静岡県〇〇様 Z400FX 570ccボアアップ

大変長らくお待たせしました

本日は静岡県よりボアアップで今回のオーナー様も二機目のボアアップです

入庫したのがこのFX!!

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このカラーを見たら「あ!知ってる」

と言う常連様が多数

FX乗りの中では有名なチームですね

オーナー様の手によりこの車両も徹底的にカスタムされています

関東のショップでカスタムされた車両らしいのですがかなりオーナー自らの手で手直ししたらしいです

それと以前GPZを710にボアアップした静岡県のお客様よりミカンの差し入れを頂きました

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有難う御座います

エンジンの内部はどうなっているでしょう!

早速エンジンを降ろします

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ヘッドを外すと!

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メーカー純正の0.5ミリOSピストンでした

しかし・・・

シリンダーヘッドを見ると・・・

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カムホルダーのカムシャフト保持部が全箇所ガリガリです

使えるシリンダーヘッドか調べないといけません

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ピストンも細かい傷が全面にあります

写真では綺麗に見えますが再起不能です

それよりも一番気になったのがクランクケース

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ドライバーでゴリゴリするとセルモーターの下にパテがてんこ盛りに塗られています

なんで?なんで?・・・・滝汗

こんな部分転倒しては損する部分ではないし・・・・

Zのエンジンなら6mmボルトを一本抜き忘れてジャッキボルトを押し込みここがクラック入っているクランクケースは稀にありますがFXでは割れる部分ではありません

あとで点検します

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腰下の内部は問題なし!!

いや・・・

問題ないのですが気になる部分がある・・・

それも後回し

そも前にシリンダーヘッドが使えるかを調べます

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カムシャフトを組みカムホルダーの部分が摩耗していないかを調べます

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ドライバーを差し込みクリアランスを調べます

サイドスタンド側が少々摩耗ありますがなんとか使えそう

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カムシャフトも少し傷がありますがこれぐらいなら問題ありません

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カム山を見るよりカムホルダーの部分の摩耗トラブルが一番多いです

FX等のザッパー系エンジンではの話しです

Zなどのエンジンは別です

ハイカムシャフトに問題がある事が多々あり純正カムの加工品はカム山にトラブルがかなり発生します

またZは過激なハイカムと強化バルブスプリングを入れカムホルダーが変形している物がとても多いです!!

このFXの場合恐らくエンジン内部に異物が入っていたと思われます!

ピストンもシリンダーヘッドもそれが原因で傷だらけになっていると思います!

エンジン内部で気になった箇所はここ!!

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クランクメタルだけ不自然なほど綺麗

新品です!

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カムメタルは傷だらけ・・・・

これはあり得ない事です

クランクメタルを通過した後にコンロッドメタルにオイルが行くのでコンロッドメタルだけが綺麗な事はあり得ません

何故かと考えたのですが恐らくクランクメタルが摩耗し異常な音がしたのかエンジンをひっくり返してクランクメタルのみ後から交換されたと言う事です

クランクシャフトが無事なのでここは良しとして!

貴重なクランクケース!!

パテを剥がしてクラックチェッカーで点検します!

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しかし!

なんも問題ない・・・・

裏も点検しましたがクラックはありません

なぜここにパテがあったのかは不明です・・・・・

エンジンをサンドブラスト加工します

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下処理が出来ました

すると・・・・

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塗装の下からクラックが出てきました

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こんな場所が割れているのは初めてです

カムホルダーのボルトを長いのを押し込んだとしか考えられません

上から塗装されていたので気づきませんでした

このシリンダーヘッドを修理するか交換するか・・・

カムホルダーも傷があるしシートカットされて激薄の2.10のシムが入っているし

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シートカットを深く加工し過ぎなんです

ステム焼き入れして調整できるのですが手間がかかる割には良いヘッドにならない・・・・

これを修理するより交換の方が良いと判断したのでこのヘッドは使わず当店の良品に交換する事にしました

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上のシリンダーヘッドに交換します

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塗装完了です

色は定番の半艶のブラックです

シリンダーヘッドもブラストして同色にペイントです

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カムシャフト保持部もとても綺麗!!

Z400FXではなくZ500のヘッドなのですがまったく同じ物です

都市伝説で「550・500のヘッドの方がパワーが出る」ってのを聞いた事がありますが400と全く同じです

バルブの素材が違うだけです

エンジン内部の部品を洗浄しクランク・コンロッドを組みます

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勿論クランクメタルも交換ですが通常より厚めのメタルが適合しました

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クランクメタル・コンロッドメタルの交換・調整が完了しました

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ミッションを組み込みます

状態良好です

しかし!!

