本日はゼファー750のエンジンオーバーホールのご依頼です
入庫したのがこのゼファー750です
こちらのオーナー様はフレーム塗装もします
車体を全分解します
エンジンを降ろし!
フレーム単品にします
そしてサンドブラスト加工します
下処理完了です
話は変わりますが先日!
「火垂るの墓」が放送され嫁と見たのですがたまらない・・・・
独身の時に見るのと親になってから見るのとでは全然違う映画ですね
兵庫県の西宮の話しの映画ですがその映画を見ながら思い出した事があります
実家の近所の爺さんの体験ですが幼少期を兵庫県の加古川市で過ごしたらしいのですが米軍機が来て焼夷弾を落とされ子供ながら必死に逃げ回っていたらしく線路の近くの防空壕に逃げ込んだらしいのです。
「助かった」と思ったらしいのですが大人に
「ここは満員や!!出ていけ!!!」と投げ出されたらしいのです。
泣きながら必死に海まで逃げやっと空襲が終わった・・・と
歩きながら家のあった場所に帰っていると線路近くの防空壕に焼夷弾が直撃していて
中の人は全員焼け死んでいたらしいです・・・
その時「自分は神様に生かされたんや・・・」
「残りの人生を意味あるものにしよう」と思ったらしいです。
昔を知らない私にはとても難しく頭で分かってもその爺さんがその時感じた感覚は想像すら出来ませんが私は交通事故で一度死にかけ右足に後遺症があります。
利き腕の右手も複雑骨折して不自由ですが命があって歩けて右手も動く。
時々歩けなくなるぐらい痛みますし手も少し不自由ですがその度に
「神様が生かしてくれて仕事が出来る手足を残してくれた」
と思う様にしてます。
もし完璧に身体が完治すると多分この気持ちは忘れてしまうでしょう
入院していると健康な身体がどれだけ良いかと体感出来ますが完治すると
その時の気持ちって忘れてしまうのが人間なんですよね
次はフレームの塗装です
色は艶消しの黒です
竹炭に近い色です
この色はゼファーユーザーにとても人気です
エンジンは半艶の黒にしてエンジンとフレームで少し色を変えるとまたカッコいいんんです
車体を組み上げます
組み上げ完了です!!
カッコいい!!
エンジンに取り掛かります
腰上を分解
程度良好
エンジンを全分解しサンドブラスト加工します
エンジンのペイントも完了です
こちらの半艶のブラックでフレームより少しツヤがあります
クランクメタル・コンロッドメタルを交換しクリアランス測定します
ミッションを点検すると!!・・・・
動きが変!!
ニュートラルの状態でもスムーズに動きません!
原因はセカンドみたい!
超マイナートラブルです
中のブッシュが綺麗に収まっていません
この部品を製造しているのは兵庫県北部のY工業・・・・
60歳ぐらいのババアがNCを使い制作してます
ここのブッシュは非分解で購入となるとアッセンになります!
ここはプレスでブッシュを正規の位置まで戻します
ほんの0.5ミリほどなのですがこれだけでミッションの動きが全然違います
何百とエンジンを分解してきましたがこのマイナートラブルはこれで2度目
ある意味ラッキーなのかな?
Z650は焼けるトラブルがまれにありましたがゼファー750ではまずないのです!
このまま走っていると焼けていたかもしれませんね
スムーズに動く様になりました
ミッションを組み込みます
消耗品を全交換しロアケースを組みます
オイルポンプ・ワンウェイクラッチを組みます
こちらのオーナー様もZR7のワンウェイクラッチです
オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します
クラッチを組みます
クラッチはターボの物を流用です
クラッチカバーを組んでエンジン完成です
シリンダーヘッドの修正をします
このヘッドはかなりシートリング45度面がズレています
左上は規定値ですが!
反対の右下は規定値の3倍以上の当たり面の広さ
純正の工具では修正不可能なレベルです
ゼファー750エンジンでもかなりの個体差がありこの様なヘッドはバルブの密閉率がとても悪いです
バルブガイドの摩耗にもつながりますしバルブからの圧縮漏れも発生します
OHしてもらったのに吸気側(キャブからの吹き返し)が走行中に多い
って人多くないですか?
