沖縄県 〇〇様Z750RS 1079ccボアアップ

三連発で沖縄県からの入庫です!

今回入庫したのがこのZⅡです!!

ゼッツークランクにて1079ccにボアアップします

早速ヘッドを取り外します!

メタルのヘッドガスケットが入っていましたがアイドラーギア類は当時物でボロボロでした!

チェーンガイドは真っ二つです!

シリンダーとピストンを取り外しました!!

Zのお約束のスリーブの緩みです!!

このトラブルはとても多いです!!

シリンダーヘッドぼスダッドボルトのメネジが拡大されキャップボルトが入っていたので修理します!

回りの塗装を剥がしリューターで側面を削ります!!

溶接肉盛りをします!!

切り込んだ溝の奥からアルミを溶かし込みます

表面を整形し!

ボルトを入れます!!

ヘッドの修正は完了したので腰下を降ろします!

とてつもなく腰下から異常な音がしていてスターターに異常があるのは明らかでした!

スターターの音が大きく他の音が聞き取れなかったのですがクランクに問題が無い事を祈ります!

Z2クランクに点検棒が入ったので第一段階はOK・・・

下を分解します!

ミッション系ハウジング問題なし!

クランクサビなし!

クランクシャフト保持部のクラックも無し!!

スターター以外は大丈夫そうです

これかか詳しく点検します!!

エンジンのクランクケースとヘッドをブラストしました!!

シリンダーはブラストしボーリング中です

シリンダーヘッドを点検すると・・・

バルブガイド不調!!

内径拡大・・・

Z2では初めてです!!

海外のZだとダメな物も最近は良くあるけど国内のヘッドでここまで酷いのは初めてです!!

ヘッド全体を加熱し抜き取るガイド周辺も加熱します!

吸気は問題無いですがこれがギリギリ大丈夫な感じ・・・

ギリギリアウトとも言える・・・・

ので交換します!!

加熱してガイドを抜くのは上級者向けの方法です。

初心者は切り取るのをお勧めします!!

温めるだけでは抜けない場合があるからです

Zのヘッドを熟知した内燃機屋でないと分からないと思いますが加熱と冷却を上手く組み合わせないとバルブガイドを入れるシリンダーヘッドの内径を拡張しなくてはいけません!

加熱しガイドを抜く時リーマーを叩くのですが最初の1発目のハンマーの感触で判断しなくてはいけません!!

サッと抜き取り!

瞬間冷却しヘッドに入れます

時間との勝負なのでここから撮影は辞めました!

ヘッドのガイドを交換しペイントしました

クランクケースのボーリングも完了しました

アッパーケースを洗浄しました!

ここがバキバキに割れている物も多いですがこのクランクケースは良品!

割れていると修理が必要です・・・・

クランクの曲がりは2/100ミリなので良品です

ミッションも洗浄し組み立てていきます!

トラブルの多いセカンドも問題なしです

カムチェーンを交換しクランクを組み込みます!

ミッションも組み込みます

そしてロアケースを組み!

オイルポンプを組みます

Zのエンジンは構造が単純なので部品の点検が終われば組むのはとても早いですがなんせ部品の点検が大変です

マニュアルに書かれていないトラブルが多いので注意が必要です

強化クラッチを組みます

強化と言っても純正のクラッチに強化クラッチスプリングの組み合わせです

分解前に問題だったスタータークラッチですが!

m8の3つのボルトが緩んでました!

マグネットのメネジがズタボロなのでマグネットローターの交換です!

右の物に交換します!

スターターを新品に交換し!

組みつけました

センターボルトは勿論クロモリです

持ち込んで下さったエンジンカバーを組みます!

クラッチカバーも組みます

腰下が出来たのでこの段階でフレームに搭載します!

次はシリンダーヘッドに取り掛かります!!

バルブですが全部が微妙に曲がっています・・・・

研磨機で修正できなくもないですが全交換します!

