大変長らくお待たせしました
本日は千葉県よりZ400FXのE4Bが入庫です!!
先月の九州のZ400FXのお客様もE4Bなのですが原型が無い程の改造車でしたが今回のお客様はオリジナルの状態です
懐かしい!!
これE4Bは私が初めて買ったFXです
隣の市にテールカウルがガレージから飛び出し放置してあったFXで
「おおっ!!これFXやん!!」
と思ってそのガレージのご自宅に直談判に行き購入しました
「25万でいいよ」と安く売って頂いたのですが「こいつを大切にしてほしい」と言ってキーを渡してもらったのです!
そのFXにはタカトリのピストンが入っていました
当時姫路市周辺ではタカトリのピストンが当たり前でしたからね
その車両はのちにボンネビルに行くベース車となりました
やはりFXの思い出は今でも思い出します
千葉のFXのオーナー様より差し入れを頂きました!
松坂牛のホルモン鍋セットを差し入れで頂きました
有難う御座います
それと!
先月ゼファー750のエンジンをOHした大阪府のお客様より!!
お菓子の差し入れを頂きました
有難う御座います!!
次は二台目のゼファー400のボアアップのご予約を頂いてます
エンジンを分解していきます
エンジンを降ろして
シリンダーを抜こうとすると・・・・
抜けない・・・・・
Fタイヤで砂利を巻き上げ錆びてスダッドボルト周辺が腐ってます
ボルトも5本折れました・・・
シリンダーを抜く前にスダッドボルトを抜いて2時間格闘しここまで抜けましたがここからびくとも動きません
これを無理に抜いたら最悪クランクケースのスダッドボルトの根本が割れてしまうのでクランクケースを守る為シリンダーを犠牲にして抜きます!
腐食しボルトが抜けないのでこいつはゴミです!!
割って抜き取りました
710のお客様がシリンダーを置いて帰るのでFXのシリンダーは大量にあります
守りたかったのはクランクケースです
無事エンジンを分解できました!!
折れたボルト達を抜き取ります
穴をあけて!!
古いボルトを抜き取り!!
ヘリサートを打ち込み完了です
エンジンをマスキングしサンドブラスト加工します
下処理完了です
エンジンを半艶ブラックに塗装しました!
このFXはE4Bなのでクランクケース番号はFXですがZ400GPの最終型のクランクケースなんです
Z400GPの最終型とGPZ400Fは同じクランクケースですが違いと言えばクランクのセンターからカムまでの距離!
これはGPZ400Fと同じクランクケースで加工がZ400GPの加工でエンジン番号がFXと言う何とも不思議なクランクケースです
ややこしいこと書きましたが要はZ400FXのピストンでボアアップ出来ます
早速エンジンを組んでいきます
570エンジンなのでZ400FXのクランク・コンロッドです!
クランクメタル・コンロッドメタルを交換しクリアランス測定をしました
ミッションを分解・洗浄・点検し組み込みます!
消耗品のチェーン・Oリングも全交換しロアケースを組みます
オイルポンプとワンウェイクラッチを組みます!!
ワンウェイクラッチもFXは穴無しですがE4Bは穴ありなのでゼファーと同じ物です
今回のお客様のネジは純正です
FXの当時の純正のネジはとっくに欠品です
今発注かけるとゼファーのユニクロメッキバージョンのネジが来ます
でも!!!
このFXはE4Bなのでそれでいいんです
FXマニアはこのネジを嫌うのですがE4Bは元からこのネジなんです
オイルパンを組みひっくり返します!
アッパーケースのネジも全て純正
アッパーケースの長いネジの6本中1本が欠品なのですがE4BはGPZ400Fとクランクケースの構造が同じなので6本全て同じネジとなります
でもこの6本だけメッキではなくシルバーなんです
まっ!贅沢は言えません
満足に直せるエンジンってだけでもありがたい話です
ミッションカバーを組みここにプッシュロッドを組むのですが!
元々組まれていたプッシュロッドは段付き摩耗しています!
二か所段付き摩耗しているのでひっくり返して再利用したみたいです!
こいつはもうダメなので在庫の良品に交換します!
交換完了です
次はシリンダーヘッドを修正します!
45度面をサッと修正し70度で内径拡張
このシリンダーヘッドはとても状態が良いです
全てのシートリングの修正完了です
バルブのカーボンを落とします
バルブもとても良好です
45度面をサッと修正しすり合わせをして圧力検査をします!!
シリンダーヘッド完成です
吸気ポートと排気ポートも拡張済み
ヘッドのフィンは研磨しました
E4Bはパーツリストの写真では研磨されてないのですが実際は研磨されていたり・・・
良くわからないのですが
お客様も相当調べてのオーダーなので研磨したシリンダーヘッドにしました
仕上げた腰下にシリンダーを組みます
制作したピストンとシリンダーのクリアランス測定をします
ダイヤルボアゲージを入れ測定
完璧です
52ミリから62ミリなので1センチオーバーサイズです
スリーブを制作しシリンダーをボーリングしスリーブ下はOリングを圧入してます
制作したピストンとシリンダーを組みます
そして先ほどリビルドしたシリンダーヘッドを組みます
全てのネジを純正新品にする予定なのですがここのネジ!!
メーカーから代替え部品として出るのですが元のネジより3ミリほど長いネジが来てしまします
ここが出ると何年後か何十年後か・・・
外そうと思うと吐出部が錆びて回らなくなります!!
ここの2本は当店でいつも使う専用のステンのネジに変更します
これならツラで綺麗に収まります
ヘッドの組み込み完了です
カムを組みます
タペット調整完了です
ヘッドカバーを組みエンジン完成です
ここで驚きなのが!
今では手に入らない純正の当時物のネジ
純正で購入すると別の形状のネジが来るのでエンジンのネジをオールステンに変更する人が殆どなのですが純正の当時物のネジを持ち込まれたのでこのネジを組みました
この純正のネジを使うの8年ぶりぐらいでしょうか・・・
ある所にはあるのですね!
エンジン点火
絶好調です
持ち込まれたヨシムラのエンジンカバーですが装着できませんでした
キジマの当時物と同じでE1E2E3専用みたいです
ヨシムラのピストンもエンジンカバーも部品を作る時は考えて制作してほしいです
早速試乗です
七曲りに来ました
「Z400FXのE4Bや!!!」と、よく話しかけられます
グランプリスペシャルも珍しいですがE4Bもなかなか珍しい
カワサキマニアにはたまらない一台ですね
ボロボロのエンジンに塗装された状態でしたが62ミリピストンで絶好調になりました