大変長らくお待たせしました!
本日もまたまた愛知県のお客様
今年で3人目です!!
ゴールデンウイークは地元・県外からも多くのお客様がご来店されたのですが
「愛知県の人狂ってますねー!」笑
とか
「ここの県民はスピードジャンキーなんですか?」
とか・・・・
ほんと愛知からのお客様は多いですね
入庫したゼファー550です
今となっては珍しいノーマルのゼファー
逆輸入の車両はまた珍しい
この550ゼファー!
10代の頃、地元の先輩が乗っていてとても羨ましかった
ゼファー750乗れるのに550に乗る拘りを感じたのを覚えています
海外には多くあるのですがあまり日本に入ってこないんです
550エンジンを降ろします
エンジンを分解してみると
メタルは新品みたいな綺麗さ
今までオイル管理をしっかりされていた証拠です
ゼファーでもまともなエンジンが珍しくなってきた時代。。。
FXやZ400GPやGPZ400Fなんかはもっとコンディションが悪いのは当たりまえです・・・・
1オーナーからキチンとオイル管理されている車両なんてのは滅多にありません
エンジンを全分解しサンドブラスト加工をしました
そしてエンジンのペイント完了です
こちらのお客様も半艶の黒のオーダーです
ゼファーの純正色は水色っぽいシルバー
この純正色は塗膜が薄く溶剤に弱いのですぐに剥がれてしまします
純正の塗装は下地処理をせず上から塗っただけなのでとても弱いんですよね
ダミーシリンダーを使い完璧なオフセットでクランクケースのボーリング完了です
クランクメタル・コンロッドメタルを新品に交換し550クランク・コンロッドを組みます
そしてミッションを組み込みます
このミッションも程度良好
ゼファーミッションはFXの改造車ユーザーが欲しがる部品でRをワイド化する人はゼファーミッションを流用します
すると外に1cmオフセット出来ます
一番組んでほしくない部品がオフセットスプロケ・・・
Zでも同じですがスプラインの故障・ミッションのボールベアリングの故障の原因です
ドレスアップカスタムが多いので後ろのホイールをワイド化する人も多いのですが
エンジン屋からしたらわざわざお金をかけてミッションを潰すような改造
出しても5ミリまでですね・・・・
今までオフセットスプロケでスプラインがダメになりスプロケがグラグラな車両を数多く修理しました
気づかないで乗っている人も多いと思います。
こんな危険なパーツ、国内4メーカーから絶対出せませんよね
稀に連絡来るのですが地元のカスタム屋で「オフセットは組みません」と断られたと言う人がおられますがそれは正しい判断と思います
私も組みません
400エンジンではオフセット無しで170タイヤまでは可能です!
180サイズはチェーンにギリギリ干渉します
と、言うか180入れたらタイヤを使いきれませんし逆に危ない・・・・
ロアケースを組んでオイルポンプとワンウェイクラッチを組みました
こちらのオーナー様もオールステンのネジです
オイルパンを組みエンジンをひっくり返し強化クラッチを組みます
クラッチカバーを組んで腰下完成
となりの沖縄県のお客様のクランクケースとゼファーのクランクケースは微妙に異なります!!
FX・GP系エンジンにゼファー400のクランク・コンロッド・ピストンは組めません
クランクシャフトのセンターからカムのセンターまでの距離が違うので勿論ピストンのスキッシュエリアが異なります
ワイセコ・ヨシムラ・モリワキのピストンは全てに組める様に低めのスキッシュエリアで作られています!
