またまた愛知県のお客様でZ400FXをビッグブロックで710ccまでボアアップします
入庫したFXです
普段はロケットカウルにセパハンを装着されているらしいのですが作業しやすいようにわざわざ取り外し入庫して下さいました
有り難うございます
Fフォークがとても短くなっています
オーナー様に聞くと「ホワイトパワーに交換した」とのこてですが
軟らかすぎてリバウンドしません
全国から「ホワイトパワーに交換したけど軟らかすぎてFフェンダーとマフラーがぶつかる」と問い合わせがありますがやっぱりダメですね
それ以上にFXにとってキャスター角は弱点とも言えます。
Zのフレームの中でもZ400FXは特別角度がきつくこんなに前下がりになると真っ直ぐ走りません。(直進安定性がなくなります)
トレール量を増やすだけで全然違います
当たり前なのですがここに気付かない人がとても多く補記類を付ける人が多いです!
私はFXフレームで250キロ超過でもステダン必要ないと思います
これは実体験です
アメリカのレギュレーションで必要だっただけで日本の綺麗なアスファルトでステダン?
ブレ防止はセパハンが一番です
また仮にどうしてもFX・ゼファーに取り付けるのであればステアリングダンパーはオーリンズが一番です
それ以外はほとんど飾りです
このFXもFフォークスプリングを当店の強化タイプに交換します
また在庫がなくなりかけなので無くなったらスミマセン
また通販・店頭販売はしていません。
ボアアップのお客様のみに組んでいる部品です!
さっそくエンジンを降ろし分解します
エンジン降ろすと4センチ近く浮き上がりました
分解歴なしか?・・・・と思っていたのですが
シリンダーからヘッドに差し込むボルトがありません・・・
後方も含め合計5本のボルトがありません・・・・
分解歴ありか・・・・
腰上を分解すると・・・・
「・・・・・・・・」
最悪・・・・
OILラインのノズル差込穴が楕円に変形しています・・・・
このエンジンに組まれていたベースパッキンをよく見るとGPZ400Fの黒いアスベストタイプの物が装着されていたので随分昔に腰上を分解しているみたいです
こんな部分修正不可や
大昔どっかの誰かがノズルを差し込む時に失敗したみたいですがどー失敗したらこーなるのか分かりません
今までの歴代エンジンを見てきた人は分かると思いますがトラブルの殆んどが人為的ミスでエンジン破損しています
昔のこのエンジンのオーナーはクランクケースをオシャカにされて工賃を払ったのでしょうか・・・
ここが変形するとシリンダー・ヘッドのオフセットが狂いますし外周のOリングが均等に圧がかかりません
中身を取り出しクランクケース交換です・・・・
当店の在庫のエンジンです!
FX最後の1機
二階から降ろしました
腰上を分解し!腰下に取り掛かると!
「・・・・・・・・・・・・・・」
解体屋のクソジジイを殺そうかと思いますがこのFXエンジンは
わたしが昔、ヤフーオークションで購入したエンジンです
今回は解体屋のジジイが悪いワケではありません。
今回、解体屋のジジイは無罪です。
しかしFXのクランクケースはロクな物がねーな
KZ400EEのクランクケースは貴重なのに・・・・
在庫のエンジンの破損は転倒ですが、元々組まれていたエンジンは素人が昔組んで失敗です。
転倒は仕方ないですがこんな人為的ミスはホントに困る。
通常では有り得ない壊れ方なので暴走族の乗り潰したエンジンの方が仕事しやすいです
そしてお客様に緊急連絡
KZ400EEのクランクケースをお互いで探します
と!・・・・
知人のお店に確かカワサキの腰下が転がっていたのを思い出しました
でもFXかな?・・・・Jかも・・・・
と思いましたがとりあえずTEL
「原動機の型式はKZ400EE」とのことで加古川市まで走りました
Z400FXの腰下でした
腰上分解されて放置後10年ぐらい?
ホコリかぶって中身サビサビ
でもこいつまだ走れそう
早速分解
おおーーー
問題なさそう
これから洗浄し点検します
今回エンジン番号が変わるので積み替え暦あり、と!なりますが
Zなんかでも!「エンジン積み替え暦なし!」なんかよく言われますが
なんで積み替え暦なしだと価値があるのか分かりません
ヤフーなんかでもよくありますが価値が無いから売りに出されてんじゃね?と、思います
そこに価値観を見出すよりクランクケース壊れたら「エンジン積み変えてもこの車両で走りたい」ってオーナーの方が大切にしているのだと!思う私です
壊れたら直す!古いカワサキ乗りなら、あたり前のコトです
このFXのオーナ様から差し入れです
名古屋の食べ物激ウマです
しかも私の得意料理のカレーも差し入れしてくださいました
カレーはお湯を沸かすだけで出来る簡単料理
有り難う御座います
エンジンをマスキングしました
サンドブラスト完了です
このFXのオーナ様もゼファークラッチ流用ですがスプロケカバーはFX!
このスプロケカバー!カッコエエ
ドリミングで軽量化されています
塗装完了です!
クランクケースをボーリングしウオタニを装着できるように加工し洗浄しました!
