本日はヘッドのOHを紹介させていただきます。
本日二機目のゼファーのヘッドのオーバーホールです。
その前に説明させていただきたいことがあります。
なぜZのエンジンをしないのか・・・・?
全国のお客様、業者様からお問い合わせをよくいただきます。
「ZⅠ・ZⅡ・MK2・などのエンジン(ヘッド)を修正してほしい。」とよくご連絡を頂いてます。
ですが基本Zはお断りしています。
理由は余りにも程度の悪い物が多いからです。
ショップ様の場合「シートカットしたのですが失敗した」などがほとんどです。
エンジンを分解したらシートカットを失敗しバルブの頭を削ったりリテーナーまで削り、組み込まれている物が多いです。
旧車ブームでセミプロの様なお店が増えたからです。
勿論有名なZショップでしっかりしたエンジンのお仕事をするお店もあります。
本日の午前に溶接修理で預かったZⅡのヘッドです。
無駄にバルブガイドを二回も交換し45度のシートカットをしすぎてバルブの突き出し量が増え一番薄いシムでギリギリでタペット調整されています。
それに合わせて30度も拡張されていると最悪です。
Zのエンジンは状態が悪い物が余りにも多くヤフーオークションに出回っている物もこんな状態の物が多いです。
この様なヘッドを直すにはバルブのシートリングの交換・シートカット・バルブの突き出し量の調整が必要になります。
とても高額になり見積もりが想定を大幅に超えるのが原因です。
(お客様には理解してもらえない金額になります)
セミプロが触ったエンジンより暴走族が乗りつぶしたエンジンの方が100倍修理が楽です・・・・
なぜ日本でこの様な旧車のトラブルが多発しているか?ですが急激な旧車ブームで技術・設備のないオートバイショップがエンジンを始めたことにあります。
アメリカではディーラーにもエンジンの修正する工具がありエンジンを直す文化があります。
エンジンを直す為の工具メーカーも豊富です!
アメリカ人の技術はピンキリなのですが・・・・
本日の午後に淡路島からご来店されたお客様のゼファーのヘッドです。
とてもエンジンに詳しいお客様で「一般の人にはヘッドのリビルドは無理」と
とてもエンジンに熟知されたお客様です。
シートカット後のバルブの突き出し量(タペット調整)まで気にされるお客様です。
当店がヘッドのリビルドをなぜ外注に任せないかはここにあります!!!
内燃機屋に「シートカットして」と持ち込むと確かにシートカットしてくれますがバルブの突き出し量までは考えないからです。
当店はタペット調整を考え何年後か、過走行になってもまた低コストで直せる様に考えています!
シートカットを最小限に留め次のOH、その次のOHまで見据えています。
ヘッドは消耗品です。一箇所の加工を確実に(失敗せず)、尚且つ密閉率をしっかりと!
エンジンを組む人間はタペット調整も考え慎重にシートカットするのです。
ここが肝心です!ブログでは「シートカットしました」ってな感じでふざけてますが・・・
とても肝心な仕事を書き込み写真を載せてます。
お預かりしたヘッドのシートリングです!
このゼファーはシートリングの精度が悪いのでシートカットで修正します!
45度でシートカットし70度でシートリングを拡張です!
1/100ミリ単位でステムシャフトをバルブガイドに挿入しバルブガイドに対し真っ直ぐにシートカットします!
そしてバルブをリフェーサー加工します!
45度を綺麗にしますがINの三番が若干曲がってました。
お客様はそれも想定しスペアのバルブももってご来店されました!
見た目では綺麗に見えても若干曲がっている物がまれにあるのです!
当店は今まで組んできたエンジンも、この様なトラブルがあっても無料で交換しています!笑
Zとは違いゼファー・FXのエンジンは超低コストで済み当店の言った予算をオーバーしません!
ゼファー系エンジンの専門店になってしまっていますが一応オートバイ屋さんです・・・・・
FXのクランクケースは少し高額ですが・・・・・
スペアのバルブをリフェーサー加工し、すり合わせし当り面を点検します!
そして圧力検査をして完成です!
ヘッドのリビルドはとても大切でバルブのリフェーサー加工・シートカットをしっかりしないと密閉率が悪くなります。
密閉率が悪いとバルブから圧縮漏れし、キャブの燃調が変わりシリンダーが焼けることがあります!
シリンダーが高温になり(ガスが薄い状態)急激なオイル上がりや、
酷い時はオートバイが炎上します!
エアクリからの炎上はめったにないのですがINバルブの密閉率が悪いとキャブの方向に吹き返します!
エアクリにガソリンが少しずつ溜まり燃焼時密閉率の悪いINバルブからの火がエアクリのガソリンに燃え移ります!
ヘッドのガチの修正はプライベーターには難しく大変な作業と経験と設備が必要なのです!
お客様の命を乗せて走る物なので妥協できません
久しぶりにエンジンに詳しいお客様だったので高まりました
明日はPOSH・ワイセコのボーリングのお話です!