しかし一番問題なのがヨシムラの600ピストン
燃焼室形状も全て一緒と思い量産したみたいですが根本的に設計ミス
エンジンによってはコンプレッションハイトが燃焼室に干渉します。
クランクケース・燃焼室の形状を把握してなくて全部一緒と思っていたみたい
FX・GPに550クランク仕様とゼファー・GPZに550クランク仕様とではスキッシュエリアの距離が変わります
ゼファー550はゼファー400・GPZ仕様と同じピストン設計で行けます
燃焼室・ポートを掃除します
45度・70度でシートカットしました
全てのシートリングの修正完了しました
このエンジンも分解歴ありでしたがシートカットをした痕跡がありませんでした
とても状態が良かったです
バルブの45度面を修正します
このエンジンの状態はとても良く45度面のダメージも殆どありません
表面をサッと加工しました
沖縄県のお客様同様輸出モデルの吸気バルブです
すり合わせをして圧力検査に合格したのでシリンダーヘッドを組みました
吸気ポートを拡張し!
廃棄ポートも拡張しました
フィンの研磨は無しの仕様
シリンダーヘッド完成です
ビッグブロックシリンダーとピストンのクリアランス測定をします
完璧です!!
制作したピストンとシリンダーを組み込みます
スリーブ内のクロスハッチの深さですがここは純正シリンダーとは異なります
純正シリンダーなのかビッグブロックなのか、またピストンの素材・圧縮圧によっても変わります!!
ワイセコピストンはオイル上がりしやすいと言う人も居ますが殆どがクロスハッチの指定ミス
バイク屋は内燃機屋にシリンダーを持ち込むとスリーブ外径のクリアランス・スリーブ内径のクリアランス・クロスハッチの深さまで指定するのが基本なのですが9割のバイク屋さんはここの指定はせずに内燃機屋に「お任せ」にしてしまいます
タカトリのピストンの650ccも「オイル上がりする」なんてクレームが来て
「ピストンが悪い」とか
「内燃機屋が悪い」とかクレームを入れてくるショップがとても多かった
その前にエンジンの組む人の腕・知識がないやん・・・・・ってことばかり
たしかに内燃機屋の腕が悪いって事も多いのですが指定・確認しないと・・・・・
お客様の場合「宜しく」でお店に丸投げしますがそのお店が内燃機屋にそこまで指定してるのか???
と疑うべきです
今月もですが「OHをして、お客様のエンジンを不調にさせてしまいました」
「〇〇を教えて下さい」ってショップからの電話が来ました
月に1回はこんな電話が来ます・・・
聞いたら「スリーブの内径をホーニングだけしてOHしたとか」
「ボーリングしてクリアランス測定せずピストンを組んだ」とか
「クロスハッチってなんですか?」とか
色々あります。。。。
リビルドしたフルパワーヘッドを組みます
カムを組みタペット調整します
ヘッドカバーを組んでエンジン完成
エンジンを搭載し点火
絶好調
CVKキャブの直キャブ仕様でもオーダーです
試乗に出かけます
七曲りに来ました
最近はここに来る走り屋もめっきり減りました
道の駅ができ交通量が増えたので走り屋が来れなくなったのですが昔は地元の腕自慢が集まるスポットでした
今はツーリングスポットです
地元姫路・岡山の単車乗りが集まって話ししたりする場所になりました!
そして万葉岬まで上がりました
逆車のゼファーなので珍しいマフラー
SUDCOのマフラーです
日本では何それ?
って人も多いと思いますし逆車のZにたまに付いてたりします
ここは日本のパーツをアメリカに輸出している会社です
とくに京浜キャブやミクニキャブの輸出でアメリカでは有名です
アメリカの知人にSUDCOって知ってるか?
と聞かれ「何それ?」って聞くとパンフレットを見せてもらい驚きました
アメリカ人もバイクにレーシングキャブを組むとなると日本の京浜はミクニをチョイスします
と、なるとここから部品を買ってるらしいです
日本のバイクにはここのマフラーやカーカーメガホンがメジャーなのでしょう
ヨシムラよりメジャーかもしれません
今月の連休は多くのお客様がご来店下さりゼファー・FXマニア集まりました
「愛知県民は凄いな・・・・」と言う人が多かったです
710ゼファー完成です