沖縄県 〇〇様 Z400FX 710 ボアアップ

大変長らくお待たせしました

本日は沖縄県よりFXの入庫です

今月のゴールデンウィークは皆さまは何をしていますか?

当店はバリバリ営業中です

と、言うか今年は4月に一日だけ休んだだけでその日以外は毎日仕事しています

連休と言う事もあり全国からFXマニア・ゼファーマニアがご来店

今月はFX・ゼファーどちらも入庫しているので話しが弾む

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入庫したFXです

足回りはノーマルで黒の外装!!

飽きないシンプルな仕様です

外装・足回り・フレームは綺麗ですがエンジンはなかなかのボロ具合

今まで頑張って走ってくれたFXエンジンですがもうさすがに寿命です

フルOHし強力なエンジンに蘇らせます

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エンジンを降ろします

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腰上を分解しました

フライホイールは腐っているので交換します

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と、言うかクランクごと交換します

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コンロッドメタルは傷だらけです!!

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クランクメタルも傷だらけです

FXが高価になったと言っても今の話しで昔は暴走族のバイク

オイル交換すらまともにされずオーナーを回り回って今になります!

旧車専門店!!!

なんてお店でノンレストアエンジンのFXが平気で販売されてますがまず快調なFXエンジンはありません

動くってだけで快調なエンジンではありません

ノンレストアならまだ良いのですが素人みたいな整備士が手を入れ余計なトラブルを抱えたZ400FXも多いです!!

雑誌で大々的に広告を上げている旧車専門店は数を吐いてなんぼの世界。

まともな整備はされていません

FXを専門に手掛けている私でも大量仕入れ・整備・大量販売は不可能です!

ゼファーですらまともなエンジンが無い時代にFXを多く販売できるわけありません!

塗装された綺麗な車両だと買ってしまう人も多いのですがね

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持ち込まれたゼファーの部品取りエンジンです

このエンジンから取る部品はオイルパン・クラッチ・ミッションカバーですがその他の部品もゼファーの方が良ければ抜き取りFXに移植します

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チェンジシャフトの根本が折れてました

部品取りゼファーエンジンで良かったー

FXなら高額です。。。。

ゼファーの欲しい部品を全て抜き取りFXのエンジンをブラスト加工します

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綺麗な下地が出来ました

クランクケースはかなりボロボロで粉ふいてましたが塗装下の腐食を根こそぎ綺麗にしました

塗装したら綺麗になるレベルですがもっと酷いクランクケースなんてザラにあります

腐食が酷すぎてえぐれてしまう程のエンジンもあります!!

そんな時は調色しボコボコがほぼ分からない黒に仕上げています

野ざらし放置されていたエンジンも多くそんなエンジンでも今の時代では必要な部品となります・・・

ほんの10年前はFXのクランクケースでも少し割れていたらポイポイ捨ててました

今はチェンジシャフトの根本が割れているとかクランクケースに穴が開いていなければ修理しています・・・

困った時代になりました・・・・

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エンジンのペイント完了です

クランクケースのボーリングも完了しました

やはり半艶の黒が一番綺麗ですね

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クランクメタルとコンロッドメタルを交換し

550クランク・コンロッドを組みます

ミッションも分解・洗浄・点検し組み込みます

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Z400FXのミッションです

そしてこのエンジンを分解してビックリしたのが!

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シフトドラムが割れていました

向かって右の溝は位置決めのシャフトボルトが入るのですがこんなだとミッションが固定されず動いてしまいます

エンジンを分解した時この破片はありませんでした

オイルパンの交換歴があったのでその時破片を取り出したと思われます!!

