京都府〇〇様Z400FX ワイセコ615→710ccボアアップ

本日ほ京都府のZ400FXのお客様がご来店です!

大変長らくお待たせしました

入庫したFXです

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シルバーのFXとは珍しい

で!肝心のエンジンはと言いますと!

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OIL上がり大異音大OIL漏れ大です

京都のカスタムショップでエンジン全分解、ボアアップされたらしいのですが不調な為当店にご来店されご予約を頂きました

前回のお店でFXクランクでワイセコピストンを入れたりとオイル漏れが酷いのでまた分解したりと大変だったみたいです。

なんとエンジン3回もあけたらしいです・・・・

莫大な金額をかけたらしいのですが不調が直らないらしいです

私もエンジンの異音を聞きましたが多分クランク・コンロッド焼けています

早速エンジンを降ろします

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エンジンはブラスト仕上げですが今回黒にペイントします

腰上を分解していくと!

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写真では分かりにくいですが横傷が沢山あります!

爪にひっかかるほどの傷です!

ボーリングの時荒削りをしてホーニング(研磨)をしてクリアランス調整します!

その時荒削りをし過ぎてホーニングではクリアランス過大になるため消せなかったみたです・・・・

そりゃこんなで組むとOIL上がりするに決まっています

ピストンリングも交換しなおしたみたいですがスリーブの横傷が酷いのでリングはすぐに磨耗します

肉眼でも組む時分かると思うのですが・・・・

組む時ピストンとスリーブのクリアランス測定すらしないお店がありますがこのボーリング加工は論外です・・・

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ピストンは全部ピストンピン部分が焼け気味です

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サークリップ溝が広がっています

ピストンピンがサークリップ内径を突き破りそうな状態でした

ワイセコではよくあります!

これは組み手ではなくピストンの問題です

そして!

異音の原因を発見

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ピストンの上のカーボンは、取れて、蓄積し、取れて、蓄積を繰り返しています

しかしこの2番のピストンはカーボンが潰れています

ピストンとシリンダーヘッドが干渉し激しい音が出ていたのです

で!なぜピストンとヘッドが干渉するのかと言いますと!

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ささっと腰下を分解し!

2番コンロッドを分解すると!

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コンロッドメタルが焼けてます!

コンロッドがガタガタになりピストンが上昇する勢いでヘッドとピストンが衝突する音です

何度も分解しているので京都のレーシングショップでもこれに気付いたみたいですが・・・

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なぜかスキッシュエリアを広げる為ベースガスケットを二枚重ねにしてありました

勿論異音は直りません

エンジンを全分解しサンドブラスト加工します

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「エンジンをサンドブラスト仕上げにすると放熱性が良い」

と!言う都市伝説あります

物理的に言えばその様な効果もあると思うのですが表面の塗装があるかないかぐらいでは、なんも変わりません

昔はブラスト仕上げエンジンも見た目に面白いので流行ったのですが

ブラスト仕上げはメリットよりデメリットの方が大きいです

塗装は金属の表面を保護し腐食を防ぐ効果があります!

当店のブラストは塗装下地用のブラストです

エンジンの塗装完了です

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クランクケースのボーリングも完了しました

エンジンの塗装は半ツヤのブラックです

クランクケースを洗浄し550クランクを組みます

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メタルを交換し!

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クリアランス測定完了です

元々組まれていた550クランク・コンロッドは使えないので当店の良品に交換です

次はミッションです!

ギア抜け気味なので当店の在庫の良品ミッションに交換です

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FX・GPのオーナー様に多いギア抜けですが大量にミッションを在庫しているので「怪しいな」と思ったら速交換です

トラブルを抱えているミッションは時間があるときに修正し在庫しています

過去のお客様が使わない部品を寄付してくださるのでFX・GP・GPZのエンジンのお客様は基本的に無料でミッション交換です

ゼファーミッション・クラッチは在庫が無いので有料になります!

昔の当店には腐るほどあったのですがね

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ワンウェイクラッチのダンパーはガタガタでした

キャブの不調・エンジンの不調などで始動性の悪い場合ここが痛んでいます

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修正完了

エンジン腰下を組み上げます

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OILポンプもメタルの細かい破片を巻き込んでいたので当店の良品に交換です

これも過去のお客様の寄付により無料です

そして問題がったのが!

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こいつです!

