本日は栃木県よりFXエンジンの入庫です!!
入庫したのがこのエンジンです!
先月のFXのお客様同様整備士のお客様でなんと20代の若いお客様!!
今の時代若い整備士となるととても貴重な人材です!
30代半ばから上の世代はリーマンショックもあり整備士は使い捨ての時代だったので3Kのやりがい搾取の時代だったので
整備士となるとイメージがとても悪い・・・・
そんな中整備士を志す若い人が居ると言うのはとてもうれしいです
このFXは10代の頃に親ローンで購入されたらしく当時としてもとても高額な時代・・・・
今の半額以下の値段でしたが80万前後の大金を10代で買うとなると一線を超えた人の領域・・・・
ちなみに私が高校生の頃はFX・CBXが40万代で乗り出しで5・60万の時代でした
ゼファーだと店で20万前後・先輩からだと10万前後の時代でしたね!!
それと!!
部品どりの550エンジンも入庫です!!
このエンジンから550クランク・コンロッドを抜き取ります!!
まずはベースとなる400エンジンを分解します!!
シリンダーヘッドを取り外します!!
コンロッドメタルを見てみると!
全てのメタルがガリガリです!!
かなり高回転回して走行していたらしくいつ焼けてもおかしくない状態でした
サンドブラスト加工をし下地の腐食を綺麗に撤去します!!
クランクケースをボーリング加工して半艶の黒に塗装しました!!
部品どりエンジンからパクった550クランクとコンロッドを移植します!!
クランクメタルこトンロッドメタルを交換し組付けました!
エンジン内部の部品は全部550エンジンから移植しました!!
何故かと言うとオイル管理がしっかりされていて状態がとても良かったからです!!
ロアケースを組付けました!
ステンの六角ネジに変更です!!
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます
オイルパンを組んでひっくり返して!
強化クラッチを装着し!
クラッチカバーを組んで腰下完成です!!
次はシリンダーヘッドの修正をします!
このFXのヘッドはE1のド初期!
バルブのコッターピン溝が下にあります!!
なのでコッターピンも専用の物が必要です!!
しかし一本完全に曲がっています!!
研磨機では修正不可能なので交換します!
初期バルブの在庫があったのでそれを修正しました!
全バルブの45度面を研磨機で修正しました!!
次はシリンダーヘッドの修正をします!!
燃焼室のカーボンを落としたのですが!
バルブシート側面にバリが出ています!
この様なバリがあるとヒートスポットになるので削ります!!
これで安心です
45度面でバルブとの設置面を修正しバルブシート内径を70度で拡張しました!!
全箇所のシートカットが完了したので!
バルブの擦り合わせをして圧力検査をしてシリンダーヘッドを組み上げます!!
吸気ポート拡張し!
排気ポートも拡張しました!!
シリンダーヘッド完成です!!
ボーリングが完了したのでダイヤルゲージにてクリアランスを測定します!!
測定しピストンとシリンダーを装着します!!
このシリンダーのボーリング加工も組手になると当店の場合自分事なので見えない部分も慎重になります!
こう見えても昔はボーリング加工を外注に出していたので若い頃は色々な内燃機屋と取引し酷い加工をされた事もあります!
怖いのがライナーがしっかり入っていない状態で面研された場合です。
このままエンジンを組付けると熱でライナーは緩むのでライナーのツバ部がシリンダーの上面から下がります・・・
内燃機屋選びはとても大変で腕の良し悪しはライナー内径の精度では語れないのです。
普通のバイクショップや一般ユーザーは内燃機屋の技術をライナー内径の仕上がり精度でしか見れないのですが肝心なのはライナーを入れる技術からです。
ユーチューブでも最近は加工方法を配信している内燃機屋もありますがプロが見ると肝心な部分は伏せています!
重要な部分だけは動画には上がらないです!!
しかし素人のバイクショップがライナーの交換方法を動画にUPしている動画もありましたがプロから見ると酷い内容をなんの恥ずかしげもなく公開している場合もあるのでネットの情報も玉石混交の時代ですね!
シリンダーヘッドを組付けます!!
カムシャフトを装着しタペット調整をします!!
ヘッドカバーを装着しエンジン完成です!!
点火装置を装着しエンジン始動させます!!
710エンジン快調!!
エンジン完成です!!