまします
なので純正色が綺麗な部分は徹底的に洗浄し組んでいきます!
次はフロントフォークのOHです!
アウターチューブは補修ペイントです
幸いインナーチューブにサビがなくスライドメタルも磨耗していません!洗浄しOILシール、ダストシールを新品に交換です!
フォークスプリングは当店の強化タイプに交換します!!
さすが30年車体を支えていただけありバネはへたりF下がりになっていました
FXの殆んどがダメですね
フロントフォーク完成です!
強化スプリングにヤマハの15番OILです!
タイヤはTT100GPです!
古いタイヤなので固着し外すのが大変でした
ついでにチューブも新品にしました!
ベアリングは洗浄し点検しグリスアップし組みます!
ダメなベアリングは交換ですが30年前とは思えない状態のよさ・・・
乗らずに放置だったのでサビ、ガタもありませんでした!
ブレーキローターを研磨します!
ブレーキキャリパーも徹底的に洗浄しOHです!
また30年放置されたブレーキなのでFもRもカッチカチにピストンが
固着していました!
ピストンが錆びていなかったのが不幸中の幸いです
ウインカーのメッキ部分も徹底的に磨きます!!
リプロ品ではなく純正のウインカーです!!
純正のウインカーも、とても高額なので生かせるパーツは徹底的に磨いていきます!!
ナットやチェーンアジャスターは赤錆がなかったので一つ一つ洗浄し磨いていきます!!
これが大変な作業・・・・・
新品買えば?と!思うかも知れませんが当時の純正と今メーカーで買う新品とではナットの形状が違います!
当時のネジは削りだしなのでナットに角があります!
FXマニアはこーゆー所を見ます・・・・
行かせるネジは1本1本磨いて組んでいきます!
Fフェンダーは凹みなしでリプロではありません!
表面のクスミを磨き倒して綺麗にしました!
フロントフォークスプリングがヘタっていたので中途半端に直して走らせるとマフラーとぶつかり凹んでいたでしょう・・・
放置車両だったので純正Fフェンダーの形状が綺麗だったのです!
そしてメインハーネスがとても綺麗な状態で生きていました!!
これもリプロ品ではありません!!
ハーネスを洗浄し車体を組んでいきます!
ハンドルはサビサビだったので純正ハンドルが当店に転がっていたので当店の在庫と交換です!
これも高額なパーツなのでなかなか買えない部品です
小物のブレーキを洗浄し組んでいきます!
スイッチボックス、レバーも腐食が酷く粉吹いていたのでサンドブラストしました!
リプロ品は文字がプリントされているだけなのでオリジナルの物を復元していきます!
文字の窪みに色を落としこんで完成です!
ブレーキマスターをオーバーホールし組んでいきます!
このマスターも真っ白に粉ふいていたので目の細かいガラスビーズのブラストで加工しかるく磨きました!
勿論内部を洗浄し固着したピストンも新品交換しました!
スムーズに動きます!
Fブレーキもグチャグチャに粉吹いて固着していましたのでブラストしリペイントで綺麗になりました!
勿論内部の部品は新品です!
ブレーキパーツは固着と腐食が酷く分解するのが大変でした
白く色あせた樹脂パーツも一つ一つ磨いてツヤを出して組んでいるのでピカピカです
新品!と言っても分からないぐらい綺麗に光沢を出しています!
本日はエンジンを組み上げます!
シリンダー内径をホーニングしクリアランスをピストンに合わせます!
洗浄したピストンです!!
ピストンリングは純正を使います!
理研のピストンリングです!
新しく製作したスリーブは4/100です!
元々狭いクリアランスの部分もあったので狭いスリーブ内径は4/100
に修正しました!
一番広い部分でも5/100強なので問題なし
新しいスリーブはシリンダーブロック上面より5/100ミリ、ツバを高くし圧入します!
この段付きを修正するためにシリンダー上面を最小限で面研しました!
FXのノーマルエンジン・・・・・
贅肉の塊に見えます・・・・・
それだけエンジンの潜在能力が凄いのですがね
このオーナー様もギリギリまでボアアップか悩まれ着工寸前でノーマル!
と!なりました!
ピストンを組みシリンダーを載せました!
いつもより作業時間が短く想定していたのですが8分ほど遅れています
なぜかと言うとピストンが小さすぎていつもの感覚で仕事が出来ないからです
初心に戻らなくては・・・・・
通常ノーマルエンジンほど簡単な作業はありません
しかし私がノーマルエンジンを組むことが数年なかったので感覚が鈍っているみたいです
やはりノーマルエンジンもたまにはしないと。。。。
リビルドしたシリンダーヘッドを載せます
カムを組みタペット調整します!
そしてクラッチ板はゼファーを使います!
ゼファーのクラッチ板を組むことによりクラッチが切れやすくなります!
ヘッドカバーとクラッチカバーを組み込みエンジン完成です!
フレームにエンジンを搭載します
マフラーは集合です!!
ピカピカの綺麗なフレームなのでOIL交換時にフランジで傷付かずに済みます
割りカラーを入れるのも面倒ですので今後整備しやすいです
Z400FXの純正RショックはOHできないのでZ750FXのリプロ品です
そして!
ヘッドライト
純正の物がそのまま装着されていましたがこれは取り外しBrightecにレンズのみ交換します!
当時の純正なんて手に入りませんし切れるとレンズごと交換になってしまいます
丁寧に梱包してお渡しします!
これならバルブのみ交換できます
リムは純正品です!
ヘッドライトのリムは純正を磨いてそのまま装着です!!
