大阪よりエンジンのオーバーホールで入庫したZ750FX仕様のゼファーです
このゼファー!
TMキャブ車です
TMキャブはまともに一般公道を走れません
新品でも張り付きがあるのでこれを組むなら純正キャブのままの方が良いです
純正キャブの中古とTMキャブの新品なら私は純正キャブの中古を選びます
なので今回エンジンをオーバーホールする序でにSTDキャブに戻します
エンジンを分解していきます
湿度が高くなると事故した右足に激痛がはしります
丸ごと降ろさず上から順番に分解します
ヘッド良好
ピストン綺麗に焼けてます
シリンダーとクランクケースはバッチリ液体ボンドで、くっ付いています
シリンダーをよーく見ると・・・・
4気筒ともガッツリサビてます
爪に引っかかる深さでホーニングで消すとクリアランス過大になります
このまま組むとピストンリングの磨耗が激しく短命なエンジンになります。
マジか・・・・と、思い
お客様に即電話し純正オーバーサイズピストンの許可を頂きました
純正ピストン代・ピストンリング代・ピストンピン・サークリップ
それに伴いボーリング加工
こうなると当初の予算が大幅に変わります
一気筒ぐらいならスリーブ作るか!と、思うのですが
4気筒となるとさすがに予算的にオーバーサイズピストンが必要です
しかし
神がかりな偶然が
こないだ新潟県のお客様が5速ミッション化の710エンジンを製作したのを思い出しました
その時分解したエンジンがあるはず
早速工場の中を探すと
あったー
スリーブの中の状態も非常に良い
しかも分解したときにピストンの番付けもしていました
普段は分解するとその辺に無造作に置いているのですが!
なぜかこの時の私はスリーブの状態が良かったのでピストンに番付けし保管していたみたいです
そもそもオーバーホールよりボアアップが当たり前の当店
普段はピストン・シリンダー交換が前提なのでこんなことしません
なんでも置いていくべきですね
無料でこのシリンダーとピストンに交換です
なのでピストンリング代のみで予定どーり低コストでエンジンを復元できます
んでもって。4気筒錆びていたり傷だらけのエンジンもよくあります
普段はボアアップなので交換するので 、そもそも載せる必要がないので紹介もしませんが
直キャブ車の放置は危険です
定期的にクランキングさせたり、エンジン単品で長期保管の場合はプラグホールからエンジンOILを少量流し込みクランクを動かして下さい
でないとスリーブ錆びます
腰下を分解していくとクラッチが新品に交換してありました
ぜもこれは処分
ゼファー750エンジンの弱点のクラッチはターボのクラッチに変更です
腰下は比較的綺麗!
メタルのダメージは、あまりありませんが交換です
ワンウェイクラッチのダンパーは予定どーりガタガタ
冷間時エンジンかけるとウルサいのがダンパーの傷んだ750エンジンです。
エンジン分解完了
シリンダー在庫しといて良かったー
あと!今回はタイミングもよかったです
オーバーホールのお客様の為に、これから良いシリンダーがあれぼ保管しとこう
そしたらオーバーホールの時ボーリング必要なくなるので低コストでエンジン直せます
エンジンをマスキングしてサンドブラストします
まとめて小物の部品もブラストして下処理しました
これからペイントします
本日は午後から、とある会議があったので、りくまると出席です
りくまるの出席も許されています!笑
「チラッ!」
「地面よし」
「シュッパーツ」
次の日
エンジンの塗装をしました!
綺麗な半ツヤブラックになりました
他の小物パーツもブラスト、ペイント 済みです!
長年の汚れと放置期間が長かったのでキャブも付け置き洗浄
オーバーフローもなく一安心です
このゼファー750のオーナー様より差し入れを頂きました
有り難う御座います
「はい!りくまる!ご挨拶だぞ!!」
「ありがとー」と言っていますが・・・・
りくまるは飲めません
なっ・・・なんやねんその顔
ふてくされるとプリケツをこっちに向けて、いつもこんな感じです
この普通の写真を1枚撮るのに一苦労です
腰下を組んでいきます
クランクのフレは1/100以下なので曲がりは5/1000以下となります!良好
ダメでも無料で当店の在庫の良品と交換できます
クランクメタルコンロッドメタルを全て新品に交換します
クリアランス測定をし消耗したチェーン・Oリング部品を全交換します
ミッションを組み込みワンウェイクラッチをOHします!
