本日は神奈川県よりZ400FXの入庫です!
入庫したのがこの車両です!!
エンジンを分解された痕跡がありとにかく不調・・・・
エンジンが始動せず始動したとしても不調・・・・
ブローパイからの煙もかなり酷いとの事で当店に入庫しました!
エンジンを降ろします!!
まずは腰上を分解していきます!
ライナーの内径を確認するとがっつりと錆びています
異常なブローパイガスは多分これが原因です!!
以前エンジンをOHしてもらったらしいのですがエンジンの始動性が悪く始動してもブローパイガスがモクモクと出てきて対処としてオイルキャッチタンクを装着するよう進められたらしいのですがブローパイガスはこのサビがリングを引っかいていたと思われます
腰下を分解します!!
ミッションの不調を伺っていましたがミッションに直接な異常は見つかりませんでした!
少々摩耗はありますが抜ける程でもなさそう・・・・
原因は他にありそうです!
原因はと言いますと!
これ!!!
スプロケカバーのボルトは1本折れ込んでいます!!
普通のバイクであれば4本中の1本ぐらいいいか!!
と3本のボルトで固定出来ますがZ400FX・GPはここのボルトが折れると致命傷
クラッチを切るとプッシュロッドが押されスプロケットカバーが浮き上がるのでクラッチを綺麗に切れません!!
クラッチレバーではしっかり切っているのにエンジン内部では半クラ状態になります!
そんな状態で走行するとミッションを短命化させます!
またここのボルトが折れるとエンジンを降ろさないと撤去出来ません
この小さなトラブルでもZ400FXにはとても大きな問題となります!
そして持ち込んで下さった部品取りエンジン!
今となっては高額なゼファーのエンジンです!!
FXクラッチを外しゼファークラッチ移植です!!
外観はサビが酷いですが!
転倒痕も大きいですが!
内部はとても綺麗です
セルモーターもFXに移植します!
ミッションはGPZ400Fの当店の在庫に交換します!!
今後FXのクラッチに一応戻せる様にしときます
メンテナンスフリーで高性能なゼファークラッチを使うとFXクラッチが使えなくと思いますが念のためです
そしてクランクケースもエンジン番号が削られているのでしっかりと数字の読み取れる当店の在庫に交換します!
サンドブラスト加工をしました
クランクケースは当店の在庫の物で過去にスラスト処理してリペイントした物なので完全に塗装を撤去するのではなく表面のメ荒しだけしました!
塗装の下処理はザラザラなのでブラストで当店の塗装を完全に剥がすとエンジンの表面の形状が変わってしまうのでエンジン番号が消えてしまいます
そしてシリンダーヘッドです!!
1番の排気ポート上部が破損しているので修理します!
元穴を深く掘り全ネジのボルトでマフラーを固定してありましたが!
4山程で止ってました
溶接で肉盛りをします!!
複雑な場所なので元と同じ完璧な形状には出来ませんが言われなければ分からない程まで綺麗に修正しました
スタッドボルトを入れます
エンジンの塗装が完了しました
550クランクシャフトを組みクランクメタルのクリアランスを測定します!
そしてコンロッドメタルも交換しクリアランス測定しました
組み込み完了です!!
そしてミッションを組みます!
GPZ400FミッションですがFXのプッシュロッドも組める仕様です
ロアケースを組みステンの綺麗なネジを入れていきます
ワンウェイクラッチは敵摩耗していたのでゼファーの物ではなくFXの物を使いました!
オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します
ゼファーのクラッチを移植し強化クラッチを組みます
クラッチカバーを組んで腰下完成です!!
シリンダーヘッドのプラグホールを点検すると残り3山程しか残っていません。
なので古いプラグホールを切り取りプラグホール用のヘリサートを入れます!
装着完了です!!
プラグホール用のヘリサートだと通常のヘリサートより長く上から下まで全てのネジ山が復活します!
