大変長らくお待たせしました
本日も香川県からのお客様です
その前に先月ボアアップした大阪府の関西ゼファークラブのお客様より!
佃煮や手羽先の詰め合わせとお菓子の差し入れです
有難う御座います
「料理が簡単に一品増える」と嫁が大喜びです
そして同じく先月ボアアップした愛知県のゼファー900のお客様より!!
ラーメンとお菓子の差し入れです
名古屋はスガキヤラーメンらしいです
有難う御座います
それと!
以前570ccにボアアップした東京都のお客様より!
日本橋屋のお菓子の差し入れを頂きました
有難う御座います
そして今回ボアアップされる香川県のお客様より!!
インドネシアのお菓子とコーヒーの差し入れを頂きました
インドネシア人の奥様で国際結婚をされてインドネシアと日本で事業をされている若手のやり手社長です
インドネシアはコーヒーが有名ですがそれは白人の植民地時代にコーヒーの栽培をしていたという歴史があります
猫のフンから取り出したコーヒー豆は世界一の高級品のコーヒーですが元々はインドネシアの人が飲むコーヒーだったらしく木から取れた綺麗なコーヒー豆は白人が没収してしまい猫のフンから取り出した豆しか現地の人は飲めなかったのが元々の始まりらしいです
でもその猫のフンから取り出された豆は熟成され独特の味を出すらしいです
コーヒー通の地元のお客様から聞きました
ところが70年前日本がインドネシアの白人をボコボコにし追い出しインドネシアの植民地政策は終わりましたが未だにインドネシアのコーヒーが有名なのはその時代の名残らしいです
これも地元のお客様から聞きました
差し入れ有難う御座います
入庫したのがこの車両です
黒のZ400FX
今回はフレームから手を入れます
早速エンジンを降ろします
今回のお客様のFXエンジンはなかなか珍しい仕様
のちのち説明します
車体を全分解します
そしてフレーム補強を入れてサンドブラスト加工をします
フレーム補強材を追加で入れたのは9か所でガゼット・マウントの溶接追加が7か所です
Z400FXのフレーム補強はとても難儀です
沢山入れまくってもゼファーのフレームには敵いませんし軽い転倒でFタイヤが突っ込むとすぐに曲がってしまいます
Zとはまた全然違う構造なので入れる場所も全然違います
万が一転倒しても軽い歪みなら簡単に修正できますが補強を入れ過ぎると出来ません
やたら入れまくる補強はフレーム修正屋がとても嫌がるんです
スイングアームはアルミのボックス形状の物が装着されていました
CB400SFかなと思ったのですが違うみたい・・・・
車種不明ですが軽くて性能は良さそう
純正に交換するか迷ったのですがピポッドシャフトが太い物に加工されていたのでこのスイングアームを使う事に
フレームはツヤありの黒でスイングアームは艶消しの黒にしました
このFXもかなりこだわった仕様!!
先月のお客様のFXもですがFのトップブリッジから下はZ750FX
キャスター角の狭いFXの弱点を知っている人です
元々このFXはレーサーだったみたいです
大昔はサーキットを走っていたみたいですが回りまわっているうちに族車になり今のオーナー様で走り屋仕様になったみたいです
FXが販売された頃はバイクブームでその後は悪ガキの憧れがFXになり暴走族に使われその後の旧車ブームで走り屋仕様!!
1990年はFXよりゼファー400の方が高価だったのでゼファーに乗れない人が妥協して乗るのがFXでした!!
ゼファー400がデビューした時はバックオーダーがかかりまっくって新車が買えない程でしたからね
姫路市は姫路カワサキがディーラーなので(今でも全国に新車を納品してます)ゼファーを求めて殺到し待ちきれない人はFXを買ってました
今では考えられませんがね・・・・・
今回は、そんな歴史を感じるFXです
エンジンはレーサーだった名残が多々あります
エンジンを分解します
組まれていたのは台湾製の1ミリOSピストンでした!!
これは最近組まれたみたい・・・・・
圧縮が抜けてスカスカのエンジンだったみたいです
FCRキャブの新品が装着されていましたがエンジンが不調だとセッティングは出ません
圧縮しても圧縮圧力がクランクケースに抜けるので全然パワーが出ません
ピストンはさて置き!
このお客様のFXエンジンのクランクケースは新品に交換されています!!
そしてそのクランクケースのセルモーターを撤去しメクラにしてあった痕跡があります
エンジンの内部の部品は全てGPZ400Fでした
オイルパンもGPZ400F!!
