本日も神奈川県からのお客様で入庫したのがマッドマックスのトゥーカッター仕様のゼファーの入庫です
カッコええ!!!
マッドマックスファンでゼファー乗りにとってはたまらない車両ですね
一文字ハンにこのテールカウル!!
この車両は以前ご来店下さった時に撮影させて頂いたのですが今回は入庫にあたり整備しやすいようにカウルを外して入庫して下さいました
露骨なアッパーカウルがまたカッコよいのですがカウル装着車は整備や洗車がネックです
今回のゼファーはフレームから塗装します
車両を分解する前になんとマッドマックスのトゥーカッター役のヒューキースバーンが今月の12月1日に他界されたとの事です!
旧作のマッドマックスの暴走族リーダー役で最近ではマッドマックス怒りのデスロードに出演された俳優です!
最近ではマッドマックス怒りのデスロードのイモータンジョー役で出演されました。
旧作のマッドマックスでは当時CGがなくスタントマンが体当たりの演技で挑んだ伝説の映画!!
小学生の頃に初めて見た映画でしたが当時は「なんじゃこら」と思ったのが正直な感想ですが大人になってから見ると独特の世界観で迫力のある演技に熱狂した凄い映画です!!
以降私もマッドマックスファンとなり現在に至ります!
このゼファーのオーナー様から頂いた物が!
このマッドマックスのバッジ!!
裏には!
ヒューキースバーンのサインです!!
これは一生の宝物にします!
最高の映画であの当時に映像を命がけで撮影した名作はこれからも多くのファンを魅了するでしょう!
トゥカッター仕様のゼファーが今月に入庫したのも何かの縁かもしれません!
着工します!
まずはエンジンを降ろします!
かなりの距離を走ったエンジンですがエンジン音を聞くと圧縮が少々低くなっているみたいです!
エンジンを分解します!
ヘッドを取り外します!
ピストンはかなり傷が入っています!
エンジンを全分解し車体も分解します!
フレーム単品にしました
カウルをしっかり固定できるようにステーとナットを溶接しました!
これでトゥカッターのアッパーカウルをしっかり固定出来ます
フレームをサンドブラストします!
小物もまとめてブラストします
そしてフレームを艶消しの黒にペイントし車体を組んでいきます
ベアリング回りも点検しクリスアップしていきます
そしてエンジンもサンドブラスト加工します!
純正塗装とアルミの腐食を除去しました
そしてクランクケースをボーリングし半艶の黒にペイントします
フレームはマッドブラックでエンジンは半艶と同じ黒でも塗り分けています
ここで少しフレームをツヤを変えるだけで見た目が大きく変わります
全部テカテカの黒にしてしまうとセミプロがまとめて塗った様な仕上がりになってしまいます
550クランクを組み込みます!
クランクメタルを交換しクリアランス測定をします!
そしてコンロッドメタルを交換しクリアランスを測定し550コンロッドを組み込みます
ミッションを分解洗浄しクランクケースに組み込みます
ゼファーミッションはとてもタフで余程な事が無い限りギア抜けする事はありません
クラッチが良くなったからです
消耗品のチェーン・オイルシールを交換しロアケースを組みます
ネジもステンレスに変更です
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組みます
オイルパンを組んでクランクケースをひっくり返します
強化クラッチを組んで!
クラッチカバーを組んで腰下完成です
次はシリンダーヘッドに取り掛かります
燃焼室とポートを掃除します!
今回のシリンダーヘッドのシートリングは冷やしばめです
ゼファーでも鋳込みと冷やしばめがあるのですがこのヘッドの45度面は大きくズレバルブの45度面のダメージがかなり大きくなっています!
45度面をシートカットすると!左下は規定値の倍の幅になり!
対角側はまだシートカッターの刃が45度面に当たりません
45度面が全面当たった所で止めて30度と70度でシートカットし45度面の当たり面の幅を調整しました
ここのシートカットですが高額な物では数百万もする機械があります!
バルブガイドのセンターを自動補正させ加工するのですがまたこれがアバウト。。。。
当店は1/100ミリ単位でステムを入れ調整しセンターを出すのですが実はそれだけではセンターが出ません
刃を切り込ませていくと上の写真の様にシートリングに刃が当る部分と当たらない部分が出てきます!
すると5.5ミリのステムシャフトは刃が当らない方へと逃げようとするからです!
なのでここは手の感覚が必要になってきます!
逃げようとする刃の力を感じ取りその分反対側へ刃を逃がしててやりセンターを出します
ここまで精度必要か?となると必要ありませんね
しかし下の様なバルブになります!
吸気側のバルブはシートリングの一部に強く力がかかっていたのでこの様なトラブルが発生します!
