茨城県〇〇様 Z400FX 710ccボアアップ

大変長らくお待たせしました

本日は久しぶりに茨城県からのお客様です!

そしてFXが連発で入庫です

入庫したのがこのFXです

ノーマルっぽいFXですがエンジン不調・・・・

早速エンジンをフレームから降ろします

エンジンを分解します!

シリンダーヘッドを外してみると!

0.5mmのオーバーサイズが入っています

しかし・・・・

ボーリングが悪かったみたいでホーニングで粗削りが取れなかったみたいです

かなりエグイ・・・・・

下も全分解された痕跡があります!

腰上のガスケットの年代から推測すると1990年以前に分解されたみたいです

腰下を分解してみると幸い問題なさそうです

しかし!

このクランクケースはE1の初期に多いクランクケースです

E3でこのクランクケースわ使われているのは初めて見ました

当時カワサキから出荷された時にE3を製造している時にE1の初期の物が混ざっていたみたいですね

このケースの場合ゼファー400のシリンダーも入りません

メタルの状態も良かったので安心したのですが問題は腰上です

シートカットに失敗したみたいで激薄のシムが入っていました

2.00以下のシムは存在しないのですが1.85のシム・・・

サンダで削ったみたいなので場所によっては1.80・・・

調整出来なかったみたいなので削って無理やり調整したみたいです

これオバーホールされていますが前に組んだ人によって壊されています

シート面は三次元加工なので恐らくですが内燃機屋に出したみたいれすがバルブの突き出し量の指示をしなかったのかこんな事になっています

ボロボロだった古い塗装と腐食を綺麗に撤去しました

するとエンジン番号が綺麗に見える

良く見たら003~なのでE1のエンジン

納得・・・・・!

流石に川崎重工でもE3の時代にE1のケース混ざるかな?

と思ったのですがカワサキなので何があるか分かりません

昔のテストライダーが新型車両を試乗中にラーメン食べてたら公開前の新型車をパクられてカワサキ重工の社長が警察に始末書を出すメーカーですからね

エンジンを塗装し半艶の黒にリペイントしました

クランクケースのボーリングも完了です

550クランクとコンロッドを組みメタルのクリアランス測定をします!

測定完了です

ミッションを洗浄し組み込みます

消耗品のチェーン・オイルシール類を交換しロアケースを組みます

こちらのオーナー様もステンのボルトに変更です!

そしてオイルポンプとワンウェイクラッチを組み込みます

オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します!

次はクラッチを組んでゼファークラッチを移植します!

クラッチカバーを組んでエンジン腰下完成です

ここまではいつもと同じ段取りで仕事が出来ましたがここからがこのエンジンは大変・・・・・

シリンダーヘッドに取り掛かります!

意味もなくバルブガイドを交換されとても深く加工されたシートリング・・・

これ以上ステムの突き出し量を増やしたくないので今回は!

純正工具のシートカッターで45度面を研磨します!

正直この工具では精度が出ないので通常ヘッドのリビルドではNGな工具ですがこのヘッドだと元々三面加工されているので恐らく内燃機屋に外注に出していると思われます。

なので元の45度面を信用して必要最低限の加工をします!

加工完了!

70度の角度でシートリングの内径を拡張しました

全てのシートリングの加工完了です!

バルブのカーボンを落とします!

そして研磨機で45度面を軽く研磨します!

バルブの45度面の修正完了です

すり合わせをしてバルブのステム長を測定します!

分解時に規定値を遥かにオーバーしていたのでこの作業は避けては通れませんが流石にオーバーし過ぎ・・・・

排気側のバルブもステム調整し焼き入れをしました

仮組をしてタペット調整します!

突き出し量が多いのでバルブスプリングシートの下にシムKITを組んでバネ定数を増やしていますがそれでも規定値をオーバー気味・・・・

カムホルダーのボルトもポキポキと折れたので前に組んだ人は規定値よりオーバートルクで締めたと思われます

勿論ボルトも全交換しました

何とか完成しましたがバルブスプリングシムをもう一枚かましても良いかもしれません・・・・

しかし一つのバルブに2枚のシムは今まで組んだ事がないので少し怖い

今まで何度も言ってきましたが素人が組んだエンジンは判断がとても難しい

暴走族が焼きつぶしたエンジンの方がはるかに状態が良いんです

吸気ポートを拡張し!

排気ポートも拡張しました

シリンダーヘッド完成です!!

次はスリーブとピストンの測定をします!

ダイヤルゲージを入れて測定します

測定完了です

エンジンを組む時もっとも神経を使う加工がシリンダーです!

一般ユーザーでもボーリングの精度の大切さは常識と思いますが機械で測定できる部分なので測定器を使えればもっとも簡単で安全性を目でみて分かる部分!

ピストンとシリンダーを組みます

そしてシリンダーヘッドを組みます

そしてカムシャフトを組んでタペット調整します!

ヘッドカバーを組んでエンジン完成です

早速エンジンをフレームに搭載しエンジンに火を入れます!!

