熊本県 〇〇様Z400FX 710ボアアップ

大変長らくお待たせしました

本日は熊本県よりFXが入庫です

多分・・・・九州、熊本からのFXの入庫はブログ非公開の物も含めて今回が初めてだったと思います

九州だと福岡県が圧倒的に多いのですが地元の常連様に聞くと九州にもFXミーティングがあるらしいです!!

今回は熊本県初なので熊本最強のFXになります

その前に今月も差し入れを頂きました

熊本県の名産の馬刺しです

有難う御座います

それと!!

愛知県の常連様より!

またまた自作ナンバーボルトを頂きました

全開頂いた物も近県の方がご来店し配ると瞬殺でなくなりました

有難う御座います

それと!

先月ボアアップした埼玉県のお客様よりお米の差し入れを頂きました

有難う御座います

実は三機目のご予約も頂いています!

それと!!

以前ボアアップした東京のお客様もご来店してくださり東京の帝国ホテルのお菓子と兵庫県の但馬にご旅行にいかれたので梨のお菓子の差し入れを頂きました

有難う御座います

今回このFXはフレームの塗装からします

なので早速分解します

エンジンを降ろします

そしてフレームまで分解します

塗装は綺麗なのですが純正塗装の上にサフを塗り黒塗装されています!

なので塗装の下はサビが回っています

次はエンジンの分解ですがこのエンジンは一度全分解された痕跡があります!

エンジンを分解します!

ヘッドを外して腰下を分解していくと!

腰上良好

腰下は少々難あり・・・

フライホイールが錆びています

これは他の車両でも多々あるトラブルなのですがエンジン左側のジェネレーターカバーを外して年に一度でも良いのでワックスをかけるかオイルを薄く塗ってあげるとこーなりません

反対側のパルシングセンサーも同様ですがここはカバー脱着の為ガスケットを取り付けず組んでも良いです!

ガスケットを組まずたまに外してサッと拭くだけてOKでサビが悪化すると殴ネットが剥がれる場合があるので注意が必要です!

クラッチカバーを外すとポロッと落ちてきたクリップ・・・・

このクリップはプライマリギアを固定するクリップです・・・・

見てみると溝の幅が微かに狭い・・・・

ベアリングが置くまで刺さっていないのでプライマリーギアが押し出されているのでクリップが入らないんです

前に分解した人がベアリングを入れる時に確実に収めていないのが原因です!

ちなみにこのプライマリーギアが外れると恐ろしい事になります・・・

0.1ミリ・0.2ミリのちょっとした事ですが危険です。

ここも何機も見てきているので見た瞬間に気付きますがやはり過去に分解歴のあるエンジンは注意が必要です

シフトドラムのクリップも溝の奥まで刺さっていません

このエンジンは少々人的ミスがありますが分解前はもっとひどかったと想像できます

クランクケース内部にウエットブラストを撃った痕跡があるのですがクランクケースのアルミが腐食していたと思われます

ミッションは交換です!

ギア抜けしてます

クランクメタルは綺麗ですが!

2番のメタルだけがダメージを受けています

これもよくあるトラブル!

高回転回し過ぎです

部品取りで持ち込んで下さったゼファーエンジンから部品を取ります

分解したFXエンジンをサンドブラスト加工します

下処理完了です

フレームもサンドブラスト加工します

綺麗な下地になりました

かなりサビが回ってましたが塗料の固さの調節で綺麗な塗装に仕上がりそうです

フレームの塗装が出来ました

色は八分の艶消しです

車体を組みます!

ステムベアリングは交換歴があるのですがレースが凹みガコガコしてます

ステムベアリングを緩めると気にならないのですがここまでばらしたので交換します

レースもボールも新品にします

交換したっぷりグリスを塗り車体を組みます

少しツヤの無いこのフレームの色はとて人気で綺麗過ぎても嫌だと言う人は少しだけツヤを落とすのをお勧めします

ボルトのユニクロメッキがくすんでも渋いです

次はエンジンを塗装します

塗装完了してクランクケースのボーリング完了です

エンジンの色は艶消しの黒です

フレームは少々ツヤあり目でクランクケースは竹炭の様にマッド色の仕様!

写真では分かりませんがフレームと少し色の温度差をつけるととてもカッコよくなります

クランクケースの内部はウエットブラストを当てた痕跡があります!

ミッションカバーの内側もです!

