京都府 ○○様 Z550GP 腰上オーバーホール

大変長らくお待たせしました

本日は京都からのお客様で以前710にボアアップしたお客様のお友達です!!

入庫したのが!

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このZ550GPです

今後710ccか大型Zを考えておれれるみたいなのでとり合えず腰上のOHで快調に走れるよーに!と、なりました

でも明らかにエンジン不調・・・・・白煙吹くし・・・・

始動させると三気筒で一気筒はエキパイがらガソリンが滲んできます

腰上分解歴があるので人為的ミスでの故障か焼けてるか・・・

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焼けてない・・・・

ヘッドカバーを外した時点で焼けたエンジンの独特の臭いがあるのですがこのエンジンは焼けてません・・・

シリンダーを見ると!!

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カムチェーンガイドが折れてます

スリーブの内径は!

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錆びて凹んでます

まぁ・・・550エンジンでまともなエンジンが有るはずもなくオーバーサイズピストンを組むのは当たり前なのですがツメが引っかかるどころではなく完全にサビで凹んでます!!

オイル上がりの原因はこいつです!!

今回はオーバーサイズピストンですが純正はとっくに欠品なのでヨシムラの600ccピストンを組みます

鳥取県の710ゼファーに装着されていたピストンですが寄付して下さったので550エンジンの補修用ピストンとして使います!

パワーを上げると言うよりかは補修用ピストンです!

国内の400エンジンユーザーからすれば「凄いボアアップエンジン」と昔は言われていましたが・・・

アメリカ人からすると550は女の子が練習用で乗るバイクのイメージが強く615はその補修用ピストンなんです

でもここまで調子が悪いのは他に原因があるはず・・・

ピストンでなければシリンダーヘッドしかありません

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とりあえず腐ってへばりついたベースガスケットを取り除きます

シリンダーヘッドを分解すると!!!

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EXバルブが溶けています

こいつでエンジンが動いていたのが不思議・・・

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もう一本のEXバルブは曲がってます

何年も前に分解した痕跡があるのでおそらく外国で一度腰上を分解したみたいです

バルブが高温になり溶けるのですが多分原因は吸気にあります!

マニーホールドがカチカチに劣化し二次エアーを吸い極端にガスが「薄く」なっていたみていです

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良品のバルブに交換し45度面を研磨しました

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次はシリンダーヘッドです!!

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過去にシートカットされ45度面が極端に広くなりべた当たり状態です!

恐らく海外で加工されたと思われます

45度面だけ加工しその後当たり幅の調整をしていないのです

圧縮漏れするので45度面の当たりが広いのは良くありません

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適切な幅に加工しなおしました

45度30度60度70度の4面加工です

しかし元々薄いシムがはいっていたのでタペット調整出来なくなります!

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全箇所の修正完了です

バルブのすり合わせをして圧力検査をし!!

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カムを仮組してタペット調整します!!

今回のオーナー様はゼファーカムに変更です

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そしてバルブ7本リフェーサー加工をして焼き入れしました

そして!

ヨシムラの600ccピストンとは言え補修用ピストンなので!!

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吸気ポートと排気ポートをガッツリと広げ少しでもパワーを振り絞ります

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シリンダーヘッド完成です

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エンジンを組んでいきます!!

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550エンジンなのでボーリングオンリーでいけます

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これがヨシムラの補修用ピストンキットで600ccになります

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このピストンは一般のバイク屋さんでも簡単に組めるピストンですが550クランク用です

550クランク用はゼファー400・Z400FXには使えません

このピストンはゼファー400に組まれていたので圧縮が低くパワーが無い状態だったのです

そして!

このヨシムラのピストンですがZ550GPにはポンで組めません!!

スキッシュエリアは550でコンプレッションハイトはゼファー・GPZ系

シリンダーベースパッキンを数枚重ねないと燃焼室と干渉します

とは言えベースパッキンを数枚重ねるとオイル漏れの原因になります。

素人の組み方です!!

なのでGPヘッドの燃焼室に合わせてピストンの形状を変更します

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完了です!!

ヨシムラも最初からこの形状にして販売すれば同系モデルの550エンジンは全て組めるのですがね・・・・

400クランクで組むと圧縮スカスカで550クランクのFX・GP・一部のGPZに組むと燃焼室と干渉・・・・

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シリンダーをボーリングしクリアランス測定をします!!

測定完了!!

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ピストンとシリンダーを組み!

リビルドしたシリンダーヘッドを組みます!

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カムを組んでタペット調整をしようかと思うと・・・・・・

カムチェーンが伸びすぎてテンショナーが張れません

なのでエンジンを降ろし!

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クランクケースを剥がして!

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カムチェーンを交換しました!

取り外したカムチェーンを見ると・・・

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こんなに伸びてます・・・・

気を取り直しエンジンの腰下を組み上げフレームにのっけます

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腰上のOHと言っても下の状態が悪いと満足なエンジンには仕上がりません

ちなみにオートテンショナーでゼファーの物を移植するとノッチ数がFXとゼファーで異なります!!

550でも変わります!

クランクのセンターからカムのセンターまでの距離が違うからです!!

なのでピストンの圧縮上死点も異なります!

多分ヨシムラのピストンはそれを知らずピストンを量産したのでしょう・・・

ゼファー550なら問題ありませんがね

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ヘッドカバーを組みエンジン完成です

今回はカムチェーンで段取りが狂ったのでてこずりました

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なんとかエンジンが仕上がりエンジン点火

絶好調

やはり腰上のオーバーホールだけでは中々満足な仕上がりにはなりません

今回はカムチェーンが伸び過ぎてバルブタイミングが大きく狂っていたので腰下も分解しました

補修用ピストンとは言え600cc!!

中々の走りをします

早速試乗に七曲りに行くと!!

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大混雑・・・・

長崎ナンバーや京都ナンバーが多くなぜかゼファー750RS率が高い

落ち着かないので!

市内のかな福へGO

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いつ来てもここのうどんは美味い

第一段階の慣らし運転を完了させる為に工場に帰ります

これからガンガン試乗します!!