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シフトドラムの位置決めをする為のバネ式のニュートラルポジションのスプリングを点検すると!

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折れていました

超マイナートラブル!!

このスプリングが折れていたのは今までで初めてです

ある意味ラッキーなのかもしれません

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ロアケースを組みます

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エンジンのネジはステンレスに変更です

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ワンウェイクラッチとオイルポンプを組んでオイルパンを組みます

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ロックハートのオイルクーラーが装着されていたのでここはメクラボルトを入れます

ロックハートは3番のコンロッドメタルの潤滑不良を引き起こしやすいのでオイルを冷やすメリットよりコンロッドが焼けるリスクの方が高いのでオイルクーラー無しで行きます

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一次減速は550を流用します

強化クラッチを組み込み!

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エンジン腰下完成です

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次はシリンダーヘッドに取り掛かります!

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ヘッド内部のカーボンを掃除しシートカットします

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シートカット歴がありましたが最小限の加工だったのでとても状態よしです

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全てのシートカット完了です

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バルブのカーボンを落とします!

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そして45度面を加工しました

EXバルブの2番が曲がっていたので良品に交換しました!!

なぜ曲がっていたのかですがヘッドを見れば分かります

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ここは1番の燃焼室ですがピストンが焼けた痕跡があります!!

ここを修理し走らせ!

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ここにもピストンの打近があります!!

このヘッドを提供して下さった方はZ500で走行していて1番を焼いてしまい

次にヨシムラピストンで600にしたらしいのですが2番のコンロッドが焼けてしまったらしいです

幸いシートリングが無傷だったのでこのヘッドは問題なく使えます

「困った人に使って下さい」と寄付して下さったのですが最近はFXヘッドも外観が悪い物が多くなりました!

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ここが綺麗なので気持ちよくヘッドを組めますが!

念のためヘッド単品でタペット調整します!!

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ステムヘッドの研磨焼き入れ必要なしです

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両方点検しました

ここで調整してもヘッドを組むとまた調整をする必要があるのでここではクリアランスの幅を見るだけです

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吸気ポートを拡張し!

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排気ポートも拡張しました

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ヘッドの側面は研磨無しのオーダーです

次はボーリングしたシリンダーとピストンのクリアランスを測定します!

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ダイヤルゲージを入れて測定します!

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測定完了です

スリーブの下は勿論Oリングを圧入しています

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62ミリのハイコンプピストンを組み込みます

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そしてポート拡張したシリンダーヘッドを組み込みました

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カムシャフトを組みタペット調整をします!

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ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

エンジンをフレームに搭載しますが今回はキャブと同時に装着します!!

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FXマニアなら気付いた人も居るかもしれませんね!!

FXのCRキャブにアルミのロングファンネルの装着はフレームに当たるので基本的には不可ですが裏技があります!!

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エンジンマウントのボルトのここ!

1本差して!

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他のマウントボルトを外します!

するとフレームとキャブにクリアランスが出来るのでアルミのロングファンネルの装着が出来ます

しかし・・・・

整備性がとても悪くなります

メインとジェットニードルの交換しか出来ません

FXの場合スロージェットの交換も必要になる場合がかなりの確率であります!

ゼファー400の車体からエンジンとキャブを降ろしてそのままFXに装着するとCRキャブの場合大きくスロー・ジェットニードル・ASの調整が変わる場合があります

今回のCRキャブは改造品なのでセッティング不可能です

オーナー様も分かって下さっていますがかなり濃い目なので今後はJBのCRに交換する予定です!

試乗しに安富ダムへ行きました

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Z570FX完成です!!

今月も差し入れを頂きました!

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このFXのオーナー様より!

お茶と!!

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うなぎパイの差し入れを頂きました

有難う御座います

今月も県外・県内から多くのお客様がご来店下さいました

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埼玉県よりご来店下さったショップ様よりタルトの差し入れを頂きました

有難う御座います

それと!

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山口県のFXのボアアップのご予約を頂いているお客様より岩国饅頭の差し入れを頂きました

地元でもなかなか購入出来ないお菓子らしいのです!

とても美味しくてビックリしました

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それと以前ボアアップした京都のゼファー900のオーナー様よりラーメンの差し入れを頂きました!!

有難う御座います

やはりFXのオーナーの中では静岡のこのFXのチームがとても有名らしい!!

同じカラーリングでずらりと並ぶと迫力あります