兵庫県〇〇様 Z1 エンジンオーバーホール

本日は兵庫県の播州赤穂よりZ1の入庫です!!

改造車のZ1ですがエンジンのそこら中からオイルが漏れてきているのでOHなのですが一通りエンジンを分解し適当な部分があれば手直しします!!

兵庫県と言っても西から赤穂市・姫路市・明石市・神戸市がありますが微かに方言も違うし市民性も全然異なります

播州地域でバイクショップを経営する場合、実は赤穂市は超重要拠点です

赤穂市はバイク乗り同士の横の繋がりが強く市内で独自のコミュニティがあり殆どがDIYで修理・カスタムをする傾向があります

プロではないけど町のバイク屋以上にカスタムしたり修理出来る人が一定数居ます

なので自分達である程度触れるので姫路のバイクショップの工賃が高いか安いか、技術のあるなしも直ぐに見抜く傾向があるので播州地域でバイクショックをする場合赤穂市からお客様が来るお店は技術、価格共に良いと判断できます

起業する時に赤穂市からお客様が来るかが値段設定の基準にして開業して直ぐに赤穂市からお客様が来たので「これでイケる」と確信しました

姫路の常連様からのアドバイスで「赤穂の客を取れ」「来たら全国で通用するお店になるよ」と20代の時言われたので赤穂の市民性を研究しました

エンジンを分解します

カムはヨシムラST1です!

ピストンはワイセコの71mmでした

お客様は以前カスタムしたショップに「70mmの1015」

と聞いていたみたいですが実際は71mmの1045でした

Z1に68mm以上のピストンを入れる場合はライナーの交換が必要ですが!

シリンダーをめくると!

まさかのドロップイン

肩肉1.25・・・・

取り合えず点検棒!!

これを点検するまで落ち着きません

このZは車体の足回りからフレームまでとにかく強化パーツが入っています!

トップアイドラーまでリジッド・・・・・

テンショナーもマニュアルテンショナーでカムチェーン回りはガチガチなので!

折れてぶら下がってました

ライナーを抜き取ります!

エンジンに強化パーツを組みフレームも足回りもガチガチに強化されているのに一番肝心なスリーブがペラペラです

15年程前のZブームは「作れ!とにかく作れ」の時代です!

カスタムバイク雑誌に載っていたお店ですが「見た目」はガッチリカスタムしますがバイクで最も重要な部分で高額な部分で技術が必要な所を手抜きされています!

お客様には

「オーバーホールしました!」

「排気量は〇〇ccですよ!!」

と言ってもライナーを打ち換えてのボーリングかドロップインかで内容は全く違います!!

Zの場合はオーバーホールでもライナーの交換が必要な物が多々あります!

基本的にノーマルエンジンのOHでもライナー交換が大多数のZは必要です

腰下を降ろします

腰下を分解します

今回のピストンは71mmなのでライナーの打ち替えが必要です!

方肉2mmあれば大丈夫なのでライナー外径75mmで見てみます!

しかしクランクケースのボーリング(少し削れば問題ないレベル)が必要か必要でないかを見る為にダミーシリンダーに外径75mmのライナーを制作しクリアランスを見る必要があります

Z1000のライナーの外径を整え75mmまで加工します

シリンダーを仮組してライナーを入れてみます

ギリギリ大丈夫っぽい!!

前気筒確認します!!

干渉しない!!

ここも0.5mm程隙間ができる!!

Z1000のエンジンなら問題なく入りますがZ1のエンジンだとライナー外径75mmが限界っぽいです

76mmだと干渉すると思います

Z2だと100%入らないと思います!!

エンジンを洗浄しました!!

この日は待ちに待った二発目のワクチンの日です!!

田舎の病院だとネット予約だと空きがあるので簡単に予約が出来ました

たまたま見つけて「こんなに空きがあるならワクチン打つか!」

と軽いノリで申し込んだのですが二度目・・・・

結構キツイです

大阪府は吉村市長の主導の下ワクチンをガンガン打っているので同年代の人も2本打ちの人が多々居られて聞くと

「二本目はかなりきついですよ!!」

との事・・・・

二本目打ってビビッて様子見と思い夕方の3時30分に接種!!

その日は全く発熱せず

「ラッキー!!笑」「仕事しよー!!」

と思った次の日!!!

起きた時は楽勝で娘と遊んで暴れて嫁が超絶激怒ブンブンマルでしたが

朝10時頃から「ん?・・・・」と思い熱を測ると38.0・・・

夕方は38.5・・・・

ヒジ・ヒザの関節が痛くなり歩けなくなりました

この日は一日休みにしました!!

