本日は沖縄県よりZ400FXのエンジン単品での入庫です!
入庫したエンジンですが中身はワイセコの615になります!!
沖縄県からの入庫は最近とても多いです!!
ヘッドはGPヘッドでシリンダーは550の様です!
早速分解します!
ヘッドを取り外しました!
まだトラブルは出る前ですがワイセコ615とゼファー750系の810ピストンでは定番のトラブル!
サークリップ溝にサークリップが埋もれています!!
この溝が深くなり最終的にはサークリップの内径がピストンピンの外径こ超えピストンピンが突き破ってきます!
そうなるとピストンピンがライナーをぐちゃぐちゃに引っかきます!
このピストンもサークリップが溝に埋もれかけています!
ワイセコのゼファー系エンジンのピストンではあるあるネタです
腰下を分解して!
サンドブラスト加工しました
クランクケースをボーリング加工し半艶の黒塗装をしました!
クランクケースを洗浄しクランクメタルとコンロッドメタルを交換します!
元々550クランクなのでクランクに曲がりがないか点検し組み込みます
そして今回ゼファーχのミッションを組み込んで欲しいとの事で持ち込まれたのが!
ゼファーχのミッションです
ドグ部がテーパー加工されていますが!
Fスプロケの固定方が2弁のゼファーとは異なります!
良い部品ではありますがFスプロケのオフセットを調整出来ない問題があります!
このエンジンのオーナー様はFXにゼファー足回りの仕様なのでχミッションでもボルトオンなのですがχミッションだとオフセットの調節が出来ない事になる為
「Z400FXのノーマルの足回りに変更したい」となった時にチェーンラインが合わなくなります!
Fを1cm内側に追い込む事が出来なくなるのでRを1cm外側にオフセットさせる必要があります!
そうなるとかなりめんどくさい作業になります
前期のゼファーミッションだと内側へ調整出来る為Rのオフセットを1cmも出す必要がなくなります!
3mm~4mm程内側へ追い込めるのでチェーンラインの調整がしやすいのは2弁ゼファーでFXの足回りをアンティークな純正で仕上げる場合も太いホイールもどちらも装着出来ます!
ロアケースを組みます!
綺麗なステンのボルトに交換します!
ワンウェイクラッチとオイルポンプを組みます
オイルパンを組んでエンジンをひっくり返します!
ワイセコ615仕様だったので一次減速が550でしたがFスプロケ21丁に変更する為一次減速を400に変更します!!
そしてゼファークラッチを移植します!!
今となってはとても貴重で高額な部品ですが持っている人はやはり一定数居ます
当店にも殆ど在庫がなくゼファークラッチは低コストでハイパフォーマンスを発揮するのですが無い物無いので仕方ない・・・・
と言う事でFX・GPのプッシュロッド式クラッチで減速比を調整できるキットを量産中です!!
ゼファーのクラッチがここまで暴騰するとは思っていませんでしたが最近はゼファーが発掘されてレストアされ出したので品薄です・・・・
腰下完成です
次はシリンダーヘッドの修正に取り掛かります!
シリンダーヘッドの45度面と70度の二面加工をします!
全箇所のシートリングの加工をしました!
そしてバルブの45度面を研磨機にて修正しました
バルブの擦り合わせをして圧力検査をして組み立てました
吸気ポートを拡張し!
排気ポートも拡張しました
シリンダーヘッド完成です
シリンダーのボーリングが完了したのでダイヤルゲージを入れます
測定完了です!!
ピストンとビッグブロックを組みます!
そしてシリンダーヘッドを組みます!!
GPヘッドなのでフルパワー化となります!!
10年前だといくらでもあった部品ですが最近はとても数が少ない貴重品です
GPヘッドなだけでパワーは上がりますがキャブのバリエーションも増えます
ゼファーキャブが使えるのは大きいですね
カムシャフトを組んでタペット調整をしてヘッドカバーを組んでエンジン完成です
エンジンの始動確認をします!
点火装置とキャブを装着します!
持ち込まれたCRキャブで始動確認する予定だったのですがガソリン漏れが酷く断念しました
エンジン始動!!
とても静かで快調です!!