以前全分解した時に腐食が酷かったと思われます

この変をみるとサビがエンジン内部のサビが酷かったのがわかります

水没したエンジンだったのでしょうか・・・

車体が水没すると大変ですがエンジンは早期なら復活可能です

一度盗難され池の水を抜いたら出てきて被害者の元に帰って来たFXをレストアした事があります

鉄の部品は全滅ですがアルミの部分は酸化が遅いので助かりやすいです

エンジンを洗浄し550クランクを組みます

550クランクは持ち込んで下さったのですが不良品だったので当店の在庫を組みます!

まずはクランクメタルの交換・測定!

一か所(2枚)は薄いメタルが適合です

クランクメタルとコンロッドメタルを交換しました

マニュアルにある〇マークはほぼ100%消えていますので一つ一つ測定する必要があります!

ミッションを組み込みます!!

このミッションも当店の在庫に丸ごと交換しました

元々のミッションはギア抜けしていましたので良品に交換です

そしてたまにあるトラブル!・・

チェンジドラムのカムを入れクリップで固定するのですがクリップがパチッと溝の奥までハマりません!!

カムの厚みが少し分厚いのですがメーカーはお構いなしに組んでしまうので・・・・

ここも加工が必要!

加工して!

しっかり奥までクリップが入るようになりました

ロアケースを組み込みます

ステンのボルトを入れ!

オイルポンプとワンウェイクラッチを組みオイルパンを組みます

FXの場合E4以外はオイルクーラーの取り出し口が無いのでゼファーオイルパンを使うのですが最近はゼファーのオイルパンも少々高額になってきた気がします・・・・・そんな時はGPZ400FかZ400GPのオイルパンの流用も可能です!

オイルパンにオイルレベルセンサーがついているのですがそれはそのままでオイルエレメント装着部の斜め下に穴を空けタップを入れてFXのオイルプレッシャーセンサーを入れれば装着可能です

しかし100%オイルクーラーを通過する構造になるのでオイルクーラーが潰れてオイルの通路に抵抗ができるとクランクへのオイルの潤滑量が低下するので注意が必要です!

まずあり得ないトラブルですがゼファーオイルパンだとオイルクーラーが潰れてもある程度はバイパス構造なのでクランクへの潤滑不良は緩和されます

持ち込んで下さったゼファーエンジンから抜き取ったクラッチを移植します

強化クラッチを組み込みます

クラッチカバーを組んで腰下完成です

エンジンカバー類はバフがけされていたのですが全て黒に塗装してほしいとの御依頼なので真っ黒のエンジンになります

シリンダーヘッドを修正します!

燃焼室のカーボンを掃除しました

そしてシートカットします

45度面を修正し70度でシートリングの内径を拡張します

全箇所完了です

このヘッドは元々シートカットされていたのですがシムが薄すぎる事も無く1か所を除いて丁寧に加工されていました

次はバルブの修正ですが!

EXのバルブの1本が曲がっています

45度面がシートリングに当たっているのですが半分だけ当たってます

このバルブは廃棄し良品に交換します!

45度面の修正完了しました

擦り合わせをするのですがここはシートカットが深いのでバルブステムの突き出し量を調整します

カムを組んでシムの調整をします

2.40以下のシムは使わずに組みます

次はバルブを抜き取りカムとカムホルダーのクリアランスを調べます

カムを下から救い上げ遊びを調べます

何故かと言うと!

カムに傷があるからです

見た感じこの傷はまったく問題ありません

しかし表面が削れているとカムがカムホルダー内で遊ぶのでシム調整をしても音が出る場合があります!!

幸いこのヘッドとカムは無事です

圧力検査をしてステムシールを組みバルブを組み込みます

吸気ポートを拡張し!

排気ポートも拡張しました

フィンは研磨無しの仕様です

ピストンとシリンダーのクリアランスを測定します!!

ダイヤルゲージを入れて!

クリアランスの測定完了です

ピストンを組み込みます!

そしてシリンダーヘッドを組みます

やっぱFXヘッドかっこええ・・・・・

このヘッドを組めるのはFX乗りだけですからね

ゼファーやGPにFXヘッドを組むとなんで????

ってなりますからね・・・・・

やはり見た目はこのヘッドがカッコいいですね

カムシャフトを組んでタペット調整します!

ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

エンジンをフレームに搭載します!

エンジン始動

FCRキャブとの相性も抜群です

万葉岬まで試乗に来ました

エンジン絶好調です

FXヘッドでもキャブがFCRなので猛烈に加速します

GPヘッドでCRよりFXヘッドでFCRの方が加速は良いです

それ程キャブの性能の差があります

最終点検で安富ダムまで来ました

熊本県初号機のZ710FX完成です