腰下のエンジン音の原因の一つでもあるダンパーを交換し!
こいつも新品に交換
こいつも新品に交換!
対策としてZR7を組む予定でしたがバックオーダーで納期未定・・・・
なのでゼファー750の新品にしました
ここが磨耗破損する原因はバッテリーが弱ると磨耗します!!
と!言うのも中国産の安物が多く出回りだし
「安けりゃええ」
って感じで安物のへたったバッテリーを使いワンウェイクラッチを磨耗させます!
ヤマハ車ではVマックスなんかがよくあります。
XJRなんかもありますしXJRの厄介なのがエンジン全分解しないと直せないです・・・
Z1・MKⅡもよく破損しますがこれも弱ったバッテリーを使うことにより破損します!
ワンウェイの磨耗、破損、キー飛びが鉄板メニューです
Zが故障した場合はリプロ品で対策できます!
今はZも部品に困らないんですね
でも弱ったバッテリーを使うと何度でも破損します
あとマニュアルどーりに組むと何度も破損させ取り返しつかなくなります。
Z400FX系エンジンはこの部分は無敵です
と、言うか磨耗しても問題なくギュルギュルクランク回ります
当店は念のため400系エンジンで磨耗している場合は無料で良品に交換しています
磨耗しているのは20機に1機ぐらいかな?
OILポンプを組みオイルパンを組みひっくり返します
今回ターボのクラッチを組みますがゼファー750もターボも最後の1枚をずらします
これが正しい新車時の組み方となります、が!!!
全て揃えて組む場合もあります!
ハウジングの状態を見て判断するのですがハウジングが磨耗していると全て統一させた方がクラッチが切れやすくなります
勿論ハウジングはある程度修正しますが!
ここの磨耗が激しいのがZ400FX・GP・ザッパー・750FXⅡ、Ⅲ・750GPです!
400系エンジンのFX・GPはクラッチ板が原因で磨耗します!
プッシュロッドの磨耗も関係してくるのでこの部分は要注意です
エンジン腰下完成
ピストンも洗浄しました
次はシリンダーヘッドの修正です!
今回のシリンダーヘッドはシートリングの歪みが非常に大きいです
45度面をシートカットすると!片側は規定値ほどに加工できましたが!
対角の45度面は規定値の倍ほどの当り面になりました!
バルブガイドに1/100ミリ単位でステムシャフトを入れ精度良く加工するとこれだけ歪んでいるのが分かります!
長年バルブに叩かれ歪んで来るのが750エンジンの特徴
Z750GP・GPZ750F・ザッパーでもよくあるトラブルです!
バルブの密閉率が非常に悪くなり圧縮抜けを引き起こします!
メーカー指定の純正工具(シートカッターでは修正出来ません!)
応急処置どまりが限界で一般のオートバイショップではバルブを新品に
交換しよう!となるのが多いですが密閉率の悪さは一時的にましになるだけでまた同じトラブルを引き起こします!
これが悪化するとキャブセッティングをいくらしても煮詰まりません!
また圧縮抜けか!となりピストンリングを交換しても直りません!
ここの修正は長年の経験と設備が必要です!
外注の内燃機屋に出すとシートカットし過ぎてタペット調整出来なくなりバルブを削りまくりコッターピンまで削っているエンジンもあります!
エンジンを組む人間が必要最小限に加工するのが一番です!
狂いが酷いので70度で内径大幅に拡張し30度で外周を整えました!
INの狂いが4気筒とも酷かったのでいつもより苦労しましたが無事修正完了です!
70度で掘り下げたのが分かりますね!
