本日は神奈川県よりFXの入庫です
その前にこのFXのオーナー様からアイスクリームの差し入れを頂きました
娘がバクバク食べました
有難う御座います
入庫した車両がこの車両
オシャレなタイガーカラーのFX
弱点のブレーキやキャブ・点火装置は一通り手が入れてある車両です
早速エンジンを降ろします
エンジンを分解していくと
とても綺麗
大阪のお店で一度OHされているとのことです
そのまま腰下を分解すると・・・・・・
ギャーーーーー
チェンジシャフトの根本が割れて溶接してあります
お客様に連絡すると知らなかったらしいです
シャフトを入れて真上から見るとこんな感じ
シャフトがエンジン前方にズレているのが分かると思います
これでミッションカバーを組んでスプロケカバーを組むとこぜるので上手くシフトチェンジ出来ません
溶接も360度回れないので半周しか出来ませんし片側しか溶接できないのでこんな感じでシャフトがズレてしまうのです
オイルリークの可能性も高まります
それ以前にセカンドギアが入りにくかったらしいです
以前OHした時に気付かなかったのか黙認して組んだのでしょう
セカンドギアに入りにくかったのはこれが原因
お客様に連絡しクランクケース交換です
エンジンをサンドブラストします
エンジンのペイント完了です
とても綺麗になりました
前のクランクケースは塗装の下の腐食が酷くボコボコの表面ですが交換した事により外観も綺麗です
こちらのエンジンも570ccなのでFXクランクです
FXクランクの最大の特徴は中間ストロークの47ミリストロークで550クランクに比べとても軽いのが特徴です
このクランクに1cmオーバーのピストンが入るとハイレスポンスエンジンに豹変します
ミッションを組み込みます
ロアケースを組んでステンのネジを組みます
こちらのオーナー様も元々ステンでしたが新品のネジに変更です
そして腰下のオイルポンプとワンウェイクラッチを組みました
オイルパンを組んでエンジンをひっくり返してクラッチを組みます
新しいクランクケースはこんな感じ!!
これが当たり前なのですが・・・・
ここのトラブルはカワサキと言うかエンジンによほど詳しくないと見落とします
シャフトを組むと真っ直ぐです
これが普通なのですが・・・
クラッチカバー・ミッションカバーを組んで腰下完成です
シリンダーヘッドを修正します
と!言っても修正されています
45度面も良好
なので70度でシートリングの内径を拡張します
シートリング内径の贅肉をそぎ落としました
全て70度で加工しました
バルブも修正済だったのですり合わせをして組みつけます
二番の吸気バルブから圧縮漏れしていたのですがすり合わせで問題なく修正できるレベルでした
圧力検査は大切です
すり合わせが出来ているのか点検する為にです
こちらのお客様も吸気ポート拡張し!!
排気ポートも拡張しました
純正風にフィンは下から4枚研磨です
シリンダーヘッド完成です
次はシリンダーの測定です
ダイヤルボアゲージで測定します!!
完璧です
勿論このシリンダーもOリング圧入済みです
「Oリングって必要ですか??」
と、思う人も多いと思いますが絶対に必要です
これは業者からの質問が多いです
「シリンダーとスリーブの外径のクリアランス」とか
下からオイルがつたって来ても「ヘッドガスケットで止まる」とか
上記はレベルの低い周回遅れの知識の話しです
勿論Zのエンジンも同じです
Oリングはどの細さで何ミリの溝に圧入し何ミリの深さまで入れるか!!
ここの重要性にいち早く気づき対策したのはホンダ車です
ZやFXはOリングが入るターニングポイントの時代のバイクなので元々入っていない車両もありますがエンジンチューナーにとっては重要なポイントです
POSHの62ミリはいまだにOリング無しで販売されているみたい
ピストンとシリンダーを組みます
ちなみにこのFXのクランクケースはE1(交換)なのでシリンダーはすんなり収まりません
干渉する部分は前もってリューターで削ってあります
FXのクランクケース内径は3種類ありこれは二番目に狭いクランクケースです
一番狭いクランクケースはゼファーのノーマルシリンダーも入りません
ヘッドガスケットを組み!
ヘッドを組み込みます
カムを組んでタペット調整をします
ヘッドカバーを組んでエンジン完成
エンジンをフレームに積み込み
エンジン点火
62ミリのハイコンプピストンが踊ります
試乗をしに七曲りへ行き万葉岬に来ました
急な峠もガンガン登るパワー
FCRキャブも絶好調
マフラーはモリワキの直カンです
本日は晴天ですがなんせ暑い
先週の関東は冷夏とニュースで聞きましたがうらやましい
こっちは激暑です・・・・
そしてこのタイガーカラーのFXのオーナー様から差し入れをまた頂きました
シジミの差し入れです
有難う御座います
570FX完成です