本日は九州の福岡県よりゼファーが入庫です!!
入庫したのがこの火の玉ゼファー!!
かなりカスタムされていますがよく見ると!!
純正ホイールを砂肌なくなるまでピカピカに磨かれています
Rは18インチなのでタイヤを選べないというデメリットが2バルブゼファー(初期のχにも)にはあるのですが地元の常連様が見てこれは
「こだわってるなー!!!」と驚いていました
純正ホイールもここまで綺麗になるのですね
クラッチは油圧式になっています!!
早速エンジンを降ろします
シリンダーヘッドを分解すると!!
ボルトが折れました
ここは折れる確率がかなり高い
Fタイヤで水を巻き上げるとここにもろにかかります
ツラで切り穴を空けます
ボルトを抜き取りヘリサートを入れて修理完了です
エンジンを全分解しサンドブラストします
下処理完成です
そしてエンジンの塗装完了です
半艶の黒塗装!
この色が一番人気の色で飽きない色
ダミーシリンダーを装着しクランクケースのボーリングも完了です
クランクメタルとコンロッドメタルを交換しクリアランス測定をします!
550クランク・550コンロッドを組み込みます
そしてミッションを洗浄・点検し組み込みます
消耗品のチェーン・オイルシールも新品交換しロアケースを組みます
ネジはオールステンに変更です
そしてワンウェイクラッチとオイルポンプを組み込みます
ゼファー750とは違い400エンジンはワンウェイクラッチがトラブル事はまずありません
680ccで圧縮圧18キロまで上げても問題なく動きます
セルモーターも強力です
オイルパンを組んでエンジンをひっくり返して!
強化クラッチを組みます
クラッチカバーを組んで腰下完成です
次はシリンダーヘッドに取り掛かります
今回のシリンダーヘッドの45度面は吸気側は全て歪あります
こんな感じできゅき側のシートリングがズレています
長年高熱にさらされてシートリングが撃ち込まれている状態です
45度面をバルブステムに対し垂直に加工し直します
そして70度のカッターで内径を拡張しました
全てのシートリングの修正完了です
ここの精度はエンジンの寿命に直結します
ここの密閉不良はパワーダウンに繋がりエンジン不調の原因になります
バルブのカーボンを落としました
4番のバルブは45度面がえぐれています
45度面を研磨し修正しますが・・・
修正では追いつきませんでした
これ以上の研磨は不可能なので良品に交換します
全てのバルブの修正完了です
上記の45度面のダメージはシートリングが歪み45度面がバルブにまんべんなく当たらないのが原因です!
バルブスプリングを使うエンジンは全てバルブが回転しながら開く構造なので全面が角当たりになりこの様な摩耗をします
しかし長期走行して歪を出し切ったシートリングは次この様なトラブルを引き起こしにくいメリットもあります!!
Zのエンジンは殆どがシートカット失敗でのトラブルが多く走行によるトラブルよりも人為的ミスでの故障の方が圧倒的に多いです
人為的ミスの故障が一番厄介でヘッドを短命化してしまします
すり合わせをしてシリンダーヘッドを組み上げます
このゼファーのオーナー様も排気ポート拡張!!
吸気ポートも拡張しました
シリンダーの側面は研磨のオーダーです
そしてピストンとスリーブのクリアランスを測定します
ダイヤルゲージを入れて!
測定完了です
制作したピストンとビッグブロックシリンダーを組み込みます
そしてフルパワー化したシリンダーヘッドを組み込みます
カッコいい
綺麗に磨かれたクラッチカバーと綺麗なネジが目立ちます
そしてカムシャフトを組みタペット調整をします
最後にヘッドカバーを組みます
テンショナーを新品に交換しエンジン完成です
フレームにエンジンを搭載しキャブの点検!
このキャブはかなり昔のタイプのFCRです!
ジェットニードルのフタがマイナスドライバーで回すタイプの物
ファンネルは溶けた痕跡が・・・・
オーナー様に聞くと前オーナー様が装着していた時に溶けたらしい
見た目が悪いので上下ひっっ繰り返して装着されたみたいです
この様な痕跡がある場合まずエンジンがダメです
吸気バルブの密閉不良が原因で走行中キャブ側にガソリンが吹き返してたと思われます!
エアクーリーナー装着車での炎上・出火はここが原因です!!
