大変長らくお待たせしました
本日は神戸よりゼファー750の入庫です
今回入庫したのがこのゼファー
ぱっと見はノーマル風ですが前後オーリンズにJBのマグタンホイール
TMRにワイセコピストンの仕様です
このエンジンを900に化けさせます
その前にこのゼファーのオーナー様より差し入れを頂きました
新潟県の佐渡島に旅行で行かれたらしく佐渡島のカップラーメンを頂きました
有難う御座います
エンジンに取り掛かります
シリンダーヘッドを外します
ワイセコピストンが出てきました
ピストンを取り外すと!!
ピストンピンは一つ焼け気味でまったく動きません
ワイセコあるあるでゼファー810・400エンジンの615ではかなりの確率で発生します!!
ここのピストンはサークリップの溝が広がりつつあります
これもゼファー810のワイセコあるあるで悪化すると溝がどんどん深くなりサークリップの内径を突き破りピストンピンがシリンダーをズタズタに引っかきます
サークリップが外れるのではなくピストンの溝にめり込んでいくんです
このピストンはまだ軽症です
スリーブもペラペラなのでクリアランス測定をすると!!
シリンダーの下部で規定値の倍のクリアランス
シリンダー上部のクリアランスも測定してみると!!
規定値の倍近いクリアランスです
純正スリーブにワイセコだとスリーブの下部が楕円に変形しクリアランスが広がるのですが、どうもこのエンジンはそうじゃなく元々ボーリング加工時にクリアランスが大きかったみたいです
これは変形や摩耗ではなく内燃機屋が失敗してるみたい・・・・・
ワイセコの810の場合耐久性に問題ありでPOSHの820は言うまでもありません・・・・
820ピストンは元々はZ1のピストンで金型をそのまま使いゼファー750のピストン用に改造されたピストンなので構造上無理あります
810・820も基本的に補修か次のボアアップまでの延命か遊びで組む感覚の物です
クランクケースを分解しました
FCCのタイプGとZR7のワンウェイクラッチが入っていたのでそれだけ分安く仕上がります
エンジンを全て分解してサンドブラスト加工します
下処理完了です!!
ゼファーは750も400も後期以外が同色なのですが純正色は弱い
ガソリンにも弱く塗膜も薄くすぐに剥がれてボロボロになります
どんな塗装をするにも下処理が命です
そしてエンジンをペイントします!!
同じく半艶の黒で塗装しダミーシリンダーでクランクケースのボーリングも完了しました
クランクケースを裏返してクランクシャフトを組み込みます
クランクメタル・コンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定をしました
そしてミッションを組み込みます
消耗品の部品を全交換しロアケースを組みます
ここまで来ればひと段落です
差し入れで頂いたラーメンを食べながら思ったのですが新潟県の佐渡島と言えば!
北朝鮮に拉致された曽我さんの故郷です!!
たしかジェンキンスさんも同じ島で余生を送られたのですが色々な私の記憶の点と点がの線でつながったのです!
佐渡島と言えばまず当店のボロ小屋時代に佐渡島からご来店してくださったお客様が居て710のFXが走っています!!
ボロ小屋の当店まで自走でご来店下さったので記憶が鮮明に残っています
振り返れば高校時代!
水産高校だったので船で新潟港に入港したのですがその時、万景峰号が最後に日本に入港した時で港に街宣車が来て大荒れだったので入港を遅らせ沖で待機し万景峰号が過ぎ去るのをまって入港しました
その頃は「何のことやろう」と思ってワケも分からなかったのですがその時は日本と北朝鮮の国交が無くなる日だったのです!
それから時が過ぎ事故で入院中に病院で曽我さんの自書があったので暇つぶしにその本を読みました!
で新潟県から多くの人が北朝鮮に拉致されたのを少し理解したのですが私はそこに大きな矛盾を感じました!!
曽我さんや横田さんが拉致される前!
牛出津事件と言う事件があり久米裕さんが拉致されています!
実はその時の実行犯の北朝鮮のスパイを公安が逮捕しています!!
(その実行犯は現在日本で帰化してます)帰化できるの?って思いますよね!!!??滝汗
しかしその後も次々と拉致されたのですが何故か???