オイルレベルセンサーではなくオイルプレッシャーセンサーに改造されています
なんでゼファーじゃないのかと思ったのですが当時ゼファーがなかった頃に作られたみたいです
GPZ400Fのオイルパンと恐らく昔はGPZ400Fのオイルクーラーが装着されていたみたいです
フレームのガゼット部分に穴が開けてありその穴のピッチがGPZ400Fでした
GPZオイルパンなのでオイルポンプから送り出されたオイルは100%オイルクーラーを通過してクランクへ送られます!
しかしこれも一長一短でゼファーオイルパンはオイルクーラー破損・変形して抵抗が出来てもクランクへバイパスされる構造です
もしかしたらシリンダーヘッドもGPZだったかもしれませんね
後から腰上を分解した痕跡がありますが1990年代以降に分解されています
その頃のFXユーザーにとってGPヘッドは喉から手が出る程の高価なパーツでしたから
そしてそのFXのシリンダーヘッドですが!
左側が割れていました
長いボルトを押し込んだら一撃で割れる部分なのですが元々組まれれていたのは純正のボルト!
なぜ割れていたのかと言うと半月状のカムプラグを言うゴムパーツが入っていますがそこは液体ボンドを薄く塗布して組みます!
その時カムプラグの内側にボンドがはみ出てそのはみ出たボンドをボルトで内側へ押し込んでしまいます!
ただこのヘッドは何度も何度もヘッドカバーを組みなおしたみたいで液体ボンドをネジ穴の袋に押し込んでしまい溜まりに溜まって割れたみたいです
反対側もよーく見てみると!
クラックが入っています!
ここは修正が必要です!
わざと割って修正します!
断面をえぐる様に削り落とし溶接肉盛りをします!
そして整形します
反対側も整形!
上から穴を開けなおしヘリサートを打ち込めば完成です
ここは割れている人多いです!
ゼファー400やGPヘッドは貫通なので問題ありませんがFXは袋なのでここは注意が必要です
ゼファー750の前期は貫通なのですがそこからのオイル漏れが弱点ですが後期は袋になっています
しかしゼファー750の後期はFXみたいな構造の袋ではなくフィンまで柱形状になっており絶対割れない構造になっています
FXのこの部分はとても慎重に扱わないとこの様に割れます!
タップを入れるのもお勧めしません!
この様なヘッドの場合はボンドのカスをタップで押し込み割れる場合があるからです!
こんな時は6ミリドリルで拡張しカスごと切り取りゴミを取り出しヘリサートを入れるのをお勧めします
エンジンをマスキングしてサンドブラストしました
下処理完了です
そしてエンジンの塗装をしました
このクランクケースは新品なのですがFXの新品クランクケースを購入するとZ400GPの最終型のクランクケースが来ます
なので形状はゼファーと全く同じでシリンダー装着面の高さが違うだけです
しかし!
新品クランクケースの決定的な違いがあります!
それは後から紹介します
クランクメタル・コンロッドメタルを交換し550クランク・コンロッドを組みました
そしてミッションを組みます
GPZミッションです!!
プッシュロッドを撤去しているのでフリクションロスを減らすことができます
エンジンの馬力と後輪出力がありますが全ては後輪出力です
ミッションの回転抵抗がありFX・GPはプッシュロッドがある分少し後輪出力が落ちます
ちなみにFX・GPのロスは約5馬力です!
クランクからRスプロケまでの全ての摩擦がロスになります!
なのでエンジンの中に入っているエンジンオイルもロスの対象になります!
その中でも最も大きなロスはチェーンです
チェーンをメンテナンスしているかしていないかで3馬力ほど変わります
しかしオートバイで一番フリクションが少ないのがチェーンなんです
シャフト駆動のバイクもありますがそれはお国柄全くメンテナンスをしない人が多い国はシャフト駆動のバイクがありました
実は400エンジンでもシャフト駆動のバイクがあります
Z1000MKⅡで言うとZ1000STみたいな車両で400はZ400クラシック(LTD)でシャフト駆動のバイクがありました
その名残がこの新品のクランクケース(国内専用モデル)にはあります!
ロアケースを組みます!
オイルポンプとワンウェイクラッチを組みGPZオイルパンを組んでひっくり返します
先ほど言っていた新品クランクケース特有の形状とはここの事です
上の赤丸の部分は通常貫通しオイルラインになっています
横の広島県のお客様のGPZクランクケースと見比べるとこんな感じで通常は穴がありここからオイルが出てくる構造
ゼファーχまで同じ構造です
ここはギア駆動のミッションボックスの車両の為の物で国内モデル・殆どの輸出モデルはミッションカバーでメクラにされています
こんな感じです
しかし一部のFX・GP・GPZ・おそらくド初期はこのクランクケースと同様穴が無い物もあります!!
