千葉県 ゼファー750 900ccボアアップ

本日は千葉県よりゼファーエンジン単品での入庫です!!

入庫したエンジンです!

番号からみて逆車のゼファーエンジンなのですが国内のゼファー750と輸出のゼファー750は原動機の型式が違うので注意が必要です!

このエンジンのオーナー様に確認したら了承済みでチェーンラインの違いまでご理解されているので話が早い!

基礎知識ではなく結構マニアなエンジンの仕様変更まで熟知されているのでとても仕事がしやすいです

着工前に!

今月も色々と差し入れを頂きました!!

以前広島県よりZ750GPをボアアップしたお客様からウオタニのイグニッションコイルの差し入れです!

何かに使えるかもしれないのでありがたいです

それと!

前月ボアアップした東京都のZ710Jのお客様よりチョコレートの差し入れです!

有難う御座います!

それと!

以前900にボアアップした青森のゼファーのお客様よりリンゴの差し入れです!!

ダイエット中なので遠慮なく頂きます!!

有難う御座います!

それと!

地元のゼファー710のお客様よりお菓子の差し入れを頂きました!!

子供が大喜びで頂きました!

有難う御座います!!

エンジン分解していきますが・・・

かなりの腐り具合です!!

剥離剤の水たまりを踏んだのでしょうか!

オイルパンを点検していると拡張された痕跡が・・・・

なんでこんな事したん?・・・

タップをたててボルトを入れました!

ここは通常小さな穴がありオイルクーラーの抵抗が大きくオイルの供給不良対策でオイルクーラーを通さずオイルを経由させる為の穴なのですがなぜか拡張されている・・・

不思議な改造ですがカワサキなので出荷時から変な加工をされていたのかもしれません!

この穴を塞ぐとクランクへ流れるオイルは100%オイルクーラーを経由する事になります!

とにかく腐食が酷い・・・

クランクケース前面に腐食があります!

サンドブラスト加工しました!

アルミの腐食は落とすのがとても大変で小さなボックスでちまちまするブラストではアルミの腐食は取れません

アルミの錆びは塗装を剥がすとグレーの色をしています。

このグレーの部分は腐食なので塗装すれば一時的に綺麗になりますがまた腐食で塗装がべりべり剥がれてきます!

 

なので「サンドブラストぐらい簡単でしょ!?」

と言う人は多いですがマジで専門の業者でないと本当の意味での下処理は出来ません

これは専門の外注業者でないと本当の意味での下処理は綺麗にできないので外注にお願いしています!

マフラーのスタッドボルトも曲がっていたので修正をしてマフラーを仮組みして点検してから塗装します!

クランクケースをボーリング加工して半艶の黒に塗装しました!

今回はオイルパンも塗装しました!

普段はここの塗装は断るのですが余りにも汚く腐食していたので流石に塗装しないと余りにも不細工なので同色に塗装しました

何故オイルパンの塗装を断るのかと言うと!

ここ!

このメクラのネジを緩める時にオイルパンが割れる事があるからです!

ここのアルミの肉厚が薄く固着していると緩める時に割れる場合があります!

サンドブラスト加工をするとオイルラインにも砂が入るのでここの中もブラッシングするので塗装するとなるとここを外す必要があります。

ゼファー400のオイルパンなんかだと今は高額なのでここの破損リスクの為に危ない橋は渡れません

このオイルパンは外観がグチャグチャですがネジは固着していなかったので緩めて安心してからブラスト処理をしてペイントしました

クランクシャフトの測定をしてクランクメタルとコンロッドメタルを新品に交換しクリアランス測定をしました!

ミッションは中期の物です!

中期だと前年式のゼファーに装着可能です!

オフセットも出来るのでRをワイド化した場合に有効なミッションです!

このエンジンのオーナー様はチェーンラインの違いも全て知識がある人だったので説明が簡単でサクサクとプランが決まります!

相当車体のカスタムをやっているのが電話で分かります!

当店に来るお客様はカスタムも乗り方も初心者は少ないのでとても仕事がしやすいです!

地元の知人のバイク屋だと「CRに交換して欲しい」とご依頼があり交換すると

「ガバ開けしたら失速するやんけ!!スロットルも重い」とクレームを入れてくる客も居るらしく

「ここから説明必要なん!?」と困ってました

お客さんでもバリエーションを増やすとそんな苦労があるらしい・・・

当店のお客様ではあり得ないのですがそんなお客が来たら気苦労が大変ですね

ロアケースを組付けました!

強化タイプのワンウェイクラッチに交換します!!

ワンウェイクラッチとオイルポンプを組みこみます!

ゼファー750の弱点なのでここは交換しておきたい所!

と、言うより交換しないといけない所です!

ここの部品もインフレでかなり高騰しているのでメーカーから買うととんでもなく高額になりますが他車種流用で低コスト化させています!

オイルパンを組んでひっくり返します!

そして強化クラッチに変更です!!

チェンジシャフトはドリルで揉まれた痕跡が・・・

腐食して一体化していたみたいなのでカバーとチェンジシャフトを犠牲にして抜き取ったみたいです!

チェンジシャフトはいくらでもあるの左の良品に交換です!

エンジン腰下完成です!!

次はシリンダーヘッドのオーバーホールをします!

このヘッドも修正歴がなく状態は良いです!

45度と60度で二面加工をしてシートカット完了です!

バルブカーボンを落とします!

45度面を研磨しました!

研磨前と研磨後が同じに見えるのですが研磨機にかけると分かるのですが微かに段差がありこの段差がバルブの密閉不良を引き起こします!

バルブの45度面を研磨は肉眼で近くで見て良品に見えても基本は加工をします!

バルブを擦り合わせて圧力検査に合格したのでシリンダーヘッドを組み上げました!

シリンダーヘッド完成です!

シリンダーをボーリング加工しました!

ダイヤルゲージにて測定します!

クリアランス完璧です!

ピストンとシリンダーを組付けました!

ボーリング加工は帝国内燃機のブログにて紹介します!

シリンダーヘッドを装着しました!

カムシャフトを組付けシムの調整をしました!

750エンジンはカムの全長が長いのでカムの遊びの調整が超絶難しく規定値の倍の厳しい規定値がボアアップエンジンには必要になります。

熱膨張が異なるので0.025単位の非売品のメーカー純正シムも使います!

メーカーは0.025単位で調整して出荷するのに販売は0.05単位なのでメーカーだけずるいと思いながら組んでいます

ヘッドカバーを組付けます!

このエンジンは腐食が酷かったので普段はしませんがシルバーの部分はクリアを剥離剤で剥がして荒磨きだけしておきました!

あとは自力で磨いて下さい!

エンジン完成です!!

Z1用のキャブを装着しショートスピゴット化との事なので出荷時はGPZ750Fのマニーホールドで出荷します