大阪府〇〇様 Z1000J 1166ccボアアップ

開けましておめでとう御座います

1月1日で2020年となり今年の一発目は大阪からJの入庫でこのオーナー様は二機目のご依頼です

入庫したのはこのJ!!

早速エンジンに取り掛かるのですが分解歴ありです!

まずはヘッドを取り外します

シリンダーとピストンを取り外し!

点検棒を入れます

ん???

4、5mmほどズレていて入りません・・・・

Zではよくある事ですが見積もりが一撃で変わります

これでも調子良く動いていて気付かず走っていたのですが修理が必要です

腰下を降ろしてクランクを抜き取ります

エンジンを分解します

クランクはダメですがハウジングは良好でミッションも使えそうです

シリンダーのスリーブを抜き取ります

スリーブはしっかりと圧入され緩んだ痕跡はありませんでした

ここはダメなのが前提なのでOHの時はスリーブ交換が絶対条件です!

しかし問題なのはクランクシャフト・・・・・

オークションでゴミ同然のクランクを買うのは勇気いるし・・・・

とは言えこのまま組むなんて不可能なので今回はビトーR&Dにてオーバーホールしてもらう事にしました

今までここでクランクをオーバーホールしてもらってトラブルは聞いた事が無いと言うのが理由です。

zのクランクのリビルドはとてもトラブルが多くダメだと全てやり直しなので一発で直したい部分ですね

今までクランクの異音トラブルは多く見てきたので過剰な程神経質にはなるのですが最終的には組んでみないと何とも言えません

フレなしでベアリングはスムーズで点検棒も問題なく入ってもダメな物もあるからです

今回はフレームの塗装もするので全分解し!

ブラスト加工しました

塗装完了です

色はマッドブラックです

フレームにしたついでにサイドカバー下とキャブ後方の3か所に補強を追加しました

z1に比べJフレームは大幅に剛性が上がりエンジンはラバーマウントとなったのでかなり高性能化されています

エンジンのサンドブラスト加工完了です

カーボンも綺麗に落としたのですが・・・・

ん??

良く見るとバルブガイドにクラックが・・・・

3か所もあります

これもZではよくある事ですがZ1の場合はこれ以上に摩耗が多いです!

Jのバルブガイドは摩耗よりクラックのトラブルがあります

こいつは交換が必要です!

ヘッドを加熱します!

今回は加熱して抜き取ります!

Jのバルブガイドは硬いので切り取るには時間がかかります

バルブガイドも抜き取るには経験と時間が必要です!

適当に短時間で仕事するとヘッドのアルミが割れたりガイドにアルミがへばり付き綺麗に抜けません

Z400FXの交換よりも時間が倍かかります

スコンと抜き取り!

新しいバルブガイドを瞬間冷却します

スコンと入れて完了です

簡単に書いてますが1本の交換の仕事だけでも3時間半程必要です

そしてビトーR&Dからクランクシャフトが返ってきました

フレはゼロではありませんがまずまずと言ったところです!

ベラリングも交換済みですが組んでエンジンを始動させるまでは安心できません

点検棒も通りますがまだ安心はできない

Zのエンジンはそれ程用心深くないと組めません

クランクケースのボーリングをして半艶のブラックに塗装しました

さて・・・・新年早々カルロスゴーンが国外逃亡と言う事件が発生しましたが

日本の司法制度が問題になっていますね

実は嫁が裁判員裁判の候補者に選ばれたので色々と考えたのが去年。

ここで呼ばれる裁判は凶悪事件のみです。

時効なので言えますが今の報道ではゴーンは悪と言う報道がありますが私が上級国民なら逃亡するかなと・・・・

日本は有罪率99.4%ですが今から10年前大阪地検特捜部で障碍者郵便制度悪用事件と言うのがありました

ここで村木厚子さんが逮捕されましたが恐ろしい事に検察が証拠を捏造(隠蔽)した事件・・・・

この村木さんの弁護士はカルロスゴーンを担当していた弘中弁護士なのですがこの弁護士がいなければ村木さんは冤罪で逮捕されていたかもしれません

検察は取り調べ中、恐らく村木さんは冤罪と分かりながらも証拠を捏造し無理やり有罪にしようとしていたと言うのが事実で今の司法制度は冤罪の温床になっているのは間違いありません

幸いこの事件では村木さんの無実は証明され逆に検察が逮捕されると言う異例の事態となったわけです

取り調べで弁護士なしで自白させるのが問題なのですがアメリカでは取調室の会話を録音しそのやり取りを裁判官が聞いて判決を出すのですが供述調書が絶対だとそれを基本に裁判ってなんか不公平な気もする・・・・

