大変長らくお待たせしました!
本日は大阪府よりゼファー750の入庫です
入庫した車両がこの車両!
今となっては高額な車両になってしまったゼファー750
20年前のZ400FXの値段です
このゼファーは知人の形見らしく格安で譲って頂けたとの事!
とても綺麗にペイントされていますがエンジンは過走行で不調気味で今回ボアアップします
エンジンを降ろします
エンジンはペイントされていますが距離も5万キロを超えているのでそれなりにメカノイズがあります!
メカノイズと言っても他のゼファー750に比べればまだ良性でエンジンの扱い方・オイル管理が雑で2万キロでガタガタのエンジンも多々あります
シリンダーヘッドを取り外します
そして腰下を分解するのですが!
折れました
ゼファー750あるあるの場所!
まずはセンターに穴を空けます!
古いボルトを撤去し!
ヘリサートを打ち込みます
エンジンをサンドブラスト加工します
いつもブラストは専門の業者に出すのですが去年
「コロナで東京とロックダウン」の噂が広まった時でも
どんな状況下でも「仕事があるなら必ず引き受けます」と言ってくれたのがとても心強い
改めて取引先の大切さを痛感した一年でした
仕事をしていく上で低コストで良い仕事をしたいと未だに考えますがやはりサンドブラスト加工は自社で装備し自分でブラスト加工するとコスパ悪い・・・・
砂を当てるだけの単純作業でも毎日するサンドブラスト加工屋と私とでは時間も仕上がりも値段も設備も全然違います
去年のコロナパニック化でも取引先は真っ先に当店の仕事をしてくれたのでとてもありがたい1年だったと思います
毎月定期的に仕事を出すので年に数回しか来ない店より安く優先的に当店の仕事をしてくれます
なのでお客様にも良い仕事で低コスト化が出来ます
クランクケースをボーリングし半艶の黒にペイントしました
クランクメタルとコンロッドメタルを交換しクリアランス測定しました
ミッションも洗浄し組み込みます
消耗品のチェーン・オイルシールを交換しロアケースを組みます
次はゼファー750の弱点のワンウェイクラッチです
ここはすぐに摩耗するので対策品に交換します
クランクケースに組み込みました
エンジンをひっくり返しFCCのタイプGを組み込みます
クラッチカバーを組んで腰下の完成です
シリンダーヘッドに取り掛かります!
45度面と30度と60度の三面でシートカットしました
全箇所のシートカットが完了し!
研磨機でバルブの45度面を加工します
擦り合わせをして圧力検査をしてヘッドを組み上げます
シリンダーヘッド完成です
ボーリングしたシリンダーとピストンを測定します!
ダイヤルボアゲージを入れて!
測定します
この測定も当たり前ですがこの測定すらしないバイクショップはとても多くまた指定した寸法で加工できる内燃機屋もとてもすくなくなりました
昔は雑誌などで大々的に宣伝していた内燃機屋もありましたが実際はあんまりだったり論外だったり・・・・
内燃機屋の良し悪しの判断が出来るバイクショップも殆どありません
シリンダーとピストンを組みます
そしてシリンダーヘッドを組みます
カムシャフトを組みタペットをシム調整します
そしてヘッドカバーを組んでエンジン完成です
エンジンを搭載し試乗に出かけます
万葉岬まできました
900エンジンなんでエンジンにパワーあります
最終点検で安富ダムへ来ました
ゼファー900完成です
今年で3.11から10年の節目が来ました!
テレビで福島の復興を見ましたがまだまだ道半ば感もあります。
10年前の自分はまだ丁稚奉公で働いていた頃ですが
あの津波の映像をリアルタイムで休憩室で見ていた私は脳天を突き上げる様な衝撃があり動けなくなりましたが兵庫では全く揺れなかったので休憩室の外に居るスタッフやお客様は何も変わらない日常があり凄い違和感があったのを鮮明に覚えています!
外のお客様に「福島が大地震でとんでもない被害が出ている」
と、言っても「そーなん?」「帰って見てみるわー」
って感じのリアクション・・・・
あの日あの空間に居た人は後から被害の深刻さを知る事になったのですがあの日から10年と考えると時間が流れるのは早いですね
独立する→ピストンキットを量産する→ボンネビルに行く→
シリンダーを量産する→工場を大きな場所にする
この目標を3年で達成すると言う目標を資本金30万で起業した時に決断したのですが間違いなく3.11の出来事が私を突き動かしました!
誰もがいつ死んでもおかしくないから生きてるだけでぼろ儲けで寝る時間削って動く事を学びました!
(仕事が嫌で転職しまくるろくでなしでした)汗
3.11以降何故か無敵の気持ちになり仮に破綻しても生きれるだけでもラッキーやん!!
と思える様になったからですかね!
10年と言う節目で区切るのはあまり好きではありませんが時間の流れを感じます
これからも粉骨砕身頑張ります
このゼファーのオーナー様より差し入れです!
コーヒーとお菓子を頂きました
有難う御座います