旧車を買ったはいいけどエンジン不調のまま、だましだまし乗っていると最悪の場合出火します
それはまだ自己責任ですがお店でOHしてもらったのにキャブからの吹き返しが酷い場合もあります!
それはキャブのオーバーフローとシートカット失敗の密閉不良が原因です
以前もお電話を頂いたのですが
「地元のショップでエンジンOHしたはいいけどエアクリからパスパス音がしていてそのまま走行していたら出火したのですが何が原因でしょう?」
と、聞かれました
バルブの密閉不良を伝えましたが車両が炎上してしまうと証拠もなにも残りません
お金払って壊されたような物です
このキャブも装着すると少しオーバーフロー気味・・・・
でもほんの少し・・・・フロートバルブを交換しても直らない場合は!
ここが原因です
フロートバルブのウケのOリングの劣化です
フロートバルブは作動していますがウケの外周からガソリンが出ていた為オーバーフローしていたのです
ジェットニードルのフタがマイナスで回すタイプなので10年以上昔の物と思います
ここのOリングを新品に交換しました!!
この車両はサブフレーム装着車だったのですがキャブのトラブルがあるだろうと思い邪魔になると分解前かた確信していたので外す許可を頂きました
キャブの脱着時になんせ邪魔なんです・・・
またサブフレームはなんの意味も無いドレスアップパーツなので整備を優先したい場合は外すのをお勧めします
4か所とも交換しました!!
そしてエンジンに点火!!!
と・・・・思うとまたトラブル・・・・
ジェネレーターカバーから変な音が
外して見ると干渉してます
元々のフライホイールを見てみると!!
干渉していた痕跡があります・・・・
これBEETのカバーなのですが恐らく偽物・・・
BEETのカバーは偽物が多数出回っていると聞いた事ありますがどうやらホンマっぽい・・・
干渉する部分を旋盤で加工し装着します!!
フライホイールの軽量化はレスポンスアップする加工ですが今回はジェネレーターカバーに干渉させない為の改造・・・・
加工して装着の繰り返しですが最終的にレーサーエンジン並みに加工しました
カバーを装着して完成です
そしてエンジン点火
エンジン絶好調
フライホイールの軽量化はここまで排気量上げると全く体感出来ません
昔はノーマルエンジンで加工して組んで喜んでましたが今は何も感じなくなりました
こんな加工10年以上昔にした依頼です
今回はエンジンだけでなくFフォークのOHもオーダー頂いています
まずはFフォークを分解します
キャリパーサポートは外しません!!
何度も脱着するとキャリパーサポートのメネジがバカになるからです
インナーチューブはサビが多数あったので交換します!
今回使うのはリプロ品のメッキタイプです
このメッキタイプは比較的安心して使えます
オイルシールとダストシールを仕上げに打ち込み!
ヤマハ純正のフォークオイルを入れます
そしてフロントフォーク完成です
地元の常連様が月末と言う事もあり次々ご来店!
この様な仕事をしていると「バイク屋さんぽいですね!!」と言って貰えます
Fを組み試乗です
七曲りに来ました
マフラーはピーズサプライ!!!
昔から関西だとピーズサプライやテックサーフのマフラーは定番です
値段も安くパワーも申し分無し!!!
おまけに音が綺麗
エキパイの形状・集合部の太さ・ピラミッドの位置・サイレンサーの形状・角度!全てが良い形状でノーマルエンジンでもボアアップエンジンでも万能です
ちなみに長女号はテックサーフです
どちらも形状が良くボアアップエンジンにも問題なく適合しパワーも音もよしです
空冷ユーザーのみに許される乾いた綺麗なサウンド
ヨシムラ買うなら私はこのマフラーだな
ツキギも関西では有名ですがボアアップエンジンにはちょいキツイ
ちなみにツキギが8耐で走らせていたゼファーのエンジンは実はタカトリの提供したエンジンです
タカトリのマフラーってものありましたがそんな事もありツキギとほぼ同じ形状です!
量産前のツキギの鉄のプロトタイプマフラーがありますがタカトリとまったく同じ形状です
万葉岬まで上がりました
キャブセッティングの時サイドカバーも邪魔になるので外してます
もう少しキャブセッティングが煮詰まりそうです
これからガンガン試乗します
最終点検で安富ダムまで来ました
エンジン快調!!
ゼファー710完成です