バルブはPMCのリプロを組みます!

純正のバルブと何が違うのかと言うと強度!!!

とてつもなく硬くステムの先端も焼き入れがすでに入っています!!

純正のバルブとは強度が全然違うのですが「強度のある部品が良い」と言うのは間違いで一長一短あります!

純正のバルブは柔らかいのでシートリングを痛めにくく何よりバルブの密閉率がとても良いのが特徴です!

極端な例だとベリリウムのバルブシートをレースで使う場合が稀にありますが柔らかいのでバルブとバルブシートが密着します!

弱点は傷みやすい・・・

今回使うバルブはとても固くバルブシートも炭素鋼です!

硬い物どうしで傷みにくいですがシートカットに究極の精度が必要になります

擦り合わせしても馴染まないからです!

昔GTRのナトリュウム封入式バルブを取り扱った経験がZのヘッドで役立ちます

精度の高め方は同じです!

シートカット完了です

バルブガイド交換しているので45度面はズレますが加工速度を普段の3倍程遅くしゆっくり加工します。

45度面と30度と60度で加工しました

擦り合わせをしてもバルブが固いのでなかなか馴染みませんが一応します!

擦り合わせの前にシートカットの技術が9割擦り合わせ1割で圧力検査に合格するかが決まります

合格したのでヘッドを組みシム調整をします!

カムを組みシムの厚みをある程度決めます!

排気も同様にします!

一番薄いシムでも現在2.40なので次のOHも余裕ですが恐らくこのままバルブ回りは問題なく何十年も走れます

ヘッド完成です

ボーリングしたシリンダーとピストンのクリアランスを測定します

5/100mmのクリアランスです

ピストンとシリンダーを組みます!

スキッシュエリアはZⅡ用です

元々750エンジンに組める設計でZ1などのロングストロークエンジンにはスキッシュエリアを加工しています

ショートストロークなのでハイレスポンス化のリッターエンジンになります

シリンダーヘッドを組みます

1・4番を圧縮上死点に持って行きます!

ここはヘッド単品で測定していたのでほぼ変化なしです

2・3番を上死点に持って行きます!!

クリアランスは狭い方で合わせるのでマニュアルの規定値を超える場合はありますがここは熱膨張を考慮しながら詰めていきます!!

どうしても音が出るヘッドもありますがこれはZのカムホルダー次第ですね

長年ハイカム・強化バルブスプリングの組み合わせだとカムホルダーが上に押されるので変形しやすくホルダー内でカムが暴れるので音が出やすい傾向があります!

交換したアイドラーギア類です!

全滅でした

全て強化アイドラーに変更しました

ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

不良の憧れZⅡ!!

私たち30代の世代は不良はゼファーでしたがゼファーは必ずZ2テールでした

ゼファーのZ2テールは標準装備と思っていた10代でした・・・・

時代の流れがとてつもなく速く先輩から10万で売りつけられる様なバイクでしたが暴騰・・・

Z2なんかは一線を越えた人しか買えませんね

キャブを組みます!

真鍮のファンネルがオシャレです!

 

エンジン始動!!

メカノイズも完全に消え絶好調です

ハイレスポンスですがヨシムラCRのレスポンスの良さに驚きました!!

これから試乗に行きます

七曲りまで来ました

今日も走り屋が大勢集まっています!!

事故車も転がっています

ここに停めているのは道の駅なのですがこの場所が出来てからはとても危険な道になりました

車の交通量が多く老人がカーブの先でブレーキ踏んだり駐車場から飛び出すのでバイクとの事故が多発します

この七曲りで腕を上げたライダーは皆サーキットへ行くのが歴史ですが近年の七曲りはツーリングロードです

最終点検で安富ダムまで来ました

写真の先のヘアピンカーブで曲がり切れず転落したバイク多数・・・

安全運転が大切です

ZⅡ改ハイレスポンス1079の完成です