この純正リム・・・・
状態の良い物をオークションで買うとなれば1万を越える時があります
リプロ品だと格安なのですが・・・・
使える綺麗な部品、ネジは1本たりとも無駄にしません!
地元のお客様が大勢ご来店されあまり仕事が進みませんでした笑
地元のお客様は全員ボアアップ車ですがピストンまで当時の純正品!
ピストンに合わせてスリーブを修正する徹底ぶりなのでいつもとは仕事が違います
メーカーから新品で買うネジにしても今の物と当時の物では違う物が
多くあります
出来るだけオリジナルに近く復元しますが「安全に走れる」が肝心です!
キャブ、点火装置も純正ははぶきます
ノーマル車にCRキャブ・集合菅・ウオタニって言うシンプルな仕様です
ネジの形状、強度指数までFXのE2です!
E4になると強度指数が違う部分があります
でも・・・・CRキャブの納期が遅い
キャブができるまでにエンジン・車体が出来てしまいました
仕事は段取りです!
品質は技術です!
どちらかが欠けてもプロではありません。
車体を見た瞬間頭の中でレストアし不足の部品を瞬時に洗い出し当店の在庫と照らし合わせ無い部品を即時に注文!
この時の洗い出しの時に頭の中でネジ1本ベアリング1個まで計算に入れます
分解して「あーこれが無い。注文」「あれが無い。注文」「これがダメだった。注文」で納期が長くなるのです!
また出来ない仕事を外注すると言うことは時間がかかりコストも跳ね上がります!
とくに内燃機なんかはアウトソーシングか、そのお店でするかで品質、値段がとてつもなく大きく変わります
そして!
本日エンジン点火
ウオタニはゼファー400用を装着しました!
低コストで済みます!
あとウオタニのFX用は付かない物があります!
なぜならFXのクランクケースは二種類あるからです
午後からは京都のゼファー710のキャブセッティングです!
CRキャブのブラックボディーです!
で!
本日は地元のボアアップしたお客様、ボアアップ予定のお客様が大勢ご来店
このFXを見に来た!
と!
ピカピカのFXを大勢見にご来店されました
キャブがまだまだ来ないので仮キャブでの始動確認です
神戸の710外観ノーマルゼファーのお客様より差し入れです!
有り難う御座います
そして今年ボアアップ予定のお客様から差し入れです!
有り難う御座います!
そしてタイガーカラーの710ゼファーのお客様より差し入れです!
それに!
来年ボアアップ予定のお客様からも、りくまるのオモチャの差し入れです!!
有り難う御座います!
本日の仕事も終わり!
オモチャもらったぞ!!
と!
事務所に行くと
おトイレを八つ裂きにし・・・
トイレなが出来なくて困っていました
散歩中すれ違ったゴールデンレトリバーにシバかれそうになってから毎日トイレをシバキ倒しています。
弱いものイジメが、りくまるの特技みたいです。
トイレ相手にいきってます。
あっ
そー言えば
地元の常連様から秘密兵器を頂きました
子犬でも食べられるガム
ついにこの秘密兵器を使う日が来ました
凄い勢いでガムと戦闘しています
しばらくトイレが破壊されずに済みそうです
本日ついにCRキャブが到着しました
まちくたびれましたがようやくFXの仕上げにかかれます
ウオタニはここに取り付けました!
CRキャブを取り付けエンジン点火
新車のエンジ音
でもまだ終わりではありません
E1・E2・E3の弱点
発電が弱いので3相交流に交換します
と言うかレギュレター壊れてました
リプロ品はすぐポシャるのでゼファー400のダイナモとレギュレターに交換しました
常時バッテリー電圧14V~15V以内なので安心して走れます
ヘッドライトもとても明るくなりました
FXで14V以下の場合レギュレターかダイナモの故障です
タンクはくすんでいたのでポリッシュをかけピカピカに
コーションラベルも残しました
Z400FX完成
弱点の部分はエンジンも車体も対策しました
これから車検です
本日車検に合格し30年ぶりに公道デビューです
ピカピカに輝いています
りくまるも400のFXに乗りたそーですが・・・・
りくまるの戦闘バッグは小さくなりサイドカーとよど号にしか乗れなくなりました
「お前は留守番だぞ」
七曲りに来ると凄いギャラリーに囲まれました
なんと言ってもピカピカのZ400FX
ナンバーまで当時の物です
道中も見知らぬ人に「何cc」と聞かれましたが
今回は400ccのフルノーマル
何年ぶりかにノーマルエンジンに乗りましたがやはり遅い
ホンダの野郎のCB400SFのブイテックに直線で追い抜かれます
このFXのオーナー様!上京する前はゼファー乗りだったそうですがFXは格別に遅いのでビックリしないかな
これからキャブセッティングを煮詰めます
地元では有名な急勾配の峠です
私の知る限り姫路で一番急な坂道です
710の場合21丁スプロケでもガンガン登るのですが
ゼファー400でもローギアまで入れないと登れません
普段は710なので気にならないのですが普段の感覚で行くと、さすがに400FXでは止まりそうになりました
550でもとてつもなく遅く感じますが400はもっと遅い
FXクランクの570ccかでギリギリまで悩まれましたがオーナー様ビックリしないかな・・・・・・
アメリカで550ccは女の子が練習用に乗る排気量です
日本人はそれをボアアップと言うのですが
りくまるは産まれてから650cc以下に乗ったことがありません
当時の日本にタイムスリップできた感じです
もっとキャブセッティングを煮詰めていきます
第一段階の慣らしを終わらせてから少しでもパワー振りしぼらないと
当時のメカニックは苦労したのですね