550クランク・コンロッドを組みます!
洗浄しクランクメタル・コンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定します
ミッションはゼファーに交換です
クランク・コンロッドはお客様が持ち込まれた物です!
現在セブンスターホイールでオフセットスプロケを組まれています!
今後はオフセットスプロケ不要になります
腰下を組んでいきます
OILポンプは動きが渋いので良品に交換です
ネジはオールステンに交換です
そして!
ゴトゴト音がしていたのでハウジングを良品に交換です
ここで注意が必要なのですがハウジングのみを良品に交換してはいけません
400エンジンの一時減速でも種類が多く組み合わせによってはクランクケースを変形させます
クランクケースが変形すると腰下から強烈な異音がします
当店では変形しているクランクケースは音鳴り防止の対策して組んでいます
FXやGPの古いエンジンでまれにあるトラブルで400は全部一緒と思い込んで組んでしまう人がいるので 厄介です
セットで交換です
OILパンはゼファーに交換です
もともとGP系の物が装着されいいましたがゼファーにするとOIL
ラインがことなります
オイルクーラーのOILラインが転倒により破損してもOILポンプからクランクへOILを送ることができます
転倒後のクランク焼き付きの可能性が少なくなります
あとOILプレッシャースイッチとなります
FXとゼファーは元はプレッシャースイッチです
強化クラッチを組みました
710ccでもパーフェクトドライブですが570ccのお客様にも組み込んでいます
シートリングをシートカットします
このヘッドは大きな狂いなく簡単に加工できました
45度面を加工し70度で拡張です
狂いの大きな物は30度で修正します
全てのシートリングの加工が完了しました
次はバルブの修正です
かなりダメージが大きいですが当店ではこのレベルだとなんの問題もなく修正可能です
45度面がベコってますが
これぐらいのトラブルで新品に交換するのは素人の仕事です
曲がっていなければ問題なく修正できます
なんでも交換!屋さんが日本のメカニックですが部品の供給がままならない海外では壊れた部品をいかに修正するか、製作するかが大切で腕の見せ所
一般整備の平均値は日本は凄いと思いますが、それはディラーも部品の交換屋さんだからだと思います
そもそも日本のバイクのディラーさんにエンジン修正復元の工具はありません
それ以前に日本製のエンジン修正復元工具はありません
綺麗に復元すればまだまだ使えます
全て綺麗に修正完了
突き出し量が増えるので頭を0.1~0.2ミリ加工し焼き入れしときます
本日はタイからわざわざ仕上がったゼファーを見に当店にご来店下さいました
タイで企業された社長様
本日は昼までお仕事し昼からは楽しく二人で食事に出かけました
このゼファーの社長様もインターナショナルな考えの持ち主で日本と海外を比較すると日本は欠けている物が多く感じます
私の場合オートバイ業界ですがメディアの悪さ
バイク業界では雑誌ですかね
あんなバカバカしい物が世間の世論なのです
あんなバカバカしい本をユーザーがうのみにしてしまいます
全てがバカバカしいわけではありませんが小さな島国の中での世間の世論は世界の非常識で、それが日本の民間企業の衰退に繋がります
例えば私の仕事が「凄いですね」なんて言われても海外のエンジンチューナーからすれば私なんて話しになりません
私が凄いのではなく日本が遅れているだけです
ピストン作るのは当たり前でクランクを切って溶接しストロークアップするお店も民間企業であります
すると!日本のメカニックは「そんな物もたない」
と!実績ないにに想像の世界で言うに決まってます
日本人の鉄板決め台詞ですね
今日はとても楽しいお話が出来て楽しい食事の時間でした
タイのお土産です
有り難う御座います
バルブをすり合わせあし圧力検査をしヘッドを組みます
ヘッド完成です!
このエンジンのオーナー様はGPZヘッドで機械式カム仕様です
なので!
ヘッドに穴をあけました
カムシャフトはモリワキST1です
今回エンジンを組む時打ち合わせで「機械式カムを購入します」
と話していたのですが!