クラッチハウジングが原因でギア抜けしたみたいです

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指でなぞるとボコボコです

クラッチレバーを切ってもエンジンの中でクラッチが切れません

このFXのオーナー様のご要望で一時減速を550にするのですが

元々入っていたクラッチハウジングは使えません

で!ここの磨耗の仕方でオーナー様の運転の仕方が分かります

回転方向の逆が極端に磨耗しているのでバックトルクがかかっています

極端なエンジンブレーキが原因です!

「そんなにエンジンブレーキ使ってないなー」

と!思う人も多いのですがボアアップして減速比調整をしないバイクショップがほとんどです

日本のバイク屋さんはボアアップ・ハイカム→で馬力を意識しがちですが短命で故障・磨耗の多いエンジンになります!

このワイセコ615はショートなので故障したみたいです

これはショート以前に組み方ですが

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当店の良品に交換し強化クラッチを組みゼファーのクラッチパーツを移植します

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次はシリンダーヘッドです

まずはバルブのカーボンを落とします

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一度エンジン分解されているのでカーボンを落とした痕跡はありますが45度面の修正はされていません

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肝心の45度面はボコボコです

いつもの様に45度面をしっかり修正します

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OHの際バルブを磨くのも大切な仕事ですが45度面がもっとも肝心です!

ここがシートリングと接触するのでここが痛んでいると圧縮漏れの原因になります

精度の良いシートカットはバルブの密閉率を上げ長期的にトラブルが発生しにくいエンジンになりエンジンの超寿命化になります!

密閉率の悪いバルブ・シートカットはエンジンパワーの低下、短命化になります。

シリンダーヘッドをシートカットします!

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シートリングの状態ですが・・・・

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シートリングの右下は2ミリ弱の当り幅になり

その反対側は!

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1ミリの当り幅になりました

バルブガイドにパイロットステムを1/100ミリ単位で圧入し程度良く加工するとシリンダーヘッドの精度の悪さが目に見えてわかります

このFXのお客様に限らずFX~ゼファーにかけてシリンダーヘッドの固体差はよくあります!

750(ザッパー系)エンジンの固体差はとても激しいです

Zはザッパーよりも悪い物が多いです

以前OHしたお店ではシートカットされた痕跡が無かったので刷り合わせだけして組んだと思われます

これが悪化するとバルブの45度面が凹んだりバルブが曲がったりします

バルブガイドの内径拡大にも繋がります!

角度をかえて撮影すると!

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シートリングが浮いています

これはある意味「長年高温になりバルブに叩かれシートリングがシリンダーヘッドに馴染んできた」とも言えます

新品のシリンダーヘッドでも何十年後かにこの様なトラブルが発生する可能性があるのです!

で!このトラブルは稀ではなく結構あります

(メーカー関係ありません)

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45度面をバルブガイドに対し垂直に加工し70度でシートリング内径拡張30度で45度面外径修正しました

完璧です!

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長年かけてシートリングがヘッドに馴染みここで精度良く加工することによりこれからが安心です

私は「サービスマニュアルはアバウト」と言いますがそれは当たり前です!

テストライダーの走行試験では把握できない10年後・20年後のトラブルがあるのです

メーカーはこんなトラブルも含め何十年後にどんなトラブルが発生するか把握できません。

私の仕事の場合何十年も昔のエンジンを専門にしているので問題の発生がわかり対策ができるのです!

答えが目に見えてそれに対策ができます!

なのでメーカー指定のシートカッターなどは役に立ちません

某メーカーのエンジン開発に携わる人も当店にご来店し研究しています!

新設計のエンジンも過去のエンジンのトラブルを見ることにより対策ができるのでしょうね

とても研究熱心です

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シートカット完了です!

バルブのすり合わせをし圧力検査をしシリンダーヘッドを組んでいきます

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こちらのFXのオーナー様はGPZヘッドでフィンを丸フィンに改造です

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シリンダーヘッド完成です

本日京都からFXのオーナー様がご来店され差し入れを頂きました

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550エンジンを持ち込んでくださり

550クランクは今組まれたクランクの変わりに保管し「余った部品は他の困ったお客様に使って下さい」とのことです

有り難う御座います

ピストンを製作しクリアランス測定します

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ダイヤルボアゲージをいれ

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測定完了

完璧ですピストンを組み!

ビッグブロックシリンダーを組みます

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ヘッドを組み込みタペット調整します

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このFXのオーナー様はGPヘッドでGPZのカム

エンジンフルパワー仕様です

持ち込み時にタコメーターは電気式メーターに変更してあるのでGPZのカムを組めます

そして!

