大変長らくお待たせしました
本日は京都よりゼファー750が入庫で関西ゼファークラブのお客様です
関西ゼファークラブの方がご来店されるのは何人目でしょうか・・・・
さすが時代のターニングポイントを作った名機ですかた熱烈なゼファーファンの単車乗りは多いですね
今回ご来店時に京都のお茶の差し入れを頂きました
有難う御座います
入庫したのが火の玉のゼファーです
走行7万キロ以上との事ですがエンジンの状態は快調
ピストンリングの摩耗によるパンチ力はさすがに低めですが目立つ異音もなくオイル交換も小まめにされているのが分かります
エンジンを降ろします
軽い転倒によりシリンダーのフィンが二か所かけているので修理します
シリンダーのスリーブを抜き取りかけた部分をサンドブラスト加工して掃除します
溶接し肉盛りをします
綺麗に復元出来ました
反対側もブラスト加工してペイントすればもう分かりません
オイルパンを割るとスラッジがまったくありません!!!
温間時にオイル交換している証拠でとても綺麗なエンジン内部です
冷間時にオイル交換しても殆ど意味がありません!!
冷間時に交換するとオイルの綺麗な部分だけ抜けてスラッジはエンジン内部に残ったままです!!
オイル交換は温間時に交換していればこの様に7万キロ走ってもとても綺麗な状態を保てます!!
そして同じ位大切なのは良いオイルを小まめに交換する!!
「高価なオイルは長持ちする」
とか
「安いオイルでも交換サイクルを早くすれば良い」
とかは都市伝説です
長距離を走破したエンジンを分解すればこのエンジンみたいに結果として残ります
クランクメタルもピカピカの状態です
カワサキの空冷四発はどれだけ過走行でも3000キロ以内に交換をお勧めします
5000キロに一回のオイル交換など論外です
大丈夫なのですが勿論このエンジンの様なコンディションは保てません
いままで何百機とエンジンを分解して点検してきましたがオイル交換は空冷エンジンユーザーにとっては生命線です
妥協はNGです
そしてエンジンを全分解しサンドブラスト加工します
下処理完了です
半艶の黒にペイントしクランクケースのボーリングをしました
クランクメタルとコンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定をしました
そしてミッションを分解・洗浄・点検し組み込みます
オイルポンプとワンウェイクラッチを組みます
ワンウェイクラッチは元から対策品は入っていたのでこのまま使います
クラッチはFCCのタイプGでお客様が持ち込んで下さいました
有難う御座います
クラッチカバーを点検すると
ダンパーゴムがありません・・・
これは当店の在庫を組みます
無くても問題ない部品ですが念のため・・・・
この部品の役割はハウジングの音を吸収させる為の部品ですがたいして効果ありません
腰下完成です
クラッチカバーはお客様が頑張って磨いてクリアでコーティングされています
とても綺麗に磨かれています
シリンダーヘッドの修正をします!!
ポート内のカーボンを掃除しました
次はシートカットです!
45度30度60度70度の4面加工です
通常殆どのゼファー750は70度の加工をしなくても良いのですがこのヘッドはシートリングの鋳込みが悪かったのか内径が偏り小さめでした
シートリングの肉厚も十分余裕があったのでガッツリ拡張しました
シートカット完了です
バルブのカーボンを落として修正します!
さすがにかなりの距離を走っているのでEXバルブのダメージはありますが、
今まで見てきたエンジンに比べればかなり良品のバルブです
全バルブの修正が完了しました
すり合わせをして圧力検査に合格したのでシリンダーヘッドを組みます
ヘッドは真っ黒の仕様です
と言うか最終型のゼファー750のフィンの研磨は上手く加工することが出来ません
ダイヤルゲージを入れて測定します
測定完了です
ピストンを組み込みボーリングしたシリンダーを組み込みます
エンジンらしくなってきました
ここでお客様の持ち込まれたのがヨシムラのST1カム
ヨシムラ指定のクリアランスのするとバタバタやかましいエンジンになってしまうのでこのカムの場合は非売品のシムで調整します!!
通常は0.05刻みですがこのシムは0.025刻みです
ゼファー750のエンジンの新車出荷時!
メーカーで取り扱われるシムです
ハイカム組み込み完了です
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です
エンジンを搭載し早速試乗に出かけます
ハイカムなので発進時少しトルクは低め!
ノーマルの750エンジンに比べると比較にならない程のパワーですが峠の登りなんかではノーマルカムの方がやはりトルクが太くパワーを発揮します
しかし高回転回せる場所だとやはりハイカムの力を発揮するので最高出力はこのゼファーはかなり高めとなります
ハイリフトカムも一長一短があります!
400エンジンなんかではハイカム派とSTDカム派がよく分かれますが750でも同様です
常連様でもハイカムとノーマルカムで乗り比べるとノーマルカム派に戻る人も居ます
エンジンの特性が大きく変わるのでもしハイカムを組む場合はST1をお勧めします
ST2はサーキット・シャーシダイナモの上では威力を発揮しますがストリートでは使い道ないパーツです
ゼファー900完成です