佐賀県 ○○様 Z400FX 710ボアアップ

大変長らくお待たせしました

本日は佐賀県よりボアアップでFXが入庫です!

実は1月より非公開で制作していたゼファーがあり車検等でバタバタしてます

この大阪のお客様のゼファーを制作してました

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出来たのがこの初期型ゼファー外観ノーマル風

でもGPZエンジン搭載腰下ゼファーミッション550クランクエンジンにゼファー750キャブ

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一型・二型はこの親子メーターです

私の高校生の頃はこの親子メーターは不人気で外して後期型の砲弾メーターに交換するのが当たり前だったのですが最近はこの初期型メーターが高額で取引されます・・・・

昔はタダでもいらんって言っていましたが一型・二型ユーザーではこのメーターが良いって人が多いんです・・・・・

FXユーザーで言えばE4のリミテッドでしょうか・・・・

赤のパーツが嫌で黒く塗りつぶしていましたが今ではレア車となっています

今のグランプリスペシャルでレストアされた物かはコーションラベルを見れば一発で分かるんですがね

あとブラックメッキのリムやマフラー!

なかなかゼファーユーザーにとっては凄い時代なのかな・・・

私が高校生の頃は5万円前後で売り買いしてましたが

FXのエンジンに取り掛かります

今車両に乗っかっているエンジン(ワイセコ615)とは別に710エンジンを制作します

車両と一緒に入庫したのがこのエンジン二機です!

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左のFXエンジンがベースで右のゼファーエンジンは部品取りです

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部品取りのゼファーエンジンはケースが割れ!

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コンロッドメタルが焼き付いてますが!

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必要なミッション回りの部品とクラッチ回りの部品を救出

欲しい部品は見事なコンディション

エンジンをマスキングしてサンドブラストします

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下処理が出来ました

エンジンのペイントをしました

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クランクケースのボーリングも完了です

エンジンの色は半艶ブラックです

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エンジン内部の部品を洗浄していると!!・・・

ピンときました!!

この太さのスプリングの破片は!

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シフトドラムを位置決めするスプリング・・・・

ボルトの中に差し込むので破片がエンジン内部を旅行することはないのですが・・・・

勿論交換!

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このスプリングが折れているのは初めてでした

550クランク・コンロッドを組みクランクメタル・コンロッドメタルを交換しクリアランス測定をします

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そしてミッションはゼファー!!

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このエンジンのオーナー様のZ400FXは改造車

と言うかレーサーに保安部品を付けた車両です

大排気量相手にFXで挑むつわもののFX乗りです

Rタイヤが150サイズ(コンチネンタル)なのでゼファーミッションでFスプロケを4ミリ内側へオフセットしRスプロケを1.5ミリ外へオフセットさせます

ちなみに170サイズまではゼファーミッションで装着可能です!!

走りを重視すると個人的には160サイズ前後が一番良いと思うのですがドレスアップカスタムが過激になりFXに180サイズを入れたり・・・・・

もう「太けりゃ凄い」みたいな論調になりがちの時代・・・・

実際には160前後が一番グリップしてくれるのですが

太すぎるのはバンク角が浅くなりエッジが効かないので危険です!!

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ロアケースを組みます

ネジはステンのボルトに変更です!!

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そしてスタータークラッチとオイルポンプを組みます!

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ゼファーオイルパンを組んでひっくり返します

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強化クラッチを組みます

一時減速はゼファー400でクラッチもゼファーです

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腰下完成です!!

FXユーザーにとってゼファークラッチは神がかったパーツです

このクラッチがないと710ccのエンジンこの世に生れませんでした

一時減速を550を組み二次減速を調整すればFXクラッチでの710も可能ですがボロでも高額で550の一次減速はロクな物がありません

そこでゼファークラッチが輝きます

こんな高性能な部品を民間企業が制作すると10万前後で売り出さないといけませんがゼファーの部品どりエンジンの相場は数千円

送料込でも1万5000円ぐらいでしょうか!!

