大変長らくお待たせしました
本日は岐阜県よりZ400FXのボアアップです
埼玉県のお客様に引き続きイエローのタイガーカラーです
新品のCRキャブにウオタニ装着でピッカピカのFX
オーリンズのRショックで渋く改造されています
早速エンジンを降ろします
エンジンは腰下まで全分解された痕跡があります
持ち込まれたゼファーの部品や550クランクです
ここまで完璧に揃えて頂ければ完璧です
梱包の中に差し入れで爪切りを頂きました
SUWADAの爪切り・・・・
とてつもなく高級感が漂っています
有難う御座います
それと!
以前ボアアップした鳥取県のゼファー710のお客様がご来店してくださり!
オムツとラーメンの差し入れです
有難うございます
鳥取のゼファー710のお客様も、奥様がもうすぐ出産らしいです
ウチの子は今のところ女の子っぽいです
楽しみですねー
早速エンジンを分解します
組み方はとても丁寧ですが!
組まれていたピストンは台湾のピストンでした
ピストンピン挿入部の精度が悪いんです
ワイセコピストンは精度は悪くないのですが膨張率が大きく結果として同じ様なトラブルが発生します!
ピンの部分の動きが渋いと傷が多くなります
ピン部分は対策加工ができない部分です
腰下は全く問題なし
内部の消耗品は一通り新品に交換してありました
エンジン内部の部品を抜き取り洗浄・点検しました!
次はエンジンをサンドブラスト加工します
綺麗な下地ができました
これからペイントします
半ツヤの黒にペイント完了
クランクケースのボーリングもついでにしました
持ち込んで頂いた550クランクを組みます
550クランク・コンロッドを組みメタル類を交換しクリアランス測定をします!
以前に分解した人もクリアランス測定し組んだみたいですがメタルの厚みが違う物が組まれていました
少しクリアランスが狭かったです
適切なメタルに交換です!
そしてミッションを洗浄点検し組みます
カムチェーンも交換してありましたが当店で消耗品は全交換します
ロアケースをのせワンウェイクラッチを組みました
スターターワンウェイも前の人が新品に交換しているみたいです
FXの物ではなくGP以降も物が入っていました
そしてこのFXオーナー様からのオーダーで!
大容量オイルポンプキットを組みます
こいつの販売は終了しましたが当店でボアアップするお客様には販売可能です
オイルポンプを変えるとオイルの圧力がとても高くなるので!
こいつもセットで交換です!
ゼファーのオイルパン(持ち込んで頂いた新品)を組みエンジンをひっくり返します
ネジは全て純正です
状態が良かったので全てのネジを磨いて光らせました
純正のネジはメーカー欠品なので手に入らないのです
クラッチを組みます
一次減速は550に変更です
何故かと言いますと!
このFXオーナー様は気分でFXクラッチカバーに変更するかもしれないので二次減速をF17R35にします!
なので当店のFスプロケは組まない使用です
でも今はゼファーのクラッチ仕様なので!
この部品を組みます(これも持ち込んで頂いた新品)
強化クラッチ完成です
次はシリンダーヘッドです
マフラーのガスケット内径をマーキングしガッツリ拡張します!
拡張完了
吸気ポートも!
拡張完了
FXヘッドを捨てずFXヘッドのままパワーアップです
シリンダーヘッドをリビルドします
以前にシートカットした痕跡がありプロのシートカットの加工です
純正工具でグリグリしたシートカットではなくバルブガイドに対し垂直に精度良く加工されているので多分内燃機屋の仕事です
なので45度面をサッと表面だけ加工し!
シートリングの内径を70度で拡張しました
前に加工した人が丁寧だったので仕事がはかどります
シートリングの狂いもなかったので加工しやすかったです
全部完了
次はバルブです!
INバルブはFXのE1の物ではなく新品に交換してありました
EXのバルブは交換せず、すり合わせだけして組んであるみたいです!
全てのバルブの45度面を修正しました
そしてすり合わせをしてヘッドを組んでいくのですが!
以前シートカットした人が掘り込み過ぎてシムがとても薄かったのです
2.20ぐらいのシムなので今回シートリングを修正しバルブの45度面を修正すると2.15から2.10のシムになってしまいます
なので!
頭を加工し焼き入れ加工しました
なので何十年後かにもう一度OHしたくなった時、次の人が修正できるようにしときます
タペット調整出来ないとシートリング打ち替えなど莫大な工賃が発生してしまうのです
当店は精度の良いシートカットをし次にエンジンを分解した人が修理できるようにエンジンを制作します
一度精度よく加工すると次は純正工具でシートカットしても大丈夫です
圧力検査に合格したのでヘッドを組み上げます
加工前は3番のEXバルブから排気漏れしていました
EXバルブの密閉不良はなかなか気づけません
IN側はキャブからパンパンと走行中爆発音がしますがEXはマフラーの中なので一般の人は気づかないんです
すり合わせの後の圧力検査はとても大切です
パワー出そう
綺麗に仕上がりました
ピストンを制作しクリアランス測定をします!
ダイヤルゲージを入れ!
完璧なクリアランスです
ピストンを組み込みビッグブロックを組みます
ヘッドガスケットを制作し先ほどリビルドしたシリンダーヘッドを載せます
エンジンらしくなってきました
カムを組み込みタペット調整します
ヘッドカバーを組みエンジン完成です
横から作業台を見ると
ずらりとバケモンエンジンが並びます
エンジンをフレームに乗せて!
エンジン点火
しかし・・・・・なんか変・・・・
吹けるっちゃー吹けるのですが・・・・
ダメだろうな・・・と、思いながらも点火タイミングを色々試しながら試乗です
調子よいか?と聞かれると調子悪い・・・・
マッピングが全然違うのでノッキングしやすくパワーもない。。。。
点火装置がエンジンの足を引っ張っているのは軽く吹かせば分かるのですが無駄な抵抗をしました
キャブレターは!
まめしば?のMノズル装着バージョンです
交換してシャーシダイナモかけると若干馬力は上がります!
多分TMRと同じ原理のノズル
これは付けても付けなくてもどっちでもいいです
ここまでボアアップすると体感できません
小排気量だと体感できるのかな?・・・・
で!
ウオタニも!まめしばのウオタニ
これが原因なのはエンジンかけた瞬間わかりました
悪い物ではないと思うのですがFXにはFX専用のウオタニを装着してください(ゼファー400でもOK)
早速交換し!
エンジン点火
絶好調
これから試乗しなおします
次の日!
キャブセッティングで安富ダムまで試乗です
マフラーは当店のオリジナルを装着です
空冷エンジンの乾いたサウンドが最高です
カワサキの空冷エンジンって綺麗な音するんです
で!!
少し問題だったまめしば版ウオタニ!
好調に動きました
キャブセッティングが通常の710と変わりましたが大差なく走ります
岐阜県のFX完成です