兵庫県 KZ1000 エンジンオーバーホール

本日は地元姫路市よりZの入庫です!

現在外装塗装中でエンジンに取り掛かります!

腰上分解歴がありますが腰下は分解歴なさそうです!

シリンダーヘッドを取り外します!

オイル上がりもなく珍しく腰上の状態は良いのですがライナーの緩みの可能性がZは高いのでライナーから作り直します!

シリンダーからオイルが漏れていたのですがベースパッキンが悪い・・・

何処にこんな粗悪品のガスケットがあるのか・・・・

狙ってもこの様なガスケットは買えません

昔のオーナーが買ったガスケットみたいですが腰上の分解組み立てはお店の仕事ではなさそうです!

Zで厄介なのがライナーの緩みですがここを交換せずOHと言う場合もありますがここは必ず交換が必要で、ひっくり返すだけでライナーがコロンと落ちる場合もあります。

腰上をばらして点検棒で確認!

点検棒が入らないだけで20万近くが吹き飛びます

エンジン腰下を降ろしました!

腰下分解中にM8ボルトが一本折れ込みました!

ドリルでセンターに穴を空けて拡張していきます!

古いボルトを切り取りました!

ヘリサートを打ち込みボルトの抜き取り修正完了です!!

いつもならボルトの抜き取りは大変だなと思うのですが先月のZ400FXがボルトの抜き取りが多すぎて今回はボルトの抜き取りが1本だけだってのでラッキーと言う感覚・・・・

先月は一機のエンジンで20本近く抜きましたから流石に疲れました

エンジンをブラスト処理し下地を出します!

今回は半艶のブラックの塗装をしてからクランクケースのボーリングをしました!

理由はライナーを交換したのですがライナー外径をオーバーサイズに交換したからです!

73mmでもしっかりと耐久性を出したければクランクケースのボーリングをしオーバーサイズのライナー打ち換えが必要です!

クランクケースを洗浄し点検していきます!

ピンの横のクラックも無く良好なクランクケース!

クランクシャフトの曲がりの点検をして振れがあまりにも大きい場合はこの時点で修正します!

このクランクシャフトは修正不要なのでこのまま装着します!

ベアリングに異常があったり点検棒が入らない場合は勿論ですがクランク全分解となるととても高額な工賃が加算されてしまうのでZのエンジンパーツは一つ一つが高額。

クランク以外でもですが入念な点検をしながら組付けていきます

ハウジングも破損なく状態が良いのでそのまま装着します!

カムチェーンは強化タイプに交換しロアケースを装着します!

オイルポンプを組付けます!

そしてオイルパンを装着します!

エンジン分解時にオイルパンも同時に塗装しました

ザッパー系エンジンの場合オイルラインがあるのでオイルパンの塗装は無暗に出来ません

洗浄する場合メクラを外す必要があるのですがここを外す時に割れる場合があるのでザッパー系エンジンのオイルパンはブラストをしない方針です!

オイルクーラーの取り出し口のあるオイルパンは絶版なので貴重品ですからね

Zのオイルパンの構造がうらやましいです

クラッチも新品にして強化クラッチスプリングに変更です!

今回使うスリーブはLAスリーブですが下のテーパーが少ないので少しテーパーを加工して広げます!

ライナーの加工完了です!

クランクシャフトのキーは問題なく状態良好!

新品のワンウェイクラッチに交換します!

マグネットのガタもなく状態良し!

黒モリのボルトに変更し組付けます!

エンジンカバーを組んで腰下を車体に搭載します!!

これからボーリング加工なのでシリンダーのボーリングに関しては帝国内燃機のブログにて紹介します!

今回のシリンダーのボーリングはイレギュラーが発生したので大変でした

バルブのカーボンを落とします!

45度面は少し段付きがありますが極小で状態は良好!

全てのバルブを研磨機で45度面の修正をしました!

ピカピカです!

次はシリンダーヘッドの修正をします!

腰上分解歴がある、との事でしたが「頼むからバルブシートは無事であってくれ・・・・」と思っていたのですが無事でした

カーボンを落としてバルブを磨いて組んであったのでバルブの突き出し量も問題なくセミプロが素人の内燃機仕事をしているヒューマンエラーがありません!!

修理ベースとしては100点のシリンダーヘッドでバルブガイドの状態も良いです

ブロンズ系のガイドは交換が必要ですがZは後期のエンジンは終結合金なのでとても強い素材でガイド交換が必要な物は滅多にありません。

不必要なバルブガイド交換はバルブシートを大きく削づ必要があるのでバルブの突き出し量が増える傾向にありヘッドを短命化させます。

45度と60度でバルブシートをシートカットします

全箇所のシートカット完了です

ここの二本のバルブだけが元々薄いシムだったので今後OHしやすい様にステム長を調整し焼き入れして組みます!

バルブの擦り合わせをして圧力検査をしてシリンダーヘッドを組み上げました!

シリンダーヘッドの修正完了です

少々難儀だったシリンダーのボーリングが完了したのでもう一度ピストンとシリンダーのクリアランス測定をします!

ダイヤルゲージを入れます!

測定完了です!

ピストンとシリンダーを組付けます!

ワイセコ73mmで1105cc!

当店でのZのエンジンは73mmは補修用ピストンキットのジャンル分けなのでボアアップと言うよりは調子良いコンディションを取り戻す為のピストンです。

Zのエンジンでライナーを交換するのは絶対に必要なのでライナー交換すればついでに少し大きなピストンを入れても値段は同じです!

アイドラーギアも全交換します!

ここは強化タイプに変更します!

シリンダーヘッドを組みます!

ここのカムメタルは何故か交換されない場合が多いのですがここの交換は交換歴が無ければ必ず必要です!

