本日は京都府のお客様です
大変長らくお待たせしました
入庫したのはこのゼファー750RS
イエローボールです
エンジンを降ろします
分解していくと!!
腰上は問題なしですが
腰下がかなり汚い
昔のオーナーはオイル交換しなかったのでしょうか・・・
ゼファーと言っても古いバイク
組み付け精度が悪い物もあればノーメンテの車両も多いです
私が高校生の頃は先輩から5万~10で購入するバイクでしたが今の高校生はゼファーなんて買えません
ホンマのボロでも20万~で小奇麗だと書無しでも20万ほどするものもあります
私が高校生だった時のFXやCBXの相場が40万ほどでそれでも「高っ!!」と思っていましたがね
Z1が60万ほど
まだゼファーは割安感がありますが10代の若者にはなかなか買えない車両になってきました
でも意外なのが資産家の人でZではなくゼファーを欲しがる人が居ます
Zの値段は頭打ちですがゼファーはまだ割安だから買って保管する人が多数おられます
10年後20年後を考えているのでしょうね
エンジンを全分解してサンドブラストします
下処理完了です
エンジンのペイントをしました
大阪のお客様と同様の半艶のブラックです
クランクケースのボーリングも完了です
クランクケースを洗浄しクランクメタルとコンロッドメタルを交換します
メタルの測定完了したのでクランク・コンロッドを組みました
今回のクランクケースの洗浄は大変でした
なんか変な添加剤を入れたみたいで表面に汚れが付きその上から膜をはりこびりついていました!
ガソリン・オイルに添加剤は今までの経験上ろくなものがありません
ガソリンでよくあるのが水抜きの添加剤・・・
ゴミケミカルです
エンジンオイルに入れる添加剤も意味・効果のあるものは無いと思います
金属を保護とか汚れを落とすとか・・・・
あんなモンでエンジンが良くなるなら苦労しません・・・・笑
エンジンに入れる添加剤も基本ゴミケミカルで素人向け商品
一番良いのは良いオイルを小まめに交換です!!
タンクに水が入るのは洗車や雨水や結露が原因で入ります
これはどんなバイクもあり得るのですがケミカルは入れないでください
タンクに水・サビがある場合は花咲かGなどでサビを取りしっかり洗浄しタンクを乾かすのが一番です
どんな高級なペイントをしても内側が錆びてボロボロになるとゴミタンクです
ミッションを組みます
そしてロアケースを組みます
クランクケースも徹底的に洗浄したのでピカピカです
漬け置き洗浄すると塗装も剥がれてピカピカになりますが腐食しやすいので原始的ですがブラッシングで洗浄です
普段の3倍以上時間かかりました
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます
オイルパンを組んでひっくり返します
あの膜に覆われた汚れもピカピカです
ゼファーもFXもクランクケースの中も塗装されていますが汚れがアルミに染み込まない為の対策でもあります
一部塗装されていない部分もありますがその部分はいくらブラッシングしても汚いままで放置すると腐食してしまいます
クランクケース丸ごとクリーナーに漬け置きすると手間いらずでピカピカになるのですが長期保管するとエンジンの内部でアルミが腐食し粉を噴くので手間ですがてで洗浄が基本です
FCCのタイプGを組みます
クラッチは熱との闘いです!!
このクラッチは純正と違い焼き入れされています!
ターボクラッチは薄くて枚数を増やした仕様ですが生鉄クラッチなので900エンジンでは持ちません
熱で歪むとクラッチは滑って焼けますがこのタイプGは枚数を増やし鉄プレートは焼き入れされハブはクールコーティングされ放熱させます
800ccクラスには過剰設計ですがね
クラッチカバーを組んで腰下完成です
このクランクケースは後ろの左から3つ目のスタットボルトにOリングを圧入しています
分解前にシリンダー後方からオイル漏れしていたのでこのクランクケースは対策が必要です
ここのOリングはメーカーから販売されていませし出荷時は組まれていませんが製造のミスなのか設計のミスなのかゼファー750は稀に必要なクランクケースがあります
ここに気付かないとノーマルエンジンでもオイル漏れします
でもここに入るOリングが既製品のOリングで装着可能な物がないんです
次はシリンダーヘッドのシートカットをします
燃焼室とポートに溜まったカーボンを落とします
45度60度70度の3面加工をしました
このヘッドはシートリングの狂いがないので30度の加工は必要ありません
バルブのカーボンを落とします
そして45度面を研磨します
修正完了です
バルブのすり合わせをし圧力検査をしてシリンダーヘッドを組み上げます
フィンはこちらのお客様も研磨のオーダーです
ピストンを制作しボーリングしたシリンダーとのクリアランスを測定します
ダイヤルゲージを入れて!
測定完了です
このダイヤルゲージは1/100を見る工具なのですがマイクロメーターの使い方・
ダイヤルボアゲージの誤差等で内燃機屋との誤差が発生する場合があります。
なので内燃機屋と年に2・3回は測定合わせをしています
内燃機屋で測定すると規定値ですがバイク屋さんで測定すると規定値じゃない!
