兵庫県〇〇様 ゼファー810 930ccボアアップ

あけましておめでとう御座います

2016年はりくまるの日の出ウ〇コからはじまりました

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「あけましておめでとーございます」と!言っています

そして今年一発目のボアアップは地元のボロ小屋時代からのお客様で当時は仕事が全然なくボアアップしますか?と言っても「若造やから」と言う理由で全然仕事がない極貧生活の中

「腰上のOHとボアアップお願いします」と愛車をボロ小屋に置いて行って下さった感謝してもしきれない地元の常連様のお一人です

「いくらかかっても構わない」とご予約を入れてくださり

「強力なエンジンを」とのことで930cc化が決定しました

入庫したゼファーです

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ボロ小屋時代は冷やかしばかりで一般のお客様は来ても鼻で笑って「帰る」と去っていく中、ほんの一部の地元の客様は仕事を見て預けて下さるお客様がいて、噂を聞いて県外からもわざわざご来店して下さるお客様もおられたのです!

何度もやめようと思っていましたが今私が仕事できているのはあの頃仕事させて下さった人がいるからです

その頃からのお客様で930cc化のご依頼なので断るわけにはいきません

900化と930化では排気量の差はあまりありませんが加工時間が通常の倍近くかかります

一般的な金額ではなくなります・・・・

「CRキャブ・STDキャブでのハンデを強力なエンジンでカバーしたい」とのことです

早速フレーム・エンジンを分解しサンドブラスト加工します

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エンジンはこんな感じです

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下処理完了です

この後隣町のFXのお客様がご来店して下さり!

差し入れを頂きました

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隣町のFXのお客様も来月710ccにボアアップ予定です

エンジンの塗装をしました

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クランクケースもボーリング加工済みです

本日は先月ボアアップした広島のGPZのお客様がご来店

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広島名物のせんじ肉の差し入れです!

有り難う御座います

その後

福島県のお客様が入れ違いでご来店して下さり

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フレームやお米や栄養ドリンクやマフラーや・・・・・・

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消火器二本やカレンダーや・・・・・

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お酒やサングラスや・・・・・・・

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お菓子や・・・・・

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りくまるのオモチャや・・・・・

愛知県のZ710FXとゼファー900のお客様からも同じオモチャをいただいていてこのオモチャはりくまるのお気に入りです

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りくまるのガム・・・・・・・

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・・・・・・・・・

大量の差し入れにビックリしました

あと結婚祝いも・・・・

いつも貰ってばかりで申し訳ないです

有り難う御座います

おかげさまで嫁のお腹は大きくなってきて安定期に入りました

ボロ小屋から今の工場に移転しましたが新しい部品の生産や試作品の製作ばかりで貧乏生活にはかわりありません

りくまると二人経営の町工場なので

新婚旅行にもつれてってやれないので嫁さんには申し訳ないのですがお客様がご当地の食べ物やお米を送って下さるので嫁さんは意外と喜んでいます

りくまるは、人が来るとおやつを貰えると思っているみたいでとても生意気になってきました

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おやつを貰うと走って逃げます

エンジンを組んでいきます

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クランクコンロッドを洗浄点検しクランクメタル・コンロッドメタルを交換しクリアランス測定をします

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ミッションの組みたても完了です

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消耗品のチェーン・OILシールを交換し組んでいきます

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ワンウェイクラッチはZR7です

930ccエンジンなのでこいつは絶対必要です

と!いってもボンネビルでレースしていたエンジンより圧縮を落としストリートで扱いやすいエンジンに仕上げます

ザッパー系エンジンの場合圧縮圧14キロ以上はとても扱いにくくいです

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冷間時のゴトゴト音の原因のダンパーも交換しクランクケース内に収めます

このゴトゴト音はザッパー系エンジンの弱点でZR7に変更しても将来的には音がなります

エンジンを降ろさなくても修理可能なのでクイックで出来る仕事ですが

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エンジンをひっくり返しFCCのタイプGを組みました

以前はワイセコ810だったのでターボのクラッチを組んでいました

900オーバーとなればFCCのタイプGが必要です

900エンジンの為のタイプGとも言えます

こいつで強力な930ccエンジンでもパーフェクトドライブです

次はシリンダーヘッドの点検です

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バルブは数年前に当店で修正済みなのでまったく問題ありません

以前エンジンを分解した時はバルブの45度面がベコって圧縮漏れしていましたがシートカットの精度がよければそんなトラブルは発生しません

ザッパー系エンジンは400エンジンも含めメーカー出荷時で良い物悪い物があり3万キロでバルブがダメになる物もあれば10万キロでも問題ない物もなります

シリンダーヘッドのシートカットも問題なし

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シートリングも当店で修正しているのでシートカットの必要はありません

このシートカットでエンジン屋の技量が分かります

メーカ指定のシートカッターではまともな精度はでませんし、それをシートカットと言うのもお粗末です

バルブガイドに1/100ミリ単位でステムガイドを入れ加工すると今後のエンジン寿命が多きくかわってきます

シートカットと言っても人により全然仕事の内容が変わります!