混ざっているのでよくわからないです
国内モデル専用で作られたクランクケースなのは間違いないのですが輸出モデルのケースにメーカーがFX・GP・GPZ・ゼファーの番号を撃った物もとても多くあります
ゼファークラッチを移植し強化クラッチを組みました
エンジンの腰下が組みあがりました
シリンダーヘッドに取り掛かります
まずはポート径を拡張しようとマーキングをしていると地元のお客様がオイル交換でご来店
「なんですか!このヘッド!!」と驚いていたのですが
これを見て驚いてしました
上の写真ですがポート径がマフラー内径に対してかなりズレています
「FXってこんななんですか!?」とビックリしたらしいですがFXはこんな物です
私にとって普通の光景ですが普段見ない人にとっては異常みたい
FXヘッドの殆どがこんな感じです
GPヘッドはここまでズレている物は殆どありませんがFXでは結構あります
この時代は鋳造の技術が良くかなったので加工もですが安定して使えるヘッドを量産するのも難しかった時代なのでしょう・・・
パワーが・・・・
とかの前にFXは良品でも遅いエンジンだったのでこの位では体感出来ません
拡張し4気筒とも同じ形状に整えます
ポート径拡張完了です
シートカットに取り掛かります
燃焼室とポートを洗浄し45度面を修正し70度で内径拡張します
このヘッドのシートリングは全く狂っていません
45度面が珍しく均一でした
ポート径は歪ですがシートリングはとても精度よくメーカー出荷時に加工されていました
そしてこの70度でシートリングの内径を広げるとFXヘッドはパワーアップを体感出来ます
勿論ゼファー・GPヘッドでもパワーは少し上がるのですがFXヘッドは吸気ポートが狭いのでエンジンを始動させるとポートを流れる混合気の流速がとても早くなります
なので70度の加工の威力を大きく体感出来ます
シートカット完了です
バルブのカーボンを落とします!
バルブの45度面を研磨機で修正します
修正完了です
すり合わせをしてシリンダーヘッドを組みます
吸気ポートも拡張し!
排気ポートも拡張しました
シリンダーヘッドは研磨なしの真っ黒仕様
やっぱりFXヘッドはカッコいいですね
渋さがあります
ピストンとビッグブロックのクリアランス測定をします
ダイヤルゲージを入れ!
測定完了です
クランクケースにピストンとシリンダーを組みます
そしてFXヘッドを組みます
ヤッパリFXヘッドもカッコいい
溶接した部分も言われても分からないほど綺麗です
FXカムを組みます
ヘッドカバーを組んでエンジン完成です
FXヘッドと言って侮れません
ポート径を拡張したFXヘッドの710エンジンでも強烈な加速力があります
実は停車時から一番強力な加速をするのはFXカムで少ない燃料で行続距離が長くなる特性があります
そしてこのFXのオーナー様はFCRキャブ
横の広島県のお客様のゼファーはCRキャブのGPヘッド
加速の勝負ならFXヘッド(拡張)でも勝るとも劣らないんです
エンジンを搭載しエンジン点火
絶好調
のはずが・・・・
温もるもかすかに音がする・・・・・
ギアの音の様な・・・・・
冷間時は静かなのに温間時になるとほんのかすかな音が出てきます
原因は!!
この油温計でした
下のセンサーが、かすかにハウジングに干渉してたみたい
この油温計は基本ゴミパーツです!!
温度なんて計れません
ただのフタとして使いますがゼファーのクラッチカバーによってはフタの機能すらないみたい
純正のオイルフィラーキャップに交換し七曲りまで試乗です
絶好調
オーナー様が外そうか迷われた角のアルミスイングアームとFCRがマッチングしてカッコいい
スイングアームが長いのでレイダウン効果もあります
ステム変更でトレール量が増え直進安定性も抜群
でも見た目は旧車チック
このFXはツボに入ったお客様が多かったみたいで地元のFX乗りのお客様が数名ご来店されました
万葉岬に行きました
今日は平日なのでガラガラです
今日の天気は快晴です
珍しく良い天気なので撮影しました
FCRキャブの威力は素晴らしい
FXヘッドのハンデを吹き飛ばす加速力
このあと私のゲタ(長女号)のZ1230の最終点検の試乗にも出かけました
試乗場所は播州赤穂の赤穂岬
ここ数日天気に恵まれたので久しぶりに遠出です
Z1230の新しいオーナー様は同じく香川県のお客様
以前ゼファー750の900エンジンを二機同時に制作されたお客様です
別のもう一台のご予約も頂いています
ウチのブログを見た関西ゼファークラブのお客様や地元のゼファーの常連様が騒然としてます・・・・
香川のお客さんは何者ですか?と数名に聞かれました
赤穂岬から七曲りへ来ました
最近タロッティーの可倒式バックステップを組みセパハンにしたのですが長女がまだ1才と言う事もあり名残惜しいですが販売する事にしました
Zもこれぐらいパワーがあると乗りやすいし面白いです
しかし!!!