とか稀にありますからね
でもバイク屋さんは通常はそこまでしないのが普通です
そもそも測定すらしていないってお店の方が多いです
なので今でも私が専属の内燃機屋に行くと職人は「ビクッ!!」とするみたいです
昔は全国に腕の良い内燃機屋がどこにでもあったのですが今は絶滅寸前
あっても腕の悪い店ばかりとなりました
当店は段階の世代の腕の良い人材は引退したので開業する前は人材育成からスタートでした
私のゼファーのシリンダーで何回失敗されたか
私の基準が厳しいものありますが・・・・
そのたび何度も出向き部品代は全て私が払い若い職人を育てました
そこでカチ喚くと職人は自身を無くして辞めてしまうんです
何度もボロのよど号で出向き「失敗を恐れなくていいから存分にボーリングしろ」
とゼファーのシリンダーを10個ほど持って行き職人はリスクを恐れることなく存分に特訓しました
幸いゼファーのエンジンは大量にあったので
今では「出来たので取りに来てください」笑
と催促してくるほどでピストンを見て膨張率を判断しクロスハッチの深さまで判断できます
私が「クロスハッチの深さ○○ね!!」と言うと「わかってます」と言い返してきます
通常はスリーブ内径だけでなく外径のクリアランス・目落としの深さも指定するのですが今のバイク屋さんは内径の指定しかしないらしいです・・・
その内径の工具の測定合わしに来るお店も今は無いらしい
時代ですかね・・・・
ピストンを組み込みます
今回のお客様のピストンは京都市内なので少しコンプレッション低めの設定です
低めと言っても純正ピストンと同じコンプレッションハイトの高さなのでノーマルエンジンに比べるとハイコンプなのですがね
シリンダーヘッドを組みます
カムを組んでタペット調整します
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です
フレームにエンジンを搭載します
エンジン点火
エンジン快調
試乗に出かけます
そのまえに!
今月も色々と差し入れを頂きました
先月ボアアップした香川のゼファー900のオーナー様より!
お菓子やオムツやリクマルのオヤツを頂きました
本当に有難う御座います
ちなみに先月900エンジンを二機制作したのですが三機目のご予約を頂いています
それと!!
地元のZ710FXのお客様が香川県のゼファーのお客様より激安で購入したゼファー750のサイドカーです
以前FXの前はGPZ400Fのサイドカーに乗られていたので
「もうサイドカーに乗れないだろう」と半分諦められていたのですがひょんな話から香川県の900のお客様から売って頂けることになったのです
私もゼファー680(旧タカトリピストン)のサイドカー乗りなので一緒に走るサイドカー仲間が出来ました
サイドカーはバイクとは別物です
左に船が付いているのが国産の証でワンオフのサイドカーです
3人乗り登録でアールズフォーク
マニアにはたまらない乗り物です
こちらのお客様からも!
またまた軍手の差し入れを頂きました
有難う御座います
そして!
愛知よりご来店して下さったお客様より!
手羽先やうどんやお菓子の差し入れを頂きました
有難う御座います
それと!
仕事をしているとオーストラリアから荷物が届きました
箱を開けると!!
以前710にボアアップしたオーストラリアのお客様よりマンゴーの差し入れを頂きました
長女が気に入ったみたいでバクバク食べました
有難う御座います
私の娘は将来オーストラリアに留学させたいと言う構想があります
まだ長女は1才ですが・・・・
英語の前にまだ日本語がしゃべれません。。。。笑
最近はNHKの「おかあさんといっしょ」にはまっているみたいで
「だんごむしだんごむし」とか
「ブンバボンボブンバボンブンバボンボブンバボン」とか
変な音楽が仕事中も頭に焼き付き気が狂いそうです
そしてこのゼファー900RSの京都のお客様より!
地元のラーメンの差し入れを頂きました
今月は多忙で外食に行く暇もないので嫁も大喜びです
最終点検の試乗に行きました
今月は先月より暖かく空冷エンジンユーザーには最高の天気
ここから万葉岬に行きます
万葉岬に到着すると!!!
ポリバスやパトカーや覆面パトカーがわんさか・・・・
後ろのも覆面です!!
検問か!!!!????
と思いきや誰も居ません
周りを見てみると!
規制線が張られています
なにかあったみたい・・・・・
しばらくすると下から人が上がって来る警察の声が聞こえてきて。
見てしまいました
何を見たのかは秘密です・・・・・(事件だと大変なので)
そしてそのまま安富ダムに行きました
ここに来ると少し寒い
ここは昔バイク事故が多く二輪通行禁止でしたが今は解放されています
安富ダムは中1の時から友達とカブで競争していたホームグラウンドです
アスファルトのくぼみまですべて暗記していますが短いので距離が稼げません
ゼファー900完成
最終点検完了です
あっ!
実はこの田舎の安富町から紅白歌合戦に出る人が出現しました
「丘みどり」さん
と言う演歌歌手で私と同じ中学です
三つ年上になりますが丘(本名は岡)さんの弟が同じ野球部の後輩でした
当時弟は「お姉ちゃんアイドル活動しとんやろ?」
とよくいじられていたのですが紅白の歌手になるとは
地道な苦労を重ねた結果なのでしょう
その頃の私は友達とカブの競争に明け暮れていたので中学を卒業する時母に
「あんた頼むからこの町から出て行って」と泣かれました
男のロマンを分からない母だと大変で苦労しました・・・・
丘さんも若い時に苦労されたのでしょう・・・・・