実はその時新潟県のローカルテレビが北朝鮮の拉致に気付き報道する為に特集を組んでいたそうです!
でもその事件は報道されませんでした!
韓国の工作員のデマだ!とか日本の右翼の作り話!って事で大手マスコミに処理され全国に報道されなかったらしい・・・
根本的に拉致した北朝鮮が悪いのは当たりまえなのですがその時報道に踏み切っていたらその後拉致はなかったんじゃね?
と思うわけです!
小泉訪朝までテレビでは「北朝鮮の国家が本当にそんなことするんでしょうかねー」なんてコメンテーターが言ってましたが拉致被害者が実際に帰国すると「なんて国だ」「ひどい国だ」と手のひら返してますが久米さんが拉致された時知らんぷりしてたメディアが北朝鮮を批判できるのでしょうかね?
遺族の人からすれば今頃報道かよ!!!って思うでしょうし。
私なら思う。
っと差し入れで頂いた佐渡島のラーメンを食べながら思いました
エンジンに戻ります
対策品のワンウェイクラッチが入っていたので裏のダンパーを交換します
そしてこいつとオイルポンプを組み込みます
ここで一つ問題を発見!!
プライマリーギアのセンターのCクリップを外して見てみると!
歪んでいます!!
半分外れかかっていたのですがここは通常外す場所ではありません!
おそらく以前対策品のワンウェイクラッチを入れた時に外して歪ませたと思われます
ここのクリップが外れると実は大変
プライマリーギアが外れてクラッチカバーに噛み込むと走行中でもロックします
脱落しなくて良かったですね
良品に交換し完成です
クラッチカバーの裏を見ると!
防音ダンパーを抑えるプレートが変形してます
先月も同じ様なトラブルがありましたがこれはクラッチカバーを組んだ時点で気づいたみたい!
当店に来た時にはFCCのタイプGが組まれていいましたがクラッチスプリングを固定するボルトを締め忘れてクラッチカバーを組もうとした痕跡みたいです
ハウジング潰れたのかな・・・・
元々組まれていたタイプGを組みます
そしてクラッチカバーを組みました
ワンポイントで研磨の部分を残してペイントしました
結構オシャレですね
エンジン腰下完成です
シリンダーヘッドの修正をします!!
燃焼室とポートを掃除します
シートリングの状態はとても良い
と言うか何もされていないのでとても修正しやすい状態です
ワイセコを組んだ時に素人がシートカットしていないかが心配だったのですが、すり合わせをしただけみたい
ここをヘタに加工されると時間が倍程かかるので分解前に少し不安でした
吸気側は45度面をシートカットし60度の二面加工です
今回のゼファー750のヘッドは排気側の内径が狭かったので70度で加工し4発とも大きさを整えました
全てのシートリングの修正完了しました
次はバルブの45度面を修正します
45度面の修正は極小で済みそうです
そしてこのゼファーのオーナー様のオーダーでバルブの軽量化です
左が加工前で右は加工済み!!
写真では反射して見た目同じ様にみえますがウエスト加工をしています
重さは2グラムの軽量化です!(レーサーはもっと軽量します)
この重さは軽量化された吸気バルブと加工されていない排気バルブが同じ重さになります
ホリゾンタルキャブの車両はバルブのチューリップの形状を絞ると少しパワーが上がります
ダウンドラフトの車両はパワーダウンします
昔CB1で失敗しました
過去にも地元の常連様や一部のレーサーエンジンには数機制作していますが私からあまり進める改造ではありません
耐久性も問題なくパワーアップしますが費用相対効果があるか?
となると同じ条件の車両で乗り比べないと分からない領域だからです
乗り比べると「おっ!」と体感出来ますがあからさまに効果が体感できる訳ではないからです!
吸気バルブは2グラムダウンで排気バルブは1グラムダウンです
今回排気バルブも軽量しましたが実際は吸気バルブだけの改造で体感できます
モリワキも同様バルブの軽量加工はしていたと思いますがモリワキはバルブの裏側を軽量しサージングを遅らせる改造です!
今は知らないけど・・・
理論的に言えば少し圧縮が下がるのですが体感出来ないレベルなので比較的良い部品でFXの400エンジンのモリワキのバルブは
「こんなに加工して大丈夫なん!!?」と思う程軽量
上の写真のバルブもサージングを遅らせる効果がありウエスト加工をすると吸気効率UPになります!