私は接種後19時間程で発熱したので接種した翌日は仕事を休むのをお勧めします!!

接種した翌日に仕事のスケジュールは入れない方が良いです!!

感覚で言えば咳・鼻水の出ない風邪でした!!

食欲はあったのでインフルに比べれば軽い風邪って感じでした

クランクシャフトを点検すると2/100mmのフレです!

叩いた痕跡があるので心出しをしたと思われます

普通はしばらくすると元のフレに戻るのですがクランクケースの状態が良いためかブレが戻っていません!!

そしてミッションを洗浄し点検するのですがオーナー様から

「ギア抜けする」との事で点検したのですが問題なく詳しく症状を聞くと「シフト時にギアが入らない」と言う症状でした!

となるとクラッチに不具合かな?と点検し直していたのですが!

ヤフオクで購入したZ1のミッションを分解していると!

全てのギア全滅のミッション・・・・

実働車からの取り外しで問題なかったらしのですが

やっぱりオークションで買うZのパーツはゴミが多いです

2速の抜け位は覚悟してましたが

やはりゴミパーツの押し付け合いですね

クランクとミッションを組みます

ロアケースを組み!

オイルポンプを組みます!

クラッチのハブを組んでクラッチ板を組みます!

APEのニードルベアリングが入っていたので洗浄し組みます

プッシュロッド式のエンジンで稀にあるのがクラッチのリリース時に異音が出て急にクラッチがつながると言うトラブルがこの部品を組めば無くなります!

Z400FXでもあるトラブルですね

スタータークラッチも当時物が装着されていました!

ここも勿論新品を組みます!

組み込み完了です

シリンダーヘッドの取り掛かります

燃焼室とポートを掃除しました

バルブガイドの交換がしてあってシートカットの精度は問題ない!

45度面もとても綺麗なので!

サッと45度の面出しをして完了です

そしてバルブを清掃しました

純正のバルブでしたが1本だけ45度の精度が悪かったので新たに45度面を出し直しました

バルブが曲がっているのではなく元々のバルブの45度面がステムシャフトがブレた状態の物があるのでこの左のバルブはそんなバルブでした

擦り合わせをしてバルブを組むのですが!

なかなか酷いのが・・・

シムを削って加工されています!!

ここもペーパーで擦ったシムが入ってました

シムを削ると言うのは論外です

ステム長を全て調整し焼き入れしました!!

カムメタルも当時元だったので!

新品に交換し!

カムを組んでクリアランス調整します

今の時点で約2.60程のシムなので次のエンジンOHも楽勝で出来ます!!

シリンダーヘッド完成です!!

次はシリンダーの点検です!

ボーリングが仕上がりました

ライナーはZ1000の物を移植しました!

外径は75mmで加工し直し寸胴の外寸でシリンダーに圧入しています!

Z1000の純正ライナーの場合だと方肉2mmあれば安全マージンを確保し大丈夫です!

これ以上薄くする場合は純正流用のライナーではなく素材の変更が必要になります

ライナーは厚ければ厚いだけ強度が上がり良くなる!

と言うわけではありません!

厚くなればそれだけ熱が逃げなくなりオーバーヒートに繋がります

昔Z1のボアアップエンジンを750にボア・ストロークダウンして欲しいと世にも奇妙なオーダーがあり750の純正ピストンにするとライナー方肉7mmと言うあり得ないシリンダーになりました

「強度があるから大丈夫でしょ!!」とお客様と話し組み上げたのですが走行中オーバーヒートを繰り返しシリンダー丸ごと交換した事がありました

厚ければ良いわけでなく勿論薄ければ良いわけもなくライナーの素材が何か、ピストン形状、大きさでもライナーの厚みの限界値は異なります!

分からなければカワサキ純正ライナーだと方肉2mmあれば安全です!

ダイヤルゲージを入れ!

測定しました

ピストンとシリンダーを組みます

スキッシュエリアは0.2mm程落としました!

ヘッドを組んで締めるとスキッシュエリアがそれだけ下がるので少し安全マージンを確保します!

シリンダーヘッドを組みます

カムシャフトを組んでもう一度シム調整をします!

ヘッド単品で一度調節済みなので後は微調整です

2.3を上死点にしてもう一度調整します!!

トップアイドラーの根本はダンパーゴムに変更です

ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

試乗をしに七曲りまで来ました!

エンジン快調!!

ライナーの厚みの十分確保したので安心して乗れます!!

Z1のエンジンオーバーホール完了です