なんとご自宅の部品取りエンジンに入っていたらしいです
シリンダーヘッド完成です
製作したピストンとスリーブ野クリアランス測定をします
完璧なクリアランスです
ビッグブロックシリンダーを組みます
当店の屋号と反対側のメイドインジャパンの刻印も研磨しました
ご来店された時に
「メイドインジャパンの刻印はないのですか?」
と!聞かれたので今回は研磨しました
当店でビッグブロック化されたお客様のシリンダーにも勿論刻印はあります(研磨はしていませんが)
当店の製品は全て国産の物です
台湾だと格安で出来るのですが・・・・
ヘッドガスケットを製作しシリンダーヘッドをのせます
カムを組み込みクランクを回すと・・・・・
感覚が変・・・・・・
原因はカムホルダーです
心配だったのでピンときました。
お客様が持ち込まれたヘッドですがカムホルダーが別のヘッドの物が装着されています
カムホルダーとヘッドは一体物のを削るので同じGPヘッドでも他のGPカムホルダーは使えません・・・
今までのお客様でもですが部品を持ち込まれた場合同じコトをくどい様に聞きなおすことがよくあります
多分普通のお店では聞かれないことを必要に聞いてくるので疑問に思われたお客様もおられるかもしれません
この部品はお客様が分解したのですか?とか
出所は?とか
また着工前にも念押しの確認でお電話することもあります
あまり必要に確認すると「お店の在庫を買わされそう」と思われるのが嫌なのである程度にしていますが
こーなるのが怖いからです
ヘッド本体がゴミ決定です
勿論サンドブラスト・ペイント・シートカット・バルブ研磨・リフェーサー加工・ヘッド穴あけ・すり合わせなどの加工も全てパーです
製作したヘッドガスケット・ステムシール・Oリングも使えません。
で!一番怖いのが偶然カムホルダーの固体差がほんの少しズレているでけなら私でも気付かないのです・・・
穴のわずかなズレは測定のしようがありません。
手の感覚でも分かりません。
そのまま組むと100%焼けます・・・・
今回は「クランクを回す感触が変だ」と気付いたので高額なモリワキカムも焼けずに済みました
まだカムチェーンを張ると違和感に気付けるヘッドだったのでラッキーです。
で!当店の在庫のヘッドを組みます
「当店の在庫を買いますか」
と!言うと私は絶対この状態のエンジンの部品を提供しています!
でも出来るだけお客様がヘッド付きエンジンを当店に送るかお客様ご自身が分解されたヘッドを持ち込んでください!
ヘッドを販売する場合でも一つのエンジンを分解しています
ヘッド単品をヤフーなどで買うと、どんなアホが分解しているか分からないからです
8個のカムホルダーで1つでも他の物が混ざるとそのヘッドはゴミ決定となります。
せっかくエンジンを組んでもゴミヘッドが原因でエンジンがポシャります
で!ヤフーの販売者は責任なんかとるわけありません。
で!ヘッドが焼けると「カムとヘッドを交換すれば良い」と思う人も多いみたいですがカムチェーンも異常なぐらい伸びます
シリンダーヘッドやり直します
当店の在庫のシリンダーヘッドをサンドブラスト加工しました
タコメーター取り出し口の穴あけ加工も完了です
リペイントしフィンの側面を研磨しました
シートリングを修正します!
45度面を修正し70度で内径拡張です
全て綺麗に修正しました
45度面にダメージがあるのでバルブも全て修正します!
修正完了
すり合わせをし圧力検査に合格したのでヘッドにバルブを組み付けます
前に組んだステムシールは使いません!
新品でも一度組み付けそれを取り外すと傷が付きOIL下がりの可能性があります!
部品一つ妥協することなく組んでいきます!
ヘッドガスケットも新しく作り直しヘッドを組み付けました
カムはモリワキST1です
モリワキのST1はハイカムの中でも一番扱いやすく思います!
GPZ400Fのカムとゼファーのカムの中間ぐらいのカムです
ヨシムラのST1はGPZ400Fとほぼ同じです!
でも私個人的にはモリワキST1が乗りやすいと思います
GPZ400Fヘッドにモリワキの機械式カムです
渋い
タペット調整をしエンジン完成です
そしてフレームにエンジンを搭載します
点火装置はゼファー用のウオタニを装着出来る様に加工しています
FCR33パイのキャブに変更しエンジン点火
強烈なエンジン音でジャンクエンジンが生れ変わりました
元々のエンジンの部品は・・・・
ほぼ無し・・・・笑
昔エンジンを組んだ人の失敗によりクランクケース交換となったので・・・
このエンジンがベースとなりました!!
ミッションはゼファーでクラッチハウジングも当店のゼファーとなりクランクは550でピストン・ビッグブロックも当店の物になりヘッドもGPZ400F!カムもモリワキST1
このエンジンも凄い仕様になりました
クラッチカバーとスプロケカバーはピカピカのツヤあり黒です
アクセル開けるとフレームの中で強力なエンジンが暴れます
本日は台風が兵庫に直撃
りくまるの散歩をして工場に帰ると!
クロネコヤマトの野郎が私の帰りをまっていました
こっ・・・これは・・・
以前ボアアップした北海道のFXのお客様より差し入れです
北海道のメロンです
こんな贅沢品
有り難う御座います
りくまるもご挨拶だぞ
りくまるも喜んでいます
でも・・・りくまる!?
お前には贅沢すぎて食べたらお腹びっくりして病院に行くことになるから私が頂きます
早速試乗で七曲りに来ました
そしてその足で万葉岬まで行きました
こちらのFXのオーナー様はフレーム補強するか悩まれましたが今回はなしです
いったんノーマルフレームで走行し今後ダメだったら修正ないし補強とのことです
補強なしで710cc化・GPヘッド・ハイカムと言う強力なモンスターエンジンに仕上げました
かっこええ!
「曲がらない」「止まらない」
でも?
カワサキ乗りは男なので、そんなの気にしません
雑誌読んで非力エンジンでフレーム補強がどーのこーの言うチキンは歩道でも押すのがお似合いだぜ
それか安全の為の補助輪でも取り付けるべきです。笑
ぜも710ccなので「ヤバイ」と思ったら補強してくださいね
もー少し試乗しキャブセッティングをこれからします