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シリンダーヘッドの吸気ポートと排気ポートを拡張しました

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すり合わせをし圧力検査の点検をしシリンダーヘッドを組み上げます

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シリンダーヘッド完成です

サンドブラストしたフレームの塗装が仕上がりました

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とても綺麗なゴールドフレームです

これから車体を組んでいきます

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ステムベアリングは磨耗していたので交換です

各部点検しながら組んでいきます

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黒とゴールドが渋い

次はシリンダーです

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以前までワイセコの810ccでした

と!言うのも以前エンジンを分解した時!

「いずれ900化するのでそれまでの繋ぎ」

ってな感覚で組んだピストンです

このオーナー様にとってはボアアップと言うより補修用ピストンの感覚でくんでいますが810ccを長期的に考えると耐久性に劣ります

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ワイセコのメーカー指定ではボーリングオンリーですが

スリーブの厚みが片側1.25ミリになります

またカワサキの空冷エンジンのスリーブは剛性がない(メーカー・年代で素材が変わります)ので磨耗・変形のリスクを抱えます

ピストンスカート部が楕円になってくるのでクリアランス過大のトラブルの原因になります!

1.25ミリで組んですぐにトラブルを引き起こすわけではありませんが長期的にみれば高額になりますがスリーブ交換のボーリングが良いです

コスワースのピストンもボアアップと言うよりか補修用ピストンです!

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930ccのシリンダーが完成しました

900に比べ930ccは時間がかかります

ブログではいつもと同じペースですがこのシリンダーの加工に何時もの倍の手間と時間がかかるのです

なので12月から段取りを組み今月に間に合わせました

いつもブログに書く技術内容は60パーセントぐらいなのですが今回の930ccはあまり写真を撮れません

ピストンとシリンダーのクリアランス測定をし組んでいきます!

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いつもよりでかいピストンですがボンネビルの時はこのエンジンを何度も何度も分解し点検していました

ボンネビルの時のような扱いにくいエンジンではなく扱いやすいエンジンに今回は仕上げます

ヘッドガスケットを製作しシリンダーヘッドを乗せます

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ゴールドフレームに赤シリンダーだとド派手ですが外装が乗るとしっくり来る計算です

カムを組みタペット調整します!!

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ヘッドカバーを組みエンジン完成です

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エンジンに火入れしようと思いスターターボタンを押すと!

「キュル・・・・キュル・・・・・・」

高圧縮なのでバッテリーがへたると始動できません

バッテリーを交換し外装を組み完成です

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赤とゴールドのラップ塗装です

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サイドカバーは金メッキの数字とマーク

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タンクも金メッキで「川崎重工」のステッカーです

川崎重工のステッカーをタンクに貼るのは兵庫県民にとっては昔からよくあります

明石の川崎重工の社員が自分のバイクに貼り兵庫県に広まったらしいです

強力な怪物エンジンに火を入れ試乗です

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七曲りを流してきました

そんじょそこらの見た目倒しのハッタリカスタムではありません

見た目もエンジンも凄いです

これからキャブデッティングを煮詰めていきます

そして!

先日!

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今年900にボアアップ予定の福島県のお客様より差し入れです

有り難う御座います

そして今年ボアアップ予定の地元の若者から差し入れです!

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この若者が勤める会社は安部総理が昔働いていた大企業です

そして!

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以前ボアアップした広島県のGPZの絞りハンのお客様がご来店してくださりカロリーメイトの差し入れです

有り難う御座います

そして怪物の試乗です

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来た場所は!姫路市暴所

と!言ってもボンネビルみたいに爆走するわけではありません

もーすぐパパになるのでここで飛ばしていると嫁の友達に見られ報告されると後が怖いからです

アメリカに居た時は

「日本の何処のサーキットでテストランしてるんですか?」

と、日系人によく聞かれました

「ん?姫路のバイパスでテストランしてますよ!」

と、言うと頭が変な人と勘違いされるので、あまり言わないようにしていました

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三速ギアで250キロ超過で走行できていたボンネビル仕様よりかは、とても乗りやすいですがもーちょい圧縮低くても良かったかな?

やっぱ強力なエンジンです

このエンジンに夢中だった24歳の頃の私はアメリカと言う国、

世界記録を過小評価していました

日本人の悪いところですね・・・・

しかしこのエンジンのお陰で世界のエンジンチューナーと仲良くなれ技術・ノウハウを交換できました

「アメリカ人は〇〇なことは出来ないだろう」

とか

「アメリカ人は日本人みたいに細かい作業はできない」

とか

決して侮ってはいけなく民間企業だとエンジンのカスタム技術で日本はアメリカの周回遅れと言っても過言ではありません

900エンジンに乗るたびにその頃の記憶が甦ります