本日は神奈川よりFXが入庫です
このFXのオーナー様は10代の頃に先輩から購入したFXを今まで所有されていたらしいです
このFXのバックライフが気になります
地元のお客様もそれを聞くと「おお!」凄いですね!
と、言います
リターンライダーで「青春の頃」のFXに乗る人は多いですがその時のFXを所有している人はとても少ないです
奥様が単車乗りで火が付いたらしく「乗るならこいつしかない!」
と、思ったらしいのですがさすがに40年近く昔のエンジン・・・・・・・
そこらじゅうからOILが噴出します。。。。
キャブは勿論不調・・・・
エンジンが古すぎて過去にエンジンを分解したかは不明です
腐食も酷いです
早速エンジンを分解すると・・・
?・・・・・
カムホルダーのボルトが二本ありません
シリンダーを取り外すと!
ここもボルトが折れ込んでいます
随分昔に誰かがさわった痕跡です
ネジを切りヘリサートを入れます
ささっと修正完了
シリンダーヘッドはフィンのワレや欠損やボルトの折れ込みが多いので交換します
去年ボアアップした福島のお客様が親切にも「次のお客様に使って下さい」と置いて行って下さったシリンダーヘッドに交換することになりました
無料で良品のヘッドに交換です
FX乗り同士、助け合いで通常買わないといけない部品も無料で交換できます
無い部品は購入していただかないといけませんが・・・
腰下を分解すると・・・・・
メタルの裏側に切子が大量に引っかかっていました
これは新車の時からです
FXではたまにあります
「よく焼けなかったな」と思いますが意外とこれぐらいだとクランクって焼けない物です!
焼ける原因は人為的ミスかメタルのクリアランス調整ミスか・・・
でも!一番多いのは回しすぎです
ゼファー400・750エンジンで二番のコンロッドにOILの潤滑が追いつかなくなるのはよくあります
そもそも2弁エンジンにハイカムを組み回らないエンジンを回そうとする改造・乗り方は危険です!
そもそも高回転では2弁エンジンが4弁エンジンに適うわけありません
2弁エンジンの強みは低速トルク!
過激なハイカムはエンジンを破損させます!
ハイカムが一番エンジンを短命させる部品です!
それが原因で2番コンロッドも焼けることが多いです!
エンジンをサンドブラストします
腐食だらけだったエンジンですがしっかり下処理をすれば安心です
エンジンをつや消しブラックにペイントします!
とても綺麗なエンジンになりました
エンジンを洗浄し組んでいきます
クランクメタルを装着しFXクランク・コンロッドを組み、クリアランス測定をします!
クリアランス完璧です
エンジン内部の部品を洗浄点検し腰下を組んでいきます
そして!
ワンウェイクラッチ・OILポンプを組みます
で!こちらのお客様は一次減速550に変更します!
クラッチを組み込み!
腰下が出来てきました
次はシリンダーヘッドです
シートカットをしていきます
45度面を修正し70度でシートリング内径拡張しました
シートリングの状態は良好です!
全て修正完了です
次はバルブの45度面をリフェーサー加工しました
バルブは輸出仕様のバルブです
すり合せをし圧力検査をしヘッドを組んでいきます!
いつも、この時点でOIL下がりの点検もしています
シリンダーヘッド完成です
加工していたシリンダーのボーリングが完了したのでクリアランス測定をします!
ダイヤルボアゲージを挿入し!
測定完了!
スリーブ下場にOリング溝きり加工済みでOIL滲み対策済みです!
スリーブ下のOリングはスリーブ打ち換えのボーリングでは当たり前です
ゼファー系エンジンに限らずZのエンジンでも同じです
Zのエンジンでスリーブ下にOリングを入れないお店は非常に多く何故OILが滲むのかも理解出来ていない人がとても多く感じます。
また何ミリの溝に何ミリの太さのOリングを入れるのかもとても大切です
Zの専門店?てきなお店からのお電話も今月多いのですが
正直なところ仕事の邪魔です!
技術は教えません!
ピストンを組み込みます
そしてシリンダーヘッドを乗せました
カムを組み込みタペット調整をしエンジンをフレームに乗せます
マッドブラックエンジンです
ネジが綺麗に目立ちます
いよいよエンジンに火を入れ七曲りまで試乗です
エンジン快調
新車の様な静かなエンジンですが550エンジンよりハイレスポンスでパワフルなエンジンになりました
CRキャブは新品を持ち込んで頂きました
有り難う御座います
FXの純正キャブはOH不可能です
キャブは消耗品です
新品のFCR・CRキャブに勝るものはありません
せっかく良いエンジンを製作しても中古の調子悪いキャブが入ると台無しです
これで気持ちよく走行できます
こてから試乗していきます