長女号は次のを用意してます
ゼファー750RSの900エンジンです
ゼファー750だと車高も低いし教習車で使われただけありコンパクトな設計
次女号も考えています
次女はZ500の710エンジン
パパとツーリングに行くに決まってます
そして地元のお客様同士でパパ友の会があり(別名EXILE撲滅委員会)
一緒にツーリングに行くのでコンサートに行かなくて済む作戦です
先輩パパのお客様に聞くとEXILE被害は深刻です
香川に旅立つ角Zと丸Z
どっちもカッコええ
お二人とも社長
やっぱりZ400FXのシャープなタンクは唯一無二
軽い車体に710エンジンの相性は最高でおす
この二台ですがどちらも激っパヤですが停車してから100キロまでの加速の勝負なトントンです
さすがに200キロを超えるとZの強さが発揮されますがね
そして本日は香川県まで出張です
FXとZをよど号に載せ出発です
途中岡山で休憩です
赤穂でぱらっと雨が降りましたが一瞬だったのでセーフ
瀬戸大橋を渡ります
ここまで来るととても良い天気
FXの社長様の元へ行きFXを納車し!
次は以前900エンジンを二機制作されたお客様の元へ!
以前ボアアップしたゼファーがズラリ・・・・
となりにはまた別のゼファーが・・・・
ゼファー以外にもハヤブサのサイドカーも!!!・・・
EMLと言うオランダのメーカーのサイドカーらしく国内に現存しているのは6台らしいです・・・・
私のサイドカーとは桁違いのサイドカーです
その後「うどん食べに行きましょう」とさそって下さり!
うどんを御馳走になりました
今回FXとZを納車したのですがカワサキに乗る社長ってどんな人?
と、多く聞かれました!
怖いイメージがあるみたいですがお二人とも全然逆です!
今回の香川の社長に限らず他県の社長様・お客様もです!
何故か?と、言うと!
カワサキのオールド車を好きな人は確かに元暴走族が多いですが
当店に来るお客様の多くはとてつもなく「若い頃お金の苦労をした人」ってのが共通して言えます!
それは私も経験があります。
10代の頃飲食店に行き店員の人に暴言を吐いた事がありました。
定職に就かずバイトを転々とする日々で、ある日レストランのバイトを始めました。
面接に行き「裏で皿洗いをしたいです」と店長に言うと
「お前は接客に行け」と言われ渋々料理を運ぶ事に!・・・・
料理を運んでお客様に出すと
「おい!出てくるのが遅い」とか
「水が出てくるのが遅れたから料金は払わない」とか
色々理不尽な事を言われ痛感しました。。。。
今まで私は店員の人に同じ様な暴言を吐いていたのです・・・・
数百円の食事で文句を言って自分の信用を落としていたのです。
その時店員の人からサービスを受けて神様気分で過ごしていた自分が哀れになり
将来自分はそんな人になりたくない。
親になると子供の前でそんな事を言う親になりたくない。
と、思いました。
社長になる人とはとてつもなく努力をし自分が同じ経験をしてきて辛い事、理不尽な事を経験しています。
バイトしていた飲食店で5000円のメニューを注文受けて支払いの時
「安くならへんか?」と言いながら5000円を払うお客様と
「ご馳走様でした」と言いながらサッと5000円払うお客様が居たのですが
同じ5000円でも人の信用がここまで変わるのか!!!と、10代の私は思いました。
お金の苦労をした人はその分人に優しくなれ心が広くなります
それは言動・行動に現れるものです。
他人の足を引っ張るより自分を向上させる方がよっぽど人生面白いですしね
今までボアアップをしてきたお客様のエンジンの一機、一機に色々なバックストーリー、人生があります
今の仕事で一番面白いのがそのバックストーリーを聞けた時です
FXのお客様がエンジン制作中に弟様とご来店して下さり!
おいり・と言うお菓子とそうめんの差し入れを頂きました
有難う御座います
そしてZをご購入して下さったお客様より
またお土産を頂きました
お菓子とうどんです
有難う御座います
また香川県に地元のお客様と行きますね