GPZ400Fのクラッチとゼファーでは全然別物!!

異次元の性能の違いがあります

次はシリンダーヘッドです

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これからシートカットするのですがこの持ち込まれたヘッドはGPZ400F!!

フルパワー化ですが超長期放置されていたみたいです

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シートリングが錆びてボコボコ

45度面も錆びていたのでボコボコです

こんなヘッドは腕と経験がものを言います!!

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45度面を少しずつ加工し面が出た瞬間ストップして70度でボコボコの面を削り取り60度と30度で45度面の内と外を整えます

このヘッドは一つのシートリングに対して4面加工です

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全てのシートリングの修正が完了しました

次はバルブを研磨しますが!・・・

このGPZエンジンが降ろされ放置された原因!

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サビが回っていますがそれが原因ではありません

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バルブの傘が溶けています

ここのシリンダーは焼けたみたいです

エンジンが焼ける原因ナンバー1は回し過ぎ

これが圧倒的に多いのですが次に多いのが!意外と・・・

マニーホールドの劣化が原因です

マニーホールドが劣化し二次エアーを吸うとそこのシリンダーは極端にガスが薄い状態となり高温になります!!

GPZはマニーホールドのOリングが細いのでへたりやすいです

で!対策として!

マニーホールドを新品に交換する時液体ボンドを塗布してから組む

これが一番です!!

シリンダーヘッド側も面は腐食してボコボコなことが多く新品に交換しても二次エアーを吸う場合があります!

GPZかZ400GPヘッドにしてゼファーマニーホールドでゼファーキャブの組み合わせもも良いです!!

ゼファーマニホのOリングは太いのでへたりにくいです!

それでも液体ボンドの塗布は必要です!

塗って組むのと塗らずに組むのとでは寿命が全然違います

この焼けたバルブはゴミで良品のバルブに交換します

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カーボンを落として45度面を研磨するのですが!

研磨中に違和感・・・

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45度面に白いブツブツがあるのが見えるでしょうか?

これは不純物です!!

バルブは合金なのですが製造中に不純物が混ざったらこーなります

この不純物は異常に硬く研磨すると引っかかります

このトラブルは150本に1本ほどあります

普段は写真に撮るのがめんどくさいのでこんなバルブは無断で処分して勝手に良品に交換してます

なので「新品のバルブに交換すると大丈夫!」は都市伝説です

新品でも疑うべきなのですが普通はここまで見る人はいませんね

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合計3本のバルブを交換し45度面の修正完了です

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で!!

今回のシートカットは45度面のサビが深かったのでカムを仮組しタペット調整します!

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この二本のバルブは突き出し量が多いので0.2ミリと0.1ミリバルブヘッドを研磨し焼き入れしました

2.30以下の薄いシムが入らないよーにしときます

そーすると次オーバーホールしたいと思えば出来ます

今回のOHが最後ではなく次OHしたいと思った時出来るんです

この組み方は次このエンジンを開けたエンジニアがプロだと「凄い!」と思える組み方です

次ヘッドを修正する時に低コストで修正できるからです

2.0のシムだとシートカットできないので莫大な費用を払いシートリング打ち替えかヘッド交換になってしまします

Zなんかはシートカットし過ぎて「あっちゃー」な物が多いです

人為的ミスでヘッドを壊したよーな物です。

シートカットし過ぎて2.0のシムが入ってもお客様にとっては同じで「オーバーホールしてシートカット済み」と言えばわかりませんからねでも仕事の内容は全然違います

すり合わせをして圧力検査に合格したのでヘッドを本組みしました

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吸気ポートを拡張し!!

