大変長らくお待たせしました!
本日は山口県よりZ1Rの入庫です
入庫したZです!
Z1Rの一型なのでz1000系エンジンのヘビークランクです
この水銀色がカッコいい!!
初めて買った大型ZはZ1RⅡだったのでⅠ型と超絶迷ったのですがⅡ型が手ごろな値段で見つかったのでⅡ型を買いました
角Z派はZ400FXが好きだけど大型の角ZとなるとMKⅡかZ1Rですね
早速ヘッドを分解します!
そしてスリーブを抜きます!
このZはスリーブが緩んでなかったので驚きました
普通は緩んでピストンとライナーの当たりが出なくなりオイル上がりするのがZの持病です
まずは点検棒!!
ここが入らないとクランクリビルドなので20万弱の金額が飛びます!
一安心です!!
腰下を降ろしてケースを分解します!
緩める時にボルトが一本折れてしまったので抜き取りヘリサートを打ち込みました
エンジンを洗浄しました!
今回は元々エンジンが塗装されていて塗装も綺麗なのでブラストはしていません!
ダミーシリンダーを使いクランクケースをボーリングしました
エンジン内部の部品を洗浄しクランクを測定します!
2/100mmの曲がりなので状態は抜群に良いです
クランクケースにクラックが無いか点検します
状態良好です!!
クランクとミッションを組んでいきます!
カムチェーも新品に交換しロアケースを組みます
腰下はザッパー系エンジンとZのエンジンを比べると状態が良ければZの方が簡単で部品点数も少なく組みやすいですが
問題がなければ・・・・の話しです!
クランク装着部のピン周辺が割れていると溶接修理が必要ですしクランクがズレているとOHが必要ですし・・・
アメリカ人がバカみたいにクランクケースのボーリングしているとスタッドボルトの根本割れるし・・・
また一つ一つの部品が高額です
作業工程は多いですがザッパー系エンジンの方が私個人的には修理しやすいです
あと、昔下の赤丸のボルトを抜かずに8mmボルトで押してクランクケースが割れていたZのエンジンなんてのもありました
初めてだとここを見落としてしまう人がいるみたいです
オイルポンプを組み!
オイルパンを組みます
オイルパンまでバフがかかっています
スタータークラッチを組みます!
入っていたのは当時物!
新品に交換します!
マグネットの分離もなくとても状態が良いです
クランクシャフトに組みつけます
純正のクラッチに強化クラッチスプリングを組み腰下の完成です!
次はシリンダーヘッドの修正です!
まずはバルブの修正をします!
純正のバルブですが素材が異なる物が2本混ざっていました!
素材が異なるだけで形状・重さは同じなのでこのバルブを組みます!
と言うかこのバルブを組むしかないと言う結論にまりました!
研磨機で修正しました!
近くで見るとこんな感じの仕上がりです!
問題がこれでした
バルブガイドを交換した痕跡はありますがなんせ制度が悪い!!
完全に圧縮漏れをいていたのですがポートを見ると研磨されバルブガイドの形状まで鋭利に加工されています!
モリワキのヘッドと同じ形状に加工されていますが流速とか二の次三の次の事に拘りバルブシートの加工があまりに酷い・・・・
バルブのステム長もギリギリまで加工されていたのでシムの調整値もカツカツで組んでありました
腰下は丁寧なのにヘッドは素人
多分シートカットの切り口を見ると内燃機屋に外注に出したと思われます
そこで制度が悪い上に深く加工されたのだと思います!
Zはノンレスのエンジンが一番良いです
ここの二本はシートカットして擦り合わせをすれば問題なく圧力検査に合格しましたが!
他はこんな感じです・・・
片面は45度面が削れて行きますが反対側の45度面は刃が当りません
バルブガイドに対し垂直に加工されていないからです
このヘッドの修正は普段の3倍時間がかかりました・・・・
いつもなら写真を撮って説明するのですがそれどころではなかったので省略します
バルブシートの交換も視野に考えましたが鋳込みシートに勝る物は無いので今回はこのヘッドのバルブシートを使いました
このエンジンに入っていたのは米国製のキャンベルのカム!
ヨシムラST1より少しマイルドな仕様のカムなのでこれなら使えます!
過激な変態カムが多くZのヘッドの多くが異音発生ヘッドになったのですがノーマルカム・ST1位なら安心して組めます!
Zだと「マイナーなカムやパーツが入っていると良い」
と言う兆候があります
カスタム車が多すぎて個性が出ないから三流パーツまでレアと言うだけで暴騰する時代です・・・
キャンベルのカムは肉盛りとかではないので強度もあり安心して使えます!
メガサイクルの加工品はカム山がポシャる傾向があります!
ウェブカムも昔は良くカム山ポシャってましたが最近は聞かなくなりました
何か対策されたのか偶然私の周りでないだけなのか分かりません
ヘッド単品でシム調整をします!
シリンダーヘッド完成です
ピストンとシリンダーのクリアランスを測定します!
腰下をフレームに搭載しピストンとシリンダーを組みます!
アイドラーギアは交換してあったのでとても綺麗でしたが
テンショナー部はレーシングアイドラーに変更します!
シリンダーヘッドを組みつけます
そしてカムシャフトを組みます
1・4番を上死点に調整し!
2・3番を上死点にしてもう一度調整します!!
ヘッド単品で調整しますが0.05程はヘッドを締め付けると狂うのはよくありますが0.1程変わる場合もあります
このヘッドは0.1程変わったのと2・3番を上死点に合わせたので思ったより薄いシムになってしまいました!
ヘッドを締めてからどれ程クリアランスが変化するかは実態に組みつけないと分かりません
1・4と2・3で見て狭い方に合わせなくてはいけません!
規定値無視して組むとヘッドのメカノイズは消えますがカムが突いてしまうと圧縮漏れし燃調がかわりとても危険です!
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です
エンジンに火入れします!!
エンジン始動!!
強力な1230ccエンジンに火が入りました
試乗をしに安富ダムまで来ました
強力なエンジンでトルクも太い!!
Z1Rの1230ccの完成です
今月は角Zの名車が揃ったので写真を撮影しました
どれもカワサキの名車!!
見る角度によりカッコ良さが異なるんですよね
Z400FXの一番カッコいい角度はここ!
タンクのラインが独特なので斜め後ろからのこの角度が一番好きですが!
Z1Rは!
真横からの見た目がカッコいい
棺桶タンクとも言われ1型はタンクが小さくシートのラインと馴染んでカッコいい
この水銀色がまた似合うのはZ1Rの一型だけですね
Z750GPのタンクも大きく横からの見た目が個人的には一番好きです
カワサキ角の名車の渋さが今月は勢ぞろいでした