なぜこんな場所が割れたのかは不明です

良品に交換します

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シフトドラムを良品に交換しました

この部品だけでも100個以上あります・・・・

少しでも「怪しいな」と思うと即交換

それでもかなり余っています

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ロアケースを組みます

オイルポンプ・ワンウェイクラッチを組み込みます

ワンウェイクラッチはゼファーの物を流用しました

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ネジはオールステンです

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強化クラッチを組みゼファークラッチを移植します

クラッチカバーを組みエンジン腰下完成です

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シリンダーヘッドの修正をします

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燃焼室とポートの掃除をしました

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45度面のシートカットをし70度でシートリングの内径を拡張しました

30度の加工をする時としない時がありますが45度面が均一に加工出来るヘッドは30度の加工が必要ありません

30度の加工が必要なヘッドは45度面のダメージが大きい場合や45度面が歪んでいる場合です

どちらにしても45度面の加工は最小限に留めます

ここを加工し過ぎるとタペット調整出来なくなるからです!!

なのでシートカットはとても難しくエンジン寿命も大きく左右されます!

メーカー純正のシートカッターを使うと悲惨な仕上がりになります・・・

当店で紹介するように加工しても「シートカット」と言えますし純正工具のシートカットでも「シートカット」と言えます

でもこれだけでシリンダーヘッドの寿命が10万キロ以上変わります!!

素人がシートカットするとヘッドの寿命が10万キロ以上短くなると言っても過言ではありません。

FX・ゼファーエンジンはヘッドが低コストですがZだととても高額です!!

お金を払って壊されたり短命化した人もとても多いです

エンジンをOHしたのにキャブからパスパス走行中に吹き返す現象はシートカットの失敗です!

エアクリーナー装着車は出火の原因になるのでとても危険です

どんなけ良いピストンを組んでもヘッドが排気漏れしたらパワーダウンの原因です!

昔はヨシムラも純正のシートカッターで仕事していたのですが当時はそんな工具しかなかったのが現実で今では考えられない粗悪な加工でした

でも「昔ヨシムラの親父さんが使っていた」と聞くと凄いイメージが湧いてくると思います

でも当時ヨシムラが凄かったのはカムの加工技術

ゼファー系600ピストンは設計ミスの加工ベースのポンコツ。

FX用などの復刻版の集合管は鉄の重さの価値しかないんです

ヨシムラチューニングのZのヘッドも見ましたが当時の加工技術って粗悪だなってイメージ

ポートはピカピカですがさっきも言った様にシートカットは粗悪な加工で密閉率も悪かったしシートリング内径も歪なフリーハンドの加工でした。

今はそんな粗悪な加工ではないと思いますが当時は加工する設備が無かったのでしかたないのですがね

未だに純正のシートカッターで加工するバイクショップは多いです!

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修正完了です

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バルブのカーボンを落とします

そして45度面をリフェーサー加工します

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45度面の修正完了です

このバルブは輸出モデルの吸気バルブです

輸出仕様のバルブは国内でも問題なく使えますが国内モデルのバルブは海外では使えません

燃料の違いでバルブを使い分けています!

ゼファー750は国内・海外共に共通部品なのですがね

ゼファー400・550でも国内と海外でバルブを使い分けています

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すり合わせをして圧力検査をしシリンダーヘッドを組み上げます

吸気ポート加工のオーダーです

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排気ポートも拡張のオーダーです

シリンダーヘッド完成です

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ビッグブロックシリンダーのクリアランス測定をします

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ダイヤルゲージを入れて!

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測定完了です

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制作したピストンとビッグブロックを組み込みました

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そしてシリンダーヘッドを組みます

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カムを組みタペット調整します

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ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

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綺麗な真っ黒エンジンです

FXヘッド渋いですねー!!

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そしてエンジンをフレームに搭載

エンジン点火

今回CRキャブでウオタニ装着

せっかく最高のエンジンでも点火装置とキャブがダメだと台無しです

FX・GP・GPZユーザーは交換をお勧めします

試乗に万葉岬まで来ました

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エンジン絶好調

ガンガン試乗していきます

このFXのオーナー様も兵庫県の当店まで2度もご来店して下さいました

本当にFXが好きなんですね

遠方からご来店して頂き本当に有難う御座います

また沖縄県にZ710FX出撃です