FXのヘッドは既製品のヘリサートの全長とぴったりなので綺麗なプラグホールで復活出来ます
溶接した部分はとても綺麗になりました!
マフラーを付けると殆ど分からなくなります
燃焼室とポートを掃除しました!
吸気側の45度面を加工すると!
片面から当たり始めました!
45度面の2/3程が当たり1/3はカッターの刃が当りません!!
バルブシートに対し1/100単位でステムを圧入し垂直に加工します!!
45度面と70度と30度の3面加工で仕上げました!
このヘッドは元々バルブシートの精度が悪くバルブが閉じても密閉率が悪かったと思われます!!
バルブのカーボンを落とします
研磨機で45度面を修正しました!!
バルブの擦り合わせをして圧力検査をしたシリンダーヘッドを組み立てます!
吸気ポートを拡張し!
排気ポートも拡張しました!!
フィンも研磨しました
シリンダーヘッド完成です
やっぱりZ400FXにこのアンティークな見た目のヘッドが似合いますね
シリンダーとピストンのクリアランスを測定します
ダイヤルゲージを入れます
測定完了です!!
5/100mmのクリアランスです!!
ピストンとビッグブロックシリンダーを組み込みます!!
そしてシリンダーヘッドを組みます!!
Z400FXユーザーのみに許されるこの渋いシリンダーヘッド!!
「今までは当店の良品に交換しましょう!」
と、次々交換してましたが流石に良品のFXヘッドが無くなってきたのでこれからは出来るだけ修理する事にします
カムシャフトを組みタペット調整します!
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です!!
車体にエンジンを搭載しエンジンを始動させると異音が。。。。
ジェネレーターカバーを外すとコードを止めるステーが折れています!
このステーが跳ねてフレイホイールに干渉していた音でした
そしてガソリンタンクです・・・・
こってり錆びれいます!
このサビはオーバーフローの原因になります。
キャブからガソリンが溢れオーバーフローするとエンジンにガソリンが少しづづ流れ込みピストンの上に溜まります!
それに気づかずクランキングさせると・・・・
気体は圧縮できても液体は圧縮できません
一発でエンジンが潰れます
最近のホンダ車なんかではコンロッドが細いのでコンロッドが折れます!
完全にサビを取り!
カラカラに乾燥させて!
タンクをコーティングしました!!
コーティングするとタンクのサビを抑える事が出来ますがデメリットもあります!
凹んだ場合溶接で引っ張り出すとコーティングが剥がれます!
剥がれるとエンドレスに剥がれ始めます!
給油口のフタの裏のOリングも無かったので装着します!
それと問題だったのが・・・
キャブにガソリンが垂れた痕跡があったのですが観察するとコックを固定するボルトから伝ってきています。
手前のボルトですが点検すると斜めに押し込んであったのでガスケットがボルトと上手く接する事が出来ず滲んでいました!
ガスケット二枚重ねにしてタイガソリン用のボンドを薄く塗布し組みつけました!
無事ガソリン漏れは止まりました!!
そして今月ボアアップしている岐阜県のお客様が偶然アルミパーツを制作している社長でこんな部品を送ってくださいました!!
FXのヘッドライトのステーの肉厚が分厚くハンドルを全開に切るとタンクに干渉していました!
予定ではヘッドライトステーを交換する予定でしたがゼファー900の社長が直々に制作して下さり送って下さったので助かりました
有難う御座います
装着すると!!!
神ががった寸法でぴったりです!!
ここが干渉していたのですがこれで大丈夫です
FX乗りならあるあるネタですね
このヘッドライトステーかっこええ!!
そして即買いして早借するとタンクに干渉・・・・
クランプ式だとタンク凹みます・・・
溶接にて復元したシリンダーヘッドも言われないと分からない程綺麗に修理しました
試乗をしに万葉岬に行きました!!
エンジン快調です!!
最終点検で安富ダムまで行きました!
Z710FX完成です
このFXのオーナー様よりケーキの差し入れを頂きました
有難う御座います