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排気ポートも拡張しました

フィンは研磨せず真っ黒エンジンのオーダーです

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このヘッドの修正で1日仕事なのですがこれだけバルブとシートリングを修正しても追加料金は発生しません(ポート径拡張は別料金です)

こんな仕事は朝飯前なので

逆に!たまにはこんなヘッドがないと腕が鈍るので気分転換にはちょうど良いです

ビッグブロックが仕上がったのでピストンとのクリアランス測定をします

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測定完了

完璧です

ピストンとビッグブロックを組みます

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さいほどリビルドしたフルパワーヘッドを組みます

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マッドブラックエンジンでカッコいいです

カムシャフトはゼファーを組みます

低速トルクはゼファーが圧倒的に有利です

で!

ハイカムシャフトとポート径拡張だとどちらが威力あるか?

疑問に思う人も多いかと思いますが!

ゼファー・FX系エンジンは絶対にポート径拡張です

安くハイカムより効率良くパワーを上げることが出来ます!!

シートカットで70度で加工することでさらに威力を発揮します

またエンジンの冷却効果もあります

カムはパワーを上げると言うよりエンジンの特性を大きく変化させるパーツです

ゼファーのカムはトータルバランスが良く下から上まで綺麗に吹けます

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そしてこのFXが今回入庫している615レーサーです

慣らしの為に車検を取得し保安部品を装着されています

615の補修用ピストンです!

と割り切って組んであるみたいですがやはりサーキットでは遅くて退屈

なので710エンジンに積み替えます

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615エンジンを降ろします

話しが変わりまして!!

今月2月11日はりくまるの誕生日だったので今年で2歳になりました!!

誕生日に嫁がりくまるにケーキを買ってきたので食べさせることに

(犬用)

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ケーキが好きなわけではなく食べ物が好きなのです。

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こーゆー時だけおりこうさん

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あっと言う間に食べてしまいました

去年と今年で3台!!

この3台とはデジカメが壊れた・消息不明になった数です。

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一つ目は誰が噛み砕いたのでしょう・・・・

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二つ目は誰が庭に埋めたのでしょう・・・・

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三つ目は亡骸(デジカメ)もありません・・・・

犯人は誰か・・・・

ヤマダ電機の店員さんに「いつもの」と言うと

「デジカメですね!」と言われるよーになりました・・・・

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エンジンを積み替え点火

絶好調です

このFX!実はZ400FXのE4Bです

フレームから足回りまでバリバリに改造されているのでわかりませんがね

Z400GPの後に再生産されたFXなんです

来月ボアアップのお客様も偶然Z400FXのE4Bで入庫してます

来月のお客様はオリジナルに限りなく近い状態です

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早速試乗で万葉岬に行きました!!

でもキャブが不調・・・

615の時始動させて軽く吹かすと違和感の感じたのですが交換するのを忘れてた

早速工場に帰り!

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ニードルジェットを抜き取りました

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CRキャブで外観が年期入っていたら要注意

上の写真の部品が消耗しています

OHしても不調な場合この部品を真っ先に疑って下さい

ここが消耗しているといくら頑張ってもセッティングできません

ここを交換せずCRキャブを加工したり社外パーツを組んでも効果はありません

消耗したCRキャブは消耗品を交換するのが基本中の基本です

そして上のニードルジェットを交換して快調になる確率は60%ほどでしょうか・・・・

交換しても不調な物はキャブ本体のトラブル(摩耗)なので交換が必要です

キャブも消耗品ですからね

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七曲りに来ました

絶好調

CRキャブ復活です!!

そして先月仕上げたゼファーも試乗です

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最終点検完了です

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乗り比べるとゼファーの性能の良さをつくづくと感じます

佐賀県のZ710FXはフレーム補強から足回しまで戦闘的なカスタムが完璧にされFXの中ではトップクラスの速さを誇ると思うのですが!

ゼファーのノーマルにRショックとタイヤをラジアル化すると同等の走りをすると思います

こんな風に乗り比べるのゼファーがどれだけ高性能か分かります

フレーム補強はいらないし点火装置もノーマルでOKで純正のCVKキャブでも調子よければ十分走ります

まあ・・・FX乗りってのはそんなこと百も承知なのですがね