身近な事で考えると電車での犯罪だと痴漢の冤罪ってとても多いと思う。。。。

逆恨みされたら男性は一撃で犯罪者です

アメリカは「無罪」と容疑者が主張すると最短24時間以内で出る事ができるのでそれはそれで問題ですがフランスは令状なしで逮捕出来るし抑留も7年と引き延ばした事のある国なのでフランス人が日本の司法を批判する事は出来ないだろと内心思うわけで・・・・

日本は推定無罪はたてまえで状況証拠が黒だと和歌山カレー事件や筧千佐子や堀江貴文は逮捕されたのが現実です・・・・・

なので今の司法制度が問題と言うより捜査方法に限界があるのが問題なわけで

盗聴・GPS・おとり捜査が可能になればこの様な人質司法必要なくなりますが

朝の番組なんか見てるとコメンテーターが人質司法を批判しながらも盗聴・GPSは人権がどーのと批判するので矛盾していますよね

国民感情で司法が動いたら韓国の徴用工や慰安婦と同じなわけで

難しい問題だなと思います

皆さんも裁判員裁判に選ばれるととても大変です。

どうせ最高裁でひっくり返るから行っても意味がない事かもしれませんがね

エンジンに取り掛かります

Jのエンジンの場合はかすめる程しかボーリングしません!

元々とても大きく実際これ以上のボーリングをするとクランクケースの耐久性はなくなります!!

アメリカから来るZはこれ以上に拡張している物が多くクラックが入っている物を見てきました。

殆どが人為的ミスで壊されたクランクケースです。

これ以上の拡張をするとクランクケースはゴミ・・・・

逆に言うとここまでのボーリングは問題ありません

クランクケースで稀にあるクランクシャフトの位置決めのピンの部分にクラックもなく安心して使えそうです

今回このJには強化カムチェーンを組み込みます

今はこの様なパーツがあります!

因みにゼファーエンジンでも現在実験中でゼファー400・750も強化カムチェーンが将来販売できるかな?と考えています。

と、言ってもザッパー系エンジンのサイレントチェーンはあまり伸びないのですがね

オーバークオリティーだと無駄に料金が上がってしまうので費用相対効果があるかの実験中です

エンジンを組んでいきます

幸いミッションにギア抜けもなくこのまま使えそうです

ここまで点検をすると後は仕事が早いのがZのエンジンです

ザッパー系エンジンの半分程の時間で出来てしまいます

とても構造が簡単なエンジンなのですが上記の様にZ特有のトラブルがあるのでそのトラブルに気付けるかが難しいんです。

簡単な構造なのでチャリ屋の延長のバイク屋さんでも簡単に出来るのですが簡単さが仇となり人為的ミスで故障しているのが多いエンジンでもあります。

クランクのズレは流石に気づいていたと思うのですがそのまま蓋をして組まれたエンジンでした

ヘッドも人為的ミスのオンパレードでした

ロアケースを組みます

そしてオイルポンプとオイルパンを組んでひっくり返します

クラッチを組みます

クラッチ板は純正でクラッチスプリングは強化タイプに変更です

この組み合わせが低コストで耐久性もあります

変な社外品を組むよりこっちの方が強い場合もあります・・・・

zのエンジンは「強化」などのワードの付く社外パーツがとても多いのですが基本は純正が一番です!

確かに純正の方が劣る部品もありますが弱点のみ対策品を組むぐらいがお勧めです。

良く当店にお問合せで来るのが色んなパーツを組みまくった中身ガンダムみたいなエンジン・・・・

「莫大な金額をかけて不調」

この問合せは3か月に1回程来る・・・・・

なかには純正の方が良いのにわざわざお金をかけて粗悪品の社外品を組む

とか

店の勧めであれもこれもと組んだらメカノイズがする・・・・

とか

zのエンジンは元からトラブルが多いエンジンでもありますが部品の組み合わせが悪かったり、そもそも組まない方が良いようなオカルトパーツも多数あるので注意が必要です

実は部品の製造元が当店に来て「我が社の部品を使って欲しい」と来た事もあります!

「良い物か悪い物か分からない物を組めない」

と断りましたがね・・・・

案の定その部品メーカーの物はトラブル多発で今は販売されていません

スタータークラッチは新品に交換し!

腰下完成です

因みにスタータークラッチはPAMSの物は時々使います!