温間時のキャブからのパスパスと言う吹き返しは吸気バルブの密閉不良が原因です
燃焼時に吸気バルブの45度面が均一に接していない証拠で勿論パワーロスで燃費も悪くなります!
Zのエンジンで多いのが純正のシートカッターでグリグリ。
これが一番最悪でそれするなら何も触らないで欲しいですが
お客様にとっては同じ「シートカット」なんです
全箇所シートカット完了しました!
次はバルブの修正です!
バルブのシートリングの状態によりバルブの寿命は大きく変わります!
このバルブは45度面の研磨が出来るか出来ないか微妙ですが
研磨をすると!
このバルブはまだ使えます
45度面のダメージの深さ次第では交換が必要ですがバルブヘッドの余裕があるので使います
バルブヘッドが薄くなると溶ける可能性があるので使えるか使えないかはエンジンの組手の経験値が必要です!
お客様の場合判断出来なければ新品交換をお勧めします!
吸気バルブの突き出し量の調整をします!
45度面を研磨した分突き出し量が増えシムが薄くなります!
2.00以下は無いのでそれ以上いくとバルブ交換・シートリング交換が必要になります!
このバルブの場合はステム長調整しなくてもメーカーの販売しているシムのバリエーションで対応可能ですが次が無くなります!
何十年後かもう一度OHが出来る様にステム長を調節し焼き入れしました
一番薄いシムで2.55なので焼かない限り2回はOH出来ると思います
バルブの密閉率の点検をしてヘッドを組みます
排気ポートを拡張し!
吸気ポートも拡張しました
シリンダーヘッド完成です
次はピストンとシリンダーのクリアランスを測定します
ダイヤルゲージを入れます!
5/100mmのクリアランスです
そしてピストンとシリンダーをクランクケースに組みつけます
そしてシリンダーヘッドを組みます
カムシャフトを装着しシムを調整しました!
タペット調整完了です
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です
車体にエンジンを装着します!
ジェネレーターカバーは傷だらけだったので削って傷を消しました!
言われなければ分からない程綺麗になりました
カウルを装着すると見えなくなりますが何となく・・・・
エンジンに火を入れます!
エンジン点火!!
FCRキャブレターに変更しレスポンス最高です
試乗をしに七曲りまで走行しました
新品のFCRキャブに710エンジンの相性抜群です
ゼファー710完成です!
今月も色々と差し入れを頂きました
まず!
以前900にボアアップした京都のお客様より!
京都のお菓子の阿闍梨餅の差し入れを頂きました
京都の和菓子は歴史が違います!
サービスエリアで売っている京都風お菓子とは違い本当に美味しい和菓子が京都にはあり地元の人が買う地元の名店のお菓子はやっぱり美味しいです
有難う御座います
そして!
先月ボアアップした沖縄県のFXのオーナー様より!
豚肉の差し入れを頂きました
有難う御座います!
そして!
同じく沖縄県より!
以前ボアアップ(二機)したFXのオーナー様より!
ちんすこうの差し入れを頂きました
有難う御座います
そして!
以前ボアアップした福島のFXのオーナー様より!
FXミーティングのカレンダーを頂きました!
今年はコロナで集まれなかったらしく写真を全国のFXオーナーから集め制作したカレンダーらしいです
地元のお客様にも配ると皆さま大喜びでした
有難う御座います
そして!
以前ボアアップしたボロ小屋時代からの常連様のゼファー900RSのオーナー様より!
お菓子の差し入れを頂きました
有難う御座います
当時は学生でしたが今は立派な社会人で今では社内で剛腕を振るっています
この2019年は色々とありました!
コロナにより景気後退となりましたがカワサキ乗りにとって目立ったのがゼファー・FXの暴騰!!!
以前にもブログで書きましたが経済危機・金融危機が来ると古い人気車種は高騰する傾向があります!
なかでも投資家のお客様はZでなくゼファーを多く買い集める傾向がありました!
中でもZ400FXの値上がりは凄まじくバイク屋さんでは買えない車両ですね
当方もFXを専門的に取り扱ってますが真面な値段で販売出来ない車両です
仕入れに120万前後でそこから不具合を修理するととんでもない値段になるので販売出来ません
200万で購入し不具合連発で困ったというお客様も来ました
アメリカに居た時に向こうの富裕層が「旧車は値崩れしないからいい」と言っていたのを思い出します!
彼はフェラーリ・ランボルギーニも変えるのですが年十年も昔の車を多く所有するコレクターでした!
2020年にコロナのワクチンが普及し鎮静化すれば良いのですがこればかりは長期化も見据えなくてはいけません
最後に今月他界されたヒューキースバーンに最高の映画を有難う!!
ご冥福をお祈り申し上げます。