ん?・・・・・・・

微かに音がする・・・・・

タンクをかぶせると聞こえなくなる程の小さな音ですが

チッ・チッ・チッ・・・・・

と言うヘッドの音・・・・

このシリンダーヘッドは完璧ではないのでダメだな・・・・

素人が組んだエンジンを嫌うのはこの様なトラブルが稀にあるからです

シートカットが深すぎるのでバネ定数を上げるシムを入れているのですがそれでも足らない程のシートカットだったのでこのシリンダーヘッドにもう一枚シムを入れるか考えたのですがシリンダーヘッドを作り直します

厳密に言えばシムをもう一枚組めばこの音は消えると思いますが次ばらした人はこのヘッドを絶対組めないので当店の在庫のシリンダーヘッドに交換します!!

シリンダーだと見でみて分かるので簡単ですがヘッドは動いてみないと分からない部分があります

頭の中でヘッドを動かし問題ないかイメージするのですが見えない部分がバルブスプリングのバネ定数・・・・

Zだとカムホルダーの遊びも音の原因になり規定値のクリアランスでも音が出てしましまいます。

「音が出てもカワサキはこんな物」

なのか「本来の音ではない」と判断するのか。

それは組む人の判断ですね

って事で!

別のFXのシリンダーヘッドをブラスト加工します

下処理完了です

ヘッドを同色にペイントしシートカットします!!

このヘッドはシートカット歴なし

色々加工せずに気持ちよく仕事が出来ます

45度と70度でシートカットしました

全箇所完了です

バルブステムの調整焼き入れ無しで2.35以下のシムは使わずに組めるので今後あと2回は問題なくOHが出来ます

ヘッドは内燃機でもっとも技術がわかる場所です!

加工する人に次第でヘッドの寿命が最低でも倍は変わります!

上の写真でも紹介しましたがこの純正工具のシートカッターではなりに任せてでしか加工出来ません

元のシートリングの45度面がズレていない時はこの工具で仕事出来ますがFXの場合加工歴なしで45度面がバルブステムと狂っていない場合は10機中1機程です

Zのヘッドはもっと精度が悪いのでこの純正工具ではまともな仕事は出来ません

しかしセミプロのバイクショップはこの工具でグリグリしてガンガン組んでいくのでまともはZのシリンダーヘッドは殆どありません

そもそも構造上欠陥があるヘッドなので修理は難しい・・・

川崎重工がZのシリンダーヘッドを再生産するのですが聞くとかなり難航しているらしい・・・・・

どうせなら構造上の欠陥を修正し再販してほしいですがね

とりあえずZ400FXのヘッドは比較的低コストで買えるので今度からこの様なヘッドだとさっさと交換します

Zの1/20程の値段ですからね

バルブを擦り合わせしシリンダーヘッドを組みます

同様に排気ポート拡張し!

吸気ポートも拡張しました

ポート径拡張ですがここはショップにより広げ方が大きく異なります!

簡単に言えば考え方の違い。

FXよりもZがその辺は分かりやすいのですが吸気ポートの方肉が1mm程になるまで削るショップもあれば元のポートより片側0.5の合計1ミリ程しか拡張しないお店もあります!

どっちが良いのか?・・・・・

お分かりと思いますがどちらも良し悪しがあります

方肉1mmまで拡張した方がパワーは出ますがマニーホールドとの接触面積が減るのでマニーホールドから二次エアーを吸いやすくなり交換サイクルが早くなります。

CRなどの重いキャブを付けるとマニホの交換サイクルはもっと早くなります!

しかし純正より1mm広げた方のヘッドはマニホの交換サイクルはノーマルと殆どかわりません

二次エアーと言うのはなかなか分からないお客様も多く「まっ問題ないか」と思っていても4発中1発二次エアーを吸っていてエンジンを高回転回すと?

エンジンは勿論焼けます

GPZ400Fで焼ける原因は殆どがこれです!

GPZ400Fのマニーホールドはエンジンとの接合部がアルミでOリングを入れて二次エアーを防ぎますがこのOリングが細いのでゼファーに比べるとマニーホールドの交換サイクルは早めです!

組む時に液体ボンドを薄く塗って組むと塗らない場合と比べて寿命は3年以上長持ちします!

マニュアルでは書かれていませんが定年劣化による腐食もあるので新品に交換しても二次エアーを吸いやすいので気を付けましょう

で!当店のポート径拡張は元より1mm程広げる程度に留めています

(排気ポートはガスケット内径ギリギリまで広げます)

なぜかと言うと必死のパッチで限界まで広げてカスみたいパワーを稼がなくてもピストンでパワーを稼げるからです

音の出るヘッドを外します

このシリンダーヘッドはゴミだな・・・・・

一度でも火が入るとガスケット類は全交換になります

ヘッドガスケット・ヘッドカバーガスケット・カムプラグ・ステムシールも勿論新たに組み直します

実はブログでは非公開ですが静岡県よりゼファー750のシリンダーヘッドのOHのオーダーもあるので今月シリンダーヘッドをリビルドしたのは5機目です

そして次女号のエンジンも制作中でそのヘッドもリビルド予定なので6機の予定です

新たに組み直したシリンダーヘッドを組みます

カムシャフトを組んで今度こそエンジン完成です

そしてエンジン始動!!

とても静かで快調

このエンジンには手こずりましたがこれから試乗です