エンジンを修理する人の腕が悪いとそうなります。
原因はバルブの密閉不良です
ノーマルでエアークリーナー装着してると殆ど分からないのですが改造車などで直キャブだとよくわかります
45度60度70度30度の4面加工で修正しました!
45度面も最小限にとどめているので極端な薄いシムを入れる必要もありません
いくら良いピストンで良いボーリングで大金を叩いてもシートカットが悪いと台無しです
すり合わせ・圧力検査もとても大切です
今日も地元のお店で腰上オーバーホールしたけど不調・・・・
と言うお客様がご来店されました・・・
腰上のOHで40万だったらしいですがキャブからパスッ!パスッ!と吹き返し圧縮漏れしてました
もったいない・・・・
アイドリングが不規則で始動性も悪くなったらしい
今までもありましたがオーバーホールに出して前よりも調子が悪くなったお客様も多く分解してみると「これは手間暇かけて逆に悪くなってるやん」ってのも多く見てきました
一番多いのがシートカットの失敗
次はボーリングの失敗
その次は組み立てミスです
ミスされてから来る人も多いんです
それが原因でバイクを降りてしまう人も・・・
誰にも得意分野があり私は原付のタイヤ交換や外装の脱着なんかはとても遅いし一般のバイク屋さんみたいには出来ません
経験・設備の差があるからです
バルブのカーボンを落とします
そして45度面を研磨機で修正します
修正完了です!
すり合わせをして圧力検査をしてヘッドを組みます
シリンダーヘッド完成です
滋賀県の900エンジンのオーナー様同様真っ黒の仕様です
シリンダーのボーリング完了です
スリーブ内径のクリアランス測定をします
測定完了です
Zのエンジンの場合はスリーブ交換が絶対に必要ですがザッパーエンジンはスリーブ外周のクリアランスが5/100から7/100ほど効いているので緩む心配はありません!
Zのシリンダーは緩んでくるのではなく元々の加工精度が悪かったのが原因!
久しぶりの1ミリオーバーサイズピストン
POSHの820は論外・ワイセコは耐久性能無視なので900にするまでの補修用ピストン・コスワースは安全ですが高額・・・
純正の1ミリは費用相対効果で良いと思います!
ノーマルでも丁寧に組めばパワーアップを体感出来ます
さすがに900と比べると圧倒的にパワー不足ですが
ピストンとシリンダーを組み!
ヘッドを組みます!!
実は今月東京都のお客様のゼファー400ベースのエンジンも制作中・・・
排気量制限があるので勿論レギュレーション違反は出来ません
ヘッドが短命化してでもパワーを絞り出す
って事で1グラム軽量バルブでウエスト加工
バルブガイド撤去
タペットカバー穴あけ
この加工は出来なくなりました
最後の超鋼刃が折れてしまったからです
次の刃が出来るのは10ヶ月後・・・・
一本8000円もするのに・・・・
カムはヨシムラのハイカム
ハイカムもエンジンを短命化させるパーツですが排気量制限のあるサーキットでは必要なパーツです
作業台がエンジンで一杯なので台車の上で組み上げです
広島のゼファー750のOHに戻ります
カムを組みタペット調整します
エンジン完成です
エンジンを搭載しエンジンに火を入れます
よし!!
このエンジンもとても静か
エンジンのメカノイズも綺麗に消えました
快調です
七曲りを抜け万葉岬に試乗に来ました
OH前とは全然違います
今月は滋賀県より900が来ているのでさすがに900を先に試乗してしまうとノーマルの750エンジンの威力を体感出来ませんが(感覚がマヒする為)900エンジンを試乗する前に750エンジンを試乗したのでエンジンが快調なのが良く分かります
750エンジンはメーカー出荷時の時点で精度が悪い物が多いので2万キロでガラガラ言っている車両も多んです。
綺麗に組み直しとても気持ちよくエンジンが回ります
ゼファー750エンジンのオーバーホール完成です
今月も差し入れを頂きました
この広島県のゼファーのオーナー様よりお菓子の差し入れです
有難う御座います
それと!
FXのボアアップのご予約を頂いている福岡県のお客様がご来店
肉味噌の差し入れを頂きました
仕事で岡山に来ているらしいです
有難う御座います
東京から来ていたレーサーエンジンも火入れをし点検です!!
エンジン快調
出荷しました