しかしモリワキのバルブ加工の方が旋盤でスピーディーに加工が出来る!!
チューリップの加工はアールなので加工に4倍程時間がかかります
慣れれば早いですが
このバルブをすり合わせして圧力検査をしてシリンダーヘッドに組み込みます
フィンは研磨のオーダーです
次はピストンとスリーブ内径のクリアランスを測定します
ダイヤルゲージを入れて!
測定完了です
ピストンとシリンダーを組み込みます
そして軽量バルブ組み込みのシリンダーヘッドを組みます
ここでタペットカバーを組むのですが・・・・・
以前に組まれた時に無理に組まれたみたいで歪んで入りにくい・・・・
これはよくある事で分解歴があったりオイル交換がお粗末だったりゴミが噛み込んだりが原因です
今までも結構あるトラブルですがよくあるトラブル過ぎて書いていませんでした
EX側3つは使えません
勿論良品に交換してカムシャフトを組みます
そしてヘッドカバーを組みます
エンジン完成です
キャブを組みエンジンに火入れします
絶好調!!!
このTMRキャブのレスポンスは最強です
当店の900エンジンとは禁断の組み合わせ・・・・
怪物です
FCRよりレスポンスが良く値段も安いのですがそれでも私はTMRはお勧めしません
新品でも稀に不調の物がある!
燃料の通路が複雑で詰まりやすい!
Vシール不良によるアイドリング不調!
出先でトラブルに見舞われた時取り扱い経験のあるお店が少ないってデメリットもありますが・・・・
一番は新品でも不調(アイドリングすらまともにしない)の物があると言うトラウマがあります
MJNとTMRならまだTMRをお勧めしますが
いろんな意味の総合判断ではFCRをお勧めします!!
早速試乗です
11月になればさすがに姫路市も寒くなります!
かな福のうどんの季節です・・・
試乗がてらにうどんを食べました!
しかし買えりし口からうどんが出そうになりました・・・・
900エンジンとTMRとビトーのマグタンホイール
減速比はロングに振りましたが飛び出す強烈な加速
体感としてはゼファー400より軽くエンジンは900のパワー
今までの900でも指折りの速さの車両です
見た目は大人しくノーマル風なのですがね
ゼファー00完成です
そして今月も色々とさせ入れを頂きました
先月ボアアップした滋賀県のお客様よりホルモンの差し入れです
有難う御座います
それと!
同じく先月ゼファーのオーバーホールをした尼崎のお客様より!
お菓子と昆布の差し入れです!
有難う御座います
今回ボアアップしたお客様も神戸で社長をされているのですが職種関係なく様々なビジネスにチャレンジをされています
一つ一つの仕事にビジョンがあり地に足付いているのでパワフルで一代で「ここまで築きあげたの!?」と思う程のエネルギーを感じた社長です
この様な社長とお話しすると勇気湧いてきますね
私も起業した時は車にガソリンを入れることすらままならない状態だったのですが当時目標になった社長がいます
広島県の社長なのですがその社長は起業した時に私の未来を言い当てていました!
狭いボロ小屋で冬は冷たい風が吹き込むような所だったのですが
「将来ここの仕事は伸びる!」
「類は友を呼ぶって言ってワシと同じ様な人間が多く来る!」
「ワシみたいな人間はエンジンが好きじゃけーね!」
その社長は当時日本中の名門のバイク屋さんを見て回って起業1年目のボロ小屋の私にそう言ったので当時の私は驚きその場に居た当時学生だった常連様も驚いたのを今も鮮明に覚えています!
年収100万なかった私は「ここから這い上がろう」と強く感じた時でした
そんな時に「あの人バイクカスタムしてフェラーリやベンツを乗り回して!」
と妬む人間と「自分もあんな人になりたい!」と努力する人の二種類居る事に気付きました
私は後者で居たいし自分の子供にも努力した人を妬む様な人間には育てたくありません!
あの人えーなー!
なんで言っていてもそのまま人生終わるだけですし時間の無駄でしかありません!
努力して欲しい物を買える人間になって欲しいですね!