多分ダメだろうな・・・と、思っていたキャブ・・・・

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「なんとかFCRでいけませんか?」

と、言われていたのですがやはり不調

使いふるされたキャブはエンジンの不調の原因です

せっかくの710エンジンもキャブが0点ならエンジンも0点

今装着されているキャブ!

キャブの不調が原因でエンジンのトラブルに繋がります

また、ゼファーヘッド・GPヘッドの場合ゼファーキャブを装着できます

CVKのノーマルキャブか・・・・

と!侮るなかれ

地元のゼファーのお客様は知っているので!

ノーマルキャブで行く人も大勢います!

ゼファー400のノーマルキャブでも、かなりパワー出ます

雑誌などではFCR・CRが当たり前ですがキャブは所詮、補記類です

肝心なのは「調子の良いキャブ」

調子の良さが肝心です!

動く!が調子の良さではありません。

調子良く動く!が肝心

強力な心臓があればキャブはCVKノーマルでも調子が良ければ十分パワー出ます

中古で販売されているキャブは「何かある」と疑うべきです

調子の悪いFCR・CRとノーマルのゼファーキャブだと圧倒的にゼファーキャブの方がパワー出ます

FXヘッドのオーナー様にゼファーキャブは無理なのでCRキャブ・FCRキャブに変更せざるいえないのですが・・・

FXのノーマルキャブにロクな物ありませんので

エンジンをフレームに搭載します

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今まで何百台と古いカワサキを見てきましたがキャブが調子悪そうだとゼファーキャブを促します!

不調キャブのOH・セッティング代+部品代

結局ダメならそれ+ゼファーキャブ代・セッティング代が発生するからです

だと!・・・

調子の悪いキャブは見捨てて最初からゼファーキャブに変更すると!

ゼファーキャブ代・セッティング代だけで済みます

またCVKキャブのセッティングはFCRの半額です

古いFCRは不調が多いので見切りを付けるのが大切です

そして!

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エンジン点火

凄まじいエンジン音で息を吹き返しました

やはり調子のいいキャブは始動性・吹け上がり共に絶好調

以前は

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル・・・

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル・・・

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル・・・

ゴッゴッ・・・

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル・・・

とセルを回して始動させていましたが今は!

キュルキュルゴオオオオオオオン

ワンウェイ・セルの負担も少なく済みます

なんと言っても気持ちよく走行出来ます

試乗の前に!

調子の悪かったバックステップ

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根元がグラグラでシフトチェンジがうまく出来ませんでした

たしか!・・・

以前ボアアップした広島のフルパワー仕様のFXのオーナー様が

↓このFX

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「困った人がいたら使って下さい」と寄付して下さった!

マックレーンのE4ステップがあるはず

探して取り付けました

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この京都のオーナー様のフレームは550フレームなので国内で言うE4タイプのフレームなのですが実は違うんです

E4と550のE4タイプはステップの位置・角度も違うのでボルトオンではありません

加工して取り付けました

これで気持ちよくシフトチェンジできます

FXで肝心なのはバックステップのポジション!よりも

しっかりシフトチェンジできることが大切です

ステップを無理付けするとこれが原因でギア抜けを引き起こします

以前のステップはバイクショップで取り付けしてもらったみたいですが

この取り付けでギア抜けするぐらいなら、しっかりシフトチェンジのできるノーマルの方が良いです

早速試乗です

まずは七曲りに行き

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そして万葉岬に行きました

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エンジンのパワーも文句なし

さすがフルパワー仕様710です

FCRに拘っていましたがこんなけパワーあれば多分いらないと言うと思います!

なぜかと言うと・・・・・

パワー上げ過ぎたらどっかに突っ込んでしまうからです

本日は快晴ですが潮風は冷たい

とても寒いので!

こんな日は

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ここしかありません

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姫路のうどん!と言えば「かな福」です

地元のお客様は殆んど知っていますね

私のドはまりしているのが!

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カレーうどん(嫁もここのカレーうどんが大好きです)

他のうどんにも挑戦したいのですがこれが美味すぎて挑戦する気にならないのです!

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写真には写りにくいのですが半透明の麺で噛むとモチモチでトロトロなんです

昼間の駐車場には高級車の社長からファミリーカーまで並ぶので異様な光景ですが粉から徹底的に拘る麺は赤ちゃんでも安心して食べることができます

どこかの社長も見る目が違うからここに集まるのでしょうね

身体もポカポカに温まったので工場に帰ります

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