Z1のマグネットローターのキー飛びは本当に困るトラブルで交換する物が無いので分解した時に飛んだ痕跡や分離しているとため息のでる部分

そんな時このフライホイール式のスターターキットをお勧めします

ゼファーなどの400エンジンだと無料で交換できるパーツですがZだと10万程飛ぶので高額ですが代替品がないので他に選択肢がない・・・・

本当に助かる部品です

どーでも良いゴミみたいな社外パーツは沢山ありますが本当に必要な部品はなかなか無かったのでね

クラッチは純正で強化クラッチスプリングを使います

腰下を組み上げフレームに腰下を搭載します

次はシリンダーヘッドです!

シートカットに取り掛かるのですが!

45度面は規定値の3倍程・・・・

45度のみのシートカットをしてあります!

この当たり面は流石に大きすぎるので整えます!

45度を最小で加工し30度と60度で加工しました

全箇所完了です

次はバルブのカーボンを落とします!

45度面を研磨機で修正します!

修正完了です

そしてJヘッドの弱点とも言えるカムホルダーのボルトの修正をします!

ロングヘリサートを打ち込みます

合計9か所!

残りの箇所はヘリサートを打ち込まれていたので前に分解した人はバカになった部分をピンポイントで打ち込んだと思われます

Zのエンジンはここがバカになる事は多いのですがJはアルミの質がとても悪くなったのでバカになる確率が多いです

当時のカワサキ重工の人に聞くとJになってからアルミの質を落としても大量生産!!

当時は為替の影響もあり超円安だったので作ってなんぼの貿易黄金時代です

品質が少々下がっても作ればアメリカ人は新車を格安で購入できたのです

この時代に就職して働き盛りだった人は最高なのですがね・・・・

その後に日本はバブル崩壊となり就職氷河期世代を生み出します

今更になってから「氷河期世代の救済」と市役所などはパフォーマンスの求人を始めましたが今更遅いわ・・・と言いたくなりますよね

兵庫県の宝塚市役所は545倍の倍率だったらしいです

受かった4人は超エリートだから起業した方が良いんじゃない?と思う程

当店のお客様も大半は就職氷河期世代・リーマンショック世代が多いので黄金時代の名車のエンジンを触りながら色々と考えてしまう・・・・・

ステムシャフトを研磨し焼き入れします!

カムを仮組しタペット調整します!!

ここで使った一番薄いシムは2.40でステムシャフトも0.2ミリ以上の余裕があるので次のOHも確実に出来ます

排気側も調整します

シリンダーヘッドの修正完了です

次はピストンの加工です

今回使うのはワイセコピストンで75mmの物です

コスワースの76mmも悪くないのですがハイコンプのワイセコを装着します!

しかしワイセコのコンプレッションは少々高すぎ・・・・

このままでも問題ないのですが頭でっかちでピストンの重心がとても高いのとクランクの負荷を減らすのが目的でコンプレッションハイトを3mm落としました!

一番左が無加工で真ん中が加工済みで右はノーマル

全てのピストンの加工が完了しました

シリンダーのライラ―の交換・ボーリングが完了しました

ダイヤルゲージを入れて!

測定完了です

ピストンとシリンダーを組み込みます

ノーマルに比べると圧倒的な高圧縮エンジンです

今回のエンジンもオーバーホールとボアアップのみです!

Jエンジンはこれだけでエグイ程パワーが出ます

ヘッドを組みます

カムシャフトを組みシムの点検をします!!

1・4上死点時はOK!

2・3上死点だと0.05規定値を外れるので狭い方で調整します!

多いのがサイドスタンドの反対側

こっち側は狂いやすい傾向にあります

調整して完了です

ウオタニとCRキャブを入れ点火します

エンジン快調で心配だったメカノイズもありません

そして試乗なのですがその前にフロントフォークのOHです!

分解します!

今回インナーチューブの交換もなので別のドナーフォークとニコイチにします!

組み立て完了です

フォークオイルは15番オイルで空気はゼロチャージです!

気持ち固めのオイルなので好みで後から入れて下さい

シャキーン(`・ω・´)

これで試乗に出かけれます

今回は安富ダムへ試乗へ出かけました

エンジン絶好調です

ジェイソンの1166ccエンジン完成です

今月も色々と差し入れを頂きました

大阪のJのオーナー様よりお菓子の差し入れを頂きました

有難う御座います

そして今月のお正月に!

またまた広島県のGPZ710のオーナー様より牡蠣の差し入れを頂きました

毎年有難う御座います

今年も牡蠣フライにして頂きました