本日もエンジンのオーバーホールのご依頼です
入庫したのがこの黒とシルバーのタイガーカラーのゼファーです
このエンジンも同じく1mmオーバーサイズピストンでOHします!
エンジンを降ろします
エンジンを分解していくと!!
少々オイル上がり気味・・・・
まあ・・・これは問題ないのですが!
クラッチプレートにえぐれた傷がガッツリ入っています
クラッチカバーの裏を見ると!
消音ダンパーを抑えるプレートががっつり変形してます
手前のボルトを締め忘れてエンジンを始動させたみたいです
クラッチカバーの裏が割れています
プレートは変形しています
この消音プレートはあっても無くてもどーでも良いパーツなので外して組みます
なんでこんな場所分解したのか分かりませんが恐らくクラッチ板を交換した時と思われます!
組んだ時凄い音がしたと思うのですがそのまま納車されたみたいです
分解してみるとゼファー750の後期のクラッチが移植されていました
このパーツ組んでもクラッチは強化にはなりませんが
「これは後期のクラッチだから対策されているんだろう!!」
と、思って組み込まれたのだと思います
意味無しです
腰下内部の部品は良好!!
カートリッジ式のオイルフィルターを装着できるなんかのキットが組まれていましたがオイル滲みが酷いので純正に戻します
腰下の問題と言えば3か所!!!
1か所・・・
2か所・・・
3か所のボルトが錆びて折れました
まずはこの折れたボルトの修理です
1か所目の抜き取り完了!
2か所目完了!
3か所目完了です
そしてヘリサートを打ち込みます
3か所完了です
エンジンをマスキングして下処理します
サンドブラスト加工完了です
そしてペイントします
こちらのお客様はシルバー塗装のオーダーです
シルバー塗装は黒の倍時間がかかるので、とても大変です
乾燥に二日かかります
クランクメタルとコンロッドメタルを交換するのですが今まで我慢してきた事を言いたいと思います・・・・・
上の写真がメタルなのですがビニールに入りセロハンテープで固定されています・・・・
400エンジンのメタルも約1年半この様な梱包だったのですがようやく出し尽くしテープで巻かれる事がなくなりました
750エンジンのメタルもテープで巻かれて来るのですがかなり有難迷惑
プライベーターや一般のバイク屋さんだと気にしないのでしょうが当店はかなりの数を消費します!
その度一つ一つ慎重にメタルを袋から出してます
冬だと寒いのでまた時間がかかるんです
エンジン内部の消耗品を交換しクリアランス測定して組み込みます
そしてZR7のワンウェイクラッチとオイルポンプを組みます
オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します
良く見てみるとハブに無数の穴が開けられています
意味のない改造ですが多分・・・
多分ですがここからオイルが回転運動により噴射されクラッチ板にオイルがかかり焼けにくいのでは???
と思って改造したのではないでしょうか・・・・
良品に交換します
幸い900cc化されるお客様は100%タイプGのクラッチに交換します
なのでここの部品はとても状態の良い純正がゴロゴロしてます
一番手前のクラッチプレートも良品に交換しました
ターボの純正クラッチを移植しました
エンジンカバーは黒にペイントのオーダーです
シリンダーヘッドのシートカットをします
燃焼室とポートを掃除しシートカットします
45度を加工すると!
吸気側のシートリングに大きなズレがあります!!
右下側は規定値を超える広さですが!
反対の左上側は規定値以下・・・・・
これではバルブが密閉できず圧縮漏れします
これはゼファー750でも良くあるトラブルでこのまま走るとパワーダウンは勿論!バルブの摩耗(変形)や密閉時片側へバルブステムが逃げるのでバルブガイドの摩耗も引き起こします!
この場合は左上の細い部分を規定値まで45度面を加工します
45度だけを加工すると、こんな感じの仕上がりです
そして30度と60度で右下の広い部分を整えます
仕上がりました
左上の45度面は細い部分は30度と60度のカッターの刃が当らないギリギリで止めているのでバルブの突き出し量は極小に留めています!!
なので次のOHも余裕をもって可能です
素人のショップだと一回のOHで次OH出来なくなってしまいます
シートカット失敗はZもゼファーもとても多いです
ここを失敗されるとお金を払って壊されている様なもの。。。。。
シートカッターのパイロットステムは1/100ミリ単位で調整しますが7.02以上のパイロットステムがスコン!と入るとバルブガイドの交換をします!
国内のゼファーでそこまで摩耗している事はまず無いのですがね
全てのシートリングの修正完了しました!
吸気側のシートリングは一つ目がズレていると残りの3か所も間違いなくズレています!!
400エンジンはバラバラで一か所だけの場合もあってたり4か所ともだったり
400エンジンのGPヘッドなんかはエンジン組を組んで走ってからズレていると思われます!!
バルブの45度面を修正しました
吸気側の45度面は少し凹んでましたが問題なく修正可能なレベルでした
そしてすり合わせをして圧力検査に合格したのでシリンダーヘッドを組み上げます
完成です
シリンダーのボーリングが仕上がったのでクリアランス測定をします
ダイヤルゲージを入れて!
測定完了です!!
このシリンダーも同じく4/100ミリから5/100ミリの間で仕上がってます
1ミリOSピストンの組み込み完了です
そして先ほどリビルドしたシリンダーヘッドを組み込みます
そしてカムシャフトを組んでタペット調整をします
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です
ヘッドカバーは黒のオーダーです!!
基本シルバーエンジンですがワンポイントで黒のパーツを組んでいます
エンジン単品で見るとハデかな!?
と、思うかもしれませんが車体に積むと!
黒とシルバーの外装にマッチングします
エンジンに火入れし七曲りまで試乗です
本日の天候も良く最高のバイク日よりです
ゼファー750のエンジンOH完成です