ある程度走行しシートリングの狂いを出し切りこのように加工すると今後が安心です
新品のヘッドを組むとまたシートリングが歪むリスクがありますからね
4気筒とも修正完了です
次はバルブの修正です!
ダメージは少なそうに見えますが!
半分シートリングに当り半分は当たっていません
これでもしばらくは走れてしまうんです
悪化すると45度面が大きく凹みます
Z750GPではほぼこんなトラブルがありゼファーではこーなる物とならない物の固体差が激しく感じます
圧縮抜けを起こすとキャブセッティングが極端に薄くなります
修正完了
750のINバルブは400系エンジンの輸出仕様550のバルブと同じ素材です!
すり合わせ完了
この時点でバルブの突き出し量が分かります!
今まで何千と修正してきたのでバルブの45度面修正とシートリングの修正を考慮しても2.40以下のシムは必要ないです!
ギリギリ最小限のシートリングの修正なので何十年後かにOHしても問題なく仕事できます
ここで限界ギリギリの2.00のシムを入れても同じOHと言えますが次のOH時シートリング交換になるので莫大な工賃が発生してしまします!
圧力検査をしバルブを組みます!
ここまで修正すると気持ち良く1発合格!
フィンの側面は研磨しました!
ピストンとシリンダーのクリアランス測定をします!
測定すると!!
最小の部分が5/100で最大の部分が8/100
アブねーギリギリセーフ
まっ。ここを綺麗に仕上げるならオーバーサイズピストンしかない
マニュアルでは規定値内ですが
ピストンリングがニッピの大昔のものがゼファー750エンジンの純正採用!
セカンドリングが1.2ミリ圧でトップが1ミリです
摩擦抵抗は大きな昔の構造のリングですが少々クリアランス広くても問題なく動きます
ワイセコのリングはこんなクリアランスではダメですがね!
810ccにするとスリーブペラペラになるからどちらにしろダメか
ピストンリングを交換し組んでいきます!
リビルドしたヘッドを組みタペット調整をします!
スミマセン!シム1枚2.35を入れました!
でもバルブの頭研磨なしでまだ0.35余裕あるのでまだまだ安心です
本日は神戸より900ゼファーのお客様がご来店でコーヒーの差し入れです有り難う御座います!
そして
カワサキ重工の社員さんからも差し入れを頂きました
これ
写真では大きさが分からないと思うので
このデカさ
カワサキの怪物アメリカンのバルカン2000のピストンです
これ1発で1000ccです
昔整備したことありますが狂ったバイクでした!
なんと言っても日本最大級のバイク
コーヒーの差し入れもありがとう御座います!
あと、りくまるが甘えて甘えてスミマセンでした
今日の、りくまるの業務は!
とても忙しく!
PCの机をガリガリして!
疲れた手をガブガブしてヨダレだれけにして!
忙しくて寝る暇もないらしいです。
エンジン点火
しかしシンクロとれてないのでとっときました
エンジン完成
新車の様なエンジン音になりました
ゼファー750エンジンの豆知識ですがカムチェーンを新品に交換するとバルタイが前進します
OH後の不調で当店にご来店される人も非常に多く、他店(カワサキのディーラー)からの問い合わせも多いのですがマニュアルの様にバルタイが揃わないのはカムチェーンが伸びてくることを考慮してつくられているエンジンだからです!
OH後すぐに不調を訴える人のエンジンを開けるとカムを組む時バルタイが1リンクずれていることが多いです。
吹け下がりが遅くキャブの不調との判断が難しいのです。
これから試乗です
でも本日の姫路は雨です
次の日七曲りまで試乗です!
すると!!
何年ぶりかに確か290ccにボアアップしたお客様にバッタリ
随分昔なので確か290cc!だったと思います
二人でコーヒーを飲み長々とお話しです
あっ!
りくまるが工場で怒ってるに違いない
工場に帰ります
エンジン快調
メカノイズのないエンジンなので最高に気持ちいい
もーしばらく試乗します
本日は東京都のZ400FXの仕上げとタイのゼファー710の試乗をしました
今朝りくまるの散歩中!事件がおきました!
