大変長らくお待たせしました!
本日は宮崎県からZ400Jのエンジンボアアップのご依頼です
入庫したエンジンがこのエンジン
外観はかなり腐食しボロボロです!!
長年の放置車両かなと思い内部がきになります・・・
しかし!!
分解してみるとこのエンジン一度OHされています
外観はボロボロですが新車出荷時の組みかたではなく部品を交換した痕跡があります
しかしガスケットは30年ほど前にカワサキから販売されていた物
シリンダーベースガスケットも蛇の抜け殻みたいなペラペラのガスケットが当時は使われていました
鉱物油しかない時代の物
セミトラもサビサビ
でもクランクメタル・コンロッドメタルは新品同様で慣らしが終わった?
ぐらいの綺麗さ・・・
ガスケットから判断すると30年ほど前に一度分解し殆ど乗らずに放置されたようなエンジンです
なのでボルトも錆び付き!
折れ込みましたので修正します!
古いボルトを抜き取りヘリサートを入れ完了です
エンジンをマスキングしサンドブラストします
腐食していた部品を全てブラストし下処理完了です
エンジンのペイントをしました
Jのクランクケースはスリーブの入る内径がFXの最終型と同じです
このケースは初期の方ですがクランクケースのボーリングは必要ないのでこのまま仕事します
色は半艶のブラックです!!
Jクランクとコンロッドを組みます
勿論クランクメタル・コンロッドメタルも交換し調整します
ミッションも洗浄点検完了です
ロアケースを組みます!!
ネジはオールステンレスです
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます
そしてオイルパンを組んでひっくり返します!
クラッチは強化クラッチです
クラッチカバーを組んで腰下完成です
アッパーケースのシリンダー装着部分の内径が550と同じであとはエンジン番号以外すべてFXと同じです
E1のド初期はこの内径がとても小さいのが特徴ですが稀に広い物もあります!
なのでヨシムラやモリワキの小さなピストンでも組めないFXがありました
初期のFXのケースを調べずに量産したのでしょう・・・
多分生産段階の一番最初は内径が狭かったと思われますが後から広げてE1の初期で
内径が大きい物と小さい物が混ざったみたいです
FXだけでも3種類のクランクケースがあります!!
でこのJは一番広いタイプです
次はシリンダーヘッドです!!
ヘッドのカーボンを掃除します
このエンジンのヘッドの状態はとても良好
45度面をサッと修正し70度で内径拡張しました
全てのシートリングの加工完了です
そしてバルブのカーボンを落とします!!
このバルブはとても良好!!
45度面をサッと修正しました
そしてすり合わせをして圧力検査をしてヘッドを組みます
吸気ポートを拡張し!
排気ポートもガッツリ拡張しました
FXヘッドなのでこれだけ加工してもGPやゼファーのノーマルヘッドには劣りますがなんといってもカッコよさですね
Zの場合はJヘッドを組むとピストンもJピストンが必要になりますがFXはポンでGPヘッドを搭載できます!!
低コストでパワーを上げれるのですがハンデを承知でFXヘッドで組む人の気持ちはわかります!笑
フィンは純正風に研磨しました
次は制作したピストンとシリンダーのクリアランス測定をします
ダイヤルゲージを入れ!!
測定完了!!
クロスハッチの深さも純正と異なります!!
スリーブ下にOリング溝を切り圧入しピストンとシリンダーを組みます
ピストンは62ミリと小さいですがハイコンプなのでとてもパワフル
FXクランクでのボアアップは中間ストロークで軽量クランクなのでタコメーターが踊る様に回ります
なんと言っても安い!!
570ccのピストンは無料でOHにスリーブとシリンダーのボーリングが上乗せされるだけなので昔からの人気メニューです
ゼファー・GPZユーザーはクランク・コンロッドが違うので別途クランク・コンロッド料金が発生します
でも安いです
シリンダーヘッドを組みます
このFXヘッドが渋い!!
カムを組んでタペット調整しました
ヘッドカバーを組んでエンジンを始動させます
エンジン点火
快調
メカノイズのないとても静かなエンジンです
570エンジンのレスポンスもよく軽快
570エンジン完成です
エンジン完成!!
梱包して発送します
このZ400Jのオーナー様より差し入れを頂きました
宮崎名産の地鶏です
有難う御座います