カムシャフトを組んでシム調整をします!

1番4番上死点時で測定し!

2番3番上死点時でも測定して狭い方でクリアランスを合わせます!

ヘッドカバーを組んでエンジンに火入れします!!

しばらく暖気させていると・・・

パン!!!

と強烈は金属音と共にオイルが漏れてきました・・・・

ここのナットが飛びました・・・・

お客様がこれを組んで欲しいと持ち込まれたのですがそれがこの真鍮のナット・・・・

ウエダレーシングの真鍮のナットみたいですが本当にウエダレーシングがこんな部品を作っているのかは不明・・・・

トルクのかかる場所に真鍮ナットはやはり危険ですね

大きな音だったのでスタッドボルトが折れたのかクランクケースが割れたのかと思いビックリして寿命が縮みました

アイドリングでの暖気中だったのでまだ助かりましたが走行中だと最悪また腰上のばらしが必要でした。。。

バイクに真鍮パーツはあまり好きではないのですが力のかかる部分には使わない方が良いです。

今回でエンジンパーツに真鍮は論外と言う事が分かりました。

ゼファー750の純正ナットに変更し締め直します。

試乗前に電圧の点検をするのですがアイドリングでこの電圧・・・

嫌な予感。

3000RPMでこの電圧・・・

レギュレターが壊れています!

見てみると過去に交換された痕跡があるのですがこれも壊れたみたいです。

当店にゼファー750の純正があったので流用し装着しました!

こんな時は鉛のバッテリーで良かったです!

リチウムイオンバッテリだと発火の可能性がありますが鉛バッテリーだとバッテリーが死んで終わりです。

高価なバイクなので安全性を考慮すればリチウムイオンバッテリーより鉛のバッテリーをおススメします。

専用レギュレーターだと安心と言う意見もありますが10年後や15年後は解らないですからね

安全性を考慮すれば鉛バッテリーの方が個人的には好きです

アイドリングで14V代で安定しました!

発電は抜群に調子良いです!

そして試乗前にもう一つ・・・

何かのレバー流用らしくストロークが短いのでクラッチワイヤーが少しでも伸びるとクラッチが切れなくなります。

レバーがつっかえて手前まで押し戻せていないみたいなので。

レバーを削って修正!

しっかりストロークが確保できました!

ちょっとした事ですがこの様な小さなトラブルを見過ごして走るとミッションのトラブルにつながるのでクラッチレバーやレリーズの小さなトラブルは注意が必要です!

これで試乗できると思ったのですが少し乗って異変に気付きました!

チャラチャラと音がする・・・・

乗っているとチェーンの音っぽいのですがF・Rスプロケもチェーンも交換したしな・・・

でもチェーンの音っぽく聞こえる。

チェーンカバーを外しました!

人間の耳って不思議で一度チェーンの音を疑うと本当にチェーンからしか音が聞こえなくなります

外すとだいぶマシになりましたがここだけではない・・・・

色々点検すると・・・・

Fからも音がします!

キリキリと言う不規則な金属音なのでブレーキパッドの鳴き音かなと思いブレーキを外しても音がします!

原因はホイールベアリングでした

ガタガタだったりスムーズに回らなければ交換が必要ですが油を入れると復活しスムーズに動き出しました!

整備士泣かせの白シートにウエスを巻いて試乗します

この日は大寒波で極寒の日でした

工場は晴れてますが安富ダムまで来ると吹雪いて気温もとても低い・・・

しかしエンジン快調で新品のCRキャブも装着し快調です!!

クリーム色に赤ラインのリンカーンカラーで白のチョビ三!!

やはりZ1000はリンカーンカラーがカッコイイですね!

不快な金属音も消え気持ちよく試乗できます

Z1000エンジンオーバーホール完了です!

それと先月ボアアップした愛媛のFXのオーナー様よりみかんの差し入れです!!

みかんは愛媛の「紅まどんな」と言う品種を買っていたのですがそれ以上に美味しいみかんに出会いました

甘平と言う品種なのですが紅まどんなに近いですがとても美味しいです!

やっぱり地元の人しか知らない名産品は凄いですね

有難う御座います!

それと!

このZのオーナー様より!!

地元のパンの差し入れを頂きました

このパンはペンギンの型のパンで子供が大喜びで寝起きが悪い子供3人が飛び起きてテーブルに座ってくれました!

有難う御座います

このZのオーナー様も私と同世代で若くて経営者になられたのでお金の苦労をしたんだろうなと言うのが分かります。

50~40歳の年齢のお客様は就職氷河期ですが30代後半の私たちの世代はリーマンショックがありここからもう一段不況が直撃した出代なのでこの時代に就職した人は若者は安くて使い捨ての時代です

低賃金は当たり前ですがブラックなんか当たり前「働かせてやってんだからありがたく思え」の時代だったのでストレスと社会からの制裁で病んでいった同級生がとても多いです

私が入った建設業の初任給は8万円で同級生の初任給が手取り12万程だったのでエグイ人生でした

そんな建設業もリーマンショックで仕事がなくなりオートバイの業界に行くのですが同級生は少年院に行ったりお薬に溺れたり自殺したりとなかなか悲惨な時代でした

なのであの時代を経験した同世代の人が経営者となり雇用を生み出し頑張っているのを見ると私も勇気湧いてきますし子供が学校に受かった話しを聞くと自分の事の様に嬉しく思います!

リーマンショックを襲ったのは日本を襲ったのは2007、8年頃ですがあの時代と今を比べるととんでもないインフレの時代で若者を獲得するには初任給でもガンガン上げていかないといけない時代・・・・

私も今の時代に就職したかったです

30代後半のリーマンショックの世代より就職氷河期の世代はもっと大変だったんだと思います