テクテクテク
テクテクテク・・・・
テクテクテクと歩いていると
なっなんてこったー
りくまるの田んぼ大帝国が水没してるじゃねーか
(近所のオバチャンの田んぼです)
りくまるが遊べなくなりガッカリしてます
しばらくフリーズしてました・・・・
後日!
第一段階の慣らしを終わらせます
走ってきました
快調な静かなエンジン
で!今日コンビニによると人だかりがあり行ってみると!
Z400FXが二台
一台は綺麗で当時物パーツを沢山取り付けた車両でギャラリーに囲まれてました
もう一台はエンジンの外観やフレームに腐食があり、お世辞にも綺麗ではありませんが私はそのFXに釘付けになりました
エンジンを見るとガスケットと綺麗なエンジン音でプロがOHされたかが分かるので見た目は悪いですが「これプロが組んでるな」と一発で分かりました
「私のFXは汚いんで・・・・」と謙虚なことをおっしゃっていましたが私は「大切にしてるんですね」と一言!
ビックリした顔をし、聞くと
「昔、東京に住んでいた頃地元のお店でローンでエンジンOHして頑張ってCRキャブを購入したんです」
「でもお金が追いつかなくて外観はそのままなんです」
とおっしゃっていました
タンクは少し凹み傷がありましたがエンジンもキャブも絶好調で細かい消耗品も交換されていて「この人凄い!」
と!思いました
もう一台のFXは外観は塗装して色んな当時物パーツ付けてドレスアップされピカピカですがエンジン圧縮抜けてスカスカキャブは大昔のポンコツCRで黒煙ブカブカ
「FXはこーゆー物!」
「いつもプラグはツーリング前に交換」
「550ccにするとフレーム補強がどーのこーの」
「これが拘り、あれが拘り・・・・」
ギャラリーに語ってました・・・・・
その前に修理じゃね?・・・・と。思うのですが・・・・
カチカチのプラスチックみたいなタイヤで語ってました
二人同じFX乗りでも相反する人でした
「エンジンをOHした」と言う人に名刺を渡すと!
私のコトを知ってて下さり感動
今日は作業服の上着を着ていなくて、んで!
黒髪でバッサリ髪を切ったので気付かなかったらしいです
こーゆーFX乗りと出会えると気持ちいい
んで!
このゼファー750エンジンも絶好調です
本日一回目のOIL交換をしました
もー少し試乗・点検します
本日はタイの客様のゼファー710・大阪の750エンジンOHの試乗を完了させ!
昼から解体屋のジジイの店に報復活動に出かけました
よし!!
りくまる
出発だぞ
ヤッホー
と!よど号から乗り出します!
おっ!対向車が来たぞ
あっぶねー・・・・滝汗
解体屋のジジイに文句を言い「今度から気をつけます」
と!言っていたので
ポストに、りくまるのウ〇コを入れ帰ってきました
りくまる!よくやったぞ
よいことをすると飼い主はしっかりほめることが大切です
ご褒美におやつだぞ
チーズです
パクパク
「まいうー」
本日は雨が降らなかったので750ゼファーのオーナー様が納車にご来店されました
りくまると私にまたまた差し入れを頂きました
りくまる!
「お礼だぞ」
「ビスケット有り難う御座います」と言っています
お客様から頂いたビスケットだぞ
「お座り」
「!?・・・・・・・」
「!?・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まいうー」
りくまるのバカ画像が増えてきたので、りくまるはほっといて
最近のE2のFXを紹介します
先月製作したZ400FXノーマルエンジンです
車検を通したのでこれから試乗していきます
そして今年ボアアップされた北海道の570ccFXのお客様
シンプルで渋い
そして・・・・
愛知県の怪物・・・
570ccから710ccにグレードアップされたE2のFX
いつ写真を紹介しようかと思っていたのですがE2が最近そろったので載せさせていただきました
「愛知県民やっぱりスゲー・・・・」
と、りくまるが腰ぬかしてます