神奈川県 〇〇様 Z400J 710ccボアアップ

本日は神奈川県よりZ400Jが入庫です

入庫したのはこのE3仕様!!

同じカラーの車両が入庫しています

こちらの車両はエンジンの分解歴はなさそうなのでとても状態が良さそうです

エンジンを降ろします

腰上を分解します

ボルトが固着しここまで分解するのに1時間・・・・・

二本折れました

スダットボルトはナットと固着し一緒に緩んだのですが砂が噛みまっくてなかなか抜けませんでした

しかし分解歴がないので分解してしまえば気持ちよく仕事が出来ます

同時進行中の茨城県のFXは人災による故障ですがこのエンジンは定年劣化。

間違いなく定年劣化のエンジンの方がトラブルが予測できるので仕事がしやすいです

話しが変わりますが本日地元のお客様から連絡が来て

「NHKの会社のおくりびと見た?」

と聞かれました

勿論見ていたのですがこの放送がとても面白かったので録画していました

今年倒産リスクのある会社が31万件、5社に1社が今後少子化も後押しし倒産すると言われていますが意外と少ないのが印象でした!

日本のハイイールド債・CLOが膨大に膨れているのでこれが爆発するとこんな物では済まないからです。

人生100年時代と言われますが人間の寿命が会社の寿命を超えたので30代の人は「転職」を人生で少なくとも二回する必要があると言われる時代です

当店のお客様は東証一部上場の大会社に就職している若者も居ますが当店のお客様の話しを聞いて国家公務員の予備校に行き始めた子も居ます。

高校生の時に650にボアアップした子も今は社会人となり地方公務員の勉強を始めました。

変人の様な社長も多く来るのですが時代の先読みをしている人がとても多く普段の日常生活では聞けない話しを聞けるので将来が不安な20代のお客様も将来の自分に投資する子が増えました

経営者は1つの事業に絞るのは非常に危険です。

例えば私はバイクの仕事ですが一つの仕事が傾くと人はその仕事にしがみ付く様になります。

そうなるとお金が第一となり職人は商売人に転落します。

商売人になると下らないオカルトパーツかヤン車パーツを売る事に熱心になります。

冷静なお客様や経営者のお客様はそれを見抜きます。

なので経営者は仕事を分散し片方が傾いても片方でカバーできる体制を整えます。

しかし難しいのはここからです

常連様の社長に3年程前に突っ込まれました

バイクの仕事ともう一つの仕事が軌道に乗ると

「なんで利益出してんの?」と突っ込まれたのです

当時29歳だったのですが利益を出し内部留保を増やすのはダメだと教わりました。

エンジニアとして成長するならレッドラインぎりぎりまで開発投資する大切さを教わりました。

出資した金額は3年で約2000万程になりますが普通のバイク屋さんでは経験できない事が余りに多くまだまだ開発に投資が必要だなと痛感・・・・

って事で年内にもう一つ事業を立ち上げ3か月で起動にのせます。

今会社員の人も人生100年時代を生きぬけるか?

と聞かれると分からないと思います。

しかし回りに同僚が居ると何となく安心できる感覚がある。

「自分だけじゃない」と言う漠然とした安心感があると思います。

リーマンショック直前の私は派遣社員でした。

工場で働きながら回りの人は「派遣でも頑張れ!」

と、言っていましたが私は

「早くこの派遣社員から脱却しないといけない」

と焦っていました。

その頃は異常な程、派遣社員が増え会社の7割以上が派遣社員となり「大規模なリストラが発生するからそれに会社が備えている」と私は考えました。

上司に「僕は早くここの会社を辞めたいですね」と言うと「お前はやる気がない」と叱責され同僚も「とりあえず頑張ろうよ」と言ってましたが学費を貯めて整備士学校に行きました。

私が入学して2か月後にリーマンショックが発生し当時私を叱責した上司もリストラされました。

3年前に私に助言して下さった社長は「ええか?経営者である以上は最悪の事態を想定し最良の状況を望むぐらいの考えやないとあかん」

と言っていたのでそれを実行します

男として産まれた以上はノンリスクハイリターンはありえません。

まずは目標を立てる!それに期限を決める!それを12で割る。

すると1か月で自分がしないといけない事が分かります

地元の社長曰く「そこで必ず問題が発生する。そこを解決するのが男の中の男やねん」と言っていました。

NHKの会社のおくりびとを見たのと地元の若者が相談しに来たのが重なったので色々と考えた一日でした

 

 

腰下の分解完了・・・・

下を分解するのにもボルトが錆び付き通常の倍程時間がかかりました

幸いクランクケースのボルトは折れませんでした

シリンダーヘッドの折れたボルトの処理をします

まずは下穴を空けて!

古いボルトを切り取ります

そしてヘリサートを打ち込み完了です

ここはFタイヤで水を巻き上げるのでよく錆びる場所です

慎重にしても殆どが折れるのでさっさと折って切り取った方が早いです

エンジンをサンドブラスト処理しました

腐食も根こそぎ綺麗になりました

エンジンの塗装をしました!

半艶の黒塗装です

クランクケースのボーリングもダミーシリンダーにて完了です

クランクケースを洗浄し550クランクとコンロッドを組み込みます!

クランクメタルとコンロッドメタルを交換しクリアランス測定をしました!!

そしてミッションを組みます!

ギア抜けもなく良好です

ロアケースを組み!

ボルトはステンの綺麗なネジに変更しました

オイルポンプをワンウェイクラッチを組んでオイルパンを組んでエンジンを

ひっくり返します!

強化クラッチを組みゼファークラッチを移植します

クラッチカバーを組んで!

腰下完成です

次はシリンダーヘッドを修正します

45度面をシートカットし70度でシートリング内径を拡張しました

全箇所のシートカット完成です

バルブのカーボンを落とし45度面を研磨機で修正します

吸気のバルブの1本に異物を噛み込んだ痕跡があるのでこれを修正するとバルブサイズが変わってしまうので良品に交換します!

修正完了です

バルブの擦り合わせをして圧力検査をしてヘッドを組み立てます

こちらのオーナー様もポート径拡張です

排気ポートも拡張です

シリンダーヘッドのフィンは研磨無しでのオーダーです

ヘッド完成です

次はシリンダーとピストンのクリアランス測定をします

ダイヤルゲージを入れて!

測定完了です

ビッグブロックシリンダーとピストンを組みます

そしてシリンダーヘッドを組みます

フィンを研磨しない真っ黒の仕様が最近多いです

カムシャフトを組んでタペット調整します

そしてヘッドカバーを組みます

エンジン完成です

エンジンをフレームに搭載しエンジンに火を入れます

快調です

しかしガソリンコックに不具合が・・・・

負圧式なのですがガソリンが噴き出してきます

通常はキャブのフロートバルブで止まるのですが実はこの現象かなり危険なんです

フロートバルブに小さなゴミが引っかかると微弱ながらオーバーフローし停止中のエンジンにガソリンが侵入します。

するとピストンの上にガソリンが溜まってきます!

そして知らずにセルを回すと・・・・・

気体は圧縮出来ますが液体は圧縮できません・・・・・

エンジンがオシャカになります

なので!

手動の自然落下式に変更です!

エンジン停止中はOFFにする必要がありめんどくさいと言う人も居ますがこれが一番安全で壊れにくい

半数ぐらいの人は手動式にしています

工場の周辺を走りキャブの微調整をしてこの日は

かな福へ行く事にしました

肌寒くなるとうどんが恋しくなります

かな福に到着すると・・・・・滝汗

ガーン・・・・・!!

この日は休みでした

またリベンジに来よう・・・

